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3期目の就任にあたっての県民の皆様へのメッセージ(2月15日)
3期目の就任にあたっての県民の皆様へのメッセージ
このたび、これまでの知事選挙で最多得票となる1,774,763票、得票率も過去最高の83.32%という、愛知県民の皆様の熱烈なご支持をいただき、引き続き、知事として愛知県政の舵取りを担うこととなりました。皆様からいただきました多くのご支援、ご声援に心から感謝を申し上げます。
今回の知事選挙にあたり、私は、政策集「あいち重点政策ファイル330プラス1」を県民の皆様にお示しさせていただきました。新たな任期4年間において、330項目にわたる政策一つ一つについて、スピード感をもって、着実に実行していく、そしてグローバル化、デジタル化といった時代の波を乗りこなしていくことが、愛知県民755万人の皆様の信託、負託に応えていくことだと思っております。
そして、「プラス1」である「県民の皆様それぞれの夢」を実現させていきたいと思っております。
私は、「日本一元気な愛知をつくる」という決意の下、2期8年間、全力で県政運営に取り組んでまいりました。県民の皆様のご理解とご協力をいただき、社会インフラの整備は順調に進み、日本一の産業力を強化し、雇用も30万人増加することができました。その結果、愛知の県内総生産GDPは、8年前の2010年度から17%伸びて40兆円となり、大阪を抜いて全国2位となりました。あわせて、教育・医療・福祉・女性の活躍・子ども子育て支援・高齢者・障害者福祉など、人づくりを大きく前進させることができました。
続く3期目の4年間は、さらにその勢いを加速して、ホップ・ステップ・ジャンプで大飛躍のアーチをかけ、日本一元気な愛知をつくり、日本の未来をつくってまいりたいと考えております。
継続は力です。愛知の経済・産業力を強化し、若者・女性・高齢者・障害者の雇用・活躍につながり、人づくりが進み、地域が元気になるという、愛知の今のいい流れ、好循環をさらに前進させ、「働くことを軸とする安心社会」を愛知からつくってまいりたい。
そうした思いをもって、今後とも各般の施策を行ってまいりたいと考えております。
(ジブリパーク)
まずは、「ジブリパークを2022年に実現」であります。
2005年愛知万博の理念を継承し、国内外で愛されてきたスタジオジブリ作品を将来にわたって伝え、残してまいります。
ジブリパークは、愛知だけのプロジェクトでなく、まさに日本のプロジェクトです。愛・地球博記念公園で2022年秋の開業を目指して、子どもから大人まで広く国内外からの来園者に楽しんでもらえるジブリパークをつくってまいります。
(「リニア大交流圏」の形成)
次に、「リニア大交流圏の形成」であります。
2027年度のリニア中央新幹線の開業により、東京-名古屋間が40分で結ばれます。このチャンスを生かし、首都圏・中京圏に及ぶ5千万人のメガ・リージョン「リニア大交流圏」を実現してまいります。
名古屋駅のスーパーターミナル化や名古屋駅からの40分交通圏の拡大、中部国際空港へのアクセスの向上などの取組を進めるとともに、二本目滑走路や航空ネットワークの充実など、中部国際空港の戦略的整備を進めてまいります。
また、鉄道・空港・港湾・道路のネットワークの充実や高速道路網の整備促進、名古屋港・三河港・衣浦港の国際競争力の強化など、社会基盤の整備をさらに進めてまいります。
(産業首都あいち)
次に、「産業首都あいち」であります。
愛知が誇る日本一の産業力と、県別GDPで大阪を抜き、東京に次いで全国2位になった経済力を一層強化し、「産業首都あいち」を、日本の未来を切り拓く「国際イノベーション都市」へと進化させてまいります。
国際展示場Aichi Sky Expoの開業と国際的なMICEの誘致・創出、スタートアップ企業の支援や拠点づくり、自動車・航空宇宙・ロボット・ICT・健康長寿など最先端の産業の集積強化に取り組み、世界をリードする日本一の産業の革新・創造拠点を目指すとともに、愛知の産業を支える中小企業の支援や商店街の活性化にも力を入れてまいります。
(農林水産業の振興)
次に、「農林水産業の振興」であります。
ITやロボット技術を活用したスマート農業・林業の推進、県産農林水産物のブランド力の強化などにより愛知の農業の競争力向上に取り組み、中部最大の農業県・愛知の力をさらにパワーアップさせてまいります。
