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人生の最終段階にあり心肺蘇生を望まない心肺停止傷病者への救急隊の基本的な活動ガイドラインを策定しました

ページID:0369572 掲載日:2021年11月4日更新 印刷ページ表示

1 救急隊を取り巻く環境

心肺蘇生を望まない傷病者に係る救急出動状況

近年、地域における地域包括ケアシステムやACP(アドバンス・ケア・プランニング)に関する議論がなされる中、119番通報で出動した救急隊員が、現場で傷病者の家族等から、本人が心肺蘇生を望んでいないとの意思を示される事例が発生し、その対応が課題となっております。

2 「人生の最終段階にあり心肺蘇生を望まない心肺停止傷病者への救急隊の基本的な活動ガイドライン」を策定しました

(1)救急隊の基本的な活動ガイドラインの策定

このような事案への対応については、平成29年3月31日に日本臨床救急医学会から救急隊の基本的な対応手順等の提言がされ、また、令和元年11月8日に総務省消防庁救急企画室から「平成30年度救急業務のあり方に関する検討会傷病者の意思に沿った救急現場における心肺蘇生の実施に関する検討部会」報告書について通知がありましたが、現状では統一的な救急隊の活動方針は示されていません。

そのような中、愛知県医師会や地区医師会等の御協力をいただきながら、愛知県救急業務高度化推進協議会において平成29年度から議論を重ね、「人生の最終段階にあり心肺蘇生を望まない心肺停止傷病者への救急隊の基本的な活動ガイドライン」をまとめました。

(2)ガイドラインの概要

このガイドラインでは、心肺蘇生を望まない心肺停止傷病者に対する救急活動の中で、本人の意思確認、家族等通報者の同意など一定の条件を満たした場合に心肺蘇生を中止し、そうでない場合は、通常の心肺蘇生を継続して医療機関へ搬送することとされています。

 【条件】 

 ・家族等から、心肺蘇生等を希望しない傷病者の意思の提示がある

 ・交通事故、自傷、他害等の外因性の心肺停止ではない

 ・家族等が心肺蘇生中止に反対していない

 ・傷病者の心肺蘇生を望まない意思表示が記載された書面があり、書面が傷病者及びかかりつけ医により作成されている(診療録を含む)又は、現場で書面を確認できないがかかりつけ医がわかる

 ・かかりつけ医に連絡がつく

 ・かかりつけ医に、傷病者が人生の最終段階にあること、傷病者本人が心肺蘇生の実施を望んでいないこと等が確認できる

 ・かかりつけ医から心肺蘇生の中止指示がある

(3)ガイドラインとしての性質

事案における活動の事後検証や救急隊員の教育のため、救急隊の対応内容についてできる限り県内統一の取扱いができるよう、各地区メディカルコントロール協議会の意見を踏まえ、人生の最終段階にある傷病者本人、家族等及びかかりつけ医の納得性の高い対応を基本に標準的な活動ガイドラインとして策定されました。

3 今後の運用に向けた調整

地区メディカルコントロール協議会単位での救急隊の対応内容の調整

今後、地域の関係者とともに、各地区メディカルコントロール協議会が中心となり、このガイドラインを基本に救急隊の具体的な対応方法についての議論を深め、調整が整った地域から運用を開始します。

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