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総合的なうなぎ資源保護対策について

ページID:0232880 掲載日:2019年4月1日更新 印刷ページ表示

総合的なうなぎの資源保護対策について

 うなぎ養殖の種苗となる天然しらすうなぎの不漁が続き、県内のうなぎ養殖業は大きな打撃をうけています。また、川の天然うなぎの生息数も減少を続けており、うなぎ資源の減少が危惧されています。

 そこで、県内の内水面漁協及び養鰻関係団体並びに愛知県が連携して、次のような総合的なうなぎ資源保護対策を平成24年10月から実施しています。

総合的なうなぎ資源保護対策

1 下りうなぎの保護

・内水面漁協は、産卵のため海へ下る「下りうなぎ」の漁獲を自粛し、漁獲した場合は再放流します。

→「下りうなぎ」とは

・ポスターを作成して釣具店等に配布し、遊漁者にも呼びかけを行います。

下りうなぎ保護啓発ポスター


下りうなぎ保護を啓発するポスター

2 しらすうなぎの保護

・川へ上る「しらすうなぎ」を保護するため、養鰻関係団体等の協力のもと、県は採捕許可期間の縮減を行います。

3 うなぎの放流

・養鰻関係団体と河川漁協は、三河湾、県内河川へうなぎを放流して、生息数の増加を図ります。

うなぎの放流の様子

うなぎの放流の様子

・養鰻関係団体と県水産試験場は、放流をより効果的にするため、雌うなぎの割合を高める育成技術を協力して開発します。

問題の背景

 うなぎは東アジア周辺で4年以上かけて成長したあと、日本から2,000kmも離れたマリアナ諸島近くへ移動し、産卵します。そして、孵化した稚魚は変態しながら、海流にのって再び日本へやってくることがわかっています。しかし、「どのようなルートで産卵場所へ向かうのか?」、「産卵場所はどうやって決まるのか?」、「オスとメスがどのように出会うのか?」といった、詳しい生態については謎につつまれています。
うなぎの回遊経路((独)水産総合研究センターHPより転載)

うなぎの回遊経路((独)水産総合研究センターHPより転載)

 生態に謎が多いので、うなぎ資源の減少の原因については、はっきりしたことは分かっていませんが、以下の3つが有力な説として考えられています。

 1 海流等の海洋環境の変化により日本周辺への来遊量が減少

 2 河川護岸のコンクリート化等の生息環境悪化によるうなぎの住み処・餌の減少

 3 天然うなぎの乱獲

 1は人の手が届かない問題、2はすぐに改善することが難しい問題です。3は我々人の手ですぐに取り組むことが可能なものです。平成25年2月には環境省がうなぎをレッドリスト絶滅危惧種1B類に指定し、国際機関も絶滅危惧種指定を検討している状況です。

 

できることから取組を開始し、うなぎ資源の回復を図っていくことが大切です。

 
 

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