表紙 アイチナゴヤ 二千二十六 アクセシビリティガイドライン 二千二十三年十二月 愛知県・名古屋市 公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会 目次 一 前文 一ページ 一ノ一 アイチナゴヤ二千二十六アクセシビリティ・ガイドライン策定に際し 一ページ 一ノ一ノ一 ガイドライン策定の目的 一ページ 一ノ二 ガイドラインの考え方 三ページ 一ノ二ノ一 ガイドラインの適用範囲 三ページ 一ノ二ノ二 ガイドラインを踏まえた整備 三ページ 一ノ二ノ三 基準設定の考え方 三ページ 一ノ三 ガイドラインの背景にある3つの基本原則 五ページ 一ノ四 アクセシブルでインクルーシブな環境整備 六ページ 一ノ五 ガイドラインで使用する用語とその定義 八ページ 二 技術仕様 九ページ 二ノ一 アクセスと移動 十ページ 二ノ一ノ一 通路と歩行空間 十一ページ 二ノ一ノ二 傾斜路 二十ページ 二ノ一ノ三 階段 二十九ページ 二ノ一ノ四 路面、舗装、仕上げ 三十五ページ 二ノ一ノ五 家具、カウンター、サービスエリア 三十七ページ 二ノ一ノ六 入口と出口 四十四ページ 二ノ一ノ七 ドアとドア周辺部 四十六ページ 二ノ一ノ八 エレベーターとエスカレーター 五十二ページ 二ノ一ノ九 非常時の対応策 六十一ページ 二ノ二 アメニティ 六十五ページ 二ノ二ノ一 概要 六十五ページ 二ノ二ノ二 会場の座席 六十五ページ 二ノ二ノ三 トイレ 七十四ページ 二ノ二ノ四 シャワー、浴室、更衣室 八十五ページ 二ノ二ノ五 カームダウン/クールダウンスペース 八十八ページ 二ノ二ノ六 ベビーケアスペース 九十ページ 二ノ三 ホテル及びその他の宿泊施設 九十三ページ 二ノ三ノ一 概要 九十三ページ 二ノ三ノ二 アクセシブルルーム 九十三ページ 二ノ三ノ三 一般客室 百一ページ 二ノ三ノ四 宿泊施設内の他のサービスと設備 百二ページ 二ノ四 刊行物とコミュニケーション 百五ページ 二ノ四ノ一 概要 百五ページ 二ノ四ノ二 刊行物 百五ページ 二ノ四ノ三 ウェブサイト基準 百十ページ 二ノ四ノ四 公衆電話とインターネット環境 百十一ページ 二ノ四ノ五 表示サイン 百十一ページ 二ノ四ノ六 コミュニケーション支援と補聴援助機器 百十七ページ 二ノ五 輸送手段 百二十ページ 二ノ五ノ一 概要 百二十ページ 二ノ五ノ二 道路輸送手段 百二十ページ 二ノ五ノ三 鉄道輸送手段 百二十六ページ 二ノ五ノ四 公共交通施設に関するその他の要件 百二十九ページ 三 アクセシビリティ研修 百三十一ページ 三ノ一 概要 百三十一ページ 三ノ一ノ一 はじめに 百三十一ページ 三ノ一ノ二 研修の目的 百三十一ページ 三ノ二 障害者等に対する接遇・アウェアネス(気づき)研修 百三十二ページ 三ノ二ノ一 説明 百三十二ページ 三ノ二ノ二 研修の範囲 百三十二ページ 三ノ二ノ三 研修の内容 百三十二ページ 三ノ二ノ四 研修のテーマ 百三十二ページ 三ノ二ノ五 専門用語 百三十五ページ 三ノ二ノ六 研修の実施方法 百三十五ページ 三ノ三 役割別研修 百三十五ページ 三ノ三ノ一 説明 百三十五ページ 三ノ三ノ二 研修の内容 百三十五ページ 三ノ三ノ三 研修プログラムの構成 百三十六ページ 三ノ四 会場別研修 百三十六ページ 三ノ四ノ一 説明 百三十六ページ 三ノ四ノ二 研修の内容 百三十六ページ 三ノ四ノ三 研修プログラムの構成 百三十六ページ 一ページ 1 前文 1ノ1 アイチナゴヤ 二千二十六 アクセシビリティガイドライン策定に際し 第二十回アジア競技大会、第五回アジアパラ競技大会以下、両大会は、アジアの 四十五 の国と地域が参加するアジア最大のスポーツの祭典であり、愛知、名古屋でこれらの大会が開催されることにより、国内外からアスリートや観客など多くの人々が訪れることとなる。両大会では、このガイドラインに基づき、障害の有無に関わらず、すべての人々が大会に向けてアクセスできるアクセシビリティを確保するための環境整備を図ることで、多様性を尊重し合う共生社会の実現に貢献することを目指す。 注 当ガイドラインの省略表記について 省略表記 組織委員会 正式な表記 公益財団法人愛知名古屋アジア、アジアパラ競技大会組織委員会 省略表記 開催都市 正式な表記 愛知県及び名古屋市 省略表記 ガイドライン 正式な表記 アイチナゴヤ 二千二十六 アクセシビリティガイドライン 省略表記 両大会 正式な表記 第二十回アジア競技大会 第五回アジアパラ競技大会 省略表記 アイピーシー 正式な表記 国際パラリンピック委員会 省略表記 アイピーシー ガイド 正式な表記 国際パラリンピック委員会が公表しているアクセシビリティガイド 省略表記 エーピーシー 正式な表記 アジアパラリンピック委員会 省略表記 会場 正式な表記 競技会場、その他の大会関連施設宿泊施設を含む 一ノ一ノ一 ガイドライン策定の目的 大会参加者、関係者のニーズに応える このガイドラインは、両大会のアクセシビリティに関する指針として策定するものである。 なお、先行するトウキョウ2020大会の「トウキョウ2020アクセシビリティ・ガイドライン」や大阪・関西万博の「大阪・関西万博ユニバーサルデザインガイドライン」等の記載の項目・内容を踏まえ、策定することとする。 このガイドラインの最も大切な目的は、組織委員会及び開催都市はもとより大会準備に関わるすべての関係団体・行政・事業者が、大会に関するアクセシビリティのニーズを理解し、アクセシブルな環境整備を考慮し、準備に反映することにある。 特に、アジアパラ競技大会では、参加する選手団の規模、その移動やサービスに関わる要求水準などを十分に理解して対応する必要がある。 二ページ 大会を契機としたアクセシブルな環境整備の促進 アジアパラ競技大会は、アジア地域におけるパラリンピック・ムーブメントの推進と競技スポーツのさらなる進展を図るために、アイピーシーの地域委員会であるエーピーシーの主催により開催される大会である。アイピーシー は、「社会的発展を促し、長期的なスポーツの発展と社会的なレガシーを残す手段として、開催国と共に活用する」ことをパラリンピック大会開催の目的の一つに掲げている。 一方、両大会では、大会コンセプトの一つとして「既存施設の活用」を掲げている。大会準備にあたっては、このコンセプトを考慮しつつ、観客及び選手を始めとしたすべてのステークホルダーがより一層利用しやすい施設となるようガイドラインを策定し、関係者と共有することで、大会を契機としたハード・ソフト両面の国際的な水準に基づくアクセシブルな環境整備を促進する。 さらに大会を契機として、大会に直接関わらない方々を含めてこのガイドラインを活用した自主的な環境整備に幅広く取り組んでいただくことで、全ての人を包み込む、分け隔てのないインクルーシブな地域づくりを推進し、レガシーとしての共生社会の実現を目指す。 三ページ 一ノ二 ガイドラインの考え方 一ノ二ノ一 ガイドラインの適用範囲 組織委員会及び開催都市は、このガイドラインを次の2つのエリア アスタリスク一に適用する。 マル一両大会のすべての会場のうち、アクセシビリティに配慮が必要なステークホルダーアスタリスク二 の活動エリア及び動線として組織委員会が選定するエリア マル二両大会の競技会場の周辺に所在する駅施設及び駅から競技会場までのアクセスルートとなる経路のうち、アクセシビリティに配慮が必要な観客の動線として開催都市が選定するエリア以下、アクセシブルルートという アスタリスク一 このガイドラインには個別の会場やルート、その中の特定エリアを規定しない。適用対象施設の所有者、管理者等と個別協議の上で選定するエリアを決定する。 アスタリスク二 このガイドラインにおけるステークホルダーとは、観客だけではなく、選手及び各国オリンピック委員会、各国パラリンピック委員会、国際競技連盟、マーケティングパートナー、アジアオリンピック、アジアパラリンピックファミリーと各国要人、放送事業者、プレス、スタッフを含む関係者を意味する。 一ノ二ノ二 ガイドラインを踏まえた整備 このガイドラインは、両大会における指針であり法的拘束力はない。 組織委員会及び開催都市は、適用対象施設の所有者・管理者等に対し、それぞれの計画に基づき、ガイドラインに即した施設建設・改修工事を実施するよう依頼し、まずはレガシーとなる恒常的な施設としての環境整備を働きかける。 ただし、恒常的な環境整備が困難な場合、仮設による整備、ソフト的対応(専用車等による移動支援、ボランティアによるサポート等)により、ガイドラインの趣旨を踏まえたサービス水準を確保する。 また、障害当事者等との意見交換や調査等を実施した各種整備については、意見交換等の結果をできる限り反映した工事を実施するのが望ましい。 一ノ二ノ三 基準設定の考え方 このガイドラインの基準は、関係する国内法令及び各種ガイドライン以下、国内法令等という。に基づき策定している。国内法令等には、以下のものが含まれる。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 カッコ法 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 カッコ国基準 愛知県人にやさしい街づくりの推進に関する条例 カッコ県条例 愛知県人にやさしい街づくり望ましい整備指針 カッコ県指針 名古屋市福祉都市環境整備指針 カッコ市指針 トウキョウ2020アクセシビリティガイドライン 大阪、関西万博ユニバーサルデザインガイドライン等 検討にあたっては、当事者団体や有識者等の意見を踏まえ、国内法令等との整合性を考慮しつつ、可能な限りガイドラインに反映する。 四ページ 一ノ二ノ三ノ一 数値基準の基本的な考え方 表を掲載 区分 推奨基準 水準の考え方 トウキョウ2020アクセシビリティガイドライン及び大阪、関西万博ユニバーサルデザインガイドラインの推奨基準、国基準の望ましいもの、県指針の望ましい基準や市指針による望ましい内容の水準等を総合的に勘案して設定。 適用方針 開催都市が保有する新設の会場の大会時の適用範囲において、現場条件や大会参加者、関係者のニーズ等を勘案して、可能な限り実現を目指す。 区分 標準基準 水準の考え方 法で定められた基準カッコ義務基準に加え、トウキョウ2020アクセシビリティガイドラインの標準基準、大阪、関西万博ユニバーサルデザインガイドラインの規制基準、県条例の整備基準や市指針の整備が必要な内容等のうち最も高い水準を基本に設定。 適用方針 上記以外の会場及びアクセシブルルートの大会時の適用範囲において、現場条件や大会参加者、関係者のニーズ等を勘案して、可能な限り実現を目指す。 ただし例外的に、構造上の理由等によって、やむを得ず標準基準を満たせないと認められる場合でも国の義務基準は満たすものとする。 なお、大会時及び大会後の利用ニーズ、会場施設の規模、用途、現場の物理的制約や維持管理上の課題等に応じて、適用対象施設ごとにこれらの基準を組み合わせて対応する場合がある。 五ページ 一ノ三 ガイドラインの背景にある3つの基本原則 このガイドラインの背景にある基本原則は、アイピーシー ガイドが基本原則として掲げる公平、尊厳、機能性の三つである。 公平 すべての人々が、個人の身体的、機能的な状態に関係なく、同じ水準のサービスを受けられることを保障する。 適切な会場等の設計、改修、大会運営に関わる諸計画の整備、トレーニングを受けたスタッフ、ボランティア等により、大会参加者はすべて同じ水準の体験を共有し、同等のレベルでプライバシーが守られ、安全が確保される。 尊厳 大会時の施設やサービスを利用するすべての人々を尊重し、その個人の尊厳を損なわない方法で、大会を運営する。 会場等の設計と大会運営に関わる諸計画においては、大会参加者が自分のペースと自分に合った多様な方法を選択できるように準備する。 機能性 大会時の会場内の施設やサービスは、障害のある人を含めたすべてのステークホルダーのニーズを満たすことを保障する。 六ページ 一ノ四 アクセシブルでインクルーシブな環境整備 様々な障害のある人や、多様なニーズを有する人々にとって、アクセシブルでインクルーシブな環境整備が極めて重要である。その主な例を紹介する。 スムーズな移動がしにくい人 歩行に制約があるか不可能で、継続的または頻繁に車いすを使用する人は、年齢とともに増える傾向にある。車いす使用者のニーズを軽視した構造や設備は、最大の社会的障壁となる恐れがある。他方、十分なスペースを確保した通路、出入口、トイレ、エレベーター、座席・客席等を整備することで、車いす使用者のみならず、ガイドヘルパー等の同伴者がいる人、妊産婦、乳幼児連れの人等、一人あたりの利用スペースより広いスペースを必要とする人たちにとっても使いやすい環境となる。 また、杖使用者や歩行補助具使用者、長距離を歩くことが困難な人、内部障害のある人、精神障害のある人、発達障害のある人、妊産婦、乳幼児連れ等には、移動距離をなるべく短くするか、長時間立ち続けることを回避する休憩設備の配置、独立した空間で落ち着ける場所カームダウン/クールダウンの配置等への配慮が求められる。 介助犬を連れている人には、介助犬にも配慮した対応が求められる。 手による操作や作業がしにくい人 上肢に障害のある人や、筋力等の身体機能が低下している人には、ドアノブや、エレベーター、トイレ、券売機等の操作ボタン等の操作等への配慮が求められる。 視覚による情報が得にくい人 視覚に障害のある人全盲の人、弱視ロービジョンの人等には、点字や音声データ、触知地図、明瞭なコントラストと案内表示、拡大印刷、印刷情報の代替形式での提供、反射の少ない素材等が必要である。 盲導犬を連れている人には、盲導犬に配慮した対応が求められる。 音声による情報が得にくい人 聴覚に障害のある人には、筆談、手話通訳、文字変換サービス、コミュニケーションボード等が必要である。聴覚に障害のある人の中には、補聴援助機器磁気誘導ループシステム等があれば音声で楽しむことができる人も多くいるため、対応が求められる。 また、観戦、展示、ステージ、観劇を楽しむための手段として、字幕や手話通訳が必要である。 聴導犬を連れている人には、聴導犬にも配慮した対応が求められる。 伝えること・理解することに配慮が必要な人 知的障害のある人、精神障害のある人、発達障害のある人等には、シンプルでゆっくりとした口調での応対、簡潔な言葉で書かれた文章、イラストや分かりやすいピクトグラム等が必要である。 また、様々な事情病気や事故や特性により、言いたいことがうまく話せない、新しいことを覚えにくい、周囲の状況を理解しにくい、時間や空間の感覚があいまいになりやすい人等についても、シンプルでゆっくりとした口調での応対、簡潔な言葉で書かれた文章やイラスト等が必要である。 七ページ さらに、スタッフとボランティアは、特にコミュニケーションに関わる様々な制約が想定されることを理解し、それを踏まえたサービス提供のトレーニングが必要である。 特に、外見からは気づかれにくいが配慮が必要な人(知的障害のある人、精神障害のある人、発達障害のある人、妊娠初期の妊産婦等)や、援助を求めたくても様々な理由により自らスタッフを探して助けを求められない人等に配慮した対応が求められる。 様々なニーズを踏まえた環境整備 さらに、次のようなニーズを持つ人々にも、アクセシブルでインクルーシブな環境整備は大いに役に立つ。 難病、一時的な病気の人:電動車いす使用者や、充電式の酸素ボンベを携帯する人等は、客席や休憩スペース等に充電用のコンセントがあると利用しやすい。オストメイト人工肛門、人工膀胱保有者は、トイレに専用の設備排泄物を捨てやすい大きさ、形状、高さの汚物流しやストーマ装具を洗いやすい水栓があると利用しやすい。また、トイレ内に充実した設備棚やフック等があることや、トイレ以外の場所に清潔なスペースがあると、定期的に自己注射をする必要がある人にも配慮された空間となる。 捻挫、骨折等怪我をしている人 高齢者 認知症の人 妊産婦、乳幼児を連れた人 子ども 日本語以外の言語を話す人 LGBTQ レズビアン女性同性愛者、ゲイ男性同性愛者、バイセクシュアル両性愛者、トランスジェンダー生まれた時の性別と自認する性別が一致しない人、クエスチョニング自分自身のセクシュアリティを決められない、分からない、または決めない人等、性的マイノリティ性的少数者のこと 大きい荷物や重い荷物を持っている人 何らかの理由で同伴者/介助犬等の帯同が必要な人 救急隊員、緊急通報に対応する人 初めて会場に訪れる人 スマートフォン等の携帯端末を持っていない人 八ページ 一ノ五 ガイドラインで使用する用語とその定義 表を掲載 用語 障害のある人障害者 定義 移動する、情報を得る、話をするといった日常生活における活動に制約があると本人から申告のあった人、または身体的状態、精神的状態、健康問題によって、活動可能な種類または範囲が減ったか、変化した人 用語 障害者等 定義 上記障害のある人障害者に加え、何らかの行動に制約のある人を含む行動に制約のある人の例は怪我をしている人、高齢者、妊婦、乳幼児を連れている人、子供、大きい荷物や重い荷物を持っている人など 用語 アクセシビリティ 定義 障害の有無に関わらず、幅広い年齢の人々が、社会的インフラ、施設、設備、製品、サービスにスムーズにアクセスし利用可能なこと 用語 インクルーシブ 定義 異なる社会文化、個人的、身体的要素等の様々な違いを理由に差別、排除することなく、すべての人を公平に社会に包摂すること 用語 ユニバーサルデザイン 定義 幅広い年齢や様々なニーズのある人々が、調整または特別な設計、改修などを必要とすることなく利用できるデザイン、製品、環境、サービスに関するコンセプトまたは考え方のこと 用語 アクセシブルルート 定義 大会時に、両大会の競技会場の周辺に所在する駅施設及び駅から競技会場までのアクセスルートとなる経路のうち、アクセシビリティに配慮が必要な観客の動線として開催都市が選定するエリア。 用語 アクセシブルルーム 定義 ホテル等において、様々な障害のある人や高齢者等が障壁バリアを感じることなく利用可能な客室、宿泊室のこと 参考 アクセシブルルーム以外に、次のような機能を絞った客室やサービスを提供することも求められる マル一 車いす使用者に配慮した客室 マル二 様々な行動制約に配慮した宿泊施設内の他のサービスと設備 用語 ステークホルダー 定義 大会では、大会に関わる関係者をおおむね次の8つのグループに区分して、それぞれに対する適切な大会サービスを提供する マル一 選手、各国オリンピック委員会、パラリンピック委員会関係者 マル二 国際競技連盟関係者 マル三 マーケティングパートナー マル四 アジアオリンピックファミリー、アジアパラリンピックファミリー及び各国要人 マル五 ホスト放送局関係者、放送権を有する放送事業者 マル六 記者、フォトグラファー、放送権を有しない放送事業者等のプレス関係者 マル七 観客 マル八 大会スタッフとボランティア、大会運営に関わる請負事業者 用語 アメニティ 定義 障害の有無に関わらず、誰もが快適に利用できる場所や設備のこと 九ページ 二 技術仕様 本章には以下のテーマが含まれている テーマ 二ノ一 アクセスと移動 二ノ二 アメニティ 二ノ三 ホテル及びその他の宿泊施設 二ノ四 刊行物とコミュニケーション 二ノ五 輸送手段 注釈 省略表記について 国基準 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 国整備ガイド 公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン 県条例 愛知県人にやさしい街づくりの推進に関する条例 県指針 愛知県人にやさしい街づくり望ましい整備指針 愛知ユーディーガイドブック 愛知県視覚情報のユニバーサルデザインガイドブック 市指針 名古屋市福祉都市環境整備指針 トウキョウガイド 東京2020アクセシビリティガイドライン 大阪UDガイド 大阪、関西万博 施設整備に関するユニバーサルデザインガイドライン 大阪UDガイド交通 大阪、関西万博 交通アクセスに関するユニバーサルデザインガイドライン アイピーシーガイド アイピーシーアクセシビリティガイド2020 凡例 項目別に、対象とする場所を指し示す際に、以下の略称を用いる。 屋内 宿泊施設を除く会場屋内 屋外 会場敷地の屋外通路 歩道 アクセシブルルートとなる道路の歩道 公共交通 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 文中で、標準・推奨基準を指し示す際、以下の記号を用いる。 黒マル 標準基準 白マル 推奨基準 十ページ 二ノ1 アクセスと移動 本項には以下のテーマが含まれている。 テーマ 二ノ一ノ一 通路と歩行空間 二ノ一ノ二 傾斜路 二ノ一ノ三 階段 二ノ一ノ四 路面、舗装、仕上げ 二ノ一ノ五 家具、カウンター、サービスエリア 二ノ一ノ六 入り口と出口 二ノ一ノ七 ドアとドア周辺部 二ノ一ノ八 エレベーターとエスカレーター 二ノ一ノ九 非常時の対応 十一ページ 二ノ一ノ一 通路と歩行空間 二ノ一ノ一ノ一 歩行者用通路の基準 二ノ一ノ一ノ一ノ一 通路 通路幅の考え方 屋内 屋外 歩道 公共交通 通路は、手動・電動車いすやハンドル型電動車いすの使用者を含む高齢者・障害者、ベビーカーを押す人、補助犬ユーザー、更には2人並んで歩行する人々が、施設内を移動するのに適切な有効フクインを確保し、利用者に分かりやすい経路を維持することが不可欠である。歩行者用通路は、車いす使用者を含む高齢者・障害者が安全に通行できるよう、有効フクインの基準を、設置場所ごとに表1に規定する。 表1 通路の幅 宿泊施設を除く会場屋内 標準 千八百ミリメートル以上 トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 不特定の歩行者が極めて多い通路においては、二千ミリメートル以上 トウキョウガイド、大阪UDガイド 会場敷地の屋外通路 標準 千八百ミリメートル以上 トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 不特定の歩行者が極めて多い通路においては、二千ミリメートル以上 トウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 二千ミリメートル以上 トウキョウガイド、県条例、市指針 注釈 歩行者の多い場合、三千五百ミリメートル以上 トウキョウガイド、市指針 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 千五百ミリメートル以上 トウキョウガイド 推奨 二千ミリメートル以上 大阪UDガイド交通 十二ページ 長さが三十メートルを超える通路 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 通行量が多い、曲折部がある、または長さが三十メートルを超える通路は、機動性とすれ違いに必要なスペースについて検討しなければならない。トウキョウガイド 通路に勾配、踊り場、手すりがある場合の基準 屋内 屋外 歩道 公共交通 通路に勾配、踊り場、手すりがある場合の基準は、後出の傾斜路の項表6から表十二を参照のこと。 標準 アクセシブルルートとなる道路の歩道に勾配がある場合、理想的にはニジュウブンノイチ五パーセントまたはこれよりも緩やかにしなければならない。トウキョウガイド アクセシブルな通路 屋内 屋外 公共交通 標準 上記の基準に従ったアクセシブルな通路は、車両乗降ゾーンからアクセシブルな施設の表玄関まで、当該敷地内に少なくとも一本設けることとする。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな通路は、できる限り、健常者用の一般主要通路がこれを兼ねるものとし、迂回をできるだけ少なくする。トウキョウガイド 標準 輸送機関への連絡点と、同じ会場エリア内にある建物、施設及び空間をつなぐアクセシブルな通路が、少なくとも一本必要である。トウキョウガイド 推奨 全ての通路がアクセシブルになっていることが望ましい。トウキョウガイド 図1 通路の幅例 車いすがすれ違う通路幅を掲載 推奨二千ミリメートル以上 標準 千八百ミリメートル以上 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、トウキョウ2020アクセシビリティ・ガイドライン 十三ページ 参考図 車いす使用者の通行可能寸法 出典 国土交通省/高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 R3.3 十四ページ 2ノ1ノ1ノ1ノ2 つまずきの危険源の除去 動線計画 屋内 屋外 歩道 公共交通 通路及び歩行空間において、階段・段を設けず、つまずきの危険源となる突出物がないことが、どの利用者にとっても重要である。 標準 段差・高低差が生じる場合は、ガイドラインに適合した傾斜路又はエレベーターその他の昇降機を併設する。トウキョウガイド 順番待ちの行列  屋内 屋外 標準 順番待ちの行列の整理においては、視覚障害者や車いす使用者等が並びやすいようロープのレイアウト等を工夫するとともに、案内・誘導の人的対応を行う。国基準 通路に突出物がある場合の対応 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 アクセシブルな通路には原則、突出物を設けないこととするが、やむを得ず上下両端が路面から六百五十から二千百ミリメートルの範囲内にある突出物を設ける場合には、四百ミリメートルを超えて連絡通路や廊下なども含めた歩行者専用通路に張り出さないものとする。トウキョウガイド 推奨 なお、大会会場については、百ミリメートルを超えて連絡通路や廊下なども含めた歩行者専用通路に張り出さないこととするのが望ましい。トウキョウガイド 標準 やむを得ず突出物を設ける場合は、視覚障害者が白杖で感知できずに衝突することがないよう、衝突防止措置を講ずる。この場合、床面からの立ち上がり部に隙間を設けず、白杖で容易に柵等を感知できるよう配慮する。トウキョウガイド 路面の空き高 屋内 屋外 歩道 公共交通 路面の空き高の基準は、設置場所ごとに表2に規定する。 表2 通路の路面の空き高 宿泊施設を除く会場屋内 標準 公共的通路二千五百ミリメートル以上トウキョウガイド 推奨 不特定の歩行者が極めて多い場合、五千ミリメートル以上トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路 標準 屋根、突起物等を設置する場合、二千五百ミリメートル以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 屋根、突起物等を設置する場合、二千五百ミリメートル以上トウキョウガイド、市指針 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 二千百ミリメートル以上トウキョウガイド 十五ページ 図2 通路の突出物例 車いす使用者、白杖使用者の歩行の妨げにならないような突出物の例を掲載 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 路面の段差や設置物など 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 休憩スペース、商業施設等、通路に沿ったエリアは、その全長にわたり、当該エリアと通路との間の境目について、段差がないようにしなければならない。トウキョウガイド 標準 通路上に設置されている車止めボラード、水飲器及びその他固定物などは、周囲の床面もしくは壁面などとコントラストをつけた色彩を用い、なおかつ外周の仕上げ面を周囲と変えるなど差異を白杖で感知できるようになっていなければならない。トウキョウガイド 標準 照明灯の支柱、看板、新聞受け、ゴミ容器などは、通路に置かないようにするか、少なくとも周囲とコントラストをつけた色彩を用いて目立たせる必要がある。トウキョウガイド 標準 可動式や折りたたみ式の看板などを通路に置いてはいけない。トウキョウガイド 2ノ1ノ1ノ1ノ3 休憩エリア 休憩用ベンチの設置 屋外 歩道 公共交通 屋外の通路には、休憩用ベンチを表3に規定する間隔で設置する。 標準 主通路部とは別に識別できるようにしたところに、背もたれと肘掛付きの座席を設置する必要がある。トウキョウガイド 推奨 ただし、宿泊施設を除く会場屋内は、円滑な通行に支障を及ぼさない範囲で、適切な間隔に設置することが望ましい特に行列エリアには配慮する。トウキョウガイド 十六ページ 表3 屋外の通路の休憩ベンチの設置間隔 会場敷地の屋外通路 標準 五十メートル程度の間隔 トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 五十メートル程度の間隔トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 五十メートル程度の間隔トウキョウガイド 注釈 コンコース、プラットホームは対象外とする。 休憩用ベンチの仕様 屋外 歩道 公共交通 標準 休憩エリアに設置されたベンチは、座面の高さ四百から四百五十ミリメートル、背もたれの高さ七百五十ミリメートル程度とする。トウキョウガイド 標準 どのベンチにも、少なくとも座面奥行きのサンブンノイチ以上に相当する蹴込みスペースが必要である。トウキョウガイド 標準 車いす使用者を同伴して使用する場合や補助犬を随伴して使用する場合を考慮し、ベンチの隣に千五百ミリメートルカケル千五百ミリメートルの水平部分を設ける。トウキョウガイド 2ノ1ノ1ノ1ノ4 障害物のない明るい通路 明るい通路 屋内 屋外 歩道 公共交通 推奨 可能であれば、路面をより明確に示すため、標準的な照明方法に加え、目の高さより下に取り付ける照明設備も利用しなければならない。トウキョウガイド 標準 階段部分は、低位置に取り付けた照明器具で、踏み面と蹴上げ面を特に明るく照らす必要がある。トウキョウガイド 標準 照明は、光源が直接目に入らないよう配慮する。トウキョウガイド 2ノ1ノ1ノ1ノ5 屋外階段 屋外階段 屋外 歩道 公共交通 標準 屋外の階段部分も、屋内階段部分と同じ処理を施す必要がある。トウキョウガイド 標準 コントラストの強い色彩と滑りにくい仕上げや材料を用いた段鼻、点状ブロック、階段に沿って取り付けた手すりなどは、屋外の階段部分にも必要である。トウキョウガイド 2ノ1ノ1ノ1ノ6 交差点 交差点 屋外 歩道 標準 歩道等の横断歩道接続部には、点状ブロックによる歩車道境界の注意喚起を行う。トウキョウガイド 標準 横断歩道の幅は、原則として四メートル以上とし、やむを得ず縮小する場合であっても、3メートルを限度とする。ただし、歩道と連続性を確保するため、歩道フクインと同じ幅とするなど、特に必要がある場合はこの限りではない。トウキョウガイド 十七ぺージ 標準 また、横断歩道には周囲の視覚障害者誘導用ブロック点状ブロック、線状ブロックと連続したエスコートゾーンを敷設する等、視覚障害者が横断方向に直進性が保てるよう配慮する。トウキョウガイド 横断勾配・すりつけ勾配 屋外 歩道 会場敷地の屋外通路、アクセシブルルートとなる道路の歩道の、交差点における横断勾配に関する基準は、設置場所ごとに表4に規定する。 会場敷地の屋外通路、アクセシブルルートとなる道路の歩道における、すりつけ勾配の基準は、後出の傾斜路の勾配表6を参照のこと。 標準 交差点の両側に、アクセシブルな通路を設けるため、必要に応じ、すりつけ勾配を設ける。なお、当該すりつけ勾配は、歩道内に設ける。トウキョウガイド 標準 すりつけ勾配は、必要に応じ設置するものとし、歩行者の通行動線上における歩道と車道との段差は、二十ミリメートルを標準とする。トウキョウガイド 表4 交差点における横断勾配 会場敷地の屋外通路 標準 五十分の一2.0パーセント以下トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 百分の一1.0パーセント以下市指針 注釈 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、五十分の一2.0パーセント以下とすることができる。市指針 信号機のある横断歩道 屋外 歩道 標準 信号機のある横断歩道には、車両用信号以外に、視覚と音響による警告喚起が必要である人的サポートを含む。トウキョウガイド 推奨  信号機は、視認性の高いLED式とするとともに、音響信号機は、視覚障害者に配慮し、聞き取りやすい配置と内容とすることが望ましい。トウキョウガイド 2ノ1ノ1ノ1ノ7 車両乗降ゾーン 車両乗降ゾーンの考え方 屋内 屋外 宿泊施設を除く会場屋内、会場敷地の屋外通路における車両乗降ゾーンには、車いす使用者が車いすに乗ったまま車両から降りるのに十分な広さが必要である。歩道上で車いすに移乗するのは、多くの歩行困難者にとって極めて困難かつ危険である。