ホーム年間スケジュール 瀬戸―かく焼き繋ぎの主な展示作品

主な展示作品

主な展示作品

瀬戸陶業之図

[絵画資料]
瀬戸陶業之図
亀井半二
天保十四年(1843年)(19世紀)
個人蔵



名古屋を中心に活躍した絵師の亀井半二が瀬戸の窯場の風景を詳細に描いたものである。そこにはまさに本業と新製の時代に生きた人々がそれぞれの役割に従って働く瀬戸ならではの姿がリアルに描かれている。

麦藁手片口

[本業]
麦藁手片口
瀬戸
江戸時代後期(19世紀)
個人蔵



瀬戸は江戸時代をとおして、様々なくらしの器を作り続けた。麦藁手は、江戸時代後期に流行し、現在でも人気の高い文様で、縦方向に連続して線文を引いたものである。本品では鉄(2色)と呉須(1色)の3種の線を交互に引いている。

染付唐草文茶臼

[新製]
染付唐草文茶臼
瀬戸 加藤吉右衛門
江戸時代後期(19世紀)
個人蔵



瀬戸の新製(磁器)の名品。磁器製の実用の茶臼であり、大変珍しい。茶を挽くという性質から重い粘土の塊である茶臼を破損することなく焼成することは、非常に難しいが、本品は破損、変形もない。その上、器体全面に描かれた唐草文が繊細で見事である。

瑠璃釉貼付稲穂雀文鉢

[新製]
瑠璃釉貼付稲穂雀文鉢
瀬戸 瀧藤萬次郎
明治時代前期(19世紀)
宮内庁蔵



明治期の新製(磁器)の大型植木鉢の優品。当時の皇居の宮殿内で実際に用いられていたと推測される。瑠璃釉と貼付文の精巧さは、瀬戸の優れた技術をうかがわせる。本作は名古屋の陶器商・瀧藤萬次郎が明治26年(1923年)年にシカゴ万国博覧会で配布した引札(広告)にも登場しており、同社が国内外に誇る最高級品であったことがわかる。

獅子座文殊型香炉

[新製]
獅子座文殊型香炉
瀬戸 川本半助(六代)
明治時代中期(19世紀) 宝泉寺蔵



染付太鼓胴花生

[本業]
染付太鼓胴花生
外山(戸山)焼
江戸時代前期(17世紀)
東京国立博物館蔵



戸山焼は、尾張藩江戸藩邸の戸山下屋敷で作らせた御庭焼であり、瀬戸から陶工を招請し、また土を取り寄せて製作された。大きく開いた四方形の開口部や太鼓胴、猿の人形などの造形には緊張感があり、また染付で頸部に葵紋、太鼓胴には巴文を描いている。