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企業から提案のあった「荷主と運輸事業者等の連携による物流脱炭素化プロジェクト」を支援します
愛知県は、2050年カーボンニュートラルを実現するため、2021年から全国の民間企業等を対象に、革新的・独創的な脱炭素プロジェクトのアイデアを募集するとともに、提案されたアイデアの中から、事業化すべきプロジェクトを学識者からなる「あいちカーボンニュートラル戦略会議(以下「戦略会議」という。)」で選定し、事業化の支援を行っています。
2023年12月14日(木)に開催した戦略会議において、事業化を支援すべき脱炭素プロジェクトとして、ワタミ株式会社、株式会社ムロオ及び三和(さんわ)清掃株式会社から提案のあった配送等に燃料電池トラック(以下「FCトラック」という。)を活用する「荷主と運輸事業者等の連携による物流脱炭素化プロジェクト」が選定されました。
県は、今後、このプロジェクトに対して、県内の荷主や運輸事業者等が参画する推進協議会の設置や、FCトラックを活用した物流脱炭素化のモデルスキームを構築することなどで、県内の物流脱炭素化に向けて、幅広く横展開できるよう支援します。
1 提案のあったプロジェクトの概要
<プロジェクトのイメージ>
(1)背景
愛知県における運輸部門のCO2排出量は、産業部門に次いで2番目に大きい割合である。この中で、貨物自動車等の商用車によるCO2排出量の割合は約40%であり、物流の脱炭素化が課題である。また、FCトラック本体や水素燃料の価格が高価であることや、効率的な水素ステーションでの充填といった課題もあり、FCトラックの導入が進んでいない。
(2)内容
ワタミ株式会社の宅食事業は、津島市の工場で、再生可能エネルギー電気100%でお弁当を製造するとともに、容器や調理くず等をリサイクルする取組を実施している。しかしながら、お弁当の配送(動脈)、使用済み容器・調理くずの回収等(静脈)の物流部分は脱炭素化できていない。サプライチェーン全体をより環境配慮型にするために、動脈・静脈の物流にFCトラックを先行導入するとともに、物流脱炭素化モデルスキームを構築し、県内の物流に幅広く横展開する。あわせて、効率的な水素供給の方策についても検討する。
(3)提案企業の主な役割
役割 | 会社名 |
---|---|
プロジェクトの総括(荷主:宅食事業の展開) | ワタミ株式会社 |
FCトラックの導入検討(運輸事業者:主に動脈を担当) | 株式会社ムロオ |
FCトラックの導入検討(運輸事業者:主に静脈を担当) | 三和清掃株式会社 |
(4)期待される効果
CO2削減量:29,000 t/年 ※2030年度に県内トラック保有台数割合に応じて導入した場合
2 支援の概要 [2024年度当初予算案 物流脱炭素化プロジェクト推進費(34,696千円)]
(1)「あいち物流脱炭素化推進協議会(仮称)」の設置
FCトラックによる物流脱炭素化を県内に横展開するため、荷主、運輸事業者等に参画を呼び掛け、推進協議会を設置する。また、ビジョン策定や県内事業者向けの普及啓発を実施する。
(2)モデルスキームの構築
FCとディーゼル・EV・合成燃料等の他燃料種と比較し、CO2削減効果や効率性等の観点から検証する。また、水素供給について、自社水素ステーションを新規設置する場合と、既存水素ステーションを利用する場合等の比較・検証を実施する。これらの検証を踏まえて、県内の荷主・運輸事業者等に横展開できるモデルスキーム(運送ルート・水素充填スキーム)を構築する。
(3)FCトラックの導入需要の掘り起こし、とりまとめ
省エネ法に基づく特定荷主、特定輸送事業者※等に対して、ヒアリング調査を実施し、FCトラック導入に関する意向や支障事例等の調査を実施する。また、荷主に対して物流脱炭素化の必要性を訴求するため、業種ごとにサプライチェーン全体の物流部分のCO2排出量について傾向分析を実施する。
※ エネルギー使用の合理化等に関する法律(省エネ法)では、特定荷主・特定輸送事業者に対して、非化石転換に関する中長期計画(2030年度が目標年)及び定期報告の提出が義務化されている。
このページに関する問合せ先
愛知県環境局地球温暖化対策課
活動支援グループ
担当:近藤、北川
電話:052-954-6887
内線:5487、3056
メール:ondanka@pref.aichi.lg.jp