車両乗降ゾーンは、昇降装置が車両側面にあるものだけでなく、後部に取り付けられている車両にも対応する必要がある。 十八ページ 車両乗降ゾーンの基準 屋内 屋外 車両乗降ゾーンに関する基準は、表5に規定する。 表5 車両乗降ゾーン  宿泊施設を除く会場屋内 標準 車寄せに隣接する引込み側路の車両スペース 幅二千四百ミリメートルトウキョウガイド 車寄せに隣接する引込み側路の車両スペースに隣接して車いす使用のまま乗降可能なスペース 幅二千四百ミリメートル以上かける長さ七千ミリメートル以上かける路面高三千三百ミリメートル以上トウキョウガイド 推奨 車寄せに隣接する引込み側路の車両スペースに隣接して車いす使用のまま乗降可能なスペース  長さ八千ミリメートル以上トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路 標準 車寄せに隣接する引込み側路の車両スペース 幅二千四百ミリメートルトウキョウガイド 車寄せに隣接する引込み側路の車両スペースに隣接して車いす使用のまま乗降可能なスペース 幅二千四百ミリメートル以上かける長さ七千ミリメートル以上かける路面高三千三百ミリメートル以上トウキョウガイド 推奨 車寄せに隣接する引込み側路の車両スペースに隣接して車いす使用のまま乗降可能なスペース 長さ八千ミリメートル以上トウキョウガイド   標準 歩行困難者が車両の乗り降りを安全に行うことができるよう、照明の配置などに配慮すること。参考値最低六十ルクス トウキョウガイド 標準 通路と乗降ゾーンに段差が生じる場合は、すりつけ勾配を少なくとも1箇所設ける必要がある。トウキョウガイド? 十九ページ 図3 車両乗降ゾーン例 車両乗降ゾーンの通路、アクセス用スペース、車両スペースの図と、車両から乗降する際のスロープの例を掲載 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 二十ページ 2ノ1ノ2 傾斜路 2ノ1ノ2ノ1 傾斜路 2ノ1ノ2ノ1ノ1 定義 このガイドラインでは、傾斜路とは、建物または高所へのアクセスを容易にするため、階段に代り設置される、またはこれに併設される傾斜面と定義する。 傾斜路は、車いす使用者のみならずベビーカーやカート、またはその他車輪付き器具を押している人の移動を可能にする。 傾斜路には、恒設及び仮設の傾斜路や可搬式のものがある。 縁石の切り下げ部分など、全長六百ミリメートル未満でかつ高低差七十五ミリメートル未満の斜面は、当該ガイドラインにおいては、傾斜路とは見なされない。 2ノ1ノ2ノ1ノ2 予備知識 できれば、高低差のない円滑なアクセスが望ましい。 高低差をつけざるを得ない場合、その解消法としてまず傾斜路を利用する。 傾斜路により、車いす使用者、ベビーカーを押している人、重量物を運んでいる人の移動が効率的に行えるようになる。 2ノ1ノ2ノ1ノ3 設計要件 傾斜路の勾配 屋内 屋外 歩道 公共交通 傾斜路の勾配の基準は、設置場所ごとに表6に規定する。 二十一ページ 表6 傾斜路の勾配  宿泊施設を除く会場屋内 標準 垂直高低差三百ミリメートル以下の場合 十二分の一以下 トウキョウガイド、大阪UDガイド 垂直高低差三百一から三千ミリメートルの場合 十四分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 垂直高低差 三千一ミリメートル以上の場合 二十分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 垂直高低差三百ミリメートル以下の場合 十四分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 垂直高低差三百一から三千ミリメートルの場合 二十分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 注釈 競技会場に関しては、多くの人々が利用すると予想される通路、歩道については、二十分の一が標準トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路 標準 垂直高低差七十五ミリメートル以下の場合 八分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 垂直高低差七十六ミリメートルから九十九ミリメートルの場合 十分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 垂直高低差百ミリメートルから百五十ミリメートルの場合 十五分の一以下市指針 垂直高低差百五十一ミリメートル以上 二十分の一以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 すべて 二十分の一以下大阪UDガイド、県指針、市指針 アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 立体横断施設に傾斜路を設ける場合 二十分の一以下トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 屋内 十二分の一以下 トウキョウガイド、市指針 屋外 二十分の一以下 市指針 推奨 屋内 二十分の一以下 市指針 主要出入口及び施設の勾配 屋内 屋外 主要出入口及び施設の勾配に関する基準は、表7に規定する。 表7 主要出入口及び施設の勾配 宿泊施設を除く会場屋内 標準 表6への追加規定 注釈 主要出入口や主要施設における勾配は、原則二十分の一5.0パーセント以下とし、やむを得ない場合の最大許容勾配を十四分の一7.14パーセントとする。トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路 標準 表6への追加規定 注釈 主要出入口や主要施設における勾配については、原則二十分の一5.0パーセント以下とし、やむを得ない場合の最大許容勾配を十四分の一7.14パーセントとする。トウキョウガイド 本章で前述されているアクセシブルな通路の基準に従い、屋外通路、傾斜路面の最大横断勾配は五十分の一2パーセント 表4 交差点における横断勾配を参照。 二十二ページ 傾斜路の有効フクイン 屋内 屋外 歩道 公共交通 傾斜路面の有効フクインの基準は、設置場所ごとに表8に規定する。 表8 傾斜路の有効フクイン 宿泊施設を除く会場屋内 標準 千四百ミリメートル以上トウキョウガイド、県条例、市指針 注釈 段差併設の場合九百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 推奨 千八百ミリメートル以上県指針、市指針 注釈 階段併設の場合千二百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 会場敷地の屋外通路 標準 千四百ミリメートル以上トウキョウガイド 注釈 段差併設の場合九百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 推奨 千八百ミリメートル以上県指針、市指針 注釈 階段併設の場合千二百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設を設ける場合 標準 二千ミリメートル以上市指針 注釈 設置場所の状況その他特別の理由によりやむを得ない場合千ミリメートル以上市指針 注釈 階段併設の場合千二百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 千四百ミリメートル以上市指針 注釈 通路のフクイン等の関係でやむを得ない場合千二百ミリメートル以上トウキョウガイド 推奨 千八百ミリメートル以上市指針 2ノ1ノ2ノ1ノ4 踊り場 踊り場の基準 屋内 屋外 歩道 公共交通 踊り場の基準は、設置場所ごとに表9に規定する。 標準 踊り場1箇所に通じる傾斜路が複数ある場合、踊り場のフクインは少なくとも、それら傾斜路中の最大フクインと同じ幅にしなければならない。トウキョウガイド 二十三ページ 表9 傾斜路の踊り場 宿泊施設を除く会場屋内 標準 高低差 七百五十ミリメートル以内ごとに設置 トウキョウガイド、大阪UDガイド、市指針 長さ 千五百ミリメートル以上の踊り場 トウキョウガイド、大阪UDガイド、市指針 推奨 高低差 五百ミリメートル以内ごとに設置 トウキョウガイド、大阪UDガイド 水平距離 上記高低差の規定にかかわらず、勾配二十分一の未満の場合は、二十メートルを超えずに1箇所設ける トウキョウガイド フクイン 傾斜路フクイン表8と同じ  会場敷地の屋外通路 標準 高低差 七百五十ミリメートル以内ごとに設置トウキョウガイド、大阪UDガイド、市指針 長さ 千五百ミリメートル以上の踊り場トウキョウガイド、大阪UDガイド、市指針 推奨 高低差 五百ミリメートル以内ごとに設置トウキョウガイド、大阪UDガイド 水平距離 上記高低差の規定にかかわらず、勾配二十分の一未満の場合は、二十メートルを超えずに1箇所設けるトウキョウガイド フクイン 傾斜路フクイン表8と同じ  アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設を設ける場合 標準 高低差 七百五十ミリメートル以内ごとに設置トウキョウガイド、市指針 長さ 千五百ミリメートル以上の踊り場トウキョウガイド、市指針 推奨 高低差 五百ミリメートル以内ごとに設置トウキョウガイド 水平距離 上記高低差の規定にかかわらず、勾配二十分の一未満の場合は、二十メートルを超えずに1箇所設けるトウキョウガイド フクイン 傾斜路フクイン表8と同じ  アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 高低差 七百五十ミリメートル以内ごとに設置 注釈 屋外の場合六百ミリメートル以内ごとに設置トウキョウガイド、市指針 長さ 千五百ミリメートル以上の踊り場トウキョウガイド、市指針 推奨 高低差 五百ミリメートル以内ごとに設置トウキョウガイド 水平距離 上記高低差の規定にかかわらず、勾配二十分の一未満の場合は、二十メートルを超えずに1箇所設けるトウキョウガイド フクイン 傾斜路フクイン表8と同じ 二十四ページ 2ノ1ノ2ノ1ノ5手すり 手すりが必要な場合 屋内 屋外 標準 勾配がジュウニブンノイチを超え、又は高さが百六十ミリメートルを超え、かつ勾配がニジュウブンノイチを超える傾斜がある部分には、手すりを設ける。国基準 手すりの要件 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 傾斜路の両側に取り付ける必要がある。ただし、構造上の制約がある場合や、やむを得ず両側に手すりを取り付けることができない場合には、上記の規定を免除する。トウキョウガイド 標準 折返し傾斜路や、途中に柱型の突出部分がある傾斜路の場合も含め、傾斜路内側の手すりは連続して取り付ける。トウキョウガイド 推奨 開口部分にも連続して設置することが望ましい。トウキョウガイド 手すりの基準 屋内 屋外 歩道 公共交通 傾斜路上下端で手すりがそれ以降連続しない場合について、手すり延長部の長さの基準を設置場所ごとに表10に規定する。 表十 手すり延長部の長さ  宿泊施設を除く会場屋内 標準 上下端延長部の長さ四百五十ミリメートル以上トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路 標準 上下端延長部の長さ四百五十ミリメートル以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 上下端延長部の長さ三百ミリメートル以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 上下端延長部の長さ六百ミリメートル以上市指針 標準 手すりの先端部は壁、床または柱に埋め込む等、端部が突出しない構造とする。ただし、消防用設備や構造上の制約がある場合には、利用者の安全を確保する措置を取る前提で、上記の規定を免除する。トウキョウガイド 推奨 以上の規定に従って設置した手すりの上下端延長部が、交差する他の通路に突出して危険源とならないよう、傾斜路は全て他の通路と交差する地点から十分に離して設置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 傾斜路の手すりは、扉の前等を除き連続して設置することが望ましい。トウキョウガイド 傾斜路の手すりの高さについての基準は、設置場所ごとに表十一に規定する。 二十五ページ 表十一 傾斜路の手すりの高さ 宿泊施設を除く会場屋内 標準 七百五十から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 2段とし、下段六百から六百五十ミリメートル、上段七百五十から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド、大阪UDガイド 会場敷地の屋外通路 標準 七百五十から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 2段とし、下段六百ミリメートルから六百五十ミリメートル、上段七百五十から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 八百から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド 推奨 2段とし、下段六百五十ミリメートル、上段八百五十ミリメートル程度 トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 2段とし、下段六百五十ミリメートル、上段八百五十ミリメートル程度市指針 傾斜路の手すり間の距離についての基準は、傾斜路の有効フクイン表8を参照。 手すりの握り面についての基準は、設置場所ごとに表十二に規定する。 標準 手すりは、危険源とならないような設計とすべきである。トウキョウガイド 表十二 傾斜路の手すりの握り面と壁面からの距離  宿泊施設を除く会場屋内 標準 握り面の直径 三十から四十ミリメートル程度の握りやすいもの国基準、市指針 壁面からの距離 五十ミリメートル程度市指針 会場敷地の屋外通路 標準 握り面の直径 三十から四十ミリメートル程度の握りやすいもの国基準、市指針 壁面からの距離 五十ミリメートル程度市指針 アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設を設ける場合 標準 握り面の直径 三十から四十ミリメートル程度の握りやすいもの市指針 壁面からの距離 五十ミリメートル程度市指針 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 握り面の直径 四十ミリメートル程度の丸状市指針 壁面からの距離 五十ミリメートル程度市指針、大阪ユーディーガイド 二十六ページ 2ノ1ノ2ノ1ノ6 その他の要件 その他の要件 屋内 屋外 歩道 公共交通 推奨 全ての人々のアクセスを可能にし、非常口としての役目も果たせることから、進入するための高低差解消方法として最初に検討すべき方法は、傾斜路が望ましい。トウキョウガイド 標準 階段を設置する場合は、その近傍に、アクセシブルな代替進入手段として、傾斜路または昇降機を併設する。トウキョウガイド 標準 傾斜路の路面は滑りにくい仕上げや材料を用いる必要がある。トウキョウガイド 推奨 傾斜路の路面は色彩及び感触で隣接する床面とコントラストをつけて、斜面の存在を知らせることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 全長六十メートルを超える傾斜路は、できれば昇降装置に変更するのが望ましい。また、垂直高低差が3メートルを超える場合、高低差を解消するには、傾斜路以外の方法が望ましい。トウキョウガイド 図4 傾斜路例 傾斜路の勾配、手すりの高さと延長、踊り場の幅員を掲載 出典 名古屋市福祉都市環境整備指針 数値を一部編集して掲載 二十七ページ 2ノ1ノ2ノ2 すりつけ勾配 2ノ1ノ2ノ2ノ1 定義 すりつけ勾配は、道路から安全かつ効率よく移動する手段である。 すりつけ勾配の設計においては、道路の路面とすりつけ勾配が円滑に、かつすき間なくつながっているようにしなければならない。 2ノ1ノ2ノ2ノ2設計要件 すりつけ勾配の設計要件 屋外 歩道 すりつけ勾配についての基準は、設置場所ごとに表十三に規定する。会場敷地の屋外通路のすりつけ勾配は、前出の傾斜路の勾配表6を参照。 表十三 すりつけ勾配   アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 5パーセント二十分の一以下トウキョウガイド、市指針 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては8パーセント以下とすることができる。市指針 すりつけ勾配の水平長さは、表十四に規定する。 表十四 すりつけ勾配の水平長さ   会場敷地の屋外通路 標準 二千七百ミリメートル以下トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 二千七百ミリメートル以下トウキョウガイド すりつけ勾配のフクインは、表十五に規定する。 表十五 すりつけ勾配のフクイン   会場敷地の屋外通路 標準 千ミリメートル以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 千ミリメートル以上トウキョウガイド すりつけ勾配の仕上げ 屋外 歩道 標準 すりつけ勾配の路面は滑りにくいノンスリップ材等滑りにくくかつ水はけの良い仕上げとする必要があり、点状ブロックの敷設など、色彩及び感触で隣接する床面とコントラストをつけた部分を設け、斜面の存在を知らせること。トウキョウガイド 二十八ページ 標準 すりつけ勾配には、縁から落ちる歩行者の危険源をなくすため、誘導部を設ける。トウキョウガイド 標準 視覚障害者には、すりつけ勾配が道路と最小勾配で円滑につながっていることが識別しにくい可能性があるため、路面を粗面とする必要がある。トウキョウガイド 標準 誘導部の最大勾配はジュウブンノイチとする。トウキョウガイド 標準 横断歩道に向かうすりつけ勾配は、歩道等の歩行者専用エリア内に全て収まっているものとする。トウキョウガイド 図5 すりつけ勾配例 すりつけ勾配の位置を示す図を掲載 出典 名古屋市福祉都市環境整備指針 二十九ページ 2ノ1ノ3 階段 2ノ1ノ3ノ1 はじめに 階段及び階段室はアクセシブルな通路の一部とは見なされないが、適切な設計によって、身長の低い人、高齢者、子ども、その他施設を利用する全ての利用者に安全かつ効率的な道を提供することができる。 2ノ1ノ3ノ2 設計要素 2ノ1ノ3ノ2ノ1 フクイン 階段及び踊り場の有効フクイン 屋内 屋外 歩道 公共交通 階段及び踊り場の有効フクインの基準は、表十六に規定する。 表十六 階段及び踊り場の有効フクイン  宿泊施設を除く会場屋内 標準 千二百ミリメートル以上国基準、市指針 推奨 杖使用者の利用に配慮し、千五百ミリメートル以上市指針 会場敷地の屋外通路 標準 千二百ミリメートル以上国基準、市指針 推奨 杖使用者の利用に配慮し、千五百ミリメートル以上市指針 アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設に階段を設ける場合 標準 千五百ミリメートル以上市指針 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 千二百ミリメートル以上市指針 推奨 杖使用者の利用に配慮し、千五百ミリメートル以上市指針 鏡 屋内 屋外 推奨 聴覚障害者等が安全に通行し、また衝突を回避することができるよう、折り返し階段の屈曲部には、鏡を設けることが望ましい。同時に視覚障害者が鏡に衝突することのないよう鏡の大きさ、位置等に十分配慮する。国基準 三十ページ 2ノ1ノ3ノ2ノ2踏み面及び蹴上げ 踏み面及び蹴上げの基準 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 階段の踏み面、蹴上げは、同一階段であれば、その奥行き及び高さは均一としなければならない。トウキョウガイド 標準 路面の形状が一定していないため、らせん状の回り階段は避け、直階段又は折れ曲がり階段とする。トウキョウガイド 標準 踏み台の表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げる。国基準 階段の蹴上げ高さの基準は、設置場所ごとに表十七に規定する。 表十七 階段の蹴上げ高さ 宿泊施設を除く会場屋内 標準 百六十ミリメートル以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 百五十ミリメートル以下トウキョウガイド、大阪UDガイド、県指針 会場敷地の屋外通路 標準 百六十ミリメートル以下トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 百五十ミリメートル以下トウキョウガイド、大阪UDガイド、県指針 アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設に階段を設ける場合 標準 百六十ミリメートル程度以下トウキョウガイド 推奨 百五十ミリメートル以下トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 百六十ミリメートル程度以下トウキョウガイド、市指針 推奨 百五十ミリメートル以下トウキョウガイド 三十一ページ 標準 蹴上げは蹴込み板を用いて塞ぐ。トウキョウガイド 階段の踏み面の基準は、設置場所ごとに表十八に規定する。 表十八 階段の踏み面  宿泊施設を除く会場屋内 標準 奥行き三百ミリメートル以上トウキョウガイド、大阪UDガイド 会場敷地の屋外通路 標準 奥行き三百ミリメートル以上トウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設に階段を設ける場合 標準 奥行き三百ミリメートル程度以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 奥行き三百ミリメートル程度以上トウキョウガイド、市指針、大阪ユーディーガイド交通 2ノ1ノ3ノ2ノ3 段鼻 段鼻と蹴込みの基準 屋内 屋外 歩道 公共交通 階段の段鼻と蹴込みの基準は、設置場所ごとに表十九に規定する。 表十九 階段の段鼻と蹴込み  宿泊施設を除く会場屋内 標準 段鼻その他つまずきの原因となるものは設けない。蹴込みは二十ミリメートル以下とするトウキョウガイド、大阪UDガイド 会場敷地の屋外通路 標準 段鼻その他つまずきの原因となるものは設けない。蹴込みは二十ミリメートル以下とするトウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 段鼻その他つまずきの原因となるものは設けない。蹴込みは二十ミリメートル以下とするトウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 段鼻その他つまずきの原因となるものは設けない。蹴込みは二十ミリメートル以下とするトウキョウガイド、大阪ユーディーガイド交通 標準 段鼻は踏み面や蹴込み面とはっきりコントラストをつけ、段を識別しやすいものとし、滑りにくい仕上げや材料を使用しなければならない。その際、材料は金属製のものは使用せず、踏み面及び蹴込み面とそろえて、つまずきにくい構造とすること。トウキョウガイド 三十二ページ 標準 明るさにむらがなく通行に支障のない照明が必要で、突然見えにくくなるような箇所がないようにしなければならない。参考値最低百ルクストウキョウガイド 標準 蹴込み部分が開いたままの階段は認められない。トウキョウガイド 段鼻の滑り止め 屋内 屋外 標準 階段の段鼻には、滑り止めを設ける。国基準 2ノ1ノ3ノ2ノ4 感知可能な注意喚起表示 点状ブロックの敷設 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 競技会場及びアクセシブルルートにおける階段の上端部には段の存在を感知できるよう、点状ブロックを敷設する。トウキョウガイド 標準 点状ブロックは階段のフクインと同じ幅で、長さは六百ミリメートル2列とし、最上段の先端から三百ミリメートル踏み面1列分分離した位置を表示開始始点として敷設する。トウキョウガイド 標準 競技会場の観客エリアにおける階段状通路は、移動困難者等他の観客等の動線を支障しないよう配慮した上で、点状ブロックを、通路幅員と同じ幅で、長さは三百ミリメートル1列若しくは六百ミリメートル2列とし、最上段の先端から三百ミリメートル踏み面1列分分離した位置を表示開始始点として敷設する。ただし、通路が狭く、点状ブロックを敷設すると移動困難者等他の観客等の動線を支障してしまう場合には、敷設しないこととするが、視覚障害者が階段状通路で転倒することのないよう配慮を行う。トウキョウガイド 2ノ1ノ3ノ2ノ5 手すり 階段の手すりの基準 屋内 屋外 歩道 公共交通 階段の手すりの基準は、表二十に規定する。ただし、構造上困難な場合は、上記の規定を免除する。 三十三ページ 表二十 階段の手すり  宿泊施設を除く会場屋内 標準 階段の両側に取り付けるトウキョウガイド 推奨 フクインが三千ミリメートルを超える場合には、中央にも設置する。階段の高さが千ミリメートル以下の場合はこの限りではない。トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路 標準 階段の両側に取り付けるトウキョウガイド 推奨 フクインが三千ミリメートルを超える場合には、中央にも設置する。 階段の高さが千ミリメートル以下の場合はこの限りではない。トウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道 標準 二段式の手すりを両側に取り付けるトウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 階段の両側に2段の手すりを設置する。 階段の幅が四千ミリメートルを超える場合には、中間にも手すりを設置する。市指針 階段の手すりの要件 屋内 屋外 歩道 公共交通 標準 壁などとコントラストをつけた色彩を使用する。トウキョウガイド 標準 柱やその他の建築要素に遮られることなく、手すり全長にわたり握り面が連続するようにする。ただし、消防用設備や構造上の制約がある場合には、上記の規定を免除する。トウキョウガイド 階段の手すりの握り面の直径と壁面からの距離の基準は、設置場所ごとに前出の傾斜路の手すりの握り面と壁面からの距離表十二を参照。 階段の手すりの路面からの高さの基準は、設置場所ごとに前出の傾斜路の手すりの高さ 表十一を参照。 標準 階段内側の手すりは連続して、階段の勾配を感知できるように勾配に合わせて取り付ける。トウキョウガイド 推奨 踊り場においては連続して手すりを取り付けることが望ましい。ただし、消防用設備や構造上の制約がある場合には、上記の規定を免除する。トウキョウガイド 階段上下端で手すりがそれ以降連続しない場合について、手すりの上下端延長部の長さの基準は、設置場所ごとに前出の手すり延長部の長さ表十を参照。 三十四ページ 標準 なお、手すりの先端部は壁、床または柱に埋め込む等、端部が突出しない構造とする。また、手すりは体重をかけたときに滑りにくいものとする。ただし、消防用設備や構造上の制約がある場合には、利用者の安全を確保する措置を取る前提で、上記の規定を免除する。トウキョウガイド 推奨 行き先や現在位置を示した点字表示を取り付けることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 廊下等の手すりの端や曲がり角及び階段の始終点などの要所には、現在位置や行き先などを点字及び普通文字墨字で表示することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 階段及び傾斜路の手すりの点字表示は、現在位置及び上下階の情報等を、昇降以前の水平部分に表示することが望ましい。トウキョウガイド 図6 階段の設計要素例 点字表示、点状ブロック、蹴り込み板の配置例を図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 三十五ページ 図7 階段の踏み面と蹴上げ例 ふみ面、蹴上のイメージを図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 図8 階段の段鼻と蹴込み板例 段鼻と蹴り込み板を図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 2ノ1ノ4 路面、舗装、仕上げ 2ノ1ノ4ノ1 はじめに 通路の路面と仕上げは、移動困難者あるいは視覚や聴覚に障害のある人が支障なく移動できるものでなければならない。 設計者は、アクセシブルな通路を造るために、表面、舗装、仕上げ、色彩の詳細まで考慮する必要がある。 通路の路面から、つまずきの危険源や障害物を取り除く必要がある。言い換えれば、利用者全てにとって安全で直感的に進む方向がわかり、信頼できる表示サインが提供されているような通路でなければならない。 三十六ページ 2ノ1ノ4ノ2 アクセシブルな路面、舗装、仕上げの特徴 アクセシブルな路面の特徴 屋外 歩道 標準 会場敷地の屋外通路及びアクセシブルルートとなる道路の歩道において、アクセシブルな路面には、原則として横断する排水溝などは設けない。やむを得ず設ける場合のグレーチング類は、杖・車いすのキャスター等が溝に落ち込まない構造、滑りにくい仕上げとし、車いす使用者、杖使用者等の通行に支障のないものとする。トウキョウガイド 標準 移動経路にある植物プランターや、下水・排水溝のふたなどグレーチング類は、周囲の路面の色とはっきり見分けられるようコントラストをつけるなど、識別しやすいものとすること。トウキョウガイド 標準 圧縮集合材、アスファルト舗装、コンクリート、石グラニットやテラゾさらにはタイルなど組織が密でしっかりした表面が、路面材料として最適で、保守も容易である。また路面には、雨掛りによる濡れた状態でも滑りにくい仕上げ、材料を選択する。トウキョウガイド 標準 水や泥がたまらないよう、横断勾配2パーセントの効果的な排水溝が必要である。また、歩道等の舗装は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げとするものとする。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな通路に隣接して緑地またはその他の急斜面がある場合、アクセシブルな通路表面と段差なくつなげるか、車いすまたは歩行器具の落ち込みを防止する縁石が必要である。トウキョウガイド 視覚障害者誘導用ブロックの原則 屋外 歩道 視覚障害者誘導用ブロックは、視覚障害者にとっては重要な道案内ツールとなる。 標準 視覚障害者誘導用ブロック等の色は、黄色を原則とする。国基準 推奨 場所により視覚障害者誘導用ブロックの色が異なると利用者が混乱するため、ブロックの色は統一することが望ましい。大阪UDガイド 推奨 視覚障害者誘導用ブロック等と周囲の床の仕上げとは、弱視者にも識別しやすいように輝度比3.0、輝度コントラスト五十パーセント以上確保することが望ましい。大阪UDガイド 推奨 ブロック周辺の路面は、面のたわみや凹凸を抑えた平坦な仕上げ面として、視覚障害者誘導用ブロックとの触感の違いを確保することが望ましい。トウキョウガイド 標準 視覚障害者誘導用ブロック等は、原則として湾曲しないよう直線状に敷設し、屈折する場合は直角に配置する。国基準 標準 アクセシブルな通路の表面にある全ての危険源は、点状ブロックを最低三百ミリメートル1列以上で危険源の全長にわたり敷設し、その存在を知らせなければならない。トウキョウガイド 標準 アクセシブルルートとなった経路のうち視覚障害のある観客等に案内する経路は、セキュリティゲートまで視覚障害者誘導用ブロックを連続的に設置するものとする。トウキョウガイド 三十七ページ 推奨 ただし、複数の経路が存在すると誘導性が損なわれるので、極力一つの経路出入口が複数ある場合は、各出口からの一経路とする。とすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 視覚障害者誘導用ブロックの設置可否及び方法は、大会期間固有の状況を考慮し、視覚障害者等及び歩行困難者等の意見を聞いた上で、計画することが必要である。トウキョウガイド 推奨 視覚障害者誘導用ブロック等を敷設する際に、高齢者や車いす使用者が通れる幅を残す等の配慮することが望ましい。