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行財政改革に関する有識者アンケート調査結果について
行財政改革に関する有識者アンケート調査結果について
本県では、社会経済情勢の大きな変化や、地方分権改革の推進及び組織の活性化などの重要課題に対応するため、今年度、新たな行革大綱を策定することとし、現在、その策定作業を進めているところです。
大綱策定に当たっては、学識経験者等の方々からなる愛知県行革大綱策定検討委員会を開催し、専門的かつ総合的な立場から意見を求めるほか、広く県民の皆様等からの意見や提言を受け、これを反映させていくため、アンケート調査などを実施しています。
この度、その取組の一つとして、県行政に参画する有識者を対象とする行財政改革に関するアンケート調査を実施し、結果がまとまりましたので、お知らせします。
1 調査の概要
項目 | 内容 |
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(1)調査テーマ | 愛知県の行財政改革 |
(2)調査対象 | 県行政に参画する有識者200人 (県の附属機関の委員の中から無作為抽出) |
(3)調査方法 | 郵送法 |
(4)調査期間 | 平成21年5月22日から6月8日まで |
(5)回答者数 | 79人(回収率39.5%) |
(6)調査項目 | 10問(選択式2問、自由記入式6問、選択+自由記入式2問) |
2 調査結果
別添「行財政改革に関する有識者アンケート調査結果」のとおり
行財政改革に関する有識者アンケート調査結果報告書
- 報告書 (houkokusho [PDFファイル/453.20 KB])
行財政改革に関する有識者アンケート調査結果報告書
概要 |
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○ これまでの県の行財政改革の取組について、“努力している”は約7割〔設問1〕 |
設問1 行財政改革の取組の評価 〔選択+自由記入式〕
県の行財政改革の取組状況については、「まずまず努力している」が53.2%と最も多く、「よく努力している」(19.0%)を合わせた、“努力している”と評価しているのは72.2%であり、一定の評価が得られていることがうかがえる。
反対に、「もう少し努力すべきである」(17.7%)と「もっと努力すべきである」(5.1%)を合わせた、“努力すべきである”と評価しているのは22.8%であった。
主な意見 |
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○“努力している”を選択した者の意見 |
設問2 地方分権の推進について 〔自由記入式〕
県から市町村への権限移譲の推進について、その有効性と具体の推進方策を提案する意見のほか、住民サービスの低下への配慮、市町村への人的・財政的措置の必要性を指摘する意見等があった。
また、その他にも県のあり方・役割に関する意見、道州制に関する意見等が寄せられている。
主な意見 |
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○市町村への権限移譲について |
設問3 県民との協働・民間活力の活用について 〔自由記入式〕
NPO等県民との協働、民間委託の推進、市場化テスト・指定管理者制度・PFI等の取組、それぞれについて、有効性を指摘する意見や、現状の問題点を指摘する意見、その他留意すべき事項を提案する意見等があった。
主な意見 |
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○NPO等県民との協働について |
設問4 組織・機構の見直しについて 〔自由記入式〕
組織・機構のあり方や、本庁と地方機関の機能分担に関して、現状の問題点を指摘する意見や見直しの視点を提案する意見が寄せられたほか、組織内の体制・職員意識に関する意見、その他種々の行政課題に対応する見直しの提案等に関する意見等があった。
主な意見 |
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○組織・機構の見直しについて ・県庁や地方機関の組織、機構は県民にわかりやすいものにしてほしい。 ・相変わらず縦割り行政になっている。部局間の横のつながりが希薄である。 ・地方機関は単に数を減らすのみではなく、統合等による機能強化を図ることが必要。 等 ○組織内の体制・職員意識その他 ・実務体制の機能強化として、知識やノウハウ、担当者の意欲を高める取組が必要。 ・民間でできる事業は民間に任せて組織のスリム化を図ることが、本来の県庁機能の強化になる。 等 |
設問5 定員・給与の適正管理と人材の育成・活用について 〔自由記入式〕
職員の定員や給与のあり方について、更なる削減を求める意見のほか、人材の確保や職員の士気昂揚のため、適正な処遇等の必要性を指摘する意見、職員の専門性に関する問題を指摘する意見、多様な任用形態をとるべきとする意見等があった。
主な意見 |
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○定員・給与の適正管理について ・定員と給与の減は勇気をもってやる。職員は給与のためでなく、やりがいのある仕事と将来に胸を張って残せる仕事を求めている。 等 ○人材の育成・活用等について ・優秀な人材の確保、適材適所は人事の要諦であり、職員の士気を昂揚していくためにも処遇の改善、人事異動の適正に努めること。特に昇任システムに工夫をする必要がある。 ・県職員のプロ意識を問いたい。もっと各人に勉強してほしい。 ・数年ごとの配置換えはやめるべきである。 ・多様化・高度化する行政ニーズへの対応策として民間企業経験者の採用を行う等、保守的になりがちな行政の活性化を図ることも必要である。 等 |
設問6 施策・事務事業の見直し、公の施設の見直しについて 〔自由記入式〕