また、6月には、愛知県森林公園をメイン会場に「第70回全国植樹祭」が開催されます。ラストスパートをかけて準備を進め、大会の成功に向け、しっかり取り組んでまいります。
(人が輝くあいち)
そして、「日本一元気な愛知」を実現するためには、何と言っても「人づくり」が基本です。子ども、若者、女性、高齢者、障害のある人など、すべての人が活躍する、「人が輝くあいち」をつくってまいります。
まずは、教育立県あいち、人材創造あいちの取組についてです。少人数学級・少人数指導による確かな学力の育成と、理数教育や英語教育の充実など魅力ある高等学校づくりを進め、子どもたちの学力と個性を伸ばす教育を充実してまいります。さらに、いじめや不登校問題など多様化する教育課題への対応を強化するとともに、トイレ環境の改善や空調整備など、県立学校の教育環境の改善を進めてまいります。
次に、女性の活躍促進の取組についてです。企業等の意識改革の促進や取組への支援、女性の起業や再就職の支援、多様な保育環境の充実など、ワーク・ライフ・バランスを推進し、働く場における女性の定着と活躍の場を拡大してまいります。
次に、子ども・子育て支援の取組についてです。子どもが輝く未来の実現に向け、県民の皆様からのご寄附の受け皿となる新たな基金を造成し、子どもの貧困対策をしっかり進めてまいります。また、保育所や認定子ども園、放課後児童クラブの整備拡充、あいち小児保健医療総合センターを中核とした小児救急医療体制の充実、児童相談センターの機能強化と児童虐待の未然防止、早期発見・早期対応にもしっかりと取り組み、日本一子育てしやすいあいちを実現してまいります。
次に、医療・健康長寿の取組についてです。救急医療・地域医療の体制強化と医師・看護師の確保に引き続き取り組むとともに、愛知県がんセンターを中心としたがん診療連携体制や愛知県精神医療センターにおける精神科医療体制の充実を図ってまいります。さらに、「あいちオレンジタウン構想」や国立長寿医療研究センターと連携した認知症対策、地域包括ケアシステムの推進など、高齢化社会に総合力で対応する、愛知がモデルとなるような取組を進めてまいります。
次に、障害者福祉・支援、ノーマライゼーションの推進です。新たな特別支援学校や分教室の設置、看護師の配置拡充やスクールバスの増車など、特別支援教育を一層充実してまいります。また、障害者福祉減税基金を活用した民間の重症心身障害児の施設整備を支援するとともに、愛知県医療療育総合センターを核とした障害児者の医療・療育体制の構築にも力を入れてまいります。
そして、産業人材・雇用の取組についても、2023年の「技能五輪国際大会」の誘致や「あいち技能五輪・アビリンピック2019-2020」の2年連続開催など、愛知を支える産業人材の育成に取り組むとともに、産業振興の強化による雇用創出や人手不足解消策としての若者・女性・高齢者の確保、さらには外国人労働者等への総合的な支援にも力を注いでまいります。
(観光あいち・魅力発信)
次に、「観光あいち・魅力発信」であります。
2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピック・パラリンピック、2026年アジア競技大会、2027年度のリニア開業をターゲットとした誘客やイベントの開催により、愛知の魅力を国内外に発信してまいります。
とりわけ、三英傑・武将観光や山車日本一、なごやめしなどの情報発信に力を入れるとともに、訪日外国人旅行者を愛知に呼び込むために、多言語対応や無料公衆無線LAN環境の充実など、受入環境の整備を進めてまいります。
また、11月には、G20外務大臣会合が愛知・名古屋で開催されます。会合の成功に向けて、来訪者の受入れに万全を期すとともに、日本一の産業力や多彩な観光資源などを世界に向けて発信してまいります。
(文化・スポーツの振興)
次に、「文化・スポーツの振興」であります。
8月に、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」が開幕します。魅力あふれる芸術祭となるよう、しっかり取り組んでまいります。
翌9月からは、ラグビーワールドカップが始まります。感動を呼び起こし、記憶に残る大会となるよう万全の準備を進めてまいります。