大阪UDガイド 標準 混雑も予想される競技会場エリアの観客動線は、視覚に障害のある人の入退場やトイレ、売店等への誘導を、要望を確認し、スタッフ等がサポートを行う。スタッフ等によるサポートの詳細やそれを踏まえた視覚障害者誘導用ブロックの敷設場所は、会場及び競技ごとに具体的な検討を行う。ブロック形状、寸法及びその配列は、ジス T9251によることを原則とする。突起高 5ミリメートル許容差プラス1から0ミリメートルトウキョウガイド マル1 点状ブロックの点状突起を配列するブロック等の大きさは三百ミリメートル目地込み四方以上とする。 マル2 点状ブロックの点状突起の数は二十五 5かける5を下限とし、ブロック等の大きさに応じて増やす。 マル3 線状ブロックの突起の本数は4本を下限とし、ブロック等の大きさに応じて増やす。 2ノ1ノ5 家具、カウンター、サービスエリア 2ノ1ノ5ノ1 受付及びサービスエリア 2ノ1ノ5ノ1ノ1 受付及びインフォメーションデスク 受付及びインフォメーションデスクの基準 屋内 標準 観客及び選手等大会関係者が、大会サービスを利用する受付デスク、登録カウンター及びその他一般的なカウンターはアクセシブルなものとしなければならないため、車いす使用者用のものを別の場所に分離して設置してはならない。トウキョウガイド 標準 大会サービスを利用するカウンターは、高さ七百から八百ミリメートル程度、カウンター下の膝下クリアランスは、高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度、幅七百五十ミリメートル、奥行き五百ミリメートルを標準とする。トウキョウガイド 標準 車いす使用者が接近できるように、カウンター等の前面に車いす使用者が回転できる十分なスペース千五百ミリメートルかける千五百ミリメートル以上を確保する。トウキョウガイド 標準 立位で使用するハイカウンターには、高齢者、障害者等が使用できるローカウンター等を併せて設ける。国基準 標準 立位で使用するカウンター等を設ける場合は、体の支えとなるように台を固定し、また必要に応じて支えのための手すりを設けること。トウキョウガイド 推奨 可能であれば、受付及びサービスカウンターは、すべての人にアクセシブルとなる高さに統一することが望ましい。トウキョウガイド 標準 視覚障害者誘導用ブロック等を敷設する場合は、ハイカウンター側に誘導する。国基準 三十八ページ 2ノ1ノ5ノ1ノ2 待機エリア、行列エリア 待機エリア、行列エリアの基準 屋内 屋外 標準 目的のいかんに関わらず行列エリアは、宿泊施設を除く会場屋内及び会場敷地の屋外通路において、全ての人々が安全かつ円滑に移動できるようにすべきである。トウキョウガイド 標準 行列エリアにおける列あたりの有効フクインは千五百ミリメートルとする。トウキョウガイド 標準 行列エリアの床面は、水平、または傾斜がついていてもゴジュウブンノイチ2パーセントを超えないようにすべきである。トウキョウガイド 標準 予想される行列の長さが五十メートルを超える場合、または待ち時間がある一定の限度を超える場合、長時間立位を保つのが困難な人にとっては、ベンチが必要である。トウキョウガイド 休憩用ベンチの設置基準は、屋外の通路の休憩ベンチの設置間隔表3を参照。 標準 ロープ、棒、または仕切りには周囲とはっきりコントラストをなす色彩を用い、行列エリアとそれ以外の周辺環境を明確に区別すべきである。トウキョウガイド 推奨 行列エリアには、日よけを設置することが望ましい。大阪UDガイド 標準 順番待ちの行列の整理においては、視覚障害者や車いす使用者等が並びやすいようロープのレイアウト等を工夫するとともに、案内、誘導の人的対応を行う。国基準 2ノ1ノ5ノ2 飲食物販売店 2ノ1ノ5ノ2 ノ1 売店や飲食施設のカウンター 売店や飲食店施設のカウンターの基準 屋内 標準 物販店舗で、複数の会計カウンターがある場合、または、無人レジセルフレジ 顧客が自分で商品バーコードをスキャンして会計をするレジのみの店舗の場合には、立位で使用する会計カウンターの他に、高齢者、障害者等が利用できるローカウンターを1以上設ける。国基準 推奨 メインサービスエリアとして全ての利用者に対応する、床面から高さ七百から八百ミリメートル程度の低めのカウンターを組み込み、レジエリアには車いす使用者やリーチの短い人、腕力のない人をサポートできる最低幅六百ミリメートルの出入口があるつまり、店員がカウンター外に出られる出入口誰もが使うことができるカウンターを設けることが望ましい。トウキョウガイド 標準 車いす使用者が店員と対面で取引を完了するため、レジ、サービスカウンターの下の膝下クリアランスは、高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度、幅七百五十ミリメートル、奥行き五百ミリメートルを標準とする。トウキョウガイド 推奨 円滑なお金のやりとりができるよう、レジでは客から金額表示が見えるようにすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 最小幅員千ミリメートルの通路では、展示物や商品を並べたりしない。トウキョウガイド 三十九ページ 図9 レジとサービスカウンター例 レジとサービスカウンターの膝下クリアランスや各長さを図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 四十ページ 2ノ1ノ5ノ2ノ2 カフェテリアスタイルのサービス カフェテリアスタイルのカウンターやサービスの基準 屋内 標準 床面からの高さ七百から八百ミリメートル程度のトレー移動カウンターは、奥行きが少なくとも二百五十ミリメートル、カウンター下の膝下クリアランスは床面から高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度で、トレーを取るスタート地点から、最後の清算地点まで連続していること。トウキョウガイド 推奨 冷蔵庫や棚の扉は、開き戸よりも引き戸が望ましい。トウキョウガイド 標準 レジカウンターはいずれも、カウンター高さは七百から八百ミリメートル程度、膝下クリアランスは、高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度、幅七百五十ミリメートル、奥行き五百ミリメートルを標準とする。トウキョウガイド 推奨 レジ、POSエリアには車いす使用者やリーチの短い人、腕力のない人をサポートできる最低幅六百ミリメートルの出入口があるつまり、店員がカウンター外に出られる出入口、誰もが使うことができるカウンターを設けることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 円滑なお金のやりとりができるよう、レジでは客から金額表示が見えるようにすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 味付け等を調整する台を置く場合は、カウンター上面の高さ七百から八百ミリメートル程度、カウンター前端からの到達範囲奥行きは最大六百ミリメートル。膝下クリアランスは、高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度、幅七百五十ミリメートル、奥行き五百ミリメートル以上を標準とする。トウキョウガイド 標準 味付け等を調整する台として、最低幅三百ミリメートルかける奥行き二百ミリメートル以上の空きスペースが必要である。例えば、上面までの高さ七百から八百ミリメートル程度、床面からのクリアランス高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度の棚を追加すれば、このような空きスペースを作ることができる。ただし、棚を追加することで、最大六百ミリメートルの到達範囲要件を阻害してはならない。トウキョウガイド 推奨 調味料の容器は、個包装ではないボトルなどのタイプが好ましい。個包装の調味料は、手の不自由な人や視覚に障害のある人には使いにくいことが多い。トウキョウガイド 推奨 ただし、感染症対策、不適切な取り扱い防止などの観点から個包装とする場合は、客からの申し出によって、店員が個包装の封を開けるなど援助することが望ましい。 標準 ナプキンは一般的なディスペンサーで提供するものとは別に、積み重ねたもの、ばらのものも用意する。トウキョウガイド 四十一ページ 図十 調味料カウンター例 調味料カウンターの各高さを図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 2ノ1ノ5ノ2ノ3 ゴミ箱 ゴミ箱の仕様 屋内 標準 高さは九百ミリメートル程度最大千二百ミリメートルとすること。大阪UDガイド 推奨 ゴミ箱の蓋は、手や足で操作することが困難であることに配慮することが望ましい足踏み式は避ける。大阪UDガイド 標準 ゴミ箱はわかりやすい形状、色とし、分別表示をわかりやすく行うこと。大阪UDガイド 標準 戸の開閉や施錠の操作が円滑に行えるよう、戸の付近には ゴミ箱等を設けない。大阪UDガイド 四十二ページ 2ノ1ノ5ノ3 レストラン、ラウンジ、フードコートの座席 2ノ1ノ5ノ3ノ1 はじめに 個別要件はレストランの種類と内装により異なるが、以下に述べるアクセシビリティ要件は、レストランデザインにおける基本的ガイドラインとなる。 2ノ1ノ5ノ3ノ2 座席の配置など 屋内 標準 仕切られた固定ブース席は一般的に、車いす使用者にはアクセスしにくいだけでなく、歩行困難者や高齢者にとっても使いづらい。固定ブース席を採用する場合、アクセシブルな一般的なテーブルも利用できるようにしておかなければならない。トウキョウガイド 標準 主要通路は最低フクイン千五百ミリメートルとし、テーブルの間の通路は少なくとも有効フクイン千ミリメートルが必要である。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな座席は、席の選択ができるように店内全体に分散させる必要がある。いすは軽く、位置変えしやすいものでなければならない。トウキョウガイド 推奨 アクセシブルな座席は、固定ブース席のように仕切られているスペースではなく、可動できるスペースに配置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 知的障害者、発達障害者、精神障害者等が落ち着いて食事を行うことや、子ども連れの方が安心して食事を行うこと等、多様なニーズへの対応として個室簡易な仕切りや間仕切等を含むを用意することが望ましい。国基準 テーブルや座席の仕様 屋内 推奨 食事の際は、四隅に脚のあるテーブルが望ましい。トウキョウガイド 標準 中央に支柱のある丸テーブルが使用される場合、テーブル先端部から支柱基部までの距離は最低五百ミリメートル、テーブルの床からの膝下クリアランスは高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度を設ける。トウキョウガイド 標準 バー仕様のカウンター席では、それぞれのカウンターに、車いす使用者や座面の高いスツールが使えない人のために、少なくとも2席分の低いカウンターを設ける必要がある。このカウンターの寸法は高さ七百から八百ミリメートル程度、幅最低千六百ミリメートル、カウンター下全幅に、床からの膝下クリアランス高さ六百五十から七百五十ミリメートル程度を設ける。トウキョウガイド 推奨 座席には、肘掛いすと肘なしいすを取り混ぜて配置するのが望ましい。歩行困難者を援助するため、肘なしいす5脚につき最低1脚二十パーセントを肘掛いすとするのが望ましい。トウキョウガイド 推奨 車いす使用者に配慮しすべての席を可動いすとすることが望ましい。大阪UDガイド 標準 固定式のいすを設ける場合には、可動いすは客席総数の半分以上とすること。大阪UDガイド 推奨 ベンチタイプの座席は、しっかりした背もたれつきで、ベンチ下の最小蹴込みスペースは座面奥行きのサンブンノイチ以上に相当することが望ましい。トウキョウガイド 四十三ページ 標準 いずれの座席も、蹴込みは座面奥行きの少なくともサンブンノイチ以上に相当しなければならない。いすの支柱や対角材が、蹴込みの邪魔になってはいけない。トウキョウガイド 図十一 レストラン等の座席例 レストランにおける、主要通路のフクインやテーブルの間隔、通路側からテーブルにつけるような動線のイメージを図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 図十二 座席の蹴込みスぺース例 座席の奥行きサンブンノイチ以上の蹴り込みスペースのイメージを図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 四十四ページ 2ノ1ノ6 入口と出口 2ノ1ノ6ノ1 はじめに だれもが安全かつ適切に敷地、建物または会場に出入りできるようにするために検討すべき、出入口におけるアクセシビリティの重要な要素である。 2ノ1ノ6ノ2  入口の設計 入口の考え方 屋内 屋外 標準 どの入口も、前後に水平部分を設けるなどして、車いす使用者が自立して安全に進入できるところとすべきである。トウキョウガイド 車いす使用者が自立して安全に進入できる入口の要件 屋内 屋外 標準 宿泊施設を除く会場屋内、会場敷地の屋外通路には、日よけ/シェルター、飲み水へのアクセスが必要となる。トウキョウガイド 標準 ドア周辺に続く通路は、敷居など障害物がないものとする。トウキョウガイド 通路のフクインは、通路の幅表1を参照。 標準 アクセシブルな通路を示した明瞭な表示サインを設置する。トウキョウガイド 標準 玄関マットは、つまずき防止のため、路面にはめ込み式で、水や泥をできるだけ屋内に持ち込まないものとする。また、刷毛状のものは通行の支障となりやすいため用いない。トウキョウガイド 標準 適切なドアクローザー付きで簡単に開閉できるドア引き戸を含むを設置する。トウキョウガイド 標準 ドアの開閉にセンサーを利用した自動ドアクローザーを設置する。トウキョウガイド 標準 建物を新設する際は回転式ドアを設けないことを原則とする。やむを得ず回転式ドアを設置する場合は、視覚に障害のある人の衝突防止に配慮するとともに、自動の開き戸または引き戸を併設し、車いす使用者も含めてそちらへの誘導を原則とすること。トウキョウガイド 2ノ1ノ6ノ3 入口の機能 入口の機能 屋内 屋外 アジア競技大会やアジアパラ競技大会のようなイベント時の、会場入口の構造的要素には以下のようなものがある。 開門前の待機場所 チケットまたはアクレディテーション必要な大会関係者だけが特定の会場及び会場内の特定のゾーンに入れるようにする入場資格の認定のことを指す。のチェックを行う行列または集合場所 チケット読み取りエリア 四十五ページ 手荷物及び身体検査を行う、テント内のセキュリティチェックエリア 検査終了後、再度集合できる、検査エリア周辺の簡単な待機場所 標準 これらいずれのエリアも、アクセシブルで適切なフクインやスペースがあり、適切に設計されていることが不可欠である。トウキョウガイド 2ノ1ノ6ノ4 アクセシブルな入口についての考慮事項 2ノ1ノ6ノ4ノ1 観客入口 観客入口の留意事項 屋内 屋外 大会期間中、種目にもよるが、競技・試合開始に備えて会場に入り着席するのに約2から3時間かかる可能性がある。アクセシビリティを必要とする人も、他の人と一緒にアクセシブルな列に並ぶことになる。 留意すべき事柄には次のものが含まれる。 標準 降車地点から会場入口までの移動距離が五百メートルを超える場合、または経路に急な傾斜路がある場合、歩行能力が限られている人々のために、降車地点と会場入口の間に移動手段を提供する必要がある。トウキョウガイド 推奨 アクセシブルな降車点は、会場入口のできるだけ近くに配置するのが望ましい。トウキョウガイド 推奨 入口への通路には、五十メートル間隔で休憩用座席と、アクセシブルな入口のごく近くに日よけとシェルターを設置するのが望ましい。トウキョウガイド 会場敷地の屋外通路の休憩用ベンチの設置基準は、屋外の通路の休憩ベンチの設置間隔表3を参照。 移動に適した通路 屋内 屋外 標準 敷地内通路は全て、どのような天候であっても、移動に適した通路であるものとする。トウキョウガイド 標準 周囲とコントラストをつけた色彩で、入口の通路の最小フクインは千五百ミリメートルとする。トウキョウガイド 標準 行列スペースは、各列とも幅は最低千五百ミリメートル確保する。トウキョウガイド 標準 アクセスに関する国際的なロゴを含め、表示サインは特にアクセシブルな入口と、アクセシブルな通路・行列スペースを明瞭に示すものとすべきである。トウキョウガイド 推奨 主要な経路や避難経路等の動線を示す主要な案内板は、必要な情報が連続的に得られるように配置することが望ましい。国基準 標準 出口への通路は、非常時の避難経路となり、全ての利用者が避難地点まで効率よく移動できることを保証しなければならない。トウキョウガイド 四十六ページ 2ノ1ノ7 ドアとドア周辺部 2ノ1ノ7ノ1 はじめに 適切に設計された扉は、アクセシブルな通路には不可欠な部分で、車いす使用者、ベビーカーを押す人、荷物を運ぶ人も扉の向こうの通路(エリア)に容易にアクセスできるようになる。 ドア下部の段のある敷居、極端に重いドア、または開閉方向が正しくないドアなどは、アクセスを妨げる障害物であり利用者にとって危険でもある。これらは、ドアの幅員が適切であっても、アクセスを妨げたり、相当な問題となったりすることがある。 2ノ1ノ7ノ2 設計要件 2ノ1ノ7ノ2ノ1 有効フクイン ドアの有効幅員 屋内 公共交通 ドア幅に関する基準は、宿泊施設を除く会場屋内及びアクセシブルルートなる公共交通機関の施設について、表二十一に規定する。これは、国内法令等と合わせて検討すること。 表二十一 ドアの有効幅  宿泊施設を除く会場屋内 標準 出入口戸の有効フクインは、九百ミリメートル以上を標準とする。市指針 ただし、内部出入口については、八百五十ミリメートル以上を標準とする。トウキョウガイド、大阪UDガイド 注釈 主要な出入口については、千ミリメートル以上トウキョウガイド、大阪UDガイド、市指針 推奨 九百五十ミリメートル以上トウキョウガイド、大阪UDガイド 注釈 主要な出入口については、二千ミリメートル以上トウキョウガイド、大阪UDガイド 注釈 競技用車いす利用の準備エリア千ミリメートル以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 九百ミリメートル以上トウキョウガイド、市指針 推奨 九百五十ミリメートル以上トウキョウガイド 注釈 公共用通路との出入口千八百ミリメートル以上トウキョウガイド 標準 出入口が、それぞれ独立して動く戸板2枚で構成されている場合、少なくとも1枚は上述の最小有効フクインの要件を満たしているものとする。トウキョウガイド 2ノ1ノ7ノ3 その他の要件 自動ドアの設置 屋内 屋外 標準 主要出入口には、自動ドアを設置する必要がある。トウキョウガイド 自動ドアの要件 屋内 屋外 標準 自動式開き戸は、突然に開いたドアに衝突する危険があり、床面に自動ドアの開閉軌道を表示するなど配慮する。トウキョウガイド 標準 ハンズフリーやタッチ式で操作できるスイッチを設置する。トウキョウガイド 標準 軽い力でドアの動きを停止できる。参考値最大三十ニュートントウキョウガイド 標準 火災時の非常口になっている場合、非常時でも開閉操作可能であること。トウキョウガイド 四十七ページ 標準 自動ドアの開閉時間は、安全が確保されるよう配慮する。トウキョウガイド 標準 高齢者、障害者等がドアに挟まれないよう、ドア走行部で存在検出を行うため、ドア枠の左右かつ適切な高さに、安全装置補助光電センサーを設置する。国基準 自動ドアでない場合の要件 屋内 屋外 標準 ドアハンドルは、大きく操作性の良いレバーハンドル式、プッシュプルハンドル式又はパニックバー形式のものとする。大阪UDガイド 標準 ドアハンドルは、床面から九百ミリメートル程度の位置に設置すること。大阪UDガイド 標準 引き戸は全開状態でも操作可能な十分な引き残しを確保し、戸袋への引き込み防止など安全が確保されるよう配慮する。トウキョウガイド 標準 低抵抗のディレイ装置付ドアクローザーは、開閉時間について安全が確保されるよう配慮する。トウキョウガイド 標準 引き戸の場合、ラッチ側に、五百ミリメートルのクリアランスが必要。トウキョウガイド 標準 ドアの開閉範囲内に人が立ち止まってしまうことのないように、ドアには表示サインや告示を貼り出さない。トウキョウガイド 推奨 段のある敷居はつまずきの危険源であり、除去するのが望ましい。トウキョウガイド 標準 戸板は、枠または周囲の壁に対して、適切な輝度比をつける。壁面、ドアともガラスの場合も同様。また、ガラス扉には、ガラスが認識できるように衝突防止用のステッカー等を目の高さ付近高さ千百から千五百ミリメートル程度に設ける。トウキョウガイド 標準 複数のドアが相互に連係して連なっている場合、2つのドアが同時に開いた状態を想定して、ドアとドアの間の有効距離は、2枚のドア幅に加えて千五百ミリメートル必要である。トウキョウガイド 標準 開き戸の場合、衝突等の危険防止のため、ドアの反対側の様子がわかる様に、安全ガラス合わせガラスまたは強化ガラスを用いたガラス窓を、車いす使用者や子ども等の存在がわかる高さ・位置に設ける。ただし、プライバシー上の問題がある場合は、この限りではない。大阪UDガイド 2ノ1ノ7ノ4 ドア周辺の操作スペース ドア周辺の操作スペース 屋内 屋外 標準 ドア周辺部には、歩行困難者のために、ドアの前後両方に開閉操作空間と、ドアのラッチ側にクリアランスが必要である。 スペースの詳細は次表に記載されている。トウキョウガイド 四十八ページ 表二十二 ドア周辺の所要スペース 片開きドアで前面からアプローチの場合 ドアの状態 引き手側 図番号 Aの1 奥行き 千五百ミリメートル 幅 千五百ミリメートル ラッチ側クリアランス 五百ミリメートル ドアの状態 押し手側 図番号 Aの2 奥行き 千二百ミリメートル 幅 千二百ミリメートル ラッチ側クリアランス 三百ミリメートル 片開きドアでラッチ側からのアプローチの場合 ドアの状態 引き手側 図番号 Bの1 奥行き 千二百ミリメートル 幅 千五百ミリメートル ラッチ側クリアランス 五百ミリメートル ドアの状態 押し手側 図番号 Bの2 奥行き 千五十ミリメートル 幅 千五百ミリメートル ラッチ側クリアランス 六百ミリメートル 片開きドアで蝶番側からのアプローチの場合 ドアの状態 引き手側 図番号 Cの1 奥行き 千五百ミリメートル 幅 千五百ミリメートル ラッチ側クリアランス 五百ミリメートル ドアの状態 押し手側 図番号 Cの2 奥行き 千五十ミリメートル 幅 千三百五十ミリメートル ラッチ側クリアランス 四百五十ミリメートル 引き戸で前面からのアプローチの場合 図番号 Dの1 奥行き 千二百ミリメートル 幅 九百ミリメートル ラッチ側クリアランス 五十ミリメートル 引き戸で横からのアプローチの場合 図番号 Dの2 奥行き 千五十ミリメートル 幅 千三百五十ミリメートル ラッチ側クリアランス 五百四十ミリメートル 以上トウキョウガイド 四十九ページ 図十三 ドア周辺のアプローチ方法例 車いす使用者のドア別のアプローチについて図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 五十ページ 図十四 ドア周辺の操作スペース例 車いす使用者のドア周辺の操作スペースについて図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 五十一ページ 2ノ1ノ7ノ4ノ1 各種ドアに関する考慮事項 各種のドアの考慮事項 屋内 屋外 推奨 個人差があるものの、引き戸は扱いやすく、車いす使用者が利用する際の所要スペースも少なくてすむ。構造上やむを得ない場合以外は開き戸としないことが望ましい。トウキョウガイド 標準 一般的に回転ドアは、歩行が困難な人、視覚障害者や子ども達には不適切である。回転ドアを設置する場合、適切な幅の自動ドアを隣接して設置する。やむを得ない事情により、自動ドアを設置できない場合には、引き戸・開き戸を設置する。トウキョウガイド 標準 ガラスをはめたドアは、ガラスが認識できるように、目の高さ付近高さ千百から千五百ミリメートル程度に設置する衝突防止用のステッカー等で、視覚に障害のある人にもわかるようにしなければならない。トウキョウガイド 標準 車いすのフットレストの高さ床から三百五十ミリメートル程度までの部分はガラスの使用を避けること。大阪UDガイド 推奨 使用頻度が高いドアの場合、床から二百五十ミリメートルの高さまでキックプレートまたはそれに類する材質のものを設置することが望ましい。大阪UDガイド 2ノ1ノ7ノ4ノ2 会場ゲート及びターンスタイル回転式ゲート 標準 ゲートもしくはアクセスを制限する装置例えば金属探知器が設置されている場合、八百五十ミリメートル以上の有効フクインが必要である。トウキョウガイド 推奨九百ミリメートル以上の広幅員ゲートを1以上設置することが望ましい。大阪UDガイド 標準 ゲート装置が設置されている場合、ゲートは利用者とは反対側にすなわち進行方向に向かって開くものとする。トウキョウガイド 標準 回転式は避けること。大阪UDガイド 標準 一般的に車いすではアクセスできないターンスタイル回転式ゲート、またはその他のチケットコントロール装置が設置されている場合、車いす電動含むでアクセスできるゲートまたは出入口を隣接して一以上設置すること。大阪UDガイド 図十五 車いすでアクセスできるゲート例 車いすでアクセスできるゲートの幅員や構造のイメージを図示 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会/トウキョウ2020アクセシビリティ・ガイドライン 五十二ページ 2ノ1ノ8 エレベーターとエスカレーター 2ノ1ノ8ノ1 エレベーター 2ノ1ノ8ノ1ノ1 はじめに エレベーターの定義 屋内 歩道 公共交通 垂直昇降装置として適切なものは以下の3種類である。 エレベーター:複数階で利用でき、アクセシブルな操作盤による全自動運転 垂直昇降台:1、2階相当、または五百ミリメートル以上の高低差に対応する、段差解消機 階段昇降機:スペースに制約がありエレベーターや昇降台が設置できない既存建物に対応 エレベーターは、傾斜路や勾配をつけた通路を設けることができない場合、建物や施設の高低差を解消するのに不可欠である。すべてのエレベーターは、国内関係法規に定められた安全に係る技術基準に従って設計・運用され、安全な運転を行う。競技会場は、必要な数、必要な場所に設置するが、一度に多くの車いす使用者が集中し稼動力が低下する時間帯があるため、エレベーターのかごの大きさ、設置数、配置等を十分に検討する。 標準 エレベーターの設置場所は、主要な経路に隣接して設置する。トウキョウガイド 標準 アクセシビリティ基準を満たしているエレベーターは、利用者の視点を踏まえた場所に適切な表示サインを設置する。トウキョウガイド 推奨 表示サインはいろいろな方向からも視認できるように設置することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ1ノ8ノ1ノ2 ドア エレベーターのドアの要件 屋内 歩道 公共交通 標準 ドアは自動とし、引き戸式であること。閉じかけのドアが遮られると閉じる動作を停止し、再度開ける機能を持つ、ドアの障害物検知装置が取り付けられているものとする。トウキョウガイド 標準 かご内で利用者がドアの開閉ボタンを押した場合を除き、どの呼び出しでも、ドアが開いた状態は最低4秒維持しなければならない。トウキョウガイド 推奨 車いす使用者対応の主・副操作盤の行き先ボタンを操作することにより、戸の開放時間が通常より長くなる機能を設置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 戸が開いている時間は十秒程度が望ましい。トウキョウガイド 標準 かごには、着床時のかごとエレベーターホール床との高低差が許容範囲のプラスマイナス十ミリメートルを超えないように保つものとする。トウキョウガイド エレベータードアの有効幅についての基準は、設置場所ごとに表二十三に規定する。 五十三ページ 表二十三 エレベーターのドアの有効幅  宿泊施設を除く会場屋内 標準 八百五十ミリメートル以上トウキョウガイド 注釈 五千平方メートル以上の建物は九百ミリメートル以上トウキョウガイド 推奨 九百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準、県指針、市指針 注釈 パブリックスペースと競技会場は九百五十ミリメートルトウキョウガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設にエレベーターを設ける場合 標準 九百ミリメートル以上トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 八百五十ミリメートル以上トウキョウガイド 推奨 九百ミリメートル以上トウキョウガイド 注釈 パブリックスペースと競技会場は九百五十ミリメートルトウキョウガイド 参考 大阪UDガイド かご及び昇降機の出入口の幅は、千ミリメートル以上とすること。ただし、かごの大きさの寸法のジス規格に合った出入口の幅とすることができる。 2ノ1ノ8ノ1ノ3 かご エレベーターのかごの要件 屋内 歩道 公共交通 かごの有効寸法についての基準は、設置場所ごとに表二十四に規定する。 推奨  緊急時の対応等に配慮し、可能な箇所には、ストレッチャーを乗せることができる、奥行き概ね二千ミリメートル以上のあるエレベーターを導入することが望ましい。市指針 54ページ 表二十四 エレベーターのかご 宿泊施設を除く会場屋内 標準 幅千七百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル又は同等水準のジス規格、幅二千ミリメートルかける奥行き千三百五十ミリメートルまたは、幅千八百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル十七人乗りトウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 幅二千百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル又は同等水準のジス規格の幅二千百五十ミリメートルかける奥行き千六百ミリメートルまたは、幅二千ミリメートルかける奥行き千七百五十ミリメートル二十四人乗りトウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設にエレベーターを設ける場合 標準 幅千七百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル又は同等水準のジス規格、幅二千ミリメートルかける奥行き千三百五十ミリメートルまたは、幅千八百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル十七人乗りトウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 幅二千百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル又同等水準のジス規格の幅二千百五十ミリメートルかける奥行き千六百ミリメートルまたは、幅二千ミリメートルかける奥行き千七百五十ミリメートル二十四人乗りトウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 幅千七百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル又は同等水準のジス規格の幅二千ミリメートルかける奥行き千三百五十ミリメートルまたは、幅千八百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル十七人乗りトウキョウガイド 推奨 幅二千百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル又は同等水準のジス規格の幅二千百五十ミリメートルかける奥行き千六百ミリメートルまたは、幅二千ミリメートルかける奥行き千七百五十ミリメートル二十四人乗りトウキョウガイド 注釈 上記推奨基準については、1基のかごの有効寸法が基準に満たない場合でも、2基目を増設し全体の容量で基準を満たすことも認める。ただし2基目は、標準以上の有効寸法を満たすものが望ましい。