施策や事務事業の見直しでは、更なる選択と集中を求める意見、収益性以外の視点の重要性など、見直しの視点や手法を指摘する意見のほか、見直すべき施策や重点化を図るべき施策を提案する意見等があった。
また、公の施設の見直しについても、更なる整理統合や地元移管を始め各種方策の活用を求める意見のほか、見直すべき施設や充実をはかる施設を提案する意見等があった。
主な意見 |
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○施策・事務事業の見直しについて ・財政運営が厳しい中、事業の選択と集中がこれまで以上に求められている。 ・成果主義や効率性の重視も重要だが、利益性の低いものでも公的な事業として行政が取り組むものもあるので、一律に切り捨てにならないよう配慮が必要。 ・「新規事業」とされたものの中には、内容が従来のものと酷似しているものがある。見直しの実利が何かを考えること。 等 ○公の施設の見直しについて ・専門的に特化された医療施設や文化施設など、県の個性や他の地域との差別化に繋がる施設も重要。 ・将来にわたって県税収入の減少が予測されるため、大幅な県有施設の整理統合が必要である。単に利用率等の数値に囚われることなく、県有施設としての存置の意義及び必要性を県民の視点で検討し、地元移管、PFI等各種方策の活用により常に県民の視点に立った行政サービスの提供に努めること。 等 |
設問7 財政の早期健全化と弾力性の確保について 〔選択+自由記入式〕
財政の早期健全化・弾力性の確保については、「行政経費削減などの効果が期待できれば、県の行政サービスが一時的に低下することになっても、行財政改革を進めるべきである」が41.8%で最も多く、「次世代に負担を先送りしないためにも、徹底した行財政改革を行うべきであり、そのために県の行政サービスがある程度低下することはやむを得ない」(19.0%)と合わせると約6割(60.8%)が、財政の健全化に重点を置きながら行財政改革を進める方向性を支持している。
一方、「行政サービスが低下しない範囲で行財政改革を行うべき」(25.3%)、「行政サービスが低下するくらいなら、当面財政が悪化しても、行財政改革は行わないほうがよい」(2.5%)とする意見も約3割(27.8%)となっている。
主な意見 |
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・今回の経済危機は回復までに長期間を要し、回復後も以前の水準までは戻らないことが懸念される。次世代に負担を先送りしないことが最優先事項。各職員の業務の見直しを含め、サービスレベルをある程度落としても行財政改革に取り組むという強い姿勢が必要。 ・行財政改革を本気で進めようとすれば「できないものはできない」と県民にはっきり伝えるべき。県民は何でも行政に依存する体質から脱却するべきであり、本当に必要なサービスは何かを選択しなければならない。行財政改革によって却って地域の底力が再生されていくような形が理想である。 ・行政サービスと行財政改革を二項対立的に取り上げるのは健全性を欠く。行財政コストでさらに節減できるものは節減し、公共事業で将来に先送りできるものは先送りするなどによって財政支出を抑制すべき。一方で、将来の投資という観点から、人づくりやものづくり、研究開発に重点を置くべき。 ・行政経費削減を主とした改革は改革とは言えない。組織全体が環境変化に適応できるようにしていくことが本来的な行財政改革である。 ・「徹底した内部努力」について職員にどれだけの意識があるのか疑問。どれだけの犠牲を払ってはじめて徹底した内部努力と評されるのかを考えること。 ・法人税や住民税が伸びる方策としての産業政策、多種多様な産業を育成など、収入の拡大に積極的になるべき。 等 |
設問8 今後の行財政改革において重点を置くべき取組事項について 〔選択式〕
「県民のニーズに応える、より良い施策・事業が実現するよう県の政策立案機能の強化を図る」が38.0%と最も多く、次いで「市町村の自主性・自律性が高まるよう県の事務権限の移譲や必要な支援を行う」(31.6%)、「職員研修の充実や多様な任用形態の検討など人材の育成と活用を図る」(30.4%)となっている。
設問9 県職員に求められる能力・資質について 〔選択式〕
「責任感・使命感」が59.5%と最も多く、次いで「コスト意識・経営センス」(36.7%)、「企画立案能力・政策形成能力」(34.2%)となっている。
設問10 その他の意見・提案等 〔自由記入式〕
主な意見 |
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・行財政の現状に対して強い危機感をもって改革に取り組むこと。 ・これから明るい将来展望をつくっていくための積極的な行革にしてほしい。 ・他の自治体の成功例、アイデアや方法を研究し、活用すること。 ・行財政改革は、社会経済に負の循環を与える危険性を持つことに留意すべき。 ・世界的に不景気で大変な時代であるが、未来の子ども達のためにも今までどおりの県民サービスを継続していってほしい。 ・介護や医療サービスを受けにくく困っている県民の不安を取り除き、高齢化社会に対応した安心、安全な県政を目指せるように考えて行財政改革をしてほしい。 ・企業が、今後、近隣の企業との更なる連携、効率化による地域産業の活性化に取り組んでいくため、素材産業の振興を強化する取組や体制の確立など、官民一体となった取組方策を検討してほしい。 ・名古屋市だけでなく、中核となれる市が多い。県の役割を可能な限り小さなものとし、その分をすべて中核となる都市へ移譲すべき。 ・愛知県政のよい伝統は「優秀な職員」と「改革の連続」により守られていることをすべての職員・組織が認識し、今後もたゆまぬ努力をしていくことを期待。 ・県職員の給与が高いという批判に耐えているだけでなく、「これだけの仕事をしている」と胸を張って仕事に励めば、県民は認容すると思う。 ・退職後に、天下りするケースが多いのではないか。 等 |
問合せ
愛知県 総務部 総務課
行政改革推進グループ
担当 加藤・坂野
内線 2121・2123
ダイヤルイン 052-954-6026