脳脊髄液漏出症に係る後遺障害等級認定の公平性・透明性の確保等についての意見書 脳脊髄液漏出症(脳脊髄液減少症)は、交通事故等をきっかけに硬膜から脳脊髄液が漏れ出すことにより引き起こされる疾患で、頭痛やめまい、倦怠感など、様々な症状が見られ、場合によっては重篤な後遺障害を招くことがある。 後遺障害に対し、労働者災害補償保険では多くの事例が障害等級12級に認定され、保険給付が受けられる一方、自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)では、多くの事例で障害等級が適切に認定されず、十分な救済が行われていないとの指摘がされている。 また、自賠責保険では、後遺障害の等級を審査した際の資料も非開示であり、審査過程が不透明であることに加え、高次脳機能障害の等級審査とは異なり、専門医等による審査の仕組みが整備されていない。 こうしたことから、脳脊髄液漏出症の後遺障害等級が適切に認定され、患者が適正な保険金の支払いを受けられるよう、自賠責保険における後遺障害等級認定の公平性・透明性を高めるとともに、専門的な審査体制の整備が求められている。 よって、国におかれては、脳脊髄液漏出症に係る後遺障害等級認定の公平性・透明性の確保等を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 被害者やその代理人及び裁判所等が、自賠責保険において後遺障害の等級を審査した際の資料の開示を求めた場合、労働者災害補償保険と同様に、開示される制度とすること 2 自賠責保険における脳脊髄液漏出症の後遺障害等級について、高次脳機能障害と同様に、専門医を中心とする審査会において審査を行う仕組みを整備すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和7年12月18日            殿 愛知県議会議長     川嶋太郎 (提 出 先)     衆議院議長         参議院議長     内閣総理大臣       国土交通大臣