トウキョウガイド           参考 ジス規格の参考値 幅二千ミリメートルかける奥行き千三百五十ミリメートルまたは、幅千八百ミリメートルかける奥行き千五百ミリメートル十七人乗り 幅二千百五十ミリメートルかける奥行き千六百ミリメートルまたは、幅二千ミリメートルかける奥行き千七百五十ミリメートル二十四人乗り 標準 公共交通機関では、エレベーターはかごの出入口の戸にガラス等による窓等を設けることにより、外部から内部が、内部から外部が見える構造とする。ガラス等による窓等を設置できない場合には、かごの内部から外部を、外部から内部を確認するための映像設備を設ける。トウキョウガイド 推奨 公共交通機関以外では、緊急事態及び犯罪防止のため、エレベーターはかご内部から外部を、またかご外部から内部を視認でき、連絡ができる構造とすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 かご内の照明は、エレベーターホールや周辺通路の照明と同レベルで、ちらつきのない均一なものでなければならない。参考値百ルクス以上トウキョウガイド かご内の両側面の壁及び正面壁に手すりを設置するが、設置位置は、表二十五に規定する。なお、握りの直径は、傾斜路の手すりの握り面と壁面からの距離表十二を参照。 五十五ページ 表二十五 エレベーターのかご内の手すり  宿泊施設を除く会場屋内 標準 床面からの高さ七百五十から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド、大阪UDガイド 、国基準 アクセシブルルートとなる道路の歩道立体横断施設にエレベーターを設ける場合 標準 床面からの高さ八百から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 床面からの高さ八百から八百五十ミリメートル程度トウキョウガイド、大阪UDガイド交通、市指針 標準 かご内の床面は、視覚に障害のある人の利便性を考慮し、濃淡のない暗色ではなく、建物の床と容易に区別できるものでなければならない。トウキョウガイド 推奨 2階分の低層階用エレベーターは、車いす使用者がかご内で方向転換する必要のない、かごの前面と背面に設置した2箇所のドアを用いた貫通型が望ましい。トウキョウガイド 推奨 旅客施設内のアクセシブルルート上にあるエレベーターについても、2階分の低層階用エレベーターに限らず、設置可能な場合は、貫通型を設置することが望ましい。トウキョウガイド 標準 2階分の低層階用エレベーター、旅客施設内のアクセシブルルート上にあるエレベーターを、構造上もしくは安全上の理由から、他の方式のエレベーターの設置が困難な場合は、直角二方向出入口型エレベーターを設置する。トウキョウガイド 標準 通り抜けタイプが適切でない場合、混雑時に歩行困難者が方向転換してエレベーターから下りやすくするため、かご内背面に鏡を設置する必要がある。鏡の高さは床上四百ミリメートル程度から千五百ミリメートル程度まで、また幅はかご幅いっぱいにしなければならない。なお、構造上の理由等により、かご幅いっぱいに設置できない場合は、車いす使用者等の円滑な利用に十分な幅を確保する。または正面天井近くに全体を見渡せる鏡等を設置する。トウキョウガイド 標準 床は、滑りにくい仕上げにしなければならない。かごの昇降、停止にしたがって階数を示す表示装置を取り付けるものとする。トウキョウガイド 2ノ1ノ8ノ1ノ4 操作盤 エレベーターの操作盤の要件 屋内 歩道 公共交通 推奨 かご内車いす使用者対応操作盤は、両側面に、中心がかご側壁の中央に位置するように取付けることが望ましい。このような位置に設置することで、車いす使用者が前にかがみこんだり、後方に体をひねって転倒する危険を冒したりすることなく、操作盤にアクセスできるようになる。操作盤を3箇所に設置する場合、もう一つは袖壁に取り付けるのが最適配置である。トウキョウガイド 標準 かごの操作盤は、車いす使用者が乗り込んだらすぐにアクセスできるようにする。トウキョウガイド 五十六ページ 標準 かごの側壁に設置する車いす使用者対応操作盤は手すりより上部に設置する。また、非常呼出ボタンとドア開閉ボタンの中心が床面から千ミリメートル程度の高さとなるように配置する。トウキョウガイド 標準 かごの側壁に設置される車いす使用者対応操作盤の一番上にある階数ボタンの位置は、床面から千百ミリメートルを超えないものとする。トウキョウガイド 標準 かご内の操作盤の階数ボタンは、操作しやすい大きさで、浮き出しもしくは触知できるものとする。トウキョウガイド 推奨 かご内の操作盤の階数ボタンは、キャンセル機能付が望ましい。トウキョウガイド 標準 主要な経路上のエレベーターのかご内に設ける操作盤車いす使用者が利用しやすい位置とその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては、その他の位置に設けるものは、点字、文字等の浮き彫り、音による案内、その他これらに類するものにより、視覚障害者が円滑に操作することができる構造とする。国基準 標準 開閉ボタンは、三角の矢印をつける等、開閉が認識しやすいよう配慮すること。押された利用階が視覚で分かるようするとともに、操作盤のボタンの数字・文字を浮き出しにし、ジス T0921に基づいて点字を付加することにより、触知できるように配慮すること。トウキョウガイド 推奨 開閉ボタンを押したことが音響で分かるようにすることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 ボタンの文字は、周囲との色の明度、色相又は彩度の差が大きいこと等により弱視者ロービジョンの操作性に配慮したものであることが望ましい。国基準 標準 非常時の通信装置には、ハンズフリー操作できるインターホンシステムを利用する必要がある。トウキョウガイド 推奨 非常時の通信装置は、かごの中と外でコミュニケーションが取れるようモニター付きのものが望ましい。トウキョウガイド 標準 2階以上の階層で使用するエレベーターの場合、かご内には運転方向、及び停止階を知らせる音声案内が必要である。トウキョウガイド 推奨 押しボタンは弱視者にも見えやすい配色と浮き出し文字等の形状、分かりやすい点字表記を付けることが望ましい。このシステムはどの利用者にも、特に高齢者や視覚障害者には、極めて有益である。トウキョウガイド 2ノ1ノ8ノ1ノ5 その他の要件 エレベーターのその他の要件 屋内 歩道 公共交通 推奨 エレベーター到着時の音による案内は、上がるか下りるかの運転方向を聞き取りやすい音の高低差で表すことが望ましい。トウキョウガイド 推奨 聴覚障害者に配慮し、かご内の見やすい位置に過負荷であることを音声案内及び視覚的に表示することが望ましい。トウキョウガイド 標準 エレベーターホールは、高低差がないものとし、その幅及び奥行きは、千八百ミリメートル以上とすること。ただし、観客が充分に待つことができ、かつ乗り降りするときに支障がないように、建物の規模、人の多さに配慮して、広さを確保すること。大阪UDガイド 五十七ページ 推奨 エレベーターホールは、その幅及び奥行きは二千ミリメートル以上とすることが望ましい。 大阪UDガイド 標準 エレベーターホールの車いす対応呼出ボタンは、床面から千ミリメートル程度の高さに設置する。トウキョウガイド 標準 エレベーターホールに設ける制御装置には、立位で使用する乗り場ボタンと車いす使用者対応の乗り場ボタンの両方に点字表示をする。市指針 推奨 エレベーター内の音声案内情報は、聴覚障害のある方に配慮して文字情報としても提供することが望ましい。トウキョウガイド 標準 視覚障害者が乗り場ボタンの位置を認知しやすいよう、乗り場ボタンの手前には、点状ブロック等を敷設する。国基準 標準 エレベーターそれぞれに、緊急応答システムにつながる双方向の通信システムを備えているものとする。トウキョウガイド 推奨 かご内に、緊急時に聴覚障害者が外部と連絡を取ることが可能な緊急連絡を必要としている者が聴覚障害者であることが判別できるボタンやモニターを設置することが望ましい。トウキョウガイド 標準 操作ボタンの中心が床面から千ミリメートル程度の高さになるよう設置し、浮き出しのシンボルまたは文字で判別できるようにする。トウキョウガイド 推奨 聴覚障害者も含めた緊急時への対応に配慮すると、以下のような設備を設けることが望ましい。国基準 かご内に、緊急時等に情報提供や誘導案内等を行う表示装置等を設ける 故障が検知された場合は、故障したことが伝わるよう、自動的にかご内にその旨の表示を行うか、かご内に外部に故障を知らせるための非常ボタンを設ける 地震、火災、停電時管制運転を備えたエレベーターを設置する場合には、音声及び文字で管制運転により停止した旨を知らせる装置を設ける 五十八ページ 図十六 エレベーターのかご例 エレベーターのかご内の各数値基準を明記 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 五十九ページ 図17 エレベーターの操作盤例 エレベーターの操作盤の各基準を明記 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 六十ページ 2ノ1ノ8ノ2 エスカレーター エスカレーターの要件 屋内 歩道 公共交通 エスカレーターはアクセシブルな通路とは見なされていない。したがって、エスカレーターとは別に、昇降装置によるアクセスの手段が必要になる。補助犬盲導犬、介助犬、聴導犬を伴っている人は通常、エスカレーターを利用できない。また、歩行困難者やバランスを取りづらい人の中には、エスカレーターを使いこなせない人もいる。 しかしながら、エスカレーターは移動困難者に加えて、視覚や聴覚に障害のある人も利用するため、以下のような基本的な安全要件を満たす必要がある。 標準 エスカレーター付近には、エスカレーターがあることを表示する表示板標識を設ける。国基準 推奨 エスカレーター利用時のはさまれ事故、転倒・転落事故を防止するために、利用者の注意を喚起する表示板等を設けることが望ましい。国基準 標準 エスカレーター上下端部は点状ブロックで注意を喚起し、ステップの段鼻と両サイドははっきりとコントラストをつけて示す。トウキョウガイド 推奨 ステップの段鼻と両サイドのコントラストは、できれば黄色が望ましい。トウキョウガイド 標準 点状ブロック等は、エスカレーター乗り口、降り口部のランディングプレートから三百ミリメートル程度離し、固定手すりの内側に敷設する。国基準 標準 くし板の端部と踏み段の色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより、くし板と踏み段等との境界を容易に識別できるものとすること。大阪UDガイド 標準 エスカレーターの進行方向がわかるよう配慮を行う。トウキョウガイド 標準 進入可能なエスカレーターの乗り口端部において、当該エスカレーターの行き先及び昇降方向を知らせる音声案内装置を設置する。音声案内装置の設置にあたっては、周囲の喧騒音と比較して十分聞き取りやすい音量、音質とすることに留意し、音源を乗り口に近く、利用者の動線に向かって設置する。トウキョウガイド 推奨 表示サインを設置する場合、ベルトにマークを付けるなど弱視者に配慮して進行方向を分かりやすい表示とすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 エスカレーター上の照明は、乗り降りを安全に行うことができるよう、照明の明るさ・配置などに配慮すること。参考値最低二百ルクストウキョウガイド 標準 エスカレーターの速度は、利用者に配慮して適切に設定すること。トウキョウガイド 標準 エスカレーター乗り降りのスペースの床面については、濡れてもすべりにくい仕様とすること。トウキョウガイド 推奨 移動手すりの折り返し端は、乗り口では踏段手前くし部分から七百ミリメートル程度延長し、降り口では踏段後方くし部分から七百ミリメートル程度延長することが望ましい。国基準 推奨 乗降口誘導固定手すりの長さは、千ミリメートル以上とすることが望ましい。国基準 推奨 幅は千型踏み段の内法有効幅千ミリメートル程度とすることが望ましい。大阪UDガイド 推奨 踏段の水平部分は、3枚程度とすることが望ましい。国基準 六十一ページ 推奨 定常段差に達するまでの踏段は、5枚程度とすることが望ましい。国基準 2ノ1ノ9 非常時の対応策 2ノ1ノ9ノ1 はじめに 通例、非常時の対応では、配慮が必要な人々のうち特に歩行、視覚、聴覚、知的面で障害のある人々を考慮し、こうした人々のための適切な解決策を提供する必要がある。火災でエレベーターが使用できない場合、階段を移動するのが困難な人々が利用できる一時退避スペース救援支援エリアが必要である。ただし、公共交通機関の施設は対象外とする。 2ノ1ノ9ノ2 緊急避難 緊急避難経路の要件 屋内 屋外 標準 「緊急避難経路」の役目を果たす通路は、本章で前述したアクセシビリティ基準を満たしたうえ、わかりやすく、かつ最短の経路としなければならない。トウキョウガイド 標準 屋外の安全なエリアに一番近い脱出口の役目を果たす経路には、出口に移動するためのバリアフリーの通路が含まれていなければならない。トウキョウガイド 標準 高齢者、障害者等の円滑な避難のためには、避難経路の動線計画をわかりやすいものとすること、高齢者、障害者等に避難方向等をわかりやすく情報提供することが必要である。国基準 推奨 煙を避けるために低姿勢をとっても避難すべき方向がわかるよう、床面や腰の高さに、誘導灯や光点滅走行式避難誘導システム一定の間隔で設置した光源列を火災時に避難方向に流れるように点滅させることで避難方向を示す装置、蓄光性のある誘導タイル等を設置することが望ましい。国基準 標準 出口の階段は、暗くても段鼻や手すりが見えるよう配慮する必要がある。トウキョウガイド 2ノ1ノ9ノ3  一時退避スペース救援支援エリア 一時退避スペースの配置 屋内 標準 屋外の安全なエリアに一番近い脱出口が、機械的手段を用いなければその役目を果たせなくなる可能性があるときは、避難誘導の妨げとならない位置に必ず一時退避スペース救援支援エリアを設けておく。トウキョウガイド 標準 一時退避スペース救援支援エリアがあることがわかるように、わかりやすく表示する。大阪UDガイド このようなエリアは、アクセシブルな通路に避難動線と分離して配置する。表二十六を参照 六十二ページ 表二十六 一時待機エリア緊急支援エリア   宿泊施設を除く会場屋内 推奨 非常用エレベーター付近や階段踊り場等に八百五十ミリメートルかける千三百ミリメートルの一時待機スペースを2か所確保トウキョウガイド 一時退避スペースの要件 屋内 推奨 救援まで時間のかかる場合も考慮し、携帯トイレ等の防災用品を備えておくことが望ましい。トウキョウガイド 標準 一時退避スペース救援支援エリアの構造は、救助を待つために必要な耐火性能や遮煙・遮炎性能等を有するものとすること。大阪UDガイド その他不可欠な要件として以下がある。 標準 一時退避スペース救援支援エリアの表示サインと避難指示を策定、コントラストをつけた色彩と浮き出し文字やマークを用いて作成し、低い位置に掲示する。トウキョウガイド 標準 一時退避スペース救援支援エリアの入口は、周辺表面とコントラストをつけた色彩にする必要がある。トウキョウガイド 推奨 ハンズフリーのインターホンまたはその他通信装置を、操作ボタンの中心が床面から千ミリメートル程度の高さになるよう設置することが望ましい。トウキョウガイド 標準 一時退避スペース救援支援エリアや避難経路の適切な利用方法に関して、会場ごとにスタッフトレーニングを実施する。トウキョウガイド 2ノ1ノ9ノ4 警報システム 警報システムの考え方 屋内 警報システムの設置に際して、最も見過ごされているのが、聴覚障害者のニーズである。 耳が聞こえない人にとって、音響信号に頼る緊急警報システムはほとんど役に立たない。 警報を耳にした誰かが、耳の不自由な人に知らせるだろうと考えられがちであるが、耳の不自由な人が1人でいることも想定すべきである。 警報システムの要件 屋内 標準 音響信号と共に、視覚的な火災警報システム/ストロボライト等の光警報装置の運用が必要で、人々の集まるエリア、施設内の全トイレ及びエレベーター前等に設置する。聴覚障害者が緊急避難等情報にアクセスできるよう、電光掲示板・モニター等による文字情報を提供する。トウキョウガイド 標準 トイレに設置した緊急呼出ボタンも適切なスタッフトレーニングに加えて、車いす使用者にとって必要である。この装置は、トイレ内で転倒したとき、助けを呼ぶことができるものである。詳細は「2ノ2ノ3トイレ」の項参照緊急呼出システムは、施設利用時間中は、必ず監視していなければならない。構造上の理由で遠隔監視ができない施設の場合には、音響信号と視覚信号の両方を備えた警報装置を、人目に付くよう、隣接する通路に設置すればよい。トウキョウガイド 六十三ページ 標準 火災警報装置と消火器は、トラブル発生を知らせ、消火防災器具を利用できるよう、車いす使用者及びその他の人々がアクセスできるスペースに、適切な高さで設置しなければならない。これらは最大操作高千百ミリメートルとし、障害物のない壁面に直接取り付けなければならない。押しボタン式の火災報知器についても、同じ基準が適用される。トウキョウガイド 2ノ1ノ9ノ5 救急処置室 救急処置室の要件 屋内 標準 救急処置施設は、障害の有無に関わらず、全ての利用者に対応しなければならない。トウキョウガイド 標準 触知可能な/コントラストの強い表示サインと、車いす使用者や歩行器具使用者がアクセスできる誘導通路が必要になる。トウキョウガイド 推奨 ほとんどの救急処置施設で利用されている典型的な簡易寝台は、高さ調整機能とストッパー付車輪の付いた寝台または高さ調整機能を持たせた壁面の支柱で支える更衣台に交換することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 アクセシブルなトイレも救急処置室のすぐ近くに配置することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ1ノ9ノ6 建物からの避難指示 避難経路図の要件 屋内 建物内にいる人々にとって、分かりやすい非常時の手順と避難経路図は重要な要素である。 標準 視覚障害者や情報を認識しづらいその他の人々が、こうした決定的情報を確実に認識できる位置まで近づけるように配置する。特に建物からの避難指示は、出口にはっきりと印を入れた平面図とともに、大きな文字最小十八ポイント、二十二ポイント以上が望ましいで、はっきりコントラストをつけて白地に赤、またはその逆が望ましい示す必要がある。また、触知によっても分かる工夫が必要である。なお、英文は最小十四ポイントとする。トウキョウガイド 標準 視覚障害者や情報を認識しづらいその他の人々へのこれらの標示は仕上がり床面から中心まで千三百五十ミリメートル程度の高さに掲示し、最寄りの出口や救援支援エリアへのアクセシブルルートを強調する必要がある。トウキョウガイド 2ノ1ノ9ノ7 その他の要件 非常時の対応策を強化するその他のアクセシビリティ要件 屋内 標準 警報発動中でも、自動ドアの開放装置が機能しつづけること。トウキョウガイド 標準 警報発動中でも、警報発動エリアからの避難経路が見つけられるような照明になっていること。脱出路に沿って低い位置に設置された出口表示サインが全ての利用者、特に視覚障害者の助けとなる。トウキョウガイド 推奨 施設で使用している監視装置で、施設利用者に緊急メッセージを伝達するのが望ましい。トウキョウガイド 標準 視覚障害者や情報を認識しづらいその他の人々が、こうした決定的情報を確実に認識できる位置まで近づけるよう配置する。トウキョウガイド 六十四ページ 2ノ1ノ9ノ8 イベントでの考慮事項 一般的に上述の要件は全て、通例のスポーツイベントやソーシャルイベントなどに当てはまるが、アジアパラ競技大会などのようにさまざまな障害のある選手が参加するスポーツイベントの場合は特別な状況が存在する。 標準 障害者のスポーツイベントでは、施設利用者の中で、階段の昇り降りが困難な人や非常ベルへの対応に限界のある人の割合が極めて高い。そのため、イベントの企画者及び運営者は、実態を把握して、当該イベントに即した緊急事態対応計画を策定しなければならない。トウキョウガイド? 六十五ページ 2ノ2 アメニティ 2ノ2ノ1 概要 2ノ2ノ1ノ1 原則 公共で用いられるアメニティ設備は、移動困難や視覚、聴覚障害の制約の有無に関係なく、あらゆる人々が公平に、尊厳を持ってアクセスできるものでなければならない。 2ノ2ノ1ノ2 内容 本項には以下のテーマが含まれている。   テーマ 2ノ2ノ2 会場の座席 2ノ2ノ3 トイレ 2ノ2ノ4 シャワー、浴室、更衣室 2ノ2ノ5 カームダウン、クールダウンスペース 2ノ2ノ6 ベビーケアスペース 2ノ2ノ2 会場の座席 2ノ2ノ2ノ1 アクセシブルな座席 アクセシブルな座席の数 屋内 両大会における、アクセシブルな座席の最低要件は、表二十七に規定する。 表二十七 アクセシブルな座席の数 宿泊施設を除く会場屋内 標準 総座席数一万席未満で車椅子競技以外の場合 総数の1パーセントIPCガイド 総座席数一万席未満で車椅子競技の場合 総数の1.2パーセントIPCガイド 総座席数一万から一万九千九百九十九席で車椅子競技以外の場合 百席に加え、一万席を超えて千席ごとに8席IPCガイド 総座席数一万から一万九千九百九十九席で車椅子競技の場合 百二十席に加え、一万席を超えて千席ごとに十席IPCガイド 総座席数二万から三万九千九百九十九席で車椅子競技以外の場合 百八十席に加え、二万席を超えて千席ごとに5席IPCガイド 総座席数二万から三万九千九百九十九席で車椅子競技の場合 二百二十席に加え、二万席を超えて千席ごとに5席IPCガイド 総座席数四万席以上で車椅子競技以外の場合 二百八十席に加え、四万席を超えて千席ごとに2席IPCガイド 総座席数四万席以上で車椅子競技の場合 三百二十席に加え、四万席を超えて千席ごとに2席IPCガイド アクセシブルな座席の必要スペース 屋内  アクセシブルな座席の必要スペースについての基準は、表二十八に規定する。 六十六ページ 推奨  リクライニング式車いすなど1席では収まらない車いすでも観戦できるよう、複数の車いす使用者がアクセシブルな座席を柔軟に組み合わせて利用できるよう整備することが望ましい。トウキョウガイド 表二十八 アクセシブルな座席の必要スペース 宿泊施設を除く会場屋内 標準 車いす使用者用スペース 幅九百ミリメートル 国基準、トウキョウガイド、大阪UDガイド、市指針 奥行千五百ミリメートル程度 市指針 同伴者座席または付加アメニティ座席のスペース 幅五百ミリメートル トウキョウガイド 奥行千五百ミリメートル程度 市指針 後方の通路を含めた車いす使用者と同伴者座席に必要なスペース 幅千四百ミリメートル トウキョウガイド 奥行二千五百ミリメートル程度 トウキョウガイド、市指針 注釈 転回には後方に最低千ミリメートル必要であるため、千五百ミリメートル程度足す千ミリメートルで二千五百ミリメートル程度 アクセシブルな座席に必要な配慮 屋内 標準 車いす使用者にも、他の観客同様、様々なエリアの座席から選べるという選択肢を提供すべきである。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな座席は、劇場、アリーナまたは会場の様々なエリアに組み入れ、複数の選択が可能なよう配慮する。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな座席は通路からアクセスしやすい場所に設置する。トウキョウガイド 推奨 アクセシブルな座席は、水平方向及び垂直方向に分散させて設けることが望ましい。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな座席を垂直方向に分散させる際には、災害時等において、座席から出入口又は避難広場等まで安全かつ円滑に避難できるよう、屋外又は屋内に傾斜路等を設置するなど避難経路を確保するとともに、避難誘導体制の構築に十分に配慮する必要がある。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな座席は、様々な販売価格、観覧方向、エリアで提供しなければならない。トウキョウガイド 推奨 アクセシブルな座席を配置したそれぞれのエリアを補完するものとして、アクセシブルな男女共用のトイレ、飲食物販売店、グッズ販売店、ラウンジ及びエレベーターを設置するのが望ましい。トウキョウガイド 推奨 車いす使用者が、一般席を希望することも想定し、一般席の側に車いすを置けるスペースを設置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 座席はエリアごとに色分けなどで明確に区分することが望ましい。トウキョウガイド 標準 座席番号、行、列等はわかりやすく読みやすいように大きさ、コントラスト、取付位置等に十分配慮する。トウキョウガイド 標準 客席・観覧席の座席番号、行・列等の表示は、わかりやすく読みやすいように、文字の大きさ、 色づかい・コントラスト、点字の併記、取り付け位置等に十分配慮する。国基準 六十七ページ 標準 会場が、アクセスに制限のある古い構造であるなどの理由から、アクセシブルな座席を十分に用意できない場合、運営面からの解決策を検討する。例えば、売店にアクセスできない場合、当該利用者には接客係が近づいてサービスすることで対応が可能である。トウキョウガイド 2ノ2ノ2ノ2 同伴者用座席 同伴者用座席の基準 屋内 標準 同伴者用座席は、車いすでアクセシブルな座席と同じ割合で、車いす用区画の後ではなく、横に準備する。トウキョウガイド 推奨 簡単に移動できるいすを用いれば、同伴者は車いす使用者と並んで座ることができ、車いす使用者が2人かそれ以上の場合は、車いすを横に並べられるよう、いすを素早く取り去ることも可能である。同伴者が2名以上の場合も、前席などすぐ近くの席に座れるように配慮することが望ましい。トウキョウガイド 図十八 アクセシブルな座席・同伴者用座席例 アクセシブルな座席、同伴者用座席、後方の転回スペースについて図示 六十八ページ 2ノ2ノ2ノ3 付加アメニティ座席 付加アメニティ座席の基準 屋内 標準 付加アメニティ座席は、車いすを使用していないが、歩行困難である場合や補助犬ユーザー、足腰・長身・横幅が広い等何らかの理由で配慮された席が必要な人のための席を設置する。当該座席は、設置前方と片側のスペースを通常より広く取っている。トウキョウガイド 推奨 付加アメニティ座席の横には、幅五百ミリメートル程度のスペースを確保することが望ましい。大阪UDガイド 推奨 車いす使用者と同伴者用の座席スペースに加え、会場総座席数の少なくとも1パーセントの付加アメニティ座席を用意するのが望ましい。これら座席についても、様々なエリアに分散させ、エリア内では列の端で、できるだけ階段の上り下りの少ないところに配置するのが望ましい。トウキョウガイド 推奨 乳幼児連れ、知的障害・発達障害・精神障害を含む障害者等の利用者が周囲に気がねなく観覧できる区画された観覧室又はスペースセンサリールームを設けることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 センサリールームは、音や光、映像等、刺激の強い演出を行う場合は、明るすぎない照度と、遮音が施され、人混みや周囲の視線を避けた安心できる空間、防音ガラス越し等で鑑賞が楽しめる空間であることが望ましい。大阪UDガイド 六十九ページ 図十九 座席の分散配置の例 劇場における座席の分散配置の例を図示 出典 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 劇場、競技場等の客席・観覧席を有する施設に関する追補版 七十ページ 2ノ2ノ2ノ4 安全への配慮 安全への配慮 屋内 標準 座席エリアの階段部は、危険防止のため階段降り口に点状ブロックを設置すること。トウキョウガイド 標準 点状ブロックは、階段幅にあわせ段鼻から三百ミリメートル程度離して設置する。トウキョウガイド 推奨 点状ブロックの奥行きは六百ミリメートル程度が望ましい。トウキョウガイド 標準 通路部の通行に支障がある場合は、少なくとも奥行き三百ミリメートル以上確保すること。トウキョウガイド 推奨 階段部の安全な昇降に配慮して、階段沿いの座席に手がかりを設けることが望ましい。トウキョウガイド 図二十 安全への配慮観客席階段部の点状ブロック・手がかり例 観客席の手がかりや、階段部の点状ブロック、手すりについて図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライ 七十一ページ 2ノ2ノ2ノ5 サイトラインの確保 サイトラインの確保 屋内 標準 車いす使用者のアクセシブルな座席は、競技スペース等へのサイトライン可視線を確保したものとする。トウキョウガイド 推奨 サイトライン検討をする際の前席の人の高さの設定にあたっては、日本人男子の平均身長値の最高値を基本とし、さらに履物の高さを加算して算出することが望ましい。国基準 参考前席の人の高さの設定例 日本人男子の平均身長値の最高値 約百七十二センチメートル男子二十から二十四歳平均値百七十一点九七センチメートル 履物の高さ 三センチメートル程度と想定男性用革靴普通三点ゼロセンチメートル 出典 国土交通省 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 標準 柵、手すりやその他の障害物が、アクセシブルな座席の利用者の視線を遮らないようにすべきである。利用者の視界を遮らない柵、手すり等の高さについては、八百ミリメートル以下と想定することが考えられる。トウキョウガイド 推奨 サイトラインの確保については、小学校低学年の車いすバギー使用児の眼高七百から八百ミリメートルを採用することが望ましい。大阪UDガイド 標準 前列の観客が立ち上がることが予想される場合、高低差を確保するか、座席の配置をずらす等の配慮をする。大阪UDガイド 推奨 車いすに座った人が後列の観客の視界を遮らないよう配慮することが望ましい。トウキョウガイド 七十二ページ 図二十一 サイトライン例 サイトラインの確保における観客席の各数値を明記 出典名古屋市福祉都市環境整備指針 注釈 数値を一部編集して掲載 2ノ2ノ2ノ6 聴き取りやすさを高めること 聴き取りやすさを高める方法 屋内 大きな建物では、場内放送システムが、聴力が次第に衰えていく高齢者、難聴者にも対応できる設計になっているか確認する必要がある。その最も効果的な方法は、各エリアに設置するスピーカーの台数を増やす一方で個々の音量を下げるというもので、それにより音声の明瞭さが増すこととなる。 団体客として観客、聴衆がいるところでは、補聴援助機器が必要になる。補聴援助機器としては以下のものがある。 磁気誘導ループ 赤外線補聴システム FM補聴システム等 各種補聴援助機器の詳細は、本章2ノ4刊行物とコミュニケーションの項に記載されている。 七十三ページ 2ノ2ノ2ノ7 さらなるアクセシビリティ対応策 観客体験を充実させるための付加的なアクセシビリティ対応策には、以下が含まれる。 ビデオスクリーンまたはスコアボードが使用されている場合は、リアルタイムのオープンキャプション 手話通訳 実況解説放送サービス これらサービス提供の詳細については、本章2ノ4刊行物とコミュニケーションの項に記載されている。  2ノ2ノ2ノ8 ステージの準備 プレゼンテーションや記者会見のエリアの要件 屋内 車いすでアクセスできるステージ アクセシブルな演壇高さ調整ができるものが望ましい ピンマイク ステージの上または近くに、手話通訳や文字表示のためのエリア 照明に配慮した手話通訳や文字表示の配置 七十四ページ 2ノ2ノ3 トイレ 2ノ2ノ3ノ1 主要原則 分散配置とアクセシブルなトイレの考え方 屋内 公共交通 トイレは、高齢者、障害者、異性介助者、性的マイノリティ、乳幼児連れの人等すべての人が利用しやすいように、施設の用途、規模に応じて計画・設計を行う。 近年、従来の機能が集約された多機能トイレは、利用者が集中することで、本当にその機能を必要とする人が必要時に利用できない状況にある。より多様な利用者の円滑な利用を促進するために、一般用トイレに少し工夫を加えることで個別機能をもたせ、トイレ全体に適切に機能を分散して配置することが必要である。 施設の種類に関係なく、また滞在時間の長短に係わらず、人々が利用する施設にアクセシブルなトイレが設置されていなければ、それはアクセシブルな施設とは見なされない。 特にアジアパラ競技大会の場合、アクセシブルトイレに対するニーズが高いため、車いす使用者用トイレや個別機能を備えたトイレを追加すべきである。 選手エリアのトイレ、観客席の混雑が予想されるトイレ等では、大会時の利用などを考慮し、車いす使用者用トイレや個別機能を備えたトイレを複数設置することが望ましい。 