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狂犬病について
狂犬病について
狂犬病は、犬をはじめ全ての哺乳類が感染するウイルス性の感染症です。
ヒトは、発症した動物に咬まれ、唾液中のウイルスが体内に侵入することにより狂犬病に感染しますが、ヒト―ヒト間で感染が拡大することはありません。
体内に侵入したウイルスは神経を伝わり脳に達し、中枢神経症状があらわれます。狂犬病を発症した場合は治療方法はなく、ほぼ100%死に至る恐ろしい感染症です。
万が一日本国内に狂犬病が侵入した場合に、そのまん延を防止するためには『犬の登録』と『犬への狂犬病予防注射の接種』を徹底することが必要です。
狂犬病の発生状況
世界保健機関(WHO)の報告によると、狂犬病による死者は、世界で毎年55,000人と推定され、特にアジアやアフリカにおいて流行しています。日本国内では、1950年に狂犬病予防法が施行され、飼い犬の登録と狂犬病予防注射の接種が義務付けられた後、犬では1956年を最後に、また、ヒトでは1954年を最後に狂犬病は発生していませんでした。
しかし、1970年にネパールで犬に咬まれた青年が帰国後発症し死亡した事例以後、2006年11月にフィリピンで犬に咬まれた男性が同じく帰国後発症し死亡するという、36年ぶりの海外感染例が確認されました。
現在、狂犬病が発生していないのは日本をはじめ、英国、スカンジナビア半島の国々など一部の地域(※)に過ぎず、世界各国で発生がみられています。
※ 厚生労働大臣が指定する狂犬病清浄地域(平成28年6月28日現在:厚生労働省ホームページより)
日本、オーストラリア、グアム、ニュージーランド、フィジー、ハワイ諸島、アイスランド、アイルランド、英国の一部、スウェーデン、ノルウェーの一部
日本における狂犬病予防について
現在、日本は、『犬の登録』、『犬への狂犬病予防注射の接種』、『輸入動物検疫』等の狂犬病予防対策をとっていますが、狂犬病は、日本を取り巻く世界の国々で流行しており、感染した動物が密輸されたり、海外から寄航した船舶等により動物が検疫を受けずに持ち込まれることなどによって、いつ日本で発生してもおかしくないと言われています。
狂犬病は全ての哺乳類に感染しますが、まん延の原因となる動物は限られており、アジア地域等の狂犬病の流行国では、犬が主なまん延源となっています。したがって、飼い犬に狂犬病の予防注射を接種することで犬でのまん延が防止され、人への被害を防ぐことができることから、日本でも万が一狂犬病が侵入した場合に備えて、犬を飼っている人は、犬の登録及び犬への狂犬病予防注射の接種を必ず行ってください。
狂犬病予防法による飼い主の義務
- 犬の飼い主は、飼い始めた日(生後90日以内の犬の場合は生後90日を経過した日)から30日以内に市町村に犬の登録の申請をしましょう。登録すると「鑑札」が交付されます。なお、犬が死亡した場合や、犬の所在地や飼い主の住所・氏名に変更があった場合は30日以内に市町村に届出をしましょう。
- 犬の飼い主は、飼い犬に狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせましょう。予防注射を受けた後は、市町村で「注射済票」を交付してもらいましょう。
- 犬に「鑑札」と「注射済票」をつけましょう。登録されていること、狂犬病予防注射を受けていることの証明になります。また、「鑑札」には登録番号が記載してあるため、万が一、犬が迷子になった場合、飼い主のもとに戻る可能性が高くなります。