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ヨシエビの放流適地解明に向けて
ヨシエビの放流適地解明に向けて
ヨシエビは内湾で漁獲される比較的大型のエビで(図1)、クルマエビに次ぐ高級エビとして知られています。愛知県で水揚げされるヨシエビはその生涯のほとんどを伊勢・三河湾内で完結すると考えられていることから、湾内で操業する小型底びき網漁業者からの種苗放流の要望が高い魚種でもあります。近年は全長11.0~17.0 mmの種苗400万尾以上を伊勢・三河湾内に放流しています。
栽培漁業グループではこれまでに伊勢湾で漁獲されたヨシエビの漁獲場所、サイズ、性比、成熟状況等を調査し、伊勢湾に生息するヨシエビは湾中央部で越冬し7~8月に産卵すること、稚エビは河口域で成長することなどを明らかにしました。
平成20年度からは、三河湾での放流適地の検討を行うため、矢作川河口域において稚エビの生息状況を調査しています(図2)。放流サイズ(全長約15 mm)に近い稚エビは矢作川河口から上流へ1.5~2.0 kmの範囲で多く採捕され、全長30 mm以上の個体がほとんど確認できなかったことから、この範囲が稚エビの放流適地であると判断されました。全長30 mm程度まで成長した稚エビについては次第に河口域から内湾へと生息場を移すと考えられます(http://nria.fra.affrc.go.jp/hakko/guidebook/3-4.pdf)。図1 小型底びき網で漁獲されたヨシエビ
図2 調査風景(ケタ網の投入)
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