アクセシブルなトイレの定義 屋内 公共交通 車いす使用者用トイレ 車いす使用者が円滑に使用できる広さトイレ内で車いす使用者等が回転可能な直径千五百ミリメートル以上のスペースを備えていること。 個別機能を備えたトイレ 一般トイレ内で、分散配置を考慮し個別機能を備えたトイレは以下のとおりである。 車いす使用者用簡易型トイレ 車いす使用者が利用可能な出入口の有効フクインと最小限の広さを有すること。 オストメイト人工膀胱、人工肛門造設者設備を有するトイレ 腰掛便座のある広めのトイレに汚物流し等のオストメイト用水洗器具を備えていること。 乳幼児設備を有するトイレ ベビーカーとともに入れる広さを備えたトイレでベビーチェア、乳幼児用おむつ交換台、着替え台等を備えていること。 七十五ページ 2ノ2ノ3ノ2 車いす使用者用トイレ 2ノ2ノ3ノ2ノ1 数と割合 数と割合 屋内 公共交通 車いす使用者用トイレの設置数と割合は、設置場所ごとに表二十九に規定する。 表二十九 車いす使用者用トイレの設置数と割合 宿泊施設を除く会場屋内 標準 男女共用トイレを1以上設けること国基準、大阪UDガイド、県条例、市指針 推奨 車いす使用者用観覧席、客席数の十五分の一以上の割合で、車いす使用者用トイレを設けることが望ましい。市指針 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 オストメイト用設備を有する男女共用の車いす使用者用トイレを駅に1以上設けること市指針。 2ノ2ノ3ノ2ノ2 配置 配置 屋内     車いす使用者用トイレの配置は表三十に規定する。 表三十 車いす使用者用トイレの配置 宿泊施設を除く会場屋内 標準 排泄介助が必要な障害者児の脱衣、おむつ交換等に配慮し、1以上の車いす使用者用トイレは大型ベッド付きとし、異性による介助に配慮し男女が共用できる位置に設ける。国基準 劇場、競技場等、客席のある施設の車いす使用者用トイレの位置は、車いす使用者用客席、観覧席から容易に到達できるものとする。国基準 推奨 トイレが設けられている階ごとに、当該トイレのうち1以上に、車いす使用者用トイレを設けることが望ましい。国基準 特に劇場、競技場等の客席、観覧席が複数階にわたる場合や、同時に多数の車いす使用者が利用することが想定される施設では、複数の車いす使用者用トイレを設けることが望ましい。国基準 車いす席が設置された同一階に、少なくとも1以上設置することが望ましい。トウキョウガイド 七十六ページ 2ノ2ノ3ノ2ノ3 移動空間 基本仕様など 屋内 公共交通 標準 基本仕様として、便器、洗面台、便器周辺の手すり、鏡、石鹸容器、ペーパータオルディスペンサー又はエアータオル、トイレットペーパーホルダー等が取り付けられている。トウキョウガイド 内法寸法 屋内 公共交通 車いす使用者用トイレの内法寸法は、設置場所ごとに表三十一に規定する。 表三十一 車いす使用者用トイレのうちのり寸法 宿泊施設を除く会場屋内 標準 トイレのうちのり寸法 二千ミリメートルかける二千ミリメートルトウキョウガイド、国基準、市指針 車いす転回スペース 千五百ミリメートルの円がないせつ市指針 推奨 車いす転回スペース 千八百ミリメートル以上の円が内接 市指針 アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 トイレのうちのり寸法 二千ミリメートルかける二千ミリメートルトウキョウガイド、国基準 車いす転回スペース 千五百ミリメートルの円がないせつ市指針 推奨 車いす転回スペース 千八百ミリメートルの円が内接 市指針 便器横の移乗スペース 屋内 公共交通 トイレ内の便器横の移乗スペースについての基準は、設置場所ごとに表三十二に規定する。 表三十二 車いす使用者用トイレ内の便器横の移乗スペース  宿泊施設を除く会場屋内 標準 便器横の移乗スペースを七百五十ミリメートル以上確保トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 便器横の移乗スペースを八百ミリメートル以上確保トウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 便器横の移乗スペースを七百五十ミリメートル以上確保トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 便器横の移乗スペースを八百ミリメートル以上確保トウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 複数設置する場合は、設備のレイアウトを左右対称にし、便器へのアクセスを右側・左側からのどちらでも選択できるようにすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 男女別のトイレの床面には通行の支障となる段差を設けない。トウキョウガイド 七十七ページ 2ノ2ノ3ノ2ノ4 ドア ドア幅 屋内 公共交通 車いす使用者用トイレのドア幅についての基準は、設置場所ごとに表三十三に規定する。 表三十三 車いす使用者用トイレのドア幅有効フクイン 宿泊施設を除く会場屋内 標準 八百五十ミリメートルトウキョウガイド、大阪UDガイド 推奨 九百五十から千ミリメートル以上トウキョウガイド、大阪UDガイド アクセシブルルートとなる公共交通機関の施設 標準 九百ミリメートルトウキョウガイド 推奨 九百五十から千ミリメートル以上大阪UDガイド ドアの仕様 屋内 公共交通 標準 ドアの開閉方向は、何らかの備品が取り付けられている内部に向かって開く、内開きにはしない。トウキョウガイド 標準 車いす使用者用トイレのドアは、自動引き戸または手動式引き戸とする。市指針 標準 手動式引き戸は軽い力で開閉できるものとする。トウキョウガイド 推奨 トイレ内の扉開閉ボタンを自動式とする場合、扉より七百ミリメートル以上離して操作ボタンを設置し、壁には出入りの妨げになるものを設置しないことが望ましい。トウキョウガイド 推奨 車いす使用者用トイレの扉は、閉まるスピードを調整できる機能があるものや、ワンストップ機能があるものとすることが望ましい。大阪UDガイド 標準 ドアには、手がうまく使えない人でも扱えるよう、軽く動かして閉まるレバー等を取り付けなければならない。自動扉の場合には、開閉を操作する押しボタン等も含む。トウキョウガイド 標準 緊急の場合は外部からも開錠できるものとすること。トウキョウガイド 標準 ドアの開閉装置は、ドアや壁そのものと視覚的にコントラストをつける必要がある。また、使用中の表示は施錠と連動させ、大きく分かりやすいものとすること。トウキョウガイド 推奨 使用していない時は、常時扉を開いている状態に保つ等、使用可能であることをわかりやすくすることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 施錠装置の設置位置は、車いす使用者の使いやすい高さと、立位で使いやすい高さの2箇所に設置することが望ましい子どもによる解錠防止。大阪UDガイド 2ノ2ノ3ノ2ノ5 設備、備品 車いす使用者用トイレの共通事項となる設計仕様 屋内 公共交通 標準 便器や洗面器等の設備機器は、便器の前方及び側面に車いすを寄り付け、便器に移乗するために必要なスペースを確保して設置すること。トウキョウガイド 標準 便器の中心を壁側の手すりから三百五十から三百七十五ミリメートル程度離したところに位置させ、壁側の手すりと可動式手すりの間隔は七百から七百五十ミリメートル程度とする。トウキョウガイド 七十八ページ 標準 便器は腰掛便座とし、床置式便器又は壁掛式便器とする。国基準 標準 便座の座面高さは蓋のない状態で四百二十から四百五十ミリメートル程度とする。国基準 標準 座位を保てない人の姿勢の安定に配慮し、便座には背もたれを適切に設ける。国基準 標準 便器は固定し、背もたれを設置する場合は、障害者の利用に支障がないよう位置に配慮する。トウキョウガイド 標準 タンクのフタは強固に取り付けておく。トウキョウガイド 標準 便器洗浄ボタン・ペーパーホルダー・非常用呼び出しボタンをジス S 0026に合わせた形状、色、配置で設置する。市指針 推奨 非常用呼び出しボタンは、便座に腰をかけた状態に1か所、車いすから便座に移乗しない状態や床に転倒した状態からも利用できる位置に1か所の計2か所に設けることが望ましい。市指針 標準 洗浄装置の基本はボタン式とし、便器に腰掛けたままの状態と、便器の周りで車いすから便器に移乗しない状態の双方から操作できるように設置する。また、自動洗浄式や感知式を設ける場合は、ボタン式を併設する。トウキョウガイド 標準 呼び出しボタンは点字表示し、便器洗浄装置と区別できる形状とすること。大阪UDガイド 標準 便器の両側の利用しやすい位置に手すりを設けること。壁側の手すりは垂直、水平に設けるとともに、車いすを便器と平行に寄り付けて利用する場合等に配慮し、壁側の手すりとは反対側の手すりは可動式とする。トウキョウガイド 標準 横手すりは便座から二百から二百五十ミリメートル程度上方の高さ、縦手すりは便器先端から二百から二百五十ミリメートル程度前方の位置に、便座の中心から両側の手すりが同距離になるように設置する。トウキョウガイド 標準 トイレットペーパーホルダーは、ジス S0026に基づき着座姿勢で楽に届く範囲内に取り付け、壁とコントラストをつけた色彩にしなければならない。トウキョウガイド 推奨 トイレットペーパーホルダーは、片手でも操作できるものが望ましい。トウキョウガイド 推奨 手さばきが困難な人に配慮してシャワー機能付き便器を設置することが望ましい。設置する場合は、ジス S0026に基づいた他の器具の配置を考慮して使いやすい位置に操作装置を配置すること。トウキョウガイド 標準 手荷物等をかけるフック、手荷物置き場、パウチ等の廃棄等のための汚物入れを設置する。トウキョウガイド 標準 水洗器具の吐水口の位置は、車いす使用者が利用しやすい位置手前縁から三百ミリメートル以内に設ける。大阪UDガイド 推奨 女性用ナプキンディスペンサーを取り付けることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 付添者がトイレを利用する際のプライバシーに配慮するため、待機者等の視線を遮るためのカーテンを取り付けられるよう、カーテンレールを設置し、介護などによる異性付添利用に対応することが望ましい。国基準 七十九ページ 大型ベッドのあるトイレの設計仕様 屋内  標準 車いすから大型ベッドへの移乗動作や介助者の動作を考慮し、トイレ内には十分なスペースを確保する。国基準 標準 大型ベッドの設置位置は、介助者の作業のしやすさや大型ベッドからの片側への転落を防止し、安全性の確保等に十分配慮したものとする。国基準 標準 大型ベッドの大きさは幅六百から八百ミリメートル程度、長さ千五百から千八百ミリメートル程度とし、その出入口にその旨の表示を行うこと。また、大型ベッドは拡げた状態で放置されても車いす使用者がアプローチできるようにレイアウトすること。大阪UDガイド 推奨 大型ベッド収納時に直径千八百ミリメートル以上の円が内接できるスペースを確保することが望ましい。市指針 推奨 折りたたみ式の場合は短辺方向または長辺方向に折りたたむものとするが、たたみ忘れがあっても、車いすでの出入りが可能となるよう、車いすに乗ったままでもたためる構造、位置とすることが望ましい。市指針 標準 戸の開閉や施錠の操作が円滑に行えるよう、戸の付近には大型ベッドを設けない。国基準 標準 緊急時において、折りたたみ式大型ベッド等を使用している状態でも人の出入りができるよう、大型ベッドの位置と出入口の位置関係に配慮する。国基準 2ノ2ノ3ノ2ノ6 洗面台周り 洗面台周り 屋内 公共交通 標準 洗面台周りの付属品石鹸容器、ペーパータオルディスペンサーなどは、仕上がり床面から八百から千ミリメートル程度の操作可能な高さで、洗面台中央から七百五十ミリメートル程度の範囲内のところに設置しなければならない。トウキョウガイド 標準 ゴミ箱またはその他の備品は、付属品の利用やドアの開閉動作の妨げにならないよう設置する。トウキョウガイド 標準 トイレの洗面器には、カウンターまたは隣接する棚が必要である。トウキョウガイド 推奨 ペーパータオルディスペンサーを設置する場合は、レバー操作タイプまたはハンズフリーとし、操作部及び取り出し部の高さが、床面から八百から千ミリメートル程度、反対側の壁以外の洗面台から七百五十ミリメートル程度の範囲に取り付けることが望ましい。トウキョウガイド 標準 洗面器上端部にできる限り近い位置を下端とし、上方へ千ミリメートル以上の高さの鏡を設置する。トウキョウガイド 推奨 水栓金具は光感知式等の自動水栓が望ましい。トウキョウガイド 標準 水栓金具が手動式の場合はシングルレバー式など簡単に操作できるものとする。トウキョウガイド 標準 競技会場の洗面台下のクリアランスは六百五十ミリメートル程度とするが、旅客施設は、六百ミリメートル以上とする。トウキョウガイド 標準 便器と洗面台の間の図面上の最小距離は千ミリメートルである。トウキョウガイド 八十ページ 2ノ2ノ3ノ3 個別機能を備えたトイレ 分散配置の考え方 屋内 公共交通 推奨 「車いす使用者用トイレ」を多機能化することで利用者が集中することを防ぐために、一般トイレ男性用トイレ、女性用トイレ内へ「車いす使用者用簡易型トイレ」やオストメイト設備、乳幼児設備を分散配置することが望ましい。大阪UDガイド 標準 複数の個別機能を備えたトイレを設置する場合は、「車いす使用者用簡易トイレ」やオストメイト設備、乳幼児設備等のうち、混雑回避に資するニーズの高い個別機能を備えたトイレを分散配置すること。大阪UDガイド 車いす使用者用簡易型トイレの基準 屋内 公共交通 標準 車いす使用者用簡易型トイレの広さは、直進・側方進入の場合二千ミリメートル以上カケル千三百ミリメートル以上とすること。大阪UDガイド 標準 車いす使用者用簡易型トイレの広さは、側方進入の場合千八百ミリメートル以上カケル千五百ミリメートル以上とすること。大阪UDガイド 標準 出入口の有効フクインは、八百ミリメートル以上とする。国基準 標準 原則として引き戸とし、やむを得ない場合には外開き戸等とする。国基準 標準 腰掛便座、着座や立ち上がりのための手すりを設ける。国基準 標準 手荷物置き台や小物・衣類をかけるフックを設ける。国基準 乳幼児設備を有するトイレの基準 屋内 公共交通 標準 トイレ男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上には、乳幼児設備乳幼児用おむつ交換台・乳幼児用いすの両方またはいずれかを有するトイレを1以上設ける。市指針 推奨 乳幼児用いすは、便座に座った状態から手が届く範囲、又は便座の前方の近接した位置に設けることが望ましい。国基準 推奨 乳児のおむつ交換台が設置されている場合、床面高さ八百から八百五十ミリメートル程度、台下クリアランスは最小で七百から七百五十ミリメートル、奥行き五百ミリメートル程度とすることが望ましい。大阪UDガイド 推奨 手荷物置き台や小物・衣類をかけるフックを設けることが望ましい。市指針 推奨 乳幼児用おむつ交換台から目や手を離さずに利用できる位置に、荷物置き場やおむつ用のごみ箱等を設けることが望ましい。市指針 推奨 乳幼児用おむつ交換台は落下防止措置が講じられたものが望ましい。市指針 オストメイト用設備を有するトイレの基準 屋内 公共交通 標準 トイレのうち1以上男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれ1以上には、オストメイト用設備を1以上設ける。国基準 推奨 車いす使用者用トイレが複数設置される場合は、そのうち1以上はオストメイト用設備を設けることが望ましい。国基準 八十一ページ 標準 オストメイト用設備として、トイレ内に次の設備を設ける。市指針 パウチや汚れた物、しびん等を洗浄するための汚物流し洗浄ボタン・水栓を含む。 使用済みのパウチ等を廃棄できる大きさの汚物入れ手の届く範囲に設ける。 ペーパーホルダー市指針 手荷物置き台ストーマ装具や関連の小物等を置くことができる十分な広さとする。 鏡 2ノ2ノ3ノ4 表示サイン 表示サイン 屋内 屋外 推奨 標準化されたシンボルを用い、触知できる表示サイン内には浮き出しの文字またはシンボルも含めるのが望ましい。トウキョウガイド 推奨 触知図には点字のみではなく、普通文字墨字も併記し、弱視の人にも分かりやすいようにコントラストをはっきりさせることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 浮き出し文字は高さを1ミリメートル程度とするのが望ましい。トウキョウガイド 標準 表示サインは床面から中心までの高さが千四百ミリメートルから千五百ミリメートルとなるように、ドアがある場合はドア上ではなくラッチ側の壁面に取り付ける。このような設置場所は、表示サインを利用する視覚障害者が開閉するドアと衝突する危険を減らすためである。ドアがない場合、トイレに向かって左側の壁に設置することを基本とし、レイアウトに応じて、わかりやすい位置に設置すること。トウキョウガイド 推奨 視覚に障害のある人の使い勝手をさらに高めるため、周囲とコントラストをつけた色彩のドア、ドア枠やドア金具を利用することが望ましい。トウキョウガイド 標準 不特定多数が利用するトイレには、オストメイト用設備、ベビーチェア、ベビーベッド、大型ベッドを機能分散して設置し、出入口付近やトイレの戸に当該設備が備わっている旨をジスZ8210案内用図記号をはじめとした標準案内用図記号などで表示する。市指針 2ノ2ノ3ノ5 視覚障害者や聴覚障害者に配慮した設備 視覚障害者や聴覚障害者に配慮した設備 屋内 公共交通 推奨 トイレにおいては、視覚障害者や聴覚障害者に配慮し、緊急事態の情報を音声及び光によって提供できる設備フラッシュライト等を備えることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 フラッシュライト等は、トイレの扉を閉じた状態で、すべてのトイレ内からその点滅が十分識別できる位置に設置するとともに、その点滅が緊急事態を表す旨をトイレ内の扉等に表示することが望ましい。トウキョウガイド 標準 トイレは、男女の区別と男女共用の車いす使用者用トイレであることや、個別機能を備えたトイレがはっきりわかるように表示を工夫する。トウキョウガイド 推奨 トイレ入口には、音声案内等の整備及びトイレ内部の配置を表示することが望ましい。トウキョウガイド 八十二ページ 推奨 視覚障害者の利用に配慮して、点字等による表示や触知案内図を配置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 音声案内については、トイレ入口での案内のみならず、トイレ内での設備案内等を音声対応とすることが望ましい。国整備ガイド 2ノ2ノ3ノ6 その他の要件 その他の要件 屋内 屋外 推奨 障害者・高齢者等への異性による介助、性的マイノリティの利用のために、男女共用トイレを設けることが望ましい。市指針 標準 トイレの出入口には、段差を設けない。ただし、傾斜路を設ける場合はこの限りではない。傾斜路の勾配はジュウニブンノイチ以下とする。高低差百六十ミリメートル以下の場合に限りハチブンノイチ以下としてさしつかえない。市指針 推奨 一般トイレの戸に、使用中か否かを表示する装置を設けることが望ましい。大阪UDガイド 標準 高齢者や足腰の弱っている人も利用しやすいよう、大便器は基本的に洋式便器とする。和式便器の方が使いやすい利用者にも配慮するため、洋式便器と和式便器の両方を設けることは妨げないが、その場合には洋式便器を和式便器よりも多く設ける。市指針 標準 男子用小便器のあるトイレを設ける場合には、出入口の近くに両側及び前方胸の位置で寄りかかることのできるよう手すりを設けた、床置き式又は低リップリップ高三百五十ミリメートル以下のものに限るの壁掛け式の小便器を1以上設ける。市指針 標準 一般トイレ内には、高齢者や障害者などが利用しやすいよう、少なくとも1以上洋式便器のトイレと和式便器のトイレがある場合には、それぞれ1以上には垂直、水平に手すりを設ける。市指針 推奨 一般トイレ内の手すりは右手側と左手側の両側に設けることが望ましい。市指針 推奨 弱視者ロービジョンや色覚多様性のある人等に配慮し、手すりは、手すりと壁との色の明度、色相又は彩度の差の確保に配慮して選定することが望ましい。国基準 推奨 視覚障害者が利用しやすいよう、同一建築物内においては、洗浄装置等の使用法や、ボタン等の形状・配置を統一することが望ましい。市指針 推奨 トイレには、非常呼び出しボタンを設けることが望ましい。市指針 推奨 施設の用途や予測される利用状況などを考慮し、女子用トイレ個室の配置数を増加させるなど必要な配慮を行うことが望ましい。市指針 標準 補助犬用トイレを施設の種類に応じた適切な仕様・数で設置する。トウキョウガイド 八十三ページ 図二十二 車いす使用者用トイレ大型ベッドを配置した例 車いす使用者トイレに大型ベッドを配置した場合の各数値を記載 出典 名古屋市福祉都市環境整備指針 数値を一部編集して掲載 図二十三 個別機能を備えたトイレオストメイト用設備を配置した例 個別機能を備えたトイレにオストメイト用設備を配置した場合の各数値を記載 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 八十四ページ 図二十四 トイレの分散配置例 男女別トイレ、男女共用のトイレなどの配置イメージを図示 出典 名古屋市福祉都市環境整備指針 文言を一部編集して掲載 図二十五 便器周りの配置例 便器周りの配置について各設備や数値を記載 出典 名古屋市福祉都市環境整備指針 数値を一部編集して掲載 八十五ページ 2ノ2ノ4 シャワー、浴室、更衣室 2ノ2ノ4ノ1 はじめに シャワー施設の前提条件 屋内 標準 シャワー施設は、各エリアの少なくとも1箇所をアクセシブルにしなければならない。トウキョウガイド 2ノ2ノ4ノ2 アクセシブルなシャワー アクセシブルなシャワーの要件 屋内 標準 水栓はレバータイプで、握りこぶしでも、着座姿勢からでも軽い力で簡単に操作できること。参考値最大十三ニュートン トウキョウガイド 標準 床面からの高さが最大で七百五十ミリメートル、側壁から七百五十ミリメートルの壁面に水量調整レバーを設置。トウキョウガイド 標準 シャワー用車いす、ポータブルシャワーチェア、壁掛け式折りたたみいすのいずれかを設置し、それぞれに応じてカーテンや移乗スペースを適切に配置すること。トウキョウガイド 標準 壁掛け式折りたたみいすは、床面から四百から四百五十ミリメートル程度の高さに取り付け、座面は奥行き五百ミリメートル、幅千ミリメートル程度。取り付け状態によるため、許容範囲はプラスマイナス十ミリメートル最小耐荷重百三十五キログラム、防水仕様、パッド入り、手入れが簡単なこと。トウキョウガイド 標準 着座姿勢でも簡単に届く位置にシャワーヘッド掛けを取り付けた、手持ちタイプのシャワーがあること。ホース部分の長さは最低千五百ミリメートル。トウキョウガイド 標準 着座姿勢でも簡単に届く、壁面に埋め込んだ石鹸ホルダーまたは棚があること。トウキョウガイド 標準 手すりの中心が床面から七百五十から八百ミリメートル程度の高さで、シャワー使用中の体を支えるのに適切に側壁に設置すること。トウキョウガイド 推奨 座面の先端から二百から二百五十ミリメートル程度前方の位置に、垂直手すりを取り付けることが望ましい。トウキョウガイド 標準 利用者の安全のため、やけど防止機能付き、あるいはサーモスタット自動温度調節制御のバルブがあること。トウキョウガイド 標準 床面は、車いすでの移動の妨げにならないよう、水はけの良い床材で、可能な限り排水勾配をゆるやかにし、段差を設けないこと。トウキョウガイド 八十六ページ 図二十六 アクセシブルなシャワー例 アクセシブルなシャワーについて、各設備の数値基準を記載 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 2ノ2ノ4ノ3 更衣室 アクセシブルな更衣室において配慮すべき重要事項 屋内 更衣室には様々なレイアウトがある。更衣室のタイプに関わらず、アクセシブルな更衣室は、以下のような配慮をすべきである。 標準 更衣室は、男女別とともに異性介助が可能な共用更衣室を設けること。トウキョウガイド 推奨 異性による介助に配慮し、男女が共用できる更衣室内に、車いす使用者が円滑に利用できるスペースを1以上設けることが望ましい。この場合、更衣室内、又はその近くに、1以上の車いす使用者用トイレを設けること。国基準 標準 アクセシブルなベンチやベッドを用意すること。トウキョウガイド 標準 簡単に手が届くロッカーと収納エリアを用意すること。トウキョウガイド 標準 不特定多数の利用者が利用する更衣室には、1以上男女の別があるときはそれぞれ1以上の乳幼児用おむつ交換台を設ける。国基準 標準 男女それぞれのシャワー室に、アクセシブルなシャワーを用意すること。トウキョウガイド 標準 処置、救急処置、コーチ、審判、役員の各室にも、アクセシブルな更衣室の設置を検討すること。これらエリアには、エリアごとに1ユニット設置するのではなく、トイレを備えた男女共用のアクセシブルな複合更衣室1ユニットを設置してもよい。トウキョウガイド 標準 ドア幅は最小有効幅の八百五十ミリメートルトウキョウガイド 推奨 ドア幅の有効幅の推奨は九百五十ミリメートルで、U字型レバータイプのハンドルを取り付けるのが望ましい。トウキョウガイド 八十七ページ 推奨 車いすバスケットボールなどのチームスポーツでは、チームごとの更衣室にアクセシブルなシャワーとトイレを備えることが望ましい。トウキョウガイド 2ノ2ノ4ノ4 医療施設の大人用更衣施設の例 (医療施設の大人用更衣室) 屋内 次例は、男女共用のアクセシブルな、介助付きで使用するトイレと更衣用施設である。このユニットは、更衣用ベッドに移乗するには介助が必要な人が利用する。 標準 部屋の大きさは三千ミリメートルカケル四千七百ミリメートル程度、天井走行式リフトと更衣用ベッドが必要である。トウキョウガイド 図二十七 施設の大人用更衣施設例 大人用更衣施設についてベッド、車いす転回スペース、天井走行式リフトを図示 出典 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 東京2020アクセシビリティ・ガイドライン 八十八ページ 2ノ2ノ5 カームダウン、クールダウンスペース 2ノ2ノ5ノ1 はじめに カームダウン、クールダウンスペースの定義 屋内 カームダウン、クールダウンスペースは、人混み、音や光等、環境の状況によって不安や恐怖等を感じ、パニックを起こしやすい人たちが、安心して大会を楽しむために必要な施設である。そのため、当該施設が下記の目的を有する施設であることに配慮した計画・設計を行うことが望ましい。 各人のペースや好む方法で観戦等を楽しめる機能 パニックの予防及びパニックが生じた時に気持ちを落ち着かせるための機能 2ノ2ノ5ノ2 カームダウン、クールダウンスペースの配置 カームダウン、クールダウンスペースの配置 屋内 カームダウン、クールダウンスペースの配置の要件は、表三十四に規定する。 表三十四 カームダウン、クールダウンスペースの配置 宿泊施設を除く会場屋内 標準 大規模な空間に多数の観客が集まる施設及び音や光、映像等、刺激の強い演出を行う施設では、気持ちを落ち着かせることができるカームダウン、クールダウンスペース個室又はスペースを設けること大阪UDガイド 推奨 カームダウン、クールダウンスペースの設置位置は、観客の動線、行動プロセスに考慮し、当事者の意見を聞いて検討を行うことが望ましい大阪UDガイド 八十九ページ 2ノ2ノ5ノ3 カームダウン、クールダウンスペースに必要とされる機能、設備 カームダウン、クールダウンスペースに必要とされる機能、設備 屋内 カームダウン、クールダウンスペースに必要とされる機能、設備は、表三十五に規定する。 表三十五 カームダウン、クールダウンスペースに必要とされる機能、設備 宿泊施設を除く会場屋内 標準 カームダウン、クールダウンスペースは、以下の機能を有すること大阪UDガイド 遮光性、遮音性を確保すること大阪UDガイド 壁は柔らかい素材とすること衝突への緩衝機能を備えること大阪UDガイド 照明は照度調整、配光機能を備えること大阪UDガイド 防犯施錠、緊急連絡ブザー等に十分に備えること大阪UDガイド 推奨 時間を伝える設備、落ち着いて座れるいす、給水設備等を設置することが望ましい大阪UDガイド 多様なニーズに対応するため、多様で複数の休憩室、スペースを提供し、各人のペースや好みで選択できることが望ましい大阪UDガイド 混雑時に備えて、可動式で吸音性のあるカームダウン、クールダウンスペースを準備しておくことが望ましい大阪UDガイド カームダウン、クールダウンスペースを必要とする人の同伴者も一緒に利用できる大きさとすることが望ましい大阪UDガイド 九十ページ 2ノ2ノ6 ベビーケアスペース 2ノ2ノ6ノ1 はじめに ベビーケアスペースの定義 屋内 ベビーケアスペースとは、授乳・離乳食・おむつ替え等の用途で利用できる、乳幼児のケアのための個室ブース等のことである。設置位置・空間確保は、以下の点に配慮すること。 乳幼児連れ利用者が利用する施設では、母乳及び哺乳びんによる授乳に対応した、授乳のためのスペースを設ける。 授乳のためのスペースは区切られた空間とする。 授乳のためのスペースの構成・設備配置等は、哺乳びんによる授乳時にも性別に関わらず利用できるよう、配慮されたものとする。 2ノ2ノ6ノ2配置の原則 配置の原則 屋内 標準 床面積の合計が五千平方メートル以上の場合、ベビーケアスペースを1以上設けること。大阪UDガイド 推奨  床面積の合計が五千平方メートル未満の施設でも、施設の用途、使い方等によってベビーケアスペースを設置することが望ましい。大阪UDガイド 2ノ2ノ6ノ3 出入口 ベビーケアスペースの配置の出入口の要件は、表三十六に規定する。 表三十六 ベビーケアスペースの配置の出入口 宿泊施設を除く会場屋内 標準 形式 ベビーカーの利用に配慮した幅、形式とすること。 2ノ1ノ6 入口と出口を参照のこと大阪UDガイド ドア周辺 通過する際に支障となる段を設けないこと。大阪UDガイド サインの設置 出入口付近には、ベビーチェア及び乳幼児用おむつ交換台を設置している等、内部の設備配置等の状況を表示するとともに点字表示をすること。大阪UDガイド 九十一ページ 2ノ2ノ6ノ4 授乳のためのスペース 授乳のためのスペース 屋内 授乳のためのスペースの要件は、表三十七に規定する。 表三十七 授乳のためのスペース 宿泊施設を除く会場屋内 標準 授乳スペースのプライバシーの確保 母乳による授乳に配慮して、区切られた空間とすること。カーテン、ついたて、内側から鍵のかかる戸表示錠付き等によりプライバシーを確保すること大阪UDガイド 内装 視覚障害者ロービジョンに配慮した、見えやすい色使いの内装にすること大阪UDガイド 設備 授乳用のいす、ベビーチェア、乳幼児用おむつ交換台及び汚物入れを設けること大阪UDガイド 推奨 設備 荷物置き場、調乳のための給湯設備、洗面器又は流し台を設けることが望ましい大阪UDガイド いす 授乳用のいすは長いすやひじ掛け、背もたれのついたいすとすることが望ましい大阪UDガイド 水栓 1以上の洗面器又は手洗い器は、レバー式、光感知式の水栓とすることが望ましい大阪UDガイド 九十二ページ 2ノ2ノ6ノ5 おむつ交換台 おむつ交換台の要件 屋内 推奨 おむつ交換台は、床面高さ 八百から八百五十ミリメートル 程度、台下クリアランスは 七百から七百五十ミリメートル 以上、奥行 五百ミリメートル 程度、落下防止措置が講じられたものとすることが望ましい。大阪UDガイド 推奨 おむつ交換台に乗せられる乳幼児に対し、照明の光が直接目に入らないように、器具の配置に配慮することが望ましい。大阪UDガイド 推奨 複数の乳幼児用おむつ交換台を設ける場合には、車いす使用者が利用できるものを1以上設けることが望ましい。国基準 2ノ2ノ6ノ6 付属施設 付属施設の要件 屋内 推奨 おむつ、離乳食、ジュース等の自動販売機や冷水器を設置することが望ましい。大阪UDガイド 推奨 使いやすい位置にコンセントを設置することが望ましい。大阪UDガイド 標準 緊急事態の情報伝達設備として、自動火災報知設備を設置する施設のベビーケアスペースには、聴覚障害者をはじめすべての人が、火事等の非常時の情報がわかるように、文字情報やサインを表示できるディスプレイ装置、フラッシュライト、パトライト等の光警報装置を設置する。