漁況速報　～おさかな旬報～

ページID：0385735 掲載日：2024年12月18日更新印刷ページ表示

　水産試験場では、知多地区の市場を中心に、漁獲物の調査や測定などを行っており、漁況概要や主要漁獲物の漁獲動向について、旬ごとに最新の情報を紹介しています。

　この市場調査の際にみかけた旬でおすすめの魚介類や珍しい魚など、タイムリーな愛知県の地元水産物を紹介しています。地産地消や食育への取組、地元あいちの水産物をお求めになる際などに、参考にしていただけるかもしれません。

漁況概要　

各漁場と主な漁獲物

伊勢湾：ガザミ、カタクチイワシ、クロダイ、ジンドウイカ、あかしゃえび、サワラ、トラフグ、マダイ、イワガキ、タチウオ、ハモ

三河湾：クロダイ、カタクチイワシ

渥美外海：トラフグ、マダイ、ヒラメ、チダイ、カワハギ、メイタガレイ、ホウボウ、ケンサキイカ、ハモ、アオメエソ、ニギス、アカムツ

　　　　　　　　　　10月下旬の旬の漁模様（今旬に新たに追加された魚種は赤字で示しています。）

市場レポート

豊浜・片名（ふぐはえ縄）・西浦市場概況写真集（2024年12月下旬）

なまこ類マダコ

ガザミスズキ

アンコウ類アカエイ

マダイアマダイ類

トラフグシマフグ

アカムツアカザエビ

アオメエソニギス

ユメカサゴイボダイ

スルメイカキダイ

小型エビ類アカガイ

おさかな紹介コーナー

コショウダイ

コショウダイ市場写真1 コショウダイ市場写真2

コショウダイ（若齢）コショウダイ（老齢）

　伊勢湾と渥美外海でコショウダイが獲れています。コショウダイは、その名の通り、体側にコショウがまぶされたような黒い斑点をもつのが特徴です。しかし、その斑点は、大きくなるにつれて薄くなっていき、目立たなくなってしまいます。そのため、高齢のコショウダイでは、まったくコショウがみられないなんてこともあったりします。

　そんなコショウダイのお味の方は、その名に反してまったくコショウ味はなく、淡泊な白身をしています。そのため、どんな料理にもよく合い、刺身はもちろんムニエルなどでも美味しくお召し上がれますよ。ぜひみかけたら味わってみてください。

カマス類

アカカマスの市場写真

ヤマトカマス

　伊勢湾、三河湾および渥美外海でカマス類が獲れています。愛知県で漁獲されるカマス類は、主にアカカマスとヤマトカマスです。お店でよくみかける「カマス」と言えば、アカカマスのほうであり、「本カマス」とよばれることもあります。一方で、ヤマトカマスはスーパーや飲食店などではあまりみかけられないかもしれませんが、市場近くの鮮魚店等でお目にかかれるかもしれません。ヤマトカマスはアカカマスと比べて少し水っぽく、より鮮度が大事になるのですが、獲れたてのヤマトカマスのお刺身も美味しいので、ぜひ市場近くのお店まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

ヤリイカ

ヤリイカ市場写真1 ヤリイカ市場写真2

　渥美外海でヤリイカが獲れています。愛知県では、ヤリイカの資源保護のために、春以降に発生する小型個体について、例年9月まで成長を待ってから漁獲をする取り組みをしています。この禁漁期間が解禁されて以降、市場ではヤリイカがみられるようになってきました。

　ヤリイカは、その漁場形成において水温と密接な関係があることがわかっており、愛知県海域では16℃以下の水温で漁場が形成されます。特に、2022～2023年は、愛知県海域が高水温傾向であったため、市場でヤリイカの姿を見ることがなかなかできませんでした。この高水温傾向の要因は、日本の太平洋側を北上する水温の高い海流である黒潮が、愛知県に接近した影響が大きいと考えられています。2024年は、黒潮が愛知県海域から離れており、深い海域で水温が2022、2023年と比べて低い傾向となっています。そのため、今年は全盛期の勢いではないものの、ヤリイカの姿を目にすることができています。

　そんな待ちに待ったヤリイカは、ソテーやお刺身で美味しく味わえるほか、どのような料理にもよくあいますよ。鮮魚店等でみかけたら、ぜひ味わってみてください。