高校の普通科を卒業してから医療法人幸世会に就職し、セントラル内田橋の通所リハビリサービス（デイケア）で働いています。もともと違う職種を目指して試験を受けたのですが、合格できなかったので高校3年生の12月くらいから慌てて就職先を探しはじめました。目指していたその道1本しか考えていなかったので、もう本当にどうしよう？と相当焦っていたときに母が見つけてくれたのが新聞に掲載されていた「福祉の就職フェア」のお知らせです。

　1月中旬くらいだったと思います。母と一緒に行ってみようということになり、いろいろな法人がブースを構えていたので、お話を聞かせていただきました。最後にお話をうかがったのがここのデイケアの主任さんで、結果ここでお世話になることにしました。
　話をうかがった中で、どうしてここに決めたのかというと、人の役に立つ仕事がしたかったこと。そして若い人の力が必要だと言われて、私にもできるかな？頑張ってみようかなという気持ちになったからです。知識も技術も何もないところからですし、人とコミュニケーションを取るのが苦手だったので、利用者さんや職員の方とうまくコミュニケーションが取れるのか不安でしたが、覚えることにまず必死で気づいたらもう2年が経ちました。

　大変だと思うこともありますが乗り越えられた理由は、何も知らない私に先輩職員さんが教えてくださったり、利用者さんからもいっぱい話し掛けてくださったりして少しずつ話すことが楽しく思えるようになったからです。高校のときもなかなか友達が作れないくらいでしたが、利用者さんとお話するうちに、だんだん得意になっていった感じです。

　それと、利用者さんから「ありがとう」と言われることが本当に嬉しいです。本当に何もできなかったことを知っている利用者さんからは「できるようになったね」とか「前はこうだったけど最近できるじゃん」と褒めてもらえるときもあって、良かったと思えます。年齢的にもお孫さんと同じくらいの年齢なので、可愛がっていただけているのかもしれません。高校生のとき、人の役に立つ仕事がしたいと思っていましたが、今、私も少し役に立てているのかなと思ったりもします。
　よく、若い人が介護の仕事に対して、きついとか汚いとかイメージを持っていると言われますが、私はそんなイメージを持つ間もなく介護のしごとに就いたので、悪いイメージも先入観も全然なくて、かえって良かったです。介護の仕事をしていることを中学校や高校の先生や、お世話になっている人に話すと、皆さん応援してくれますし、介護の仕事に就くきっかけをくれた母親も見守ってくれています。

　キャリアアップについて、あまり先のことはまだ考えていませんが、まずはもっとコミュニケーション能力を上げていきたいです。利用者さんや職員同士でお話しするときもそうですし、ご家族の方と話すときもそう。もっと聞き上手にもなりたいです。耳がよく聞こえない方も多いので、相手の話をちゃんと聞いて、ジェスチャーも交えてうなずいたりしながらコミュニケーションするように気をつけていますが、これからもどうしたら楽しくお話しできるのか、考えながらやっていきたいと思っています。そして国家資格の介護福祉士にもチャレンジしたいです。それまで自分の知識と技術を高めていかなくてはなりません。

　同世代や私よりもっと若い世代の方には、もし介護の仕事にちょっとでも興味があったらとりあえずチャレンジしてみてと伝えたいです。感謝される仕事ですし、私も認知症の方が名前を覚えて呼んでくだったときは感激しました。知識や技術がなくても、教えてくださる先輩が周りにいっぱいいます。先輩を頼れば大丈夫なのかなって思います。私も実際に色々教えてもらって、今も教えてもらっています。なかなか普段、面と向かって言えませんが、とても感謝しています。今、介護福祉士実務者研修を受けている最中で、資格取得についても法人がサポートしてくれますし、ここに就職して本当に良かったって思っています。