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生物工学研究室
生物工学研究室の研究内容を紹介します
生物工学研究室では、安定した農業生産と環境保全に役立つ技術開発を目的にバイオテクノロジーを用いた研究を行っています。
品種改良や品種識別に役立つDNAマーカーの開発
従来の農作物の品種改良では、目的とする形質を持つ個体の選抜に長い年月を要しました。これを短くするために、遺伝子解析技術を利用して、農作物の生長程度や時期によらず、いつでも選抜ができるDNAマーカーを開発しています。
また、愛知県のオリジナル品種を県外や海外への不当な流出や偽装から守るため、県育成品種を識別することができるDNAマーカーを開発しています。
LAMP法による迅速な病害虫診断
病虫害の防除はすばやく、確実に行う必要があります。そこで、病気や害虫を簡単に診断するために、LAMP法という遺伝子増幅方法を用いた診断法を開発しています。
この方法は、反応液を一定温度(60℃~68℃)で1時間反応させ、病気に感染しているかを目視 (反応液の白濁や蛍光色) で判定することができます。
この手法を用いてトマト黄化葉巻病を診断する検査キットを商品化し、多くのトマト農家で使用されています。
最近では、養液栽培で問題となっている高温性ピシウム菌による病害を農業現場で簡易に診断できる技術を開発しました。また、この技術と既存の病害防除技術や培養液の殺菌技術と組み合わせた「安全性診断マニュアル」を、他の研究機関(岐阜大学、岐阜県、三重県、静岡県)と連携して策定しました。
このマニュアルは、国立大学法人 東海国立大学機構 岐阜大学 環境社会共生体研究センター 菌類生態学(景山・日恵野)研究室の「養液栽培における高温性水媒伝染病害の安全性診断マニュアル」のページからダウンロードできます。
なお、本マニュアルは農林水産省「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(平成23~25年度)」により作成しました。
突然変異による県特産園芸作物の新品種育成
放射線(イオンビーム・X線)照射などの突然変異処理によって、今までにない形質を備えた品種の育成を行っています。
例えばキクでは、新花色や新花形等の変異形質を持つ新品種の作出を目指しています。
問合せ先
愛知県農業総合試験場
環境基盤研究部生物工学研究室
電話: 0561-41-8969(ダイヤルイン)
E-mail: nososi@pref.aichi.lg.jp