ホーム昭和レトロモダンの主な展示作品

主な展示作品

主な展示作品

QUADRILLE《MARKET PLACE》
昭和47(1972)年
三郷陶器株式会社
個人蔵



QUADRILLE(クアッドリール:英語)は4組の男女によるペアダンスを意味する言葉である。三郷陶器は70年代に入ると形状とともに、デザインにおいてもより自由度の高いものを手掛けるようになった。本品はブルー系統の彩色が主体の絵付けに、黄色や赤色を入れることで華やかな印象となっている。

Sango CASUAL COLLECTION《Chanticleer》
昭和35-44(1960)年代
三郷陶器株式会社
同社所蔵



本製品は 輸出向けに生産された。カジュアル・コレクションという名称からも、格調高いディナー食器とは異なる購買層への波及を狙ったと思われる。形状は縁(リム)を設けない丸形のクープシェイプと呼ばれるもので、パステルカラーで描かれた愛らしい雄鶏のデザインと相まって親しみやすい印象に仕上がっている。

ONE WORLD《AMISH COUNTRY》
昭和48(1973)年
三郷陶器株式会社
個人蔵



“デザインの三郷”を体現するONE WORLDシリーズは、本製品を含め8種類のパターンが作られた。デザインは日本やギリシャ、ノルウェーなど各国を代表する伝統的な意匠をもとに考案された。繊細な発色の絵付けと、波形にカットした口縁部の形状からは、デザイナーをはじめ絵付け加工や素地製造など、製造工程に関わった多くの人々の創意工夫がうかがえる。

《てまり》
昭和43(1968)年
鳴海製陶株式会社
同社所蔵



コバルトを用いた手描きの絵付けを、北欧のデザインテイストと掛け合わせ、グッドデザイン賞を受賞。ロングセラー商品となった。のちに生活の変化にあわせてリデザインされた本製品は、2014年にふたたびグッドデザイン賞を受賞している。

《ジャストフラワー》
昭和48(1973)年
鳴海製陶株式会社
同社所蔵



本製品は輸出向けとして生産された。当社製品の代名詞ともいえるボーン・チャイナの清廉な白素地に、水彩絵の具を思わせる手描き調の野花の絵付けが目を惹くデザインとなっている。1973年にアメリカで発売されると人気を博し、その後国内でも発売された。国内市場においても高い評価を得た本製品は、当社のベストセラーとなった。

《デミタスカップ&ソーサー》
昭和22-27(1947-52)年
ヤマカ製陶所
個人蔵



本製品は底部にはヤマカ製陶所の印とともに、「made in occupied Japan 」と記されている。これにより、GHQ占領下時代の製品であることがわかる。この時代の洋食器はそのほとんどが輸出向けに製造されており、戦後復興の一翼を担った。クリーム地に細やかな花模様の転写を施す組み合わせは、当時どのメーカーも手がけていたデザインである。手取りは軽く、当時の生産技術の高さを窺わせる。