大阪UDガイド 図二十八 ベビーケアスペースの例 ベビーケアスペースの配置例を図示 出典 名古屋市福祉都市環境整備指針  注釈 数値、文言を一部編集して掲載 九十三ページ 2ノ3 ホテル及びその他の宿泊施設 2ノ3ノ1 概要 2ノ3ノ1ノ1 原則 ホテル及びその他の宿泊施設において、誰もが円滑に利用しやすい環境の整備を図ることは、高齢者や障害者に対応するだけでなく、例えばベビーカーを押す人、けがをしている人々、重い荷物を持った旅行者など、多様なニーズにも対応しうるものである。 2ノ3ノ1ノ2 内容 本項には以下のテーマが含まれている。 テーマ 2ノ3ノ2 アクセシブルルーム 2ノ3ノ3 一般客室 2ノ3ノ4 宿泊施設内の他のサービスと設備 2ノ3ノ2 アクセシブルルーム 2ノ3ノ2ノ1 はじめに 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第十五条では、車いす使用者が円滑に利用できる客室以下車いす使用者用客室という。の整備を求めているが、車いす使用者以外にも、宿泊客は様々な個別のニーズを持っており、それに応える必要がある。 また、専用のアクセシブルルームを用意する代わりに、全室のデザインとレイアウトにユニバーサルデザインを採用することにより、標準的な客室でも様々な障害を持つ人々を受け入れることができるようになる。 なお、受け入れにあたっては、同伴する補助犬盲導犬、介助犬、聴導犬にも配慮する。  車いすを使用する者 敷居に段差がないこと、ドア幅や転回スペースが十分確保されていることは、車いす使用者にとっては最も重要な要素である。戸棚、スイッチなどの家具や備品は、車いす使用者の手が届き、利用しやすい範囲になければならない。 聴覚障害のある者  聴覚に障害のある宿泊客が求めることは、その到着時までに把握しておき、ハウスキーピング、ルームサービス、避難訓練など、プライバシーや安全に影響を及ぼす可能性のある手順について、ホテルのスタッフ等に説明しておく。 客室内にテレビを設置する場合、聴覚に障害のある人が緊急情報や一般的な情報をテレビから得られることができるように、字幕放送の可能なものを準備する。テレビのリモコンには字幕ボタンがついており、字幕放送は宿泊者が常に利用できるものとする。また、テレビの音声を受信する場合、補聴器を使用している人々にとっては、持ち運び可能な磁気誘導システム等の貸し出しも助けとなる。 九十四ページ 聴覚に障害のある人がホテルを利用する場合、部屋に入ってしまうと外からの連絡が届かないため、ノックやフロントからの連絡がスムーズに受け取れるファックス、ノックセンサー等を貸し出すか、携帯端末等のメールで各種情報を配信することが望ましい。また、就寝中の警報を振動等で受信できる装置を貸し出すべきである。 視覚に障害のある者、補助犬ユーザー 視覚に障害のある人が客室を1人で使用する場合、スタッフは客室内の家具の位置や館内諸施設の位置情報を案内時に説明すべきである。 視覚障害者をはじめとする補助犬ユーザーがホテルを利用する場合、補助犬の種類を確認した上で、排泄場所、受け入れの範囲と方法等をユーザーに説明すべきである。なお、ホテルスタッフは、補助犬に関する他の利用者からの質問や苦情・ユーザーや補助犬の緊急時の避難誘導等について、その対応を事前に準備しておく。 2ノ3ノ2ノ2 配置数、配置 配置数、配置 車椅子使用者用客室の数は、表三十八に規定する。 表三十八 車椅子使用者用客室の数 宿泊施設 標準 客室総数 五十以上 の場合 客室総数の百分の一を乗じて得た数1未満の端数が生じたときは、これを切り上げて得た数以上。国基準、市指針 推奨 客室総数二百を超える場合 客室総数にヒャクブンノイチを乗じて得た数に2を加えた数以上 注釈 法に基づく建築物特定施設とする場合、これに適合させた客室数以上国基準、市指針 客室総数二百以下の場合 客室総数に五十分の一を乗じて得た数以上 国基準、市指針 客室総数五十未満の場合 1以上国基準 推奨 車いす使用者用客室は高齢者、障害者等が同伴者と宿泊することに配慮した広さ、間取りとすることが望ましい。国基準 推奨 複数の車いす使用者用客室を設ける場合には、車いす使用者以外の利用者に提供される選択肢と同様に、客室のタイプ・ベッド数、位置等について様々な客室を用意することが望ましい。国基準 推奨 また、介助者と被介助者が別のベッドで休めるように2人用のアクセシブルルームではツインベッドが望ましい。 2ノ3ノ2ノ3 出入口の有効フクイン、空間の確保等 出入口の有効フクイン  客室出入口の有効フクインは、表三十九に規定する。 九十五ページ 表三十九 客室出入口の有効フクイン 宿泊施設 標準 八百五十ミリメートルIPCガイド標準を満たせない場合は八百ミリメートル国基準、県条例 推奨 九百五十ミリメートルトウキョウガイド、IPCガイド 推奨 車いす使用者の戸の開閉のため、客室出入口の戸が内開き戸や引き戸の場合には、戸の取っ手側に、袖壁の幅四百五十ミリメートル程度以上の接近スペースを設けることが望ましい。国基準 標準 客室内におけるトイレ・浴室等の出入口付近の通路は、車いす使用者が円滑に利用できるよう、十分な有効フクインを確保する。なお、トイレ・浴室等の出入口有効フクイン八百ミリメートル以上に至る車いす使用者の経路が直角路となる場合には、トイレ・浴室等の出入口付近における通路の有効フクインは、千ミリメートル以上とする。国基準 車いすの転回・方向転換スペース 標準 客室内には、車いすの転回・方向転換スペースが少なくとも1箇所必要である。トウキョウガイド 車いすの転回・方向転換スペースは、表四十に規定する。家具等の下部に車いすのフットサポートに乗せた足が通過できるスペースが確保されていれば、その部分も有効スペースとする。ベッドの移動等、客室のレイアウトの変更による対応でもよい。 表四十 車いすの転回、方向転換スペース 宿泊施設 推奨 直径千五百ミリメートルの円がないせつできるスペーストウキョウガイド、県条例、国基準 標準 車いす使用者がベッドに移乗できるよう、ベッド側面のスペースの有効フクインは、八百ミリメートル以上とする。ベッド、テーブルやいす等の移動によって確保されるスペースも、有効フクインとするが、この場合は施設管理者側の移動作業が増大することに留意する必要がある。国基準 標準 客室の床には、原則として段差を設けない。国基準 推奨 客室の一部に和室や畳の小上がりスペース等を設ける場合、車いす使用者が容易に移乗できるよう、畳上面等段差を四百から四百五十ミリメートル程度車いすの座面の高さと同程度とすることが望ましい。国基準 推奨 壁面からの突出物を極力避けるとともに、やむを得ず突出した部分や衝突する可能性のある壁・柱・家具の角等がある場合には面取りをする、保護材を設ける等、危険防止に配慮することが望ましい。国基準 戸ドアの形状  標準 戸は、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないものとする。戸の開閉動作は、開き戸より引き戸の方が開閉しやすい。国基準 標準 取っ手の中心高さは、床から九百ミリメートル程度とする。国基準 標準 開き戸の場合、取っ手は、大きく操作性の良いレバーハンドル式、又はプッシュプルハンドル式等し、ドアクローザーは、閉めはじめはゆっくり閉まる等、閉鎖作動時間が十分に確保され、かつ軽い力で操作できるものディレードアクション機能とする。国基準 推奨 開き戸の場合、戸が九十度以上開くようドアクローザーの収まるスペースを確保し、戸当たりの位置を工夫するとともに、取っ手が壁にあたらないよう、戸の吊元のスペースを確保することが望ましい。国基準 標準 手動式引き戸の場合は、自閉式上吊り引き戸ストッパー若しくは一時停止装置又は自動閉鎖時間の調整機能を持ち、閉まり際で減速するもので、容易に開閉できるものとする。国基準 標準 手動式引き戸の取っ手は、握りやすい形状棒状のもの等とする。国基準 推奨 アイスコープは、一般客室と同じ高さの他に、床から千から千二百ミリメートル程度車いす使用者の目線の高さ程度の高さに設けることが望ましい。又は、戸の付近にカメラ付きインターホンを設けることが望ましい。国基準 推奨 非接触型カード錠のカードリーダは、床から千から千二百ミリメートル程度の高さに設けることが望ましい。国基準 標準 錠電気錠を含むは施錠の操作がしやすいものとし、車いす使用者等でも操作がしやすい高さに設けるとともに、緊急の場合には廊下側からも解錠できるものとする。国基準 標準 室名表示、避難情報及び避難経路の表示等は、床から千四百ミリメートル程度の高さ車いす使用者の見やすさに配慮した高さに設ける。国基準 推奨 出入口の戸には、視覚障害者に配慮して、点字表示をすることが望ましい。ジス T0921にあるようにアラビア数字に限り、点字表示の代わりに字形を浮き出させ、数字、ドアとの色相及びコントラストを明確に表すことができる。市指針 推奨 弱視者に配慮して、室名や部屋番号は、地と文字の色対比に留意し、太線の大きなものを用い、近寄ってみることができる位置に表示することが望ましい。 市指針 2ノ3ノ2ノ4 スイッチ及び操作パネル類 標準 スイッチ類特殊なスイッチを除くの中心高さは、千百ミリメートル程度ベッド周辺においては八百から九百ミリメートル程度とする。国基準 標準 電動車いすのバッテリー充電のため、客室内の利用しやすい位置に床から四百ミリメートル程度の高さのコンセントを設ける。国基準 標準 インターホン室内機、戸の施錠・解錠装置カード式含むは、車いす使用者の利用に適した位置、高さに設ける。国基準 九十七ページ 推奨 スイッチ等は、大型で操作が容易なボタン形式のもので、スイッチ等及び壁の仕上げ材料等は、スイッチ等と壁の色の明度、色相又は彩度の差を確保したものとすることが望ましい。国基準 標準 スタンド/ランプのスイッチはわかりやすい場所にあり、細かい指の動きに支障があるなど巧緻運動障害のある人でも操作できる構造・作りになっているとともに、操作方法やオン・オフの状態もわかりやすいものとする。トウキョウガイド 推奨 スイッチ等を遠隔操作するリモコンやタブレット等があることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 室内灯などの壁面スイッチと、ベッド脇のランプはタッチスイッチが望ましい。トウキョウガイド 推奨 非常灯は、枕元から手の届く位置に設置することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ3ノ2ノ5 ベッド ベッドの高さは、表四十一に規定する。 表四十一 ベッドの高さ 宿泊施設 標準 床上四百から五百ミリメートル程度 トウキョウガイド 推奨 ベッドの高さは利用者に応じて高さを調節できることが望ましい。トウキョウガイド 標準 室内の回転スペース又は転回方向転換スペース及びベッドへの移乗スペース有効フクイン八百ミリメートル以上を確保するために客室内のレイアウト変更が可能となるよう、ベッドを床に固定することは避ける。国基準 推奨 ベッドへの移乗スペースの有効フクインは九百十五ミリメートル以上が望ましい。トウキョウガイド 推奨 ヘッドボード高さは、マットレス上面より三百ミリメートル以上とすることが望ましく、形状はベッド上で寄り掛かりやすいものとすることが望ましい。国基準 標準 客室内のレイアウト変更が可能となるよう、ベッドサイドキャビネットを床に固定することは避ける。国基準 標準 ベッドのフレームには、床とベッド下端の間に最低高さ百ミリメートルカケル奥行き百ミリメートルの車いすのフットサポート等がぶつからない空間が必要である。トウキョウガイド 推奨 上記に加え、電動車いすのフットサポート等がぶつからない、より高さのある空間があることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 ベッドサイドキャビネットの高さは、マットレス上面より百ミリメートル程度高くすることが望ましい。国基準 標準 室内の照明は、ベッド上で点灯・消灯できるものとする。国基準 推奨 ベッド上から手の届く位置に、緊急通報ボタンを設けることが望ましい。国基準 2ノ3ノ2ノ6 収納等 標準 収納は、車いす使用者の利用に適した位置とする。国基準 標準 収納の形状は、車いす使用者が容易に接近できるものとする。国基準 標準 戸を設ける場合、取っ手は、高齢者、障害者等が使いやすい形状のものとする。国基準 九十八ページ 標準 棚の高さは、下端は床から三百から四百ミリメートル程度、上端は床から千から千二百ミリメートル程度とする。国基準 標準 棚やクローゼット等を設ける場合、奥行きは最大六百ミリメートル程度とする。国基準 標準 ハンガーパイプやフックの高さは、床から千から千二百ミリメートル程度とするか、高さの調節ができるものとする。国基準 標準 クローゼットには、取り外しのしやすいハンガーを用意しておく必要がある。クローゼット内には十分な照明が必要である。トウキョウガイド 標準 ハンガーパイプにリング等で固定された取り外せないハンガーは、歩行困難者の多くにとって極めて扱いにくいため、アクセシブルルームにはふさわしくない。トウキョウガイド 推奨 クローゼットの前面には、千五百ミリメートルの転回スペースを設けておくことが望ましい。なお、クローゼットは車いす使用者がアクセスしやすい底板のないタイプが望ましい。トウキョウガイド 2ノ3ノ2ノ7 家具及び仕上げ 標準 家具は、車いす使用者が窓・カーテンにアクセスできるように配置しなければならない。窓の取手部やカーテン等の操作ひもは、仕上がり床面から千二百ミリメートル程度の高さで操作できるようにしておく必要がある。トウキョウガイド 推奨 窓の取手部やカーテン等の操作ひもは、千百ミリメートル以下の高さが望ましい。トウキョウガイド 推奨 室内にカウンター・ライティングデスクを設ける場合、床からの上端高さは七百から七百五十ミリメートル程度、下端高さは六百五十から七百ミリメートル程度、奥行きは四百五十ミリメートル以上とすることが望ましい。国基準 標準 客室の床は、滑りにくい材料で仕上げ、車いすの操作が困難になるような毛足の長い絨毯を、床の全面に使用することは避ける。国基準 標準 客室の床には、原則として段差を設けない。国基準 推奨 客室の一部に和室や畳の小上がりスペース等を設ける場合、車いす使用者が容易に移乗できるよう、畳上面等段差を四百から四百五十ミリメートル程度車いすの座面の高さと同程度とすることが望ましい。国基準 2ノ3ノ2ノ8 バルコニー避難用バルコニーを含む、テラス等 推奨 車いす使用者用客室にバルコニー避難用バルコニーを含む、テラス等を設けた場合には以下共通、バルコニー、テラス等への主要な出入口の有効フクインは、八百ミリメートル以上とすることが望ましい。国基準 推奨 バルコニー、テラス等への主要な出入口の戸は、引き戸や引き違い戸等、車いす使用者等が容易に開閉して通過できる構造とすることが望ましい。また、その前後に高低差がないものとすることが望ましい。国基準 2ノ3ノ2ノ9 その他の備品 標準 客室の照明は、間接照明とし、光源が利用者に直接見えないように配慮する。国基準 標準 室内の電話機は、ベッドから手が届く位置に設ける。国基準 標準 聴覚障害者等に配慮し、テレビは字幕放送が可能なものとし、字幕表示が可能なリモコンを客室に備える。国基準 推奨 聴覚障害者に配慮した構造の電話機やファクシミリを設けることが望ましい。市指針 推奨 コール、ドア、電話アラームなどは、光や音で情報を伝達する装置を設けることが望ましい。市指針 推奨 スマートフォン・タブレット端末のアプリ・ソフトの他、?声データを認識することによりアイオーティー家電の操作や情報検索等ができるAIスピーカー等の活?等、今後の技術?新、標準化も視野に?れた対応を図ることが望ましい。国基準 2ノ3ノ2ノ10 トイレ 標準 客室内には、車いす使用者が円滑に利用できるトイレ以下「車いす使用者用トイレ」という。を設ける。ただし、車いす使用者用客室が設けられている階に、車いす使用者用トイレが設けられた共用のトイレが、1以上設けられている場合は代替可能とする。国基準 標準 車いす使用者用トイレの出入口の有効フクインは、八百ミリメートル以上とする。国基準 標準 車いす使用者用トイレには、車いす使用者が三百六十度回転できるよう、直径千五百ミリメートル以上の円が内接できるスペース又は車いす使用者が百八十度転回方向転換できるよう、千四百ミリメートル以上カケル千四百ミリメートル以上のスペースを設ける。やむを得ず、スペースを設けることができない場合には、車いす使用者が腰掛け便座等に移乗しやすいように、幅八百ミリメートル以上カケル奥行き千二百ミリメートル以上のスペースを設ける。国基準 標準 床には段差を設けない。国基準 標準 トイレの戸は、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないものとする。国基準 推奨 開き戸の場合には、戸が九十度以上開くようドアクローザーの収まるスペースを確保し、戸当たりの位置を工夫するとともに、取っ手が壁にあたらないよう、戸の吊元のスペースを確保することが望ましい。国基準 標準 トイレには、腰掛便座、手すり等を適切に配置する。腰掛便座の横壁面に紙巻器、便器洗浄ボタン、呼出ボタンを設ける場合は、ジス S 0026に基づく配置とする。国基準 標準 電話やその他の通信装置あるいは緊急通報装置やその押しボタンは、転倒やその他緊急事態で援助が必要になった場合のために、トイレからすぐに手の届く範囲に必要である。トウキョウガイド 2ノ3ノ2ノ11 浴室又はシャワー室 標準 客室内には、車いす使用者が円滑に利用できる浴室又はシャワー室以下「車いす使用者用浴室等」という。を設ける。ただし、車いす使用者用客室が設けられている施設内に、共用の車いす使用者用浴室等が1以上設けられている場合は代替可能とする。国基準 標準 浴室の出入口の有効フクインは、八百ミリメートル以上とする。国基準 標準 浴室又はシャワー室には、車いす使用者が三百六十度回転できるよう、直径千五百ミリメートル以上の円が内接できるスペース又は千四百ミリメートル以上カケル千四百ミリメートル以上のスペースを設ける。やむを得ず、スペースを設けることができない場合には、車いす使用者が浴槽や入浴用いす等に移乗しやすいように、幅八百ミリメートル以上×奥行き千二百ミリメートル以上のスペースを設ける。国基準 百ページ 標準 床には段差を設けない。国基準 標準 床は濡れても滑りにくく、転倒時や床に座ったままで移動する場合にも体を傷つけにくい材料で仕上げる。また、車いすでの移動の妨げにならないよう、床は水はけの良い材料で仕上げ、可能な限り排水勾配を緩やかにする。国基準 標準 浴室等の戸は、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないものとする。国基準 推奨 浴室等の戸が開き戸の場合には、戸が九十度以上開くようドアクローザーの収まるスペースを確保し、戸当たりの位置を工夫するとともに、取っ手が壁にあたらないよう、戸の吊元のスペースを確保することが望ましい。国基準 推奨 シャワーブースの仕切りはカーテンにすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 浴槽の深さは五百ミリメートル程度、エプロン高さは四百五十ミリメートル程度車いすの座面の高さ程度とする。国基準 標準 浴槽は濡れても滑りにくく、体を傷つけにくい材料で仕上げる。国基準 標準 貸し切り浴室では、浴槽の床が滑りにくいよう、床マットを貸し出すことができるよう準備する。国基準 標準 浴槽出入り、浴槽内での立ち座り・姿勢保持等のための手すりを設ける。国基準 標準 車いすから移乗しやすいよう、浴槽の脇に移乗台を設ける。移乗台の高さは、浴槽のエプロン高さと同程度とする。移乗台は取り外し可能なものでもよい。国基準 標準 洗い場やシャワー室を設ける場合には、入浴用いす等に座った状態で手が届く位置に、立ち座り・姿勢保持等のための手すりを設ける。国基準 標準 入浴用いす、シャワー用車いす、壁掛け式折りたたみいすのいずれかを備える。国基準 標準 シャワーは、原則としてハンドシャワーとする。国基準 推奨 シャワー室・洗い場付き浴室の場合には、シャワーホースの長さは千五百ミリメートル以上とすることが望ましい。国基準 標準 上下2箇所にシャワーヘッド掛けを設ける場合には、低い位置のシャワーヘッドかけは、入浴用いす等に座った状態で手が届く高さに設ける。国基準 推奨 入浴用いす等に座った状態で手が届くよう、シャワーヘッドは垂直に取り付けられたバーに沿ってスライドし、高さを調整できるものとすることが望ましい。国基準 標準 洗い場の水栓金具の取り付け高さは、入浴用いす等から座った状態で手が届く位置とする。国基準 推奨 浴槽の水栓金具の取り付け高さは、浴槽に座った状態で操作可能な位置とする。県指針 標準 水栓金具は、レバー式等の操作のしやすいものとする。国基準 標準 サーモスタット自動温度調節器付き混合水栓等、湯水の混合操作が容易なものとする。国基準 標準 サーモスタット自動温度調節器には、適温の箇所に認知しやすい印等を付ける。国基準 百一ページ 標準 緊急通報ボタン又は非常用を兼ねた浴室内電話機を車いす使用者等が操作しやすい高さ、位置に設ける。国基準 推奨 緊急通報ボタンを押したことが、音声による案内のほか、フラッシュライト等の点灯等により客室内外で視認できることが望ましい。国基準 推奨 浴室には視覚に障害のある人が手に取って区別することのできるシャンプー、リンス、ボディソープを用意することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ3ノ2ノ12 洗?器等トイレ、洗?脱?室、客室内に設ける場合を含む。 標準 洗面カウンターを設ける場合、洗面カウンターと床の空間は、六百五十ミリメートル以上、奥行き 四百五十ミリメートル程度のスペースを確保し、カウンター上部を七百ミリメートル程度とする。トウキョウガイド 標準 ?栓?具はシングルレバー?式等、湯?の混合操作が容易なものとする。国基準 標準 吐水口の位置は、洗?器の?前縁から三百?三百五十ミリメートル程度とする。国基準 推奨 鏡は、洗?器上端部にできる限り近い位置を下端とし、上端は洗?器から千ミリメートル程度の?さとすることが望ましい。国基準 図二十九 アクセシブルルームの例 アクセシブルルームの各数値基準を図示 出典)名古屋市福祉都市環境整備指針 注釈 数値を一部編集して掲載 2ノ3ノ3 一般客室 2ノ3ノ3ノ1 はじめに 前項では、客室と浴室をアクセシブルなものにするための条件を明記した。 しかし、特に古い施設の場合などは様々な制約があるため、そうした対応策のいくつかは技術的に実行不可能である。 一方、たとえ基準を満たしたアクセシブルなものでなくとも、多くの場合、整備しやすい対応策によって、客室を一定の歩行困難者が利用できるようなものに変えることができる。 百二ページ 2ノ3ノ3ノ2 考慮すべき事項 一定の歩行困難者が利用できるようにするために、次の対応策のいくつかを適用する必要がある。 標準 客室出入口の有効フクインは八百ミリメートル以上とする。国基準 標準 客室内におけるトイレ・浴室等の出入口付近の通路は、車いす使用者の利用に支障のない、必要な有効フクインを確保する。なお、トイレ・浴室等の出入口有効フクイン七百五十ミリメートル以上に至る車いす使用者の経路が直角路となる場合には、トイレ・浴室等の出入口付近における通路の有効フクインは、千ミリメートル以上とする。国基準 推奨 客室内には、車いす使用者が三百六十度回転できるよう、直径千五百ミリメートル以上の円が内接できるスペース又は千四百ミリメートル以上カケル千四百ミリメートル以上のスペースを1以上設けることが望ましい。家具等の下部に車いすのフットサポートに乗せた足が通過できるスペースが確保されていれば、その部分も有効スペースとする。ベッドの移動等、客室のレイアウトの変更による対応でもよい。国基準 標準 少なくともベッドの片側に1箇所、最低 八百ミリメートル の移乗スペースを確保する。トウキョウガイド 標準 客室の床には、原則として段差を設けない。やむを得ず段差を設ける場合には、高齢者、障害者等が乗り越えやすい形状とするか、傾斜路据え置き型スロープの設置を含む等により段差を解消する。国基準 標準 片側に移乗スペースのある、高さ 四百から四百五十ミリメートル程度の便座。なお、高さが足りない場合、補高便座で対応することは可能。トウキョウガイド 標準 手すり、またはその他もたれかかるのに適した丈夫なものがあること。トウキョウガイド 標準 操作パネルの高さは千四百ミリメートル以下、または、これより高い位置にある場合は適切な操作棒やリモコンを準備する。トウキョウガイド 標準 クローゼットのハンガーの掛け降ろしに使用する、先端を適切に処理した長い棒。トウキョウガイド 標準 背もたれ付きのシャワーチェア。浴槽には、浴槽用いす以外に手すり、もしくは出入りを容易にするための手すり。トウキョウガイド 標準 固定容器に入れたものではなく、動かせるアメニティシャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープなど。トウキョウガイド 2ノ3ノ4 宿泊施設内の他のサービスと設備 2ノ3ノ4ノ1 はじめに 他の宿泊客が利用できるその他の全てのサービスを、尊厳を保って利用できるようにすることが、インクルーシブな宿泊施設の条件である。 百三ページ 2ノ3ノ4ノ2 駐車場 標準 アクセシブルな駐車区画は、車両と車いすとの移乗ができる十分なスペースを確保するため、他の駐車区画よりも広くなければならない。トウキョウガイド 推奨 大きな駐車区画は、国際的に認められたシンボルマークでその存在を示すのが望ましい。トウキョウガイド 標準 指定駐車区画の幅は、推奨は三千六百ミリメートル、標準三千五百ミリメートルである。なお、駐車区画に段差があってはならない。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな駐車場は、できる限り建物入口の近くに配置する。詳細は、「駐車エリアの要件」に記載されている。トウキョウガイド 2ノ3ノ4ノ3 レセプション 駐車場、建物入口及びレセプションの間の通路は、前出項のアクセシブルな通路とすることが望ましい。 推奨 建物に複数入口がある場合、最も利用しやすい入口に、他の入口に関する情報をわかりやすく提示しておくことが望ましい。トウキョウガイド 標準 建物入口に情報を提示していない場合にはスタッフが対応する。通路は人々がスムーズに通行できるよう十分なフクインがあり、障害物のないようにしておくべきである。トウキョウガイド 標準 レセプションカウンターはアクセシブルになっているか、または「家具、カウンター、サービスエリア」の基準に従って一部がアクセシブルとなっている必要がある。トウキョウガイド 標準 宿泊施設に関する主な情報は、視覚に障害のある人の求めに応じ、代替形式点字版、音声テープ、拡大印刷等で提供できるようにしておくべきである。トウキョウガイド 2ノ3ノ4ノ4 レストラン、コーヒーショップ、バー レストラン、喫茶コーナー、バーでは、席がふさがっていても通路を自由に動き回れるよう、2ノ1ノ5家具、カウンター、サービスエリアの基準に従って、十分なフクインにしておくべきである。 推奨  メニューは、代替形式点字版、拡大印刷版などでも用意しておくのが望ましい。トウキョウガイド 2ノ3ノ4ノ5 ショップ 歩行困難な利用者が、どの程度棚やディスプレイ用ラックの商品にアクセスできるかを考慮すべきである。 推奨 歩行困難な利用者にとって、商品を水平方向に陳列するよりも垂直方向に配置する方が望ましい。トウキョウガイド 推奨 通路の幅は、車いすの移動に関する対応策にしたがって、千二百ミリメートル以上とするのが望ましい。トウキョウガイド 百四ページ 2ノ3ノ4ノ6 トイレ 推奨  男女共用のアクセシブルトイレについては、ホテルに1つ以上設置することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ3ノ4ノ7 緊急事態対応計画 障害を持つ宿泊客の受け入れにおいて、障害者を避難させるための特殊な設備と計画は重要な部分を成している。障害者の安全な避難を容易にするには、スタッフを対象とした適切なトレーニングの実施が役に立つ。 推奨  ?いす使?者や聴覚障害者、視覚障害者等が?般客室に宿泊する際には、より早い情報伝達や、停電・?常時の誘導や救助対応のしやすい位置の客室に案内することが望ましい。国基準 下記に関する詳細については、2ノ1ノ9非常時の対応策を参照のこと。 一時退避スペース救援支援エリア 警報システム 建物からの避難指示 百五ページ 2ノ4 刊行物とコミュニケーション 2ノ4ノ1 概要 2ノ4ノ1ノ1 原則 アクセシビリティに配慮した刊行物とコミュニケーションは、なにものにも邪魔されることなく十分に社会生活と専門活動に参加することを可能にする。 2ノ4ノ1ノ2 内容 本項には以下のテーマが含まれている。  テーマ 2ノ4ノ2 刊行物 2ノ4ノ3 ウェブサイト基準 2ノ4ノ4 公衆電話とインターネット環境 2ノ4ノ5 表示サイン 2ノ4ノ6 コミュニケーション支援と補聴援助機器 2ノ4ノ2 刊行物 2ノ4ノ2ノ1 はじめに 刊行物を作成する際、様々な障害に配慮し、誰にとっても読み取れるかどうかを最初に検討することが重要である。イベント、サービス、場所、または情報を、だれにでもアクセシブルなものとするときの第一歩が、可読性である。 公共的な文書は全て、点字、テキストデータ、拡大文字または音声形式で提供することが望ましい。なお、提供にあたっては専門家のアドバイスを受けることが望ましい。 2ノ4ノ2ノ2 刊行物を見やすくするガイドライン より多くの読者に伝えるため、どのような形式の文書であれ刊行物を企画する際、出版者は本章を考慮に入れる必要がある。 2ノ4ノ2ノ2ノ1 コントラスト 標準 テキストと地色には、強いコントラストの色彩を用いる。白または黄地に黒または濃紺のテキスト、または黒/濃紺地に白/黄のテキストがよい例である。トウキョウガイド 標準 同色系でも濃淡の差をつけるだけでも見分けやすくなる。イメージを変えたくない場合に、有効な方法である。愛知UDガイドブック 2ノ4ノ2ノ2ノ2 文字色 標準 印刷資料は、白黒の組み合わせが最も読みやすい。テキストに色彩を用いる場合は、表題や見出し、または強調箇所だけに限定する。トウキョウガイド 百六ページ 標準 彩度 色の鮮やかさは「高い色」と「低い色」を組合せ、明度色の明るさは「明るい色」と「暗い色」を組合せると見分けやすくなる。愛知UDガイドブック 2ノ4ノ2ノ2ノ3 文字の大きさ 標準 文字は大きいほどよい。テキストは大きく、できればフォントによって十二から十八ポイントポイントの大きさはフォントによって異なるにする。トウキョウガイド 標準 ポイントを決める時は、読者を念頭に置く。十二ポイントまたはそれより小さなフォントサイズを用いる場合、代替の拡大版として十八から二十六ポイントのフォントサイズを用いた文書も用意しておく。トウキョウガイド 標準 代替の拡大版として英文の場合は十四ポイント以上のフォントサイズとする。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ2ノ4 行間 推奨 文章の行と行の間のスペースで、フォントサイズの少なくとも二十五から三十パーセント相当にするのが望ましい。それだけのスペースがあれば、次の行へ読み進みやすい。トウキョウガイド 標準 太い書体の場合は、行間を広めにする必要がある。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ2ノ5 フォントの種類 標準 複雑なあるいは装飾的なフォントは避け、ユニバーサルデザイン仕様のゴシック体を使うべきである。トウキョウガイド 標準 柔らかい雰囲気を出すために丸文字を使用することもあるが、長文で使うと読みにくくなる。愛知UDガイドブック 標準 欧文フォントの場合、標準的なサンセリフ体で、識別しやすい大文字・小文字を選ぶ。選択肢としてはエイリアルやヴァーダナがよい。トウキョウガイド 標準 数字を表記する場合は、アラビア数字で表記する。愛知UDガイドブック 2.4.2.2.6 フォントの太さ 標準 中太のフォントを選び、へアラインの細い字体は避ける。単語や句を強調する場合は、太字または肉太のフォントを用いる。斜体や大文字は奨められない。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ2ノ6 フォントの太さ 標準 中太のフォントを選び、へアラインの細い字体は避ける。単語や句を強調する場合は、太字または肉太のフォントを用いる。斜体や大文字は奨められない。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ2ノ7 文字間隔 標準 テキストは詰め込みすぎない。トウキョウガイド 標準 文字間に十分なスペースを取る。