また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックについても、大いに盛り上げてまいります。
そして、2026年アジア競技大会については、引き続き開催に向けた準備をしっかり進めるとともに、世界ラリー選手権(WRC)など世界的なスポーツ大会の招致にも積極的に取り組んでまいります。
こうした取組により、文化やスポーツの振興を通じた地域活性化に力を注いでまいります。
(あいちのグローバル展開)
次に、「あいちのグローバル展開」であります。
グローバル化が進む現代においては、国内外における愛知のプレゼンスをより一層高めていくことが重要です。
引き続き、県内企業の海外展開支援や、友好・協力関係にある国・地域との交流を推進するとともに、成長を続ける国・地域と新たなパートナーシップの構築に取り組み、その活力を取り込むことでグローバルに成長を続ける愛知を目指してまいります。
また、外国人県民の皆様が安心して暮らせる環境の整備や外国人の子ども教育の充実などに積極的に取り組み、多文化共生社会の実現を目指してまいります。
(安全・安心なあいち)
そして、「安全・安心なあいち」をつくることはすべての基本です。
南海トラフ巨大地震を始めとした自然災害へ備えるため、広域的な防災活動拠点の整備や住宅・建築物の耐震化、河川・海岸堤防の整備など、防災・減災対策にしっかり取り組んでまいります。
また、交通安全対策についても、引き続き、県警察、市町村及び関係機関の皆様とより一層連携して取り組むとともに、警察署や交番などの建替えなどにより警察力を強化し、安全なまちづくりを進めてまいります。
さらに、消費者の安心を守る取組として、安全・安心な食の確保、豚コレラや鳥インフルエンザへの対応など、家畜防疫体制の強化にも力を入れてまいります。
(「環境首都あいち」)
また、日本一の産業県である愛知は、環境面でもトップランナーを目指していきたいと考えています。
そのため、太陽光などの再生可能エネルギーを推進するとともに、マイクロプラスチックや食品ロス対策に取り組んでまいります。
加えて、生物多様性保全の取組として、COP10で示された愛知目標の達成、さらには、2021年以降のポスト愛知目標に向けた議論にも積極的に参加し、「環境首都あいち」の確立を目指してまいります。
(地方分権、行財政改革)
そして、「地方分権、行財政改革」にもしっかり取り組んでまいります。
愛知県と名古屋市が一体的に機能強化を図る「中京都構想」を推進するとともに、国から県への権限・財源の移譲や特区・規制緩和の取組をさらに進めてまいります。
また、AI・ロボティクスや民間活力の活用、働き方の見直しなども取り入れながら、行財政改革に引き続きしっかり取り組んでまいります。
(東三河の振興)
最後に、「東三河の振興」であります。
東三河県庁を軸として、東三河8市町村で構成する東三河広域連合や経済団体、大学等との連携を強化し、産業の育成強化、魅力の創造・発信、産業・生活を支える基盤づくりなどに引き続き取り組んでまいります。そして、人づくり。新城有教館高校、時習館高校、豊橋西高校、豊橋工業高校、渥美農業高校において、特色ある学校づくりを進めてまいります。
(おわりに)
私は、年末年始から、17日間に及ぶ選挙期間中を含め、三河山間部から知多・渥美両半島、三河湾に浮かぶ島々を始め、県内隈なく、隅から隅まで、全ての市町村を駆け巡ってまいりました。朝から晩まで本当に多くの県民の皆様にお会いし、多くの声を耳にしてまいりました。
物事の真実は現場にあります。現地・現物・現場主義を貫いて、日本一の産業集積・愛知をさらに成長させ、県民の皆様すべてが豊かさを実感できる、住みやすさ日本一の愛知、すべての人が輝き、多様な文化・スポーツ・歴史を享受できる、未来へ輝く「進化する愛知」をつくってまいりたいと考えております。
いよいよ今年は、リニア中央新幹線、産業首都、ジブリパークに象徴される、まさに日本の未来をつくる取組が、ここ愛知から、大きく飛躍する年になります。
これからも、愛知がさらに進化発展していく、まさに未来へのグレートジャーニーを県民の皆様とともに歩んでいけるよう、全力で県政運営にあたってまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
平成31年2月15日
愛知県知事 大村 秀章