ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織からさがす > 農業経営課 > 【あいち農業イノベーションプロジェクト】 「かん水や施肥などの遠隔制御を見据えた低コストな茶園のIoT土壌管理技術の開発」に係る現地実証試験の開始について

本文

【あいち農業イノベーションプロジェクト】 「かん水や施肥などの遠隔制御を見据えた低コストな茶園のIoT土壌管理技術の開発」に係る現地実証試験の開始について

ページID:0526343 掲載日:2024年5月22日更新 印刷ページ表示
2 飢餓をゼロに9 産業と技術革新の基盤をつくろう

ロゴ

 愛知県では、STATION(ステーション) Ai(エーアイ)プロジェクトの一環として、2021年度から、愛知県農業総合試験場(長久手市、以下「農総試」という。)や大学が有する技術、フィールド、ノウハウとスタートアップの新しいアイデアや技術を活用した共同研究体制の強化を図り、新しい農業イノベーション創出を目指す「あいち農業イノベーションプロジェクト」を実施しています。
 この度、農総試と愛知県立大学発スタートアップであるセンスコム合同会社(長久手市)の共同研究により開発した「IoT環境モニタリングに基づく施肥・かん水制御技術」について、県内の生産者ほ場※1で現地実証試験を開始しますのでお知らせします。

 ※1 水田や畑などの農作物を栽培するための場所のこと。

1 開発の背景及び技術の概要​

(1)開発の背景

 愛知県では抹茶の原料となるてん茶の産地として、良質な茶葉の生産が行われていますが、近年の茶価格の低迷、温暖化や異常気象、肥料価格の高騰など多くの課題に直面しています。また、小規模な茶園が点在する地理的条件であることに加え、高齢化や担い手の不足もあり、産地の維持が難しくなっています。
 本研究では、高品質な茶生産技術の開発と並行して、IoT技術を活用した、「遠隔モニタリング・制御技術」を開発し、多数点在する茶園の環境を安価に見える化することで、茶産地の課題解決を目指します。

(2)技術の概要

 農総試の所有する栽培環境をデータ化するノウハウと、情報処理に長けるセンスコム合同会社のネットワーク技術を組み合わせることで、安価に露地ほ場の栽培環境をスマートフォン等でモニタリング・遠隔制御できるシステムの開発に取り組んでいます。
 システムの低コスト化で、これまで導入が難しかった露地ほ場も含めて、多数点在するほ場の栽培環境をデータ化することができます。得られたデータはいつでもスマートフォン等で確認でき、施肥やかん水のタイミングや量の決定、遠隔ほ場の状況確認に活用できるほか、栽培管理データが蓄積されることで、より高品質化を目指す栽培管理の検討や、担い手への技術伝承など、産地の課題解決につながることが期待されます。

栽培環境の遠隔モニタリングイメージ図

(3)これまでの研究成果

 これまでに、東三河農業研究所内の茶園において、開発したモニタリング装置の試作機を用いた試験を実施しました。試作機は安価なIoT端末を本体として使用しておりますが、得られたデータは市販の機種と比較してもほぼ同等であることを確認しました。
 また、ネットワーク接続機能を活かし、離れた位置にある茶園のデータをインターネット上に記録できることを確認しており、十分に実用性があると考えられます。
 茶の栽培に強く影響すると考えられる、温湿度・土壌水分・土壌EC・日射量を記録できるため、かん水設備などと連動させることで、センサーの測定結果に合わせた自動かん水なども可能となります。

ほ場に設置した装置とWi-Fi端末で、インターネット上に安価にデータを収集
​  ほ場に設置した装置とWi-Fi端末で、インターネット上に安価にデータを収集

 

2 今回の現地実証試験

(1)実証試験の概要

 東三河農業研究所での試験結果を受け、2024年6月から、てん茶の主産地である、西尾市の茶園で装置の現地実証を行います。
 本技術の生産者ほ場での実証試験は今回が初めてであり、設置方法やネットワーク環境が異なるほ場での動作の確認、生産者が必要とする機能の確認などを行います。

(2)今後の展望

 今回の実証試験で得られた評価をフィードバックし、より産地の需要に合った実用性の高いシステムへの改良を進めていきます。
 2026年の販売開始を目標に、実証データの蓄積のほかに、データを管理するためのアプリケーションの開発、製品化に向けた調整などを進めていきます。

 

3 技術説明会の開催【報道機関向け】

 本技術の概要及びこれまでの研究成果についての説明会を開催します。説明会では、今回の実証に用いるモニタリング装置の試作機と、そのデータの記録状況などを確認できます。

 日  時:2024年6月6日(木曜日)午後1時30分から(受付:午後1時から)
 場  所:東三河農業研究所(住所:豊橋市飯村町高山11−48)
 説 明 者:農業総合試験場環境基盤研究部環境安全研究室 山本主任研究員
 申込方法:2024年5月29日(水曜日)までに、下記連絡先に必要事項を御連絡ください。
      <連絡先>農業総合試験場 研究戦略部技術開発研究室(担当 小林、荻野)
           電話:0561-41-8964(ダイヤルイン)、Mail:nososi@pref.aichi.lg.jp
      <必要事項>会社名、参加者代表氏名、参加者数、連絡先 (日中に連絡が可能なもの)
​ 備  考:雨天の場合、中止となることがあります。中止の場合、お申込みいただいた方に御連絡いたします。

【参考】あいち農業イノベーションプロジェクトについて

 農業分野においては、担い手の減少や高齢化といった従来からの課題に加えて、カーボンニュートラルや新たなサプライチェーンの構築など新たに顕在化した様々な課題に対応するための新技術の開発と社会実装が求められています。
 愛知県では、農総試や大学が有する技術、フィールド、ノウハウとスタートアップの新しいアイデアや技術を活用した共同研究体制の強化を図り、新しい農業イノベーションを創出するために「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から進めています。
 2023年度から、本県農業の生産現場が抱える課題解決に向けて、2022年度に選定したスタートアップ等(センスコム合同会社含む)と農総試が共同で研究開発に取り組んでいます(2023年6月8日記者発表済み。)。

6つのテーマごとの共同研究の概要 [PDFファイル/153KB]

センスコム合同会社について

所在地:愛知県長久手市茨ケ廻間1522番3 愛知県立大学長久手キャンパスC棟4階
設立:2021年4月1日
従業員数:10名(2024年5月現在)
代表社員:神谷(かみや) 幸宏(ゆきひろ)
事業内容等:
・センスコム合同会社は愛知県立大学発スタートアップとして、愛知県立大学で開発された技術の社会実装を推進しています。
・主要な従業員のほかに、将来起業を希望する学生が多く参加しており、学生たちにとっても研鑽の場となり、様々なアイデアが誕生します。
・特に機械の振動などを解析することで、機械の予知保全などを主な活動分野とし、信号処理のアルゴリズム解析やソフトウェア開発、IoT機器の活用などにも優れた技術を所持しています。

このページに関する問合せ先

愛知県農業水産局農政部農業経営課農業イノベーション推進室
イノベーション推進グループ
電話:052-954-6413
内線:3673、3670
メール:nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp

愛知県農業総合試験場環境基盤研究部環境安全研究室
電話:0561-41-9511(ダイヤルイン)
メール:nososi@pref.aichi.lg.jp

Adobe Reader
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)