トウキョウガイド 標準 文字によってスペースが異なるプロポーショナルフォントよりも、固定幅のフォントを選択する。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ2ノ8 余白と段 標準 より一層読みやすくするため、テキストは段組みする。目の動きを抑えられ、周辺視力もあまり要求されない。トウキョウガイド 百七ページ 標準 関連性のある文章や図表を接近させる「グループ化」を図る。愛知UDガイドブック 推奨 できれば綴じ代を広くとるか、らせん綴じにする。拡大鏡など補助道具を使用する場合は、見開きが平らになっているのが最も好都合である。トウキョウガイド 標準 上下左右に余白を十分にとり、情報の詰めすぎに注意する。愛知UDガイドブック 2ノ4ノ2ノ2ノ9 強調表現 標準 強調するところは色変更だけではなく書体の変更、太字やアンダーラインを活用すると効果的である。愛知UDガイドブック 標準 白抜き文字や、前後で文字の大きさやフォントを変えるなどの手法も効果的である。愛知UDガイドブック 標準 斜体字は読みづらいので使わない。愛知UDガイドブック 標準 強調表現の多用は避ける。愛知UDガイドブック 2ノ4ノ2ノ2ノ10 表現 標準 難しい言葉は、簡単な言葉に置き換える。愛知UDガイドブック 標準 専門用語や外来語を使わなければならない場合には、注釈や日本語訳を付ける。愛知UDガイドブック 標準 複雑な数字の概念は避ける。「十パーセントの人」と書くよりも、「十人のうち1人」と書いた方が、読み手にとって分かりやすい表現になる。愛知UDガイドブック 標準 時間を示すときは、二十四時間表記ではなく、十二時間表記の方が分かりやすい。愛知UDガイドブック 2ノ4ノ2ノ2ノ11 振り仮名 標準 難しい人名や地名、固有名詞の漢字を使う場合には、振り仮名ルビを付ける。愛知UDガイドブック 標準 漢字を避けて平仮名を多用すると、かえって読みにくくなる。愛知UDガイドブック 2ノ4ノ2ノ2ノ12 絵写真 ポイントとなる文章には、絵写真の活用が有効。絵写真は、文章の雰囲気や感情が伝わりやすく、読み手の記憶にも強い印象を与えることができる。 注釈 文章の内容と違うことをイメージさせるような絵写真や、文章と関係のない絵写真を挿入すると、読み手は混乱してしまう。 標準 絵写真を使う際には、絵写真のまわりを文章で囲ったり、絵写真の上から文章を記載したりしないようにする。愛知UDガイドブック 標準 「見た目が美しいから」、「スペースを埋めるため」という理由で、挿絵を使用するのは逆効果。適切な絵写真の活用を心掛ける。愛知UDガイドブック 百八ページ 2ノ4ノ2ノ2ノ13 ピクトグラム 絵写真は、見る人によって様々に解釈してしまう恐れもあるため、ピクトグラムの活用も有効的である。 ピクトグラムは、見てすぐに意味が伝わるため、ポイントとなるメッセージや重要な単語を示すのに役立つ。 標準 ピクトグラムのうち、日本産業規格ジスの標準案内用図記号は、広く認知されている。一方で、独自に作成したピクトグラムは、間違った情報を伝えかねない場合もあるので、余白に注釈を記載することも検討する。愛知UDガイドブック ジスの標準案内用図記号ジスZ8210の、おむつ交換台、お手洗い、スロープ、カームダウンクールダウンのピクトグラムを掲載 2ノ4ノ2ノ2ノ14 紙への印刷 標準 マットまたは光沢のない仕上げにし、まぶしさを抑える。注意をできるだけ反らさないように透かしや複雑な背景模様は用いない。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ2ノ15 読みやすいデザインと簡素さ 標準 資料の表紙には特徴的な色、サイズ、形を用いて、他のものと見分けやすくする。トウキョウガイド 標準 図やインデックスの形を変えたり、マークを併用したりすると、色を見分けにくい人にも情報が伝わりやすくなる。愛知UDガイドブック 標準 形やマークの大きさは、できるだけ大きくし、色の違いがわかりやすいように配慮する。愛知UDガイドブック 標準 インデックスなどの場合は、表示する位置を変えると、より情報が伝わりやすくなる。愛知UDガイドブック 標準 地図やグラフなど、塗りつぶす面積が広い場合は、斜線やドットなどのハッチング模様を加えると、色の違いが見分けられない場合でも、情報が伝わりやすくなる。愛知UDガイドブック 標準 ハッチングは、ハッチングをした場所を目立たせる効果があるため、多用しないように注意が必要である。愛知UDガイドブック 標準 色の名前を用いてやりとりがされる可能性があるものには、色の名前を記載することで、コミュニケーションを図りやすくなる。愛知UDガイドブック 百九ページ 日本語のフォント例として、ビズUDPゴシックとUDデジタル教科書体を例示 欧文フォントの例として、エイリアルとヴァーダナを例示 強調の例として、下線、地色とのコントラスト、ポイントの拡大を例示 2ノ4ノ2ノ3 点字 推奨  視覚障害者のため、点字の資料を提供できるようにしておくのが望ましい。また、点字を利用しない人のため、音声及び拡大形式の文書も用意する。ただし、視覚障害者の中には点字を読めない人もいるため、点字をこうした人々を対象にした唯一の形式とすべきでない。音声及び拡大形式の文書が、代替版として適切である。英文点字を作成する場合、「グレード2」で作成することが望ましい。トウキョウガイド 標準 全盲者や視覚障害者が数多く参加すると予想されるイベント例えばアジアパラ競技大会の場合、情報資料は、予め限定部数印刷しておく、あるいは作成された文章を点字変換と編集するソフトが組み込まれたパソコンと点字を印刷するプリンターを用いて点字を印刷できるようにする、またはその両方が可能であるようにする。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ4 音声録音媒体 推奨  刊行物の音声版は、視覚障害者向けの音声媒体を作成する専門施設で制作された内容が望ましい。W3C勧告に基づいた互換性のあるウェブサイト、ポッドキャストで公開するか、MPスリーファイルで配信する。なお、データ配信に加え、他の媒体でも作成することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ5 音声コード 音声コードユニボイスともいう。とは、専用ソフトにより、テキストデータを二次元コード化したもので、携帯アプリや専用の読取装置を利用して、音声として出力することができる。 推奨  標準のMサイズ十八ミリメートル角の音声コードの中に、約八百字の文字情報を格納することができるため、リーフレットなどを作成する際は、音声コードを付けることが望ましい。愛知UDガイドブック 標準 印刷に当たっては、六百dpi以上のレーザープリンタを使用するとともに、触覚によりコードの位置を把握できるように、音声コードの横に半円の切り欠きを入れる必要がある。両面の場合は原則2か所愛知UDガイドブック 百十ページ 2ノ4ノ2ノ6 電子文書 標準 電子文書はフォーマットとグラフィックスを最低限に抑えたテキストファイル、リッチテキストファイル、読み上げ機能に対応したPDFファイルまたはワード文書にする必要がある。トウキョウガイド 推奨 また、視覚障害者や印刷物を読むことが困難な人のために、国際標準規格に則ったデジタル録音文書を用意することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ4ノ2ノ7 ビデオ、DVD、CD版 標準 ビデオ、DVD等は、聴覚障害者等のために、字幕入りにする必要がある。トウキョウガイド 推奨  できれば、手話通訳や映像解説サービスDVSもあわせて用意するのが望ましい。トウキョウガイド 2ノ4ノ3 ウェブサイト基準 2ノ4ノ3ノ1 はじめに インターネットは情報の検索と発信の必須要素であると同時に、日常生活における商品の購入やサービス取得の有効な手段になっている。 インターネットは、感覚障害者あるいは歩行困難者に有益な特別な通信手段である。しかし、これを使用可能とするには、潜在的利用者全てに益することができるよう、ウェブコンテンツのアクセシビリティ・ガイドラインを遵守する必要がある。 両大会では、多くの選手、来訪者、家族がトレーニング、競技・試合結果、安全、家族の喜びや悲しみについて伝えたり、あるいは単に連絡を取り合えたりすることを保証する上で、インターネットは重要な役割を果たしている。会場におけるインターネット通信環境の役割は、大会の計画にとって極めて重要である。 2ノ4ノ3ノ2ガイドライン 標準 どのようなウェブサイトも、あらゆる人々を利用者として含めるように開発しなければならず、そのためにはW3Cアクセシビリティ・ガイドラインの要件を満たす必要がある。ガイドラインWeb Content Accessibility GuidelinesWCAGは、 https://www.w3.org/TR/ に掲載されている。ガイドラインは更新されるため、適宜内容を参照すること。トウキョウガイド また、デジタル庁では、ウェブアクセシビリティに初めて取り組む行政官や事業者向けに、ウェブアクセシビリティの考え方、取り組み方のポイントを解説するガイドブックを公開している。 ガイドラインは更新されるため、適宜内容を参照すること。 「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」 https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook/ 百十二ページ 2ノ4ノ4 公衆電話とインターネット環境 2ノ4ノ4ノ1 公衆電話 推奨  公衆電話を設置する場合は、少なくとも1台は車いすでアクセスできるようにし、それを国際的に認められているシンボルで明確に示すのが望ましい。トウキョウガイド 標準 車いす使用者がアクセスできるようにするには、電話を両側の障害物から三百ミリメートル以上離しておくべきである。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな公衆電話は、車いす使用者が硬貨投入口に手が届き、楽な姿勢で操作できるように、受話器又はプッシュボタン中心の高さは、九百から千ミリメートル程度とする。トウキョウガイド 標準 音量調整機能付きで、受話器には少なくとも六百ミリメートルのコードが必要である。トウキョウガイド 2ノ4ノ4ノ2 インターネット環境 インターネットは、ネットを通じてのコミュニケーションという点で重要である。したがって、良好なインターネット通信環境を整備することが求められる。インターネットに接続する端末を用意する場合には、物理的にアクセシブルであり、あらゆる人々が適切に利用できる機能の端末を用意する。 今後、市場には、さらに高度な技術を取り入れたソリューションが出回ることも予測されるため、そうしたものも採り入れることを強く推奨する。 推奨  会場及びアクセシブルルートでは、インターネットにアクセスできる環境を整備することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ4ノ5表示サイン 2ノ4ノ5ノ1 はじめに ピクトグラム、方向を示す矢印や言葉を用いた道案内や解説表示サイン、特定の役割を持つ表示サインにより、どこの国の人であっても、身体能力がどのような程度であっても人々は自由に、先を予測しながら、そして最も重要な点であるが、安全に移動することが可能になる。 多くの障害者にとって、表示サインや案内板の中に国際的なアクセスのシンボルを見出すことは、間違いなくアクセシブルな施設に向かっているという確信につながる。 アクセシブルな通路が、観客や来訪者の大部分が利用するものとは異なる場合、アクセシブルな表示サインは一層重要になってくる。 表示サインは、誘導、位置、案内、規制の4種のサイン類を動線に沿って適所に配置して、移動する利用者への情報提供を行う。 誘導サイン 施設等の方向を指示するのに必要なサイン 位置サイン 施設等の位置を告知するのに必要なサイン 案内サイン 位置関係等を案内するのに必要なサイン 規制サイン 利用者の行動を規制するのに必要なサイン 百十二ページ 2ノ4ノ5ノ2 主な要素 2ノ4ノ5ノ2ノ1 シンボルの大きさ 標準 シンボルの大きさは、下表のとおり、視距離に応じたものとする。 距離が7メートル未満の場合 シンボルの大きさ 六十ミリメートルかける六十ミリメートル 距離が7メートルより大きく十八メートル未満の場合 シンボルの大きさ 百十ミリメートルかける百十ミリメートル 距離が十八メートルより長い場合 シンボルの大きさ 二百ミリメートルかける二百ミリメートル トウキョウガイド 2ノ4ノ5ノ2ノ2 文字等の表示方法 推奨  出入口名など主要な用語には、英語を併記し、地名、駅名等にはひらがなを併記することが望ましい。市指針 推奨  来訪者事情により、日本語、英語以外の言語を併記することが望ましい。市指針 標準 英語を併記する場合、英訳できない固有名詞にはヘボン式ローマ字つづりを使用する。市指針 推奨  固有名詞のみによる英文表示には、ローマ字つづりの後にBridgeやRiverなど、意味が伝わる英語を補足することが望ましい。市指針 推奨  書体は、視認性の優れた角ゴシック体とすることが望ましい。市指針 標準 歩行者や車いす使用者が移動しながら遠くから視認できるサインの掲出高さは、視距離に応じた文字の大きさを選択したうえで、視認想定位置から仰角十度より下の範囲内で、極力高くするのが適当である。市指針 標準 文字の大きさは、視力の低下した高齢者等に配慮し、以下のように視距離に応じた大きさを選択する。 視距離三十メートルの場合 和文文字高 百二十ミリメートル以上 英文文字高 九十ミリメートル以上 視距離二十メートルの場合 和文文字高 八十ミリメートル以上 英文文字高 六十ミリメートル以上 視距離十メートルの場合 和文文字高 四十ミリメートル以上 英文文字高 三十ミリメートル以上 視距離四から五メートルの場合 和文文字高 二十ミリメートル以上 英文文字高 十五ミリメートル以上 視距離一から二メートルの場合 和文文字高 九ミリメートル以上 英文文字高 七ミリメートル以上 トウキョウガイド、市指針 2ノ4ノ5ノ2ノ3 配色 標準 安全色安全に関する意味が与えられている特性を持つ色に関する色彩はジス Z9103によること。市指針 百十三ページ 標準 高齢者に多い白内障に配慮して、青と黒、黄と白の色彩組み合わせは用いない。市指針 推奨  サインの図色と地色の明度の差、色相又は彩度の差輝度コントラストを大きくすること等により容易に識別できるものとすることが望ましい。市指針 標準 色覚障害者に配慮し、見分けやすい色の組み合わせを用いて、表示要素ごとの色の明度、色相又は彩度の差輝度コントラストを確保した表示とする。市指針 推奨  色のみの区別では識別が困難で表示内容が理解できない場合があるため、文字や記号などによる案内の併記、色の名前の併記、異なる模様や線種などの併用といった配慮をすることが望ましい。市指針 2ノ4ノ5ノ2ノ4 配色サインのデザイン 標準 ピクトグラム案内用図記号は、ジスZ8210に示された図記号のほか、知的障害者、子ども、外国人などにもわかりやすいデザインとする。市指針 推奨  ピクトグラムには文字を併記することが望ましい。市指針 推奨  サイン類はシンプルなデザインとし、サイン種類ごとに統一的なデザインとすることが望ましい。市指針 2ノ4ノ5ノ2ノ5 表示サインの明るさ 推奨  サインは、必要な輝度が得られる器具とすることが望ましい。なお、近くから視認するサインは、まぶしさを感じにくい器具とすることが望ましい。市指針 推奨  必要に応じ、夜間利用に適した照明設備を設けることが望ましい。市指針 2ノ4ノ5ノ3 誘導サイン、位置サイン 標準 誘導サイン・位置サインは、施設の配置や移動の方向の他、高齢者や障害者などに配慮した設備エレベーター、エスカレーター、傾斜路、トイレ、駐車施設等や交通機関における乗り換え経路を表示する。なお、案内標識には、点字、音声その他の方法により視覚障害者を案内する設備を設けるものとする。市指針 標準 表示する情報内容が多い場合、主要な地点場所、部屋名と高齢者や障害者などに配慮した設備エレベーター、トイレ等を優先的に表示する。市指針 推奨 移動距離が長い場合、目的地までの距離を併記することが望ましい。市指針 推奨 誘導サイン・位置サインの表示面は、動線と対面する向きに掲出することが望ましい。市指針 標準 掲出高さは、視認位置からの見上げ角度が小さく、かつ視点の低い車いす使用者でも混雑時に前方の歩行者に遮られにくい高さとする。市指針 標準 標識が通路上に突き出す場合は、視覚障害者等の通行の支障とならないよう、下端が地上二千ミリメートル以上の高さに設置する。市指針 推奨 動線と対面する向きのサイン2台を間近に掲出する場合、手前のサインで奥のサインを遮らないように、2台を十分離して設けることが望ましい。市指針 百十四ページ 標準 誘導サインは、必要な情報が連続的に得られるように配置する。分岐点、階段の上り口・下り口、曲り角市指針 推奨 長い通路等では、動線に分岐がない場合であっても、誘導サインは繰り返し配置することが望ましい。市指針 標準 位置サインは、位置を告知しようとする施設の間近に配置する。市指針 2ノ4ノ5ノ4 案内サイン  標準 施設案内図に表示する情報内容は、高齢者や障害者などに配慮した設備エレベーター、エスカレーター、傾斜路、トイレ、駐車施設等のほか必要なものとする。市指針 推奨 工事の実施等によりアクセシブルな経路が遮断される場合には、工事実施等により利用できない旨の案内表示や、迂回路をわかりやすく示すことが望ましい。市指針 推奨 施設案内図、及び表示範囲が徒歩圏程度の施設周辺案内図の向きは、掲出する空間上の左右方向と、図上の左右方向を合わせて表示することが望ましい。市指針 推奨 表示範囲が広域な施設周辺案内図の向きは、地理学式に北を上にして表示することが望ましい。市指針 推奨 案内サインの表示面は、利用者の円滑な移動を妨げないよう配慮しつつ、動線と対面する向きに掲出することが望ましい。市指針 標準 他の歩行者特に車いす使用者や視覚障害者の通行を妨げることのないような位置に設ける。屋外の場合には、植樹帯の中、沿道の公共施設等の敷地内、歩道の車道側で通行の妨げにならない位置などに設ける。市指針 推奨 空間上の制約から動線と平行な向きに掲出する場合は、延長方向から視認できる箇所に、その位置に案内サイン類があることを示す位置サインを掲出することが望ましい。市指針 推奨 弱視者に配慮し、近づいて見ることのできる位置、視点の高さに設けることが望ましい。市指針 標準 施設案内図などの掲出高さは、歩行者及び車いす使用者が共通して見やすい高さとする。市指針 標準 施設案内図及び掲示板主としてイベントの告知等の一時的な情報提供を行うものは、出入口付近等からそれぞれ視認できる、利用者の円滑な移動を妨げない位置に配置する。市指針 推奨 大規模な施設では、施設案内図などを繰り返し配置することが望ましい。市指針 推奨 高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に設ける交差点、駅前広場その他の移動の方向を示す必要がある箇所には、高齢者、障害者等が見やすい位置に、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用すると認められる官公庁施設、福祉施設その他の施設及びエレベーターその他の移動等円滑化のために必要な施設の案内標識を設けることが望ましい。点字、音声その他の方法により視覚障害者を案内する設備も設けることが望ましい。市指針 百十五ページ 誘導サイン、位置サイン、案内サイン、規制サインの参考写真を掲載 出典 国土交通省/高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準R3.3 2ノ4ノ5ノ5 電光掲示板 標準 聴覚障害者や聴力の低下した高齢者、また雑踏により放送が聞こえない場合などに配慮し、館内の案内、呼び出し、車両等の運行情報、臨時情報を表示する電光掲示板等を適所に設ける。市指針 推奨 車両等の運行の異常に関連して、遅延状況、遅延理由、運転再開予定時刻、振替輸送状況など、利用者が次の行動を判断できるような情報を提供することが望ましい。なお、可変式情報表示装置による変更内容の提供が困難な場合には、ボードその他の文字による情報提供ができる設備によって代えることができる。市指針 推奨 簡潔かつ分かりやすい文章表現とし、また、必要に応じて図やイラストを用いて情報を提供することが望ましい。市指針 推奨 表示方式は、文字等が均等な明るさに鮮明に見える輝度を確保し、図と地の明度、色相又は彩度の差輝度コントラストや、文字を大きくすること等により容易に識別できるものとすることが望ましい。市指針 推奨 異常情報を表示する場合は、フリッカーランプ点滅灯を装置に取り付けるなど、異常情報表示中である旨を継続的に示すことが望ましい。市指針 推奨 電光掲示板等の掲出高さは、誘導サインや位置サイン類と統一的であることが望ましい。市指針 推奨 緊急避難場所になる公共空間、施設にあっては、放送設備とともに、放送内容を視覚的に表示する電光掲示板などを設けることが望ましい。市指針 2ノ4ノ5ノ6 音声による案内、放送 音声による案内・放送の考え方 視覚障害者などに有効であるため、館内の案内、呼び出し、緊急時の情報等は音声による案内に配慮する。 各種案内板による情報も必要に応じ音声による案内を組み合わせる。 聞き取りやすい案内、放送に配慮する。 推奨 次に示す箇所において音または音声による案内を行うことが望ましい。市指針 視覚障害者が常時利用する施設のエスカレーター及び一般用トイレ音声 視覚障害者が常時利用する施設の玄関音 点字による案内板等を設置した箇所音または音声 百十六ページ 推奨 点字による案内板等に、スピーカーを内蔵し押しボタンによって作動する音声案内装置を設けることが望ましい。市指針 推奨 この装置を設ける場合、対面して操作する利用者の「前、後、右、左」や方位などを用いたわかりやすいことばで、簡単明瞭に施設、設備等の方向や位置を指示することが望ましい。市指針 標準 アナウンスは、聞き取りやすい音量、音質で繰り返す等して放送する。市指針 音声・音響案内の標準例は以下のとおりである。 施設玄関の音声、案内の標準例 音 ピンポーンまたはこれに類似した音響 エスカレーターの音声、案内の標準例 音声 行き先、上下方向エスカレーターです。 トイレの音声、案内の標準例 音声 向かって右が男子トイレ、左が女子トイレです。 男子トイレ入り口男子トイレです。 女子トイレ入り口女子トイレです。 階段の音声、案内の標準例 音 鳥の鳴き声を模した音響 エレベーター停止する階が2つである場合の音声、案内の標準例 音声 何階です。乗り口と反対側の扉が開きます。 百十七ページ 2ノ4ノ6 コミュニケーション支援と補聴援助機器 2ノ4ノ6ノ1 はじめに 障害区分の中で、聴覚障害は圧倒的に大きな障害グループであるが、障害者に対応するための施設の設計時には見落とされることが多い。大きなイベントを開催する主催者は、必要に応じて手話通訳、要約筆記、音声認識、補聴援助機器等を手配、整備する必要がある。 2ノ4ノ6ノ2 磁気誘導ループ 補聴器や人工内耳に明瞭な音を送り込むための仕組みのひとつ。磁気誘導アンプを通した音声信号を、床等に敷設したループアンテナやワイヤーに電気信号として送ることで、対応する補聴器や人工内耳で音声信号として聞くことができる。 磁器誘導ループの特徴 特徴 音声を磁気に変換し、各個人の補聴器Tモードに切り替えられるTコイル対応の補聴器で聴き取る方法です。 音声を磁気に変換するヒアリングループ磁気ループには、予め床等に埋設した常設型と、持ち運び可能な磁気発生アンプと巻き取り式のワイヤーにより必要な場所に設置できる移動型があります。 磁気ループの設置場所や対応機器を示すものとして、一般社団法人全日本難聴者、中途失聴者団体連合会が定めたヒアリングループマークがあります。 長所 専用の受信機は必要なく、補聴器をTモードに切り替えるだけでよい。 騒音や部屋の反響に影響されずに音声を伝える。 ループが敷設されている室内では、どこに移動してもそのまま利用できる。 移動型はループの設置されていない部屋や屋外でも使用できる。 短所 FM補聴システムや赤外線補聴システムに比べて音質が劣る。 周辺にある家電製品の電磁波の影響を受けやすい。 受信者の姿勢補聴器の位置、高さ、角度により感度が変化する。 各個人の補聴器を使用するため、個別の感度調整が難しい。 2ノ4ノ6ノ3 FM補聴システム  大規模会場でも、一対一のサービスカウンターでも利用できる。文字どおり、低出力のFM無線信号を特定エリアに送信するものである。音声、信号を普通のマイクで拾い上げ、FMアンテナを介して送信する。利用者は小型専用FM受信機を準備する。これらは無線周波装置であるため、FM発信装置への見通し線が不要である。 注釈FM補聴システムは、無線周波信号で他の無線周波や環境情況の影響を受ける。さらに、このような信号は一般のFMラジオ放送帯を介して受信するため、難聴者には、確実なコミュニケーションが提供されるわけでないことに留意が必要である。 百十八ページ FM補聴システムの特徴 特徴 音声を電波に変換し、専用受信機を通じてイヤホンや個人用補聴器で聴き取る方法です。FMラジオ放送と同じしくみ。 長所 磁気ループに比べると音質がよい。 電波の届く範囲を動き回ることができる。 多少の遮蔽物があっても聴き取ることができる。 話し手がFMマイクをつけるだけでよく、大きな機材を必要としない。 短所 受信機や送信機のメンテナンスが他のしくみよりも多くかかる。 近くで同様の電波帯域を使用する機器があると混信を起こすことがある。 電波法の制限を受けるため、電波到達距離が三十メートル程度に限られる。 2ノ4ノ6ノ4 直射日光の影響を受けるため、屋内での使用に適する。ユーザーとの間に見通し線ができるよう、室内の随所に条件や効果を勘案して配置する。どのような回線レベルの信号でも、このシステムを介して発信できる。通常、信号にアクセスするには、ユーザーは、イベントサービスカウンターで専用受信器を受け取らなければならない。 注釈 このような装置は一般に、話者の言葉を同時通訳する際に利用されている。難聴者には、適切な言語の受信器を用意しさえすれば、対応することができる。 赤外線補聴システムの特徴 特徴 音声を光赤外線に変換し、専用のレシーバーで聴き取る方法です。 長所 磁気ループに比べると音質がよい。 赤外線は壁を通過しないので、他の部屋との混信がない。 発光設備さえあれば、同じレシーバーでどの部屋でも使える。 電波法の規制を受けることがない。 短所 太陽光のような強い光があると、使用することができない。 屋外では利用できない。 発光ユニットとの間に遮蔽物があると、音声が途切れやすい。 2ノ4ノ6ノ5 字幕装置 メインビデオ画面または観客席に配置された専用スクリーンに表示される、話者の言葉、音響、音声コンテンツのテキスト版。 注釈 クローズドキャプションとは、字幕を見るには、テレビ、ビデオ画面など解読装置が必要な字幕信号のこと。一方オープンキャプションとは、特別な装置がなくとも、だれでも見られる画面に映し出された字幕を言う。 百十九ページ 2ノ4ノ6ノ6 手話通訳 会議、セミナー、その他観衆の少ない活動でも、特定の人が手話通訳を必要とする聴覚障害者であると分かれば、手話通訳者を手配する。 推奨 手話通訳は主なセレモニー、授賞式、コミュニティ活動あるいはその他公式イベントなどで検討すべきものである。その場合、国際手話による情報提供も検討することが望ましい。トウキョウガイド 標準 手話通訳者はステージに立つか、楽屋で動画を撮影してビデオ画面に送信する。できれば無地の明るい背景の前に立つ楽屋で通訳を行う場合、舞台上で何が進行しているかを正確に描写するため、大型モニターを用意する必要がある。トウキョウガイド 2ノ4ノ6ノ7 実況解説放送サービス 実況解説放送とは、全盲あるいは視覚障害のある参加者のために、ナレーターがイベントの状況を言葉で述べるサービスである。利用者は受信器につないだイヤホンを通じて音声解説を聞く。この受信器は、多チャンネル仕様であれば、補聴援助機器としても利用できる。 2ノ4ノ6ノ8 その他の要件 推奨  音声案内は、騒音環境、明瞭度、話速、的確な内容に留意し、音声を遠くまで明瞭に伝達することに配慮することが望ましい。トウキョウガイド 百二十ページ 2ノ5 輸送手段 2ノ5ノ1 概要 2ノ5ノ1ノ1 内容 本項には以下のテーマが含まれている。 テーマ 2ノ5ノ2 道路輸送手段 2ノ5ノ3 鉄道輸送手段 2ノ5ノ4 公共交通に関するその他の要件 2ノ5ノ2 道路輸送手段 2ノ5ノ2ノ1 乗用車及びタクシー アクセシブルな乗用車/ミニバン、またはタクシーの条件 アクセシブルな乗用車/ミニバン、またはタクシーとするためには、簡単にアクセスでき、移動困難者が利用できるようにするための、一定の条件は以下のとおりである。 標準 移動中も、車いす使用者が車いすのまま移動できるよう、車両の側面または後部からアクセスできること。トウキョウガイド 推奨 前部座席についても、車内に乗り移りやすくするために、利用者の方に回転することが望ましい。トウキョウガイド 標準 背の高い人が自分の車いすに座ったまま乗り込んでも、安全かつ快適に移動できるよう頭上に十分な空間があること。トウキョウガイド 標準 介助者と付添者が一緒に座れるよう、車いす使用者用のスペースと通常の座席のバランスが取れていること。トウキョウガイド インフラ面の要件 アクセシブルな通路につながる縁石 車道に降車するときの、すりつけ勾配へのアクセス 明るい照明 休憩用のいす 乗降手段の種類 外部の油圧式昇降装置 後部のスロープ板:車両後部に車いす1台または2台のまま直接アクセスすることができる。ただし、渡板の勾配がきついため、ほとんどの場合、車いす使用者が乗り込む際には運転手や介助人等の介助が必要である。 側部のスロープ板:車両内部に側面から車いすのまま直接アクセスすることができるようになっている。 注釈 車いす使用者の中には、車いすから助手席に乗り移るほうがよいという人もいる。その場合、座席の低い車両が適している。 百二十一ページ 標準 電気式ハイブリッド自動車、電気自動車及び燃料電池自動車は、歩行者等に車両の接近等を知らせるための車両接近通報装置を設置する。トウキョウガイド 2ノ5ノ2ノ2 長距離バス 長距離バスの考え方 アクセシブルな長距離バスは、車いすから降りることなく車内に乗り込めるような乗降設備を備えるものとする。 長距離バスの場合、荷物室スペース等に格納された油圧乗降用リフトが最もよく利用されている。側面中央部に設置されていることが多く、バス床面まで上昇することができる。リフトタイプはその大きさと形状のため、車内の座席数はどうしても減ってしまう。 推奨 車いすスペースを2台分以上、乗降しやすい位置に設置することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ5ノ2ノ3乗合バス アクセシブルな乗合バスの要件 標準 乗降口のフクインは、1以上の乗降口の有効幅は八百ミリメートル以上とし、車いす使用者による乗降を考慮し、1以上の乗降口の有効幅は九百ミリメートル以上とすることを基本とする。小型は八百ミリメートル以上大量乗降を想定する車両の場合には、少なくとも1つの乗降口の有効幅は千ミリメートル以上とすることを基本とする。大阪UDガイド交通 推奨 全ての乗降口から車いす使用者等が乗降できるよう、全ての乗降口の有効幅を九百ミリメートル以上とすることが望ましい。大阪UDガイド交通 標準 乗降時における乗降口の踏段ステップ高さが二百七十ミリメートル以下の低床車で、車高調整機構によって歩道近くにまで車体をつけることができ、スロープ板を使用すれば乗客が車内から歩道へ段差なく移動することができること。大阪UDガイド交通 推奨 踏段ステップ高さは二百ミリメートル以下が望ましい。大阪UDガイド交通 標準 片側または両側面に車高調整機構があり、縁石と同じ高さまで車高を下げられること。トウキョウガイド 標準 アクセシブルなドアが少なくとも1箇所あることとする。トウキョウガイド 推奨 アクセシブルなドアの推奨は2箇所で、両方のドアをつなぐ車内通路のフクインは最低八百ミリメートル。トウキョウガイド 標準 車内から反転式又は折りたたみ式スロープ板を手動又は自動でセットするようになっていること。この方法では、バス中央のドアから直接車内にアクセスできる。トウキョウガイド 標準 アクセシブルな路線バスには、車いすスペースは2台以上設置する。