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企業から提案のあった「CO2コンクリート固定化技術を用いた域内カーボンリサイクルプロジェクト」を支援します
愛知県は、2050年カーボンニュートラルを実現するため、2021年から全国の民間企業等を対象に、革新的・独創的な脱炭素プロジェクトのアイデアを募集するとともに、提案されたアイデアの中から、事業化すべきプロジェクトを学識者からなる「あいちカーボンニュートラル戦略会議(以下「戦略会議」という。)」で選定し、事業化の支援を行っています。
2023年12月14日(木)に開催した戦略会議において、事業化を支援すべき脱炭素プロジェクトとして、大成建設株式会社、株式会社アイシン及び東邦ガス株式会社から提案のあった「CO2コンクリート固定化技術を用いた域内カーボンリサイクル※プロジェクト」が、選定されました。
※ CO2を資源として捉え、分離・回収して様々な製品や燃料に再利用することで、CO2を有効活用する取組。本プロジェクトでは、工場等から排出されるCO2を廃棄物中から抽出したカルシウム成分と反応させて炭酸カルシウムとし、コンクリートの原料として有効活用することを検討する。
県は、今後、このプロジェクトに対して、市町村や関係企業等が参画する推進協議会の設置や、地域内での廃棄物やCO2回収等に係る効率的なスキームの構築、採算性の評価・法規制等に係る実現可能性調査を実施することで、産業部門から排出されるCO2削減に資する本プロジェクトの事業化を支援します。
1 提案のあったプロジェクトの概要
<プロジェクトのイメージ>
(1)背景
愛知県の温室効果ガス総排出量は、約7,000万t/年であり、産業集積地であるという地域特性から、産業部門がこのうち約50%を占めており、その削減が課題である。
CO2をコンクリート原料として利用することで、CO2を長期間固定できるとともに、コンクリート原料のセメントは製造工程において大量のCO2を排出することから、セメントを使用しないコンクリートの社会実装がCO2の削減に有効である。
(2)内容
東邦ガス株式会社の都市ガスを利用している工場等から排出されるCO2を回収し、廃棄物中から抽出されるカルシウム成分(CaO)と反応させ、株式会社アイシンの技術であるアミノ酸水溶液を用いて効率的に炭酸カルシウム化する。大成建設株式会社のセメントを使用しないコンクリートの製造技術により、CO2を炭酸カルシウム(CaCO3)としてコンクリートに利用し、固定化することで、地域内におけるカーボンリサイクルサプライチェーンの構築を目指す。
(3)提案企業の主な役割
役割 | 会社名 |
---|---|
全体アレンジ、顧客接点を活用したCO2及び廃棄物の回収・配送 | 東邦ガス株式会社 |
CO2とCaOを反応させて、CaCO3の製造・出荷 | 株式会社アイシン |
CaCO3を原料に利用し、CO2をコンクリートに固定化 | 大成建設株式会社 |
(4)期待される効果
CO2削減量:376,000 t/年 ※愛知県のコンクリート全量に適用した場合の想定
2 支援の概要 [2024年度当初予算案 カーボンリサイクルプロジェクト推進費(28,334千円)]
(1)「あいちカーボンリサイクル推進協議会(仮称)」の設置
産業部門のCO2削減に資するカーボンリサイクルサプライチェーンを地域に実装するため、市町村、関係企業等に幅広く参画を呼び掛け、推進協議会を設置する。また、地域におけるカーボンリサイクルに係るビジョン策定や協力企業等の仲間づくりを実施する。
(2)廃棄物収集・CO2回収スキームの構築支援
廃棄物中のカルシウム成分の分析等の調査、具体的な協力企業等の探索を実施するなど、効率的・効果的にカルシウム成分を含む廃棄物やCO2を、この地域で収集・回収ができるスキーム構築を支援する。
(3)カーボンリサイクルサプライチェーン実現可能性調査
構築したスキームに基づき、カーボンリサイクルサプライチェーンを社会実装するため、法規制等に係る課題等を整理し解決策を検討するとともに、採算性の評価等を実施する。
このページに関する問合せ先
愛知県環境局地球温暖化対策課
活動支援グループ
担当:近藤、北川
電話:052-954-6887
内線:5487、3056
メール:ondanka@pref.aichi.lg.jp