地方消費者行政の充実・強化についての意見書 令和6年度における本県の消費生活相談窓口に寄せられた相談件数は45,311件で、平成26年度以降、年間45,000件程度で推移している。 近年では、SNS等を用いた新たなサービスや取引形態、決済方法の多様化などにより、取引の仕組みが分かりにくくなり、消費者トラブルがますます高度化・複雑化している。 このような中、本県の市町村では、令和7年度をもって国の地方消費者行政強化交付金の地方消費者行政推進事業分について活用期間が終了するため、これまで整備してきた相談体制の維持や消費者教育・啓発に係る事業の継続が困難となるおそれがある。 また、被害の防止・救済の根幹である消費生活相談を担う相談員の確保は、高齢化や高度な専門性に見合う処遇となっていないことにより年々難しくなっているため、担い手を確保し、安定的に業務を継続していくには、雇用形態や処遇の改善が不可欠である。 さらに、国は令和8年度に現行の全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO−NET)から新たなシステムへの移行を予定しているため、端末のリース費用やセキュリティ対策の継続的な更新費用などの経常的な経費について、地方自治体の負担が増加することになる。 よって、国におかれては、地方消費者行政の充実・強化を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 地方消費者行政を安定的に推進するための恒久的な財源を確保すること 2 消費生活相談員の安定的な確保と処遇の改善に必要な財政措置を講じること 3 全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO−NET)の移行に伴う経常的な経費については、国の責任で十分な財政措置を講じること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和7年12月18日            殿 愛知県議会議長     川嶋太郎 (提 出 先)     衆議院議長        参議院議長     内閣総理大臣       総務大臣     財務大臣         内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 消費者庁長官