トウキョウガイド 百二十二ページ インフラ面の要件 アクセシブルな通路につながる縁石のある乗降エリア 道路に降車するときの、すりつけ勾配へのアクセス 乗降エリアへのアクセシブルな通路 明るい照明 休憩用のいす 2ノ5ノ2ノ4 アクセシブルな車両の技術仕様 アクセシブルな車両の主な技術仕様 標準 乗降口の高さは最低千四百ミリメートルトウキョウガイド 標準 室内高は最低千五百ミリメートルトウキョウガイド 標準 乗降口のフクインは最低八百ミリメートルトウキョウガイド 標準 乗降用リフトの長さは最低千三百ミリメートル。但し、やむを得ない場合には、千二百ミリメートルでも可とする。トウキョウガイド 標準 乗降用リフトの幅は最低八百ミリメートル。但し、やむを得ない場合には、七百五十ミリメートルでも可とする。トウキョウガイド 推奨  乗降用リフトの耐荷重は最低二百キログラムとし、三百キログラムまで耐えられることが望ましい。トウキョウガイド 標準 推奨乗降時間は1分未満トウキョウガイド 2ノ5ノ2ノ5 乗降ゾーン及び乗合バス停留所  乗降ゾーン及び乗合バス停留所 標準 アクセシブルな乗合バス停留所は、照明、屋根、及び背もたれと両肘掛けのついた休憩用のいすが必要である。トウキョウガイド 推奨 屋根は前扉部分だけでなく、中扉部分までを覆うよう設置することが望ましい。トウキョウガイド 標準 全ての乗降エリアにおいては、縁石の高さをウルトラ・ローフロアバスにも対応できるもの一般的には百五十ミリメートル程度とする。トウキョウガイド 標準 乗降部の幅は最低千八百ミリメートルとし、2台の車いすが通れる幅を確保する。トウキョウガイド 標準 島式の乗降エリア車道を横断しなければ到達できない乗降エリア全てに、車いす使用者が直接アクセスできるよう、車道から通路のすりつけ勾配へのアクセスがあること。トウキョウガイド 標準 ゴミ箱、休憩用いす、照明、時刻表などは、歩行者の邪魔にならないよう、適切に配置する。トウキョウガイド 標準 点状ブロックを乗降エリアの縦方向、縁石先端から三百ミリメートルのところに敷設、全幅は三百ミリメートル以上とする。推奨 六百ミリメートルが望ましいトウキョウガイド 標準 スロープ板を活用しつつ、利用者が円滑に乗降できるように、バスが停留所に正着できるよう配慮する。トウキョウガイド 百二十三ページ 標準 バス停留所においては、行き先等の運行情報を音声及び文字により案内するとともに、弱視者に配慮した表示を行う。人的サポートによる案内を含むトウキョウガイド 推奨 会場付近において、一般的なタクシー等乗降場が設置される場合には、国土交通省標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領に従い「ユニバーサルデザインタクシー」と認定されたタクシー専用の乗降場を敷設することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ5ノ2ノ6 駐車場エリアの要件駐車エリアの要件 大会時に、一般駐車場は準備されない予定であり、障害者用駐車区画路外に設置される専用駐車区画も必ずしもすべての会場に設置されるわけではないが、設置される場合に、以下の要件を適用することとする。 駐車場エリアの数 屋内 標準 一般駐車場が設置されることとなった場合には、車いす使用者用駐車スペースを駐車台数のゴジュウブンノイチ台以上駐車台数が二百台を超える場合は、駐車台数のヒャクブンノイチに2を加えた数以上設ける。市指針 駐車場エリアの位置 屋内 標準 障害者等用駐車区画は、以下に近接していることにも留意した上で、利用者に最も便利な位置に設置する。 歩行者用出入口 昇降機及び傾斜路 アクセシブルなトイレ 料金精算所トウキョウガイド 一般原則として、障害者等用駐車区画は、一般車両用区画の1.5倍の広さに相当する。すなわち、一般車両用区画3つがアクセシブルな車両用区画2つに相当する 百二十四ページ 駐車区画の幅 屋内 宿泊施設を除く会場屋内における駐車区画の幅についての基準は、設置場所ごとに表四十二に規定する。 表四十二駐車区画の幅 宿泊施設を除く会場屋内 標準 参考 幅三千五百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 推奨 参考 幅 車体両側にそれぞれ千四百ミリメートル以上トウキョウガイド、国基準 三千六百ミリメートル以上トウキョウガイド 標準 8箇所につき1箇所の障害者等用駐車区画は、車両側面に昇降機のあるバンが駐車できる寸法とする。大阪UDガイド交通 標準 バンの駐車には、全幅四千六百ミリメートル必要である。昇降機分として移動ゾーンは七百ミリメートル広くなるまた、後部側ドアの開閉も考慮し、奥行き八千ミリメートル以上のスペースを確保する。大阪UDガイド交通 車いす使用者駐車施設の留意事項 屋内 推奨 車いす使用者以外の多様な高齢者、障害者等が車いす使用者用駐車施設を利用すること で車いす使用者用駐車施設への利用集中も指摘される場合もあること等から、そのように車いす使用者の円滑な利用環境が阻害されている場合には、地域の実情や施設の利用状況等も 踏まえつつ、施設設置管理者等において、「車いす使用者用駐車施設」の利用対象者を「車いす使用者」と明確化することが望ましい。車椅子使用者用駐車施設等の適正利用に関するガイドライン 推奨 車いす使用者用駐車スペースへの利用の集中を避けるため、歩行が困難でも車いす使用者用駐車スペースのような幅の広い区画を必要としない人車いす使用者以外の障害者・妊産婦・けが人・乳幼児連れ利用者等のために、車いす使用者用駐車スペースに加えて、障害者・妊産婦等の優先駐車スペースを設けることが望ましい。市指針 標準 車いす使用者用駐車スペースを前述する設置台数で必要としている台数分を設けたうえで、別に追加して設ける。市指針 駐車区画の勾配 屋内 駐車区画の勾配は、表四十三に規定する。 表四十三 駐車区画の勾配 宿泊施設を除く会場屋内 標準 参考 駐車区画の勾配 ゴジュウブンノイチ2パーセント以下トウキョウガイド 百二十五ページ 地下駐車場の天井高 屋内 宿泊施設を除く会場屋内における地下駐車場の天井高についての基準は、設置場所ごとに表四十四に規定する。 表四十四 地下駐車場の天井高 宿泊施設を除く会場屋内 標準 参考 地下駐車場の天井高クリアランス 二千三百ミリメートルトウキョウガイド ただし、大型バスの駐車を想定する場合は、必要なクリアランスを確保する。 推奨 参考 地下駐車場の天井高クリアランス 二千五百ミリメートルトウキョウガイド ただし、大型バスの駐車を想定する場合は、必要なクリアランスを確保する。 出口通路 屋内 標準 出口通路は、自動車の交通動線との交錯が少なく、安全で円滑な利用が可能になるように行うものとする。トウキョウガイド 推奨 出口通路は床面に色をつける等、利用者に分かりやすくすることが望ましい。トウキョウガイド 標準 障害者用駐車区画が歩道に直結していない場合、歩行困難者が自動車の交通動線をできるだけ通らなくてもすむようにするのが重要である。どうしても自動車の交通動線と交錯する場合、最寄りの出口またはアクセシブルな歩道まで、印をつけた歩行者用通路を用意する。トウキョウガイド 推奨 乗降時に雨に濡れないように屋根を確保することが望ましい。トウキョウガイド 2ノ5ノ2ノ7 アクセシブルな駐車区画の表示サイン 駐車場区画の表示サイン 屋内 標準 光・照明の環境状態に関係なく読みやすく明瞭な入口、出口、方向案内の表示サインを提示する。トウキョウガイド 標準 障害者等用駐車区画に行くにはどのレーンを進めばよいか余裕をもって誘導できるよう、表示サインはできるだけ早く認識できるよう掲示する。トウキョウガイド 標準 表示サインは場内の右左折箇所全てに設置・敷設する。トウキョウガイド 標準 路面表示の部分も含め、路面・床面はノンスリップ仕上げとする。トウキョウガイド 標準 アクセスに関わる国際シンボルマークを、路面・床面推奨は七百五十平方メートル及び各区画の正面表示サインに入れる。このシンボルは、車越しにも見えるよう、千五百ミリメートルより上とする。トウキョウガイド 標準 駐車場出口に関するアクセス対応策は、入口のものと類似し、整合性があるものとする。トウキョウガイド 百二十六ページ 2ノ5ノ3 鉄道輸送手段 2ノ5ノ3ノ1 はじめに 地下鉄、鉄道など一般的な移動手段は、開催都市の効果的な輸送には不可欠である。 質の高いサービスを配慮が必要な乗客全員に提供するために、開催都市・組織委員会は鉄道事業者と協力して情報へのアクセス、インフラ、車両、スタッフのトレーニングを促し向上させ、両大会にやってくるすべての人々に、可能な限り多くの移動機会を与えるものとする。 特に両大会では、輸送計画と設計において、すべての人々のアクセスに及ぼす影響を精査する必要がある。 2ノ5ノ3ノ2 アクセシブルな駅 アクセシブルな駅の考え方 公共交通 このガイドラインの対象となる鉄道輸送機関においては、海外から来日する大会関係者、観客等を含む全ての車いすハンドル型電動車いすを含む。使用者が通勤型車両及び特急車両のいずれにも乗車可能とする。 車いすの基本寸法等安全運行の観点から定められた要件への適合性を確認する際は、簡便な方法によって行う。 鉄道駅は、配慮が必要な幅広い利用客にとってアクセシブルなインフラとサービスを含んでいることが重要である。 アクセシブルな駅の要素 公共交通 標準 周辺の道路などからプラットホームへの段差のないアクセスとする。トウキョウガイド 標準 筆談用のメモ用紙やホワイトボード、コミュニケーションボード、磁気誘導ループや手話での対応等の聴覚障害者に配慮した設備を備えた低いカウンターと印刷情報の代替形式を用意する。トウキョウガイド 標準 アクセシブルなトイレとする。トウキョウガイド 標準 プラットホームの床の表面は滑りにくい仕上げとする。プラットホーム端部であることが分かるざらつきのあるノンスリップタイルは、漏れても滑りにくい仕上げとし、その材料を選択する際は、高齢者、障害者等に配慮して、ホーム縁端のホーム縁端警告ブロック等との対比効果が発揮できるものとする。トウキョウガイド 標準 発着するすべての鉄軌道車両の旅客用乗降口の位置が一定しており、鉄道車両を自動的に一定の位置に停止させることができるプラットホーム鋼索鉄道に係るものを除くにおいては、ホームドア又は可動式ホーム柵旅客の円滑な流動に支障を及ぼすおそれがある場合にあっては、点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止するための設備を設ける。上記以外のプラットホームにおいても、ホームドア、可動式ホーム柵、点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止するための設備を設ける。トウキョウガイド 標準 ホーム縁端を警告する点状ブロックには、ホームの内方を表示する線状突起を1本追加する。トウキョウガイド 百二十七ページ 標準 車いす使用者の円滑な乗降のため十分な長さ、幅及び強度を有するスロープ板等の設備を速やかに使用できる場所に配備する。トウキョウガイド 標準 鉄軌道車両とプラットホームの段差又は隙間について、段差はできる限り平らに、隙間はできる限り小さいものとする。特に、鉄道事業者は、ホームドア設置又は車両の入替を実施する際には、旅客の安全及び車両運行上の安全が確保されることを前提に、段差縮小に努めるものとする。トウキョウガイド 推奨 スロープ板等の設備を使用しなくても、車いす使用者が単独で乗降できるよう措置を講ずることが望ましい。トウキョウガイド 標準 改札口は、大会時の利用客数を踏まえ、十分な人的対応が行えるよう配慮する。トウキョウガイド 標準 車いす使用者の動作に対する余裕を見込んだ、有効フクイン九百ミリメートル以上の拡幅改札口を1か所以上設ける。市指針 推奨 有人改札口を拡幅改札口とする場合には、さらに自動改札機のある改札口のうち1か所以上を拡幅改札口とすることが望ましい。市指針 標準 改札口においては、視覚障害者誘導用ブロックを敷設し視覚障害者を誘導している改札口は、有人改札口等ICカードだけでなく切符にも対応している改札口とする。トウキョウガイド 標準 ホームドアや可動式ホーム柵、固定式ホーム柵を設置する場合には、号車及び乗降口位置扉番号を文字及び点字触知による案内を含むにより開口部左脇に表示する。なお、表示する位置は、ホームドアは、可動部のドア側面または固定部の側面千四百から千六百ミリメートル程度の高さ、可動式ホーム柵は、固定部の上面千二百から千三百ミリメートル程度の高さ、固定式ホーム柵は、固定部の上面千二百から千三百ミリメートル程度の高さとする。トウキョウガイド 推奨 点字触知による案内を含むによる乗降位置情報は、開口部の左右両側に表示することが望ましい。トウキョウガイド 標準 各車両の乗降口の戸又はその付近には、号車及び乗降口位置扉番号を文字及び点字触知による案内を含むにより表示する。但し、車両の編成が一定していない等の理由によりやむを得ない場合はこの限りではない。トウキョウガイド 標準 案内表示は、視覚障害者が指により確認しやすい高さに配慮し、床から千四百から千六百ミリメートル程度の高さに設置する。トウキョウガイド 標準 戸先側に表示し、両開き扉においては左側扉に表示する。トウキョウガイド 標準 特急車両における座席番号は、できるだけ大きく、周囲との輝度コントラストを確保し、明確かつわかりやすい表示とする。座席の肩口など、通路に面した適切な位置に、座席番号の点字表示並びに文字表示を行うことが望ましい。点字の形状や表記方法はジス T0921にあわせたものとする。トウキョウガイド 標準 全ての旅客が円滑に移動できるよう、構内の誘導を行う。トウキョウガイド 2ノ5ノ3ノ3 アクセシブルな車両 アクセシブルな車両の機能 公共交通 電車の車両は、以下のような、配慮が必要な幅広い利用者にとってアクセシブルな機能を含んでいることとする。 百二十八ページ 標準 車いすスペースの直近の旅客用乗降口は、車いす使用者等が円滑に乗降できるように、有効幅を九百ミリメートル以上とする。トウキョウガイド 標準 1車両に最低1箇所、または1編成に最低2箇所の車いすスペース千三百ミリメートルカケル八百ミリメートルを設ける。トウキョウガイド 標準 車いすスペースは、車内の通行に支障がない形態で確保することとする。トウキョウガイド 推奨 車いすスペースは、車内の通路に支障がない形態で確保することが望ましい。トウキョウガイド 標準 車いすスペースであることが容易に識別しやすく、かつ、一般の乗客の協力が得られやすいように、車いすスペースであることを示す国際シンボルマークを近傍の見やすい位置に貼付する。構造上、やむを得ない場合には、上記寸法を満たす多目的室を上記の車いすスペースとみなすことができる。トウキョウガイド 標準 旅客用乗降口から車いすスペースへの通路のうち1以上、及び車いすスペースから車いすで利用できる構造のトイレトイレが設置される場合に限るへの通路のうち1以上は、有効幅八百ミリメートル以上を確保する。トウキョウガイド 標準 飲食物販売エリア内に車いすスペースがあること、または販売エリアにアクセスできること。トウキョウガイド 標準 次の停車駅、事故や遅延をはじめとした運転情報に関する聞き取りやすい音声案内及びテキスト形式の情報を提供する。トウキョウガイド 推奨 鉄道事業者は大会期間中の混雑にも十分対応できる乗降補助の体制を担保できるよう配慮する。トウキョウガイド 推奨 特急車両においても、車いす用座席から近接した位置に、アクセシブルなトイレを整備する。トウキョウガイド 推奨 視覚障害者や肢体不自由な人等の使用に配慮し、トイレ内の便器洗浄ボタン、非常通報装置、紙巻器の形状・色・配置はジスS0026に合わせたものとし、一般トイレも含めトイレ内の非常用ボタンは、誤って押されることのないように配慮して設置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 視覚障害者に配慮し、トイレ内の設備の配置がわかる触知板等を設置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 また、シャワー機能付き便器が設置されていることが望ましい。トウキョウガイド 推奨 特急車両においても、同伴者が車いす座席の近くに座席を確保しやすいよう、配慮を行う。トウキョウガイド 標準 コントラストをつけた色彩の手すりが設置されていること。トウキョウガイド 標準 自動ドアが設置されていること。トウキョウガイド 百二十九ページ 2ノ5ノ3ノ4 その他の対応策 その他の対応策 公共交通 推奨 オンライン予約などのインターネットを活用した交通情報の十分な対応策は、どのような身体能力を持った乗客にとっても役立つのはもちろんであるが、アクセシブルな輸送ネットワークを確保する必要のある乗客に対しては決定的に重要な意味を持つものである。例えば、特急車両の車いす席についても、海外から来日する旅客も利用しやすい予約環境インターネットを活用した方法等を整備することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 鉄道事業者は、障害のある利用者が事前に問い合わせるための連絡先をウェブサイト等で明示することが望ましい。トウキョウガイド 標準 十分に訓練を受けたスタッフの存在が基本である。トウキョウガイド 2ノ5ノ4 公共交通施設に関するその他の要件 券売機 公共交通 標準 公共交通施設において、1以上の券売機は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とする。タッチパネル式の券売機を設置する場合は、テンキーをつけ、音声案内をする等、視覚障害者が支障なく利用できるよう配慮する。ただし、乗車券等の販売を行う者が常時対応する窓口が設置されている場合は、この限りでない。トウキョウガイド 表示サイン、音声案内など 公共交通 標準 公共交通施設駅の改札口等の表示サインは、見やすい高さ及び位置に掲示する。トウキョウガイド 標準 案内板等は高齢者、障害者等に配慮した大きく太い文字を使用し、できるだけ簡潔な表現とする。トウキョウガイド 標準 案内板の地図、文字等は、高齢者、障害者等に配慮してわかりやすい色彩を用いる。トウキョウガイド 標準 輸送車両内での表示サインは、見やすい文字で表示する。トウキョウガイド 推奨 乗り物の遅延・運行停止等の車内放送も文字等で視覚的に表示することが望ましい。トウキョウガイド 標準 表示とあわせ、音声案内言葉での説明で状況や設備内容等を伝えるものや音響案内電子音や鳥の鳴き声等で場所や方向を伝えるものを、視覚障害者の利便性に鑑み、必要な箇所に設置する。トウキョウガイド 推奨 施設スタッフが常駐する場所付近では、そこへ誘導する音声案内等を設置することが望ましい。トウキョウガイド 推奨 公共交通施設内での案内は、できる限り音声が干渉しないよう配慮する。トウキョウガイド 推奨 会場・アクセシブルルートでは、インターネットにアクセスできる環境を整備するのが望ましい。トウキョウガイド 百三十ページ 標準 アクセシブルルート上にある駅のカウンターでは、筆談用のメモ用紙やホワイトボード、コミュニケーションボード、磁気誘導ループや手話での対応等の聴覚障害者に配慮した設備を設置する。トウキョウガイド 標準 手話でコミュニケーションをとれるスタッフ等が配置される場合や磁気誘導ループを設置されている場合は、その旨を見やすく表示する。トウキョウガイド 推奨 視覚障害者や聴覚障害者にも配慮し、緊急事態の情報を音声・文字表示によって提供できる設備を備えることが望ましい。トウキョウガイド 接遇対応の習得 公共交通 推奨 公共交通施設や車両において接遇を行う職員に向けて、アクセシビリティに配慮が必要な方々の心理的・身体的な特性の理解、その方々が公共交通施設や車両を利用する場合の具体的な接遇対応、更には補助犬を受け入れるための具体的な接遇対応の習得に向けて、研修を行うことが望ましい。トウキョウガイド 推奨 当事者が講師等として参画するなど、より理解促進が図れる方法で行うことが望ましい。トウキョウガイド 推奨 直接接遇を行う職員以外についても、上記の研修内容を参考とし、必要な研修を行うことが望ましい。トウキョウガイド 百三十一ページ 3 アクセシビリティ研修 3ノ1 概要 3ノ1ノ1 はじめに 本章では、障害者等に対する接遇・アウェアネス気づき研修と役割別研修、会場別研修それぞれの特徴や実施手順について説明する。 個人の態度やコミュニケーション上の障壁バリア、さらに誤解や固定観念は、建築物における構造的な障害よりも強固な障壁バリアとなりうることから、大会サービスを提供する上でこのような研修は不可欠である。 なお、本ガイドラインで使用する用語は「1ノ5 ガイドラインで使用する用語とその定義」に記載してあるため、改めて確認すること。特に、ここでいう「障害者等」とは「移動する・情報を得る・話をするといった日常生活における活動に制約があると本人から申告のあった人、または身体的状態、精神的状態、健康問題によって、活動可能な種類または範囲が減ったか、変化した人に加え、何らかの行動に制約のある人を含む行動に制約のある人の例:怪我をしている人、高齢者、妊産婦、乳幼児を連れている人、子ども、大きい荷物や重い荷物を持っている人など 」のことであり、あらゆる人に対する障壁バリアを取り除き、アクセシビリティを確保することが重要である。 研修は次の3段階で実施する。 1 障害者等に対する接遇・アウェアネス気づき研修 2 役割別研修 3 会場別研修 本章では、それぞれの段階における、内容、研修プログラムの構成、実施方法、手順について説明する。 3ノ1ノ2 研修の目的 障害者等に対する接遇・アウェアネス気づき研修と役割別・会場別研修の目的は、全ての大会スタッフとボランティアに対して、大会サービスの意味の理解を深め、障害に関する課題を明らかにして偏見を取り除くことである。 障害のある人の社会的参加を困難としている社会的、制度的、心理的な障壁の除去心のバリアフリーについての考え方を全ての大会スタッフとボランティアが理解し、障害のある全ての人々にとって質の高い大会の体験を保証できるようにするため、研修は、効果的かつ適切であり、かつ実務面を重視したものでなければならない。 なお、心のバリアフリーを体現するためのポイントユニバーサルデザイン2020行動計画は次の3点である。 1 障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること 2 障害のある人及びその家族への差別不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供を行わないよう徹底すること 3 自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、全ての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと 百三十二ページ 3ノ2 障害者等に対する接遇、アウェアネス 気づき研修 3ノ2ノ1説明 誤解や固定観念に起因する障害者等への接遇の不備やコミュニケーション上の障壁バリアが生じないよう、全てのスタッフとボランティアに対し、アウェアネス気づきを高めるための研修を実施する。 3ノ2ノ2 研修の範囲 全てのスタッフとボランティアは、その持ち場に関係なく、障害者等に対する接遇に関する研修を受け、障害への理解を深めるのが望ましい。 過去に類似の研修を受講したことがあっても、再確認の意味で再度研修を受講すべきである。 3ノ2ノ3研修の内容 障害者等に対する接遇研修は、障害の有無に関わらず満足いただける大会サービスとは何か、また、障害者等の要望をどう実現するかについてテーマとするものである。 大会に参加した人が何を望んでいるかを理解するには、障害ではなく、その人自身を理解するように努めなければならない。 3ノ2ノ4研修のテーマ 研修の主なテーマは以下のとおりである。 障害ではなくその人自身に注意を集中する 障害の種類や個人の障害の程度によってニーズは異なる。人は、障害者である前にまず一人の人間である。重要なのは常にその人であって、その人の障害ではない。 まず何をおいても相手を理解する 大会においては、選手、観客、スタッフ、ボランティア、市民である様々な障害者等と接する機会がある。こうした人々のニーズは異なるかもしれないが、まずは相手を理解することが必要である。 障害者に対して同情せず、相手の人格を尊重する 競技会場等で出会う障害者は、観客、選手、あるいはここで働くスタッフである。自分の障害にくよくよして、同情を求めるような人々ではない。 百三十三ページ 障害者は車いす使用者だけではない 一言に障害者といっても、様々な障害のある人々が含まれる。例えば視覚障害者、歩行器具や杖を使用する歩行困難者、補助犬ユーザー、あるいは発達障害のある人などである。さらには、聴覚や関節内部など「目に見えない」障害のある人々もたくさんいる。 コミュニケーション どのような大会参加者を支援する場合も、適切な方法で時間を十分にかけたコミュニケーションが重要である。とりわけ、聴覚障害や視覚障害のある人等に接するときには、コミュニケーションは重要である。 障害のある人に接するとき必ず直接対応する。 障害者自身の事柄について話をするとき、同伴者ではなく、本人に向かって話す。 障害者等に接するときは相手に敬意ある態度で接する。 聞くとき 発達障害や言語障害のある人と接する場合、よく理解してもらうため、通常よりも時間をとる必要があると認識しておく。特に聴覚過敏がある人は、騒がしい場所では話を理解することが難しい場合があるため、なるべく静かな場所を用意できることが望ましい。 話を聞くときには、相手の話を遮ったり、急に話を打ち切ったりしない。 車いす使用者に接する場合、見上げることで車いす使用者の首に負担をかけないよう、一歩下がるか、目線を合わせる。相手が話すことに真摯に、注意深く耳を傾ける。 一度聞いてわからなければ、躊躇せず繰り返してもらうよう依頼する。または、相手が話そうとした内容を復唱して、正しく理解しているか確かめる。 話しかけるとき 聴覚に障害のある人には、一般的に筆談で対応する。ただし、聴覚に障害のある人の中には、日本語の理解が困難な人もいることを理解し、その人にあわせて分かりやすい言葉で書く。 聴覚に障害のある人の中には、「読唇」する人もいる。その場合、顔をまっすぐ相手に向け、話すときは顔を隠さない。口元を手で覆わない また、感染症防止等の理由でマスクをする場合もあるが、「読唇」をする人もいることを考慮し、マスクをとれる状況であれば外すことも検討する。 明るすぎる太陽光や陰は顔の表情をぼかし、読唇を困難にすることを理解しておく。 相手が特に大きな声で、あるいはゆっくりと話すよう要求しない限り、普通のスピードと声音で明瞭に話す。必要であれば、静かな場所に移動したり、ドアを閉めたりする。 明確で簡潔な文にする。 百三十四ページ 相手が理解できていないと判断したら、繰り返し同じことを伝える。言い方を変えてみて、相手が理解したか確認する。聴覚障害や発達障害のある人の一部に対しては、身ぶりを入れると伝わりやすくなることがある。方向を示す時は地図を用いるのも有効である。 肯定文を使うようにする。例えば「座席をお探しではないでしょうか」ではなく、「座席をお探しですか」と話しかける。 主なコミュニケーションの手段 筆談 手のひらや紙に文字を書いて伝えあう方法 最も手軽な手段ですが、時間がかかるのが欠点 口語 相手の口の動きを読み取る方法 少しゆっくりはっきりと口を動かす 手話 手や身体の動きで表現する方法 簡単な手話もあり楽しく覚えられるが、手話通訳者になるには専門的な技術と知識が必要 音声認識 音声認識技術アプリを使って、発言内容をリアルタイムに文字化する方法 1対1の会話のほか、会議、講演会など使用用途が広い 空書 空間を使って字を書く その他 中途失聴や難聴の方には、要約筆記が望まれる タブレット端末もコミュニケーション手段に役立つ 以上 障害者等へのサポート サポートを求める申し出があれば、何をすべきで、何をすべきでないかを理解することが不可欠である。 障害があるからといって、障害者がサポートを必要としていると決めてかからない。 苦労しているように見えても、本人にとっては単に自分のペースと方法で、問題なく適切に対応できているかもしれない。必ず、まず本人に尋ねてみて、手伝いが不要という返事であれば、言葉通り受け取る。サポートを押し付けてはいけない。本人の許可を得ることなく、障害者や同伴している補助犬、歩行器具に触らない。無断で触れることは無作法であるだけなく、障害者がバランスを損なう恐れもある。 先を見越して、サポートが必要だと判断すればそれを申し出る。 補助犬は、身体障害者補助犬法に基づいて、公共施設への受け入れが義務付けられている。補助犬を見かけたらハーネスやマントの表示から盲導犬・介助犬・聴導犬の種類を確認し、受け入れや必要なサポートへの配慮をする。 障害者等が座席エリアや会場内の他の施設を利用するためのサポートを必要としているが、自分は持ち場を離れることができない時は、リーダーに連絡し応援を求める。 百三十五ページ 車いす使用者へのサポート 車いす使用者がサポートを求めてきた場合、目的地がどこか尋ねた上で、一言声を掛けてから車いすを押しはじめる。 視覚障害者へのサポート 視覚に障害のある人を誘導する場合、横半歩前に立ち、自分の肘または肩を持ってもらいスピードに気を付けながら案内する。盲導犬を同伴している場合は、1人で歩くことを好む人もいる 常に、「あと少しで傾斜路を降ります」、「階段に近づいています」などと、これから起きる状況の変化等を伝える。目的地に到着したら、どこに着いたかを伝え、他のスタッフがサポートを引き継ぐ必要があるかどうか尋ねなければならない。 3ノ2ノ5 専門用語 研修で使用する専門用語については、研修中に用語に関する解説を行う。 これは、スタッフ全員が、礼儀をわきまえた共通のキーワードを用いて、すべての大会参加者に対し一貫性のあるサービスを提供するためである。 3ノ2ノ6 研修の実施方法 何万もの人々を集めた集合研修を実施し、訓練するのは困難である。 大会に関わる人全員に研修を実施するため、役割ごと、競技会場ごとのトレーナーを育てる「トレーナー研修」のプログラムを準備すべきである。 「トレーナー研修」プログラムに加えて、個人の自己学習ツールも開発する必要がある。これにより、イーラーニングやDVDのような、個人が都合のよい時にアクセスできるツールを使って、自宅で研修を受講できる。 このようなツールは、全スタッフに提供する印刷可能なデータやその他資料で情報提供することが望ましい。また、ツールはアクセシビリティに配慮することが望ましい。 3ノ3 役割別研修 3ノ3ノ1 説明 この研修は、障害のある一般市民や選手、ボランティア等と直接、頻繁に接する機会のあるスタッフ全員を対象とするのが望ましい。 過去に類似の研修を受講したことがあっても、再確認の意味でこの研修を受講すべきである。 3ノ3ノ2 研修の内容 このプログラムでは、引き続き、障害者等に対する一般的な接遇研修のテーマを取り上げる必要がある。ただし、ここでは、主要テーマについて、障害者等と交流するに当たっての実践的方法や質疑応答は、障害当事者等を交えた研修や補助犬についての専門的知識を有する人を交えた研修とすることが望ましい。 障害者との交流の実践的方法は、大会に直接関連する主要テーマについてのロールプレイング、クイズ、質疑応答などで習得する。このプログラムは、自己学習ツール等も活用し、段階的に全スタッフまで展開できるようにしておくことが望ましい。 百三十六ページ 3ノ3ノ3 研修プログラムの構成 経験を積んだ「専門トレーナー」が、各ファンクショナル・エリアFAの責任者、またはこの役割のために選ばれた指導者グループを対象にした「トレーナー研修」プログラムを構築するのが望ましい。さらにこのプログラムは、自己学習ツール等も活用し、段階的に全スタッフまで展開できるようにしておくことが望ましい。 3ノ4 会場別研修 3ノ4ノ1 説明 このプログラムは、障害のある一般市民や選手、ボランティア等と直に接する機会の有無に係わらず、会場を担当するスタッフ全員を対象とすべきである。 過去に類似の研修等を受講したことがあっても、再確認の意味でこの研修を受講する必要がある。 3ノ4ノ2 研修の内容 このプログラムにおいても、引き続き、障害者に対する一般的な接遇研修のテーマを取り上げる必要がある。さらに、各競技会場等において障害者が利用する可能性がある設備の詳細な情報に加え、それ以外の会場施設やサービスも取り上げる必要がある。 このプログラムは、各会場運営のシミュレーション等に沿ってより具体的な対応を学習するため、アクセシブルな施設・設備やサービスの見学、サービス手順に関するアドバイス、非常時の障害者等の避難誘導、会場固有の考えうる複数のシナリオを組み入れることが望ましい。 3ノ4ノ3 研修プログラムの構成 各FAの責任者は、経験を積んだアクセシビリティの専門家と共に、会場のサービスと施設の評価を行う。その後、関係するスタッフ全員を対象に、アクセシブルな施設とサービスに関する研修を実施する。