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LATS2がん抑制遺伝子の変異を有する悪性腫瘍に対する新規治療薬剤
LATS2変異疾患のための分子標的及びその利用(特願2019-191790)
概要
LATS2遺伝子変異を有するがん細胞においてSMG6遺伝子を抑制することが有効である可能性が示された。
従来技術の課題
悪性中皮腫は、主にアスベスト暴露で発症するがんであり、外科療法、化学療法、放射療法などを駆使しても現在なお患者の予後は悪く、新規の治療標的の探索が求められている。
課題解決の手段とその効果
LATS2がん抑制遺伝子は、悪性中皮腫はじめ、前立腺がん、非小細胞肺がんで遺伝子変異により不活性化することが知られている。本発明では、悪性中皮腫をモデルとして利用し、LATS2とSMG6の遺伝子を共に発現抑制したときに、モデルがん細胞の致死性を高めることを明らかとした。すなわち、LATS2遺伝子を有するがん細胞において、SMG6の発現あるいは機能を抑えれば、がん細胞を死滅させることが可能である。
主な利用分野/市場動向
LATS2がん遺伝子変異が原因となる腫瘍を持つ患者で、従来の標準治療やがん免疫療法が奏功しない患者が対象となる。SMG6を標的とした新たな薬剤の開発が期待される。
技術の詳細解説
LATS2遺伝子変異を有するがん細胞において、遺伝子のスクリーニングを行い、SMG6遺伝子を抑制すると細胞死が誘導されることを明らかにした。SMG6遺伝子はRNAの分解に関わる遺伝子である。LATS2遺伝子変異を有する悪性腫瘍細胞に対して、SMG6遺伝子を標的とした治療開発が期待される。
開発状態
インビトロの細胞実験でSMG6の抑制が細胞死を誘導することを確認した。
技術支援
【共同研究】 可
【技術指導】 不可
【サンプル提供】 可
開発機関
がんセンター
問合せ
愛知県知的所有権センター
電話 0561-76-8318
FAX 0561-76-8319
愛知県 経済産業局 産業部 産業科学技術課 (研究開発支援グループ)
電話 052-954-6370
FAX 052-954-6977