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あいちの農産物(畜産)
肉用牛
愛知県の1戸あたりの肉用牛飼養頭数は全国10位となっており大規模化が進んでいます。特に肉用牛に占める、交雑種も含めた乳用種の割合が約7割と大きくなっているのが特徴です。
飼養形態別では、肥育牛は田原市、豊橋市を始めとする東三河地域や半田市などの知多地域に多く飼育されており、和牛繁殖牛は主に三河山間部で飼育されています。
愛知県では、令和2年9月に知事を名誉会長とする「みかわ牛銘柄推進協議会」を設立し、黒毛和牛「みかわ牛」のブランド化を推進しています。「みかわ牛」は、県全域で生産されており、「みかわ牛生産農場」で1年以上肥育され、肉質等級「4以上」のもののみが、本ブランドを名乗ることができます。
現在、全国の全ての牛について「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」に基づく個体識別番号が付けられており、牛個体の生産履歴がインターネットを通じて公表されております(https://www.id.nlbc.go.jp/top.html)。また、スーパーや焼き肉専門店等の流通段階において、牛肉に表示された番号から、牛の生産履歴がわかるトレーサビリティ制度が確立しています。さらに、JAあいち経済連が実施する「JAあいち経済連牛肉トレーサビリティシステム」においては、インターネットを利用して契約農家におけるより詳細な牛肉の生産履歴情報が公開されています。(https://tr1.zennoh.or.jp/ac/b/start.asp?mode=1)
- 旬のころ
- 1年中
- 主な産地
田原市、豊橋市、半田市、新城市 - 飼養戸数
323戸(全国25位) - 飼養頭数
42,400頭(全国19位) - 1戸当たり頭数
131.3頭(全国10位)
(出典:令和5年畜産統計)
酪農(牛乳)
愛知県の生乳生産量は全国で毎年10位以内となっており、牛乳1Lパックに換算すると約1億5,000万本に相当する量です。知多半島と渥美半島を中心とした産地では多くの乳用牛が飼育され、衛生管理の行き届いた牛舎で、毎日朝と夕方に搾乳が行われています。
酪農家は、安全・安心な生乳を効率的に生産するため、様々な経営改善に取り組んでいます。例えば、乳量の増加や乳成分の向上のために牛の改良に取り組んだり、優秀な雌牛を増やすため性判別精液の利用や牛受精卵移植技術(ET)等の技術を活用したりしています。また、24時間全自動で搾乳できる「搾乳ロボット」のようなIT技術を取り入れている酪農家もいます。
牛乳は、タンパク質、脂質、炭水化物、カルシウムを始め、各種ミネラルやビタミンをバランスよく含んでいます。また、牛乳はカルシウムの補給に最適と言われますが、それは牛乳びん1本にカルシウムが200mgも含まれる上、タンパク質や乳糖の働きにより他の食品に比べ吸収率が高いためです。普段の食生活の中で、カルシウムやビタミンなどの摂取を意識することで、骨を強くしたり、肌を美しくするほか、高血圧を改善するなど、健康を保つための効果が期待できます。みなさんも健康の源である牛乳を毎日飲んで元気に過ごしましょう。
- 旬のころ
1年中 - 主な産地
田原市、半田市、豊橋市 - 飼養戸数
220戸(全国11位) - 飼養頭数
19,600頭(全国8位) - 1戸当たり頭数
89.1頭(全国9位) - 生乳生産量
14.8万トン(全国8位)
(出典:令和5年畜産統計、令和4年牛乳乳製品統計)
豚
愛知県では、約31万頭の豚が飼養され全国10位の生産県です。田原市、豊橋市を中心とした東三河地域でその多くが生産されています。
豚肉には、ロース、モモ、バラなどの部位を用いた多様な料理があり、また、ビタミンB1とB2が多く含まれており、特にビタミンB1の含有率は、食品全体のなかでトップクラスです。ビタミンB1は、疲労回復を早め、ストレスを緩和するといわれています。
豚肉は、値段も手頃で、どんな料理にもマッチしやすく、家庭料理の味方です。
愛知県では、おいしくて品質の良い豚肉を消費者の皆様に提供するために、農業総合試験場や畜産総合センターで品種改良及び遺伝的能力の維持に取り組んでいます。平成19年には、全国で初めて3種類(ランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種)の系統豚を生産者の方々に供給できる体制を確立し、消費者の皆様により親しみを感じていただくため、「愛とん」という愛称とシンボルマークを、一般公募により定めました。
- 旬のころ
1年中 - 主な産地
田原市、豊橋市、西尾市 - 飼養戸数
138戸(全国9位) - 飼養頭数
308,700頭(全国10位) - 1戸当たり頭数
2,237頭(全国23位)
(出典:令和5年畜産統計)
名古屋コーチン
名古屋コーチンは愛知県を代表するブランドで、明治半ばに元尾張藩士の海部兄弟が在来の地鶏と中国から輸入された「バフコ-チン」を掛け合わせ、卵肉兼用種として作出しました。明治38年3月10日に国産実用鶏第1号として公認されて以来、100年以上の歴史を有しています。昭和30年代後半に海外から卵用鶏と肉用鶏の各専用種が導入されたことで飼育数が激減しましたが、おいしい「かしわ肉」を求める消費者のニーズが高まるにつれて、需要は年々増加しています。名古屋コーチンの種鶏は現在、愛知県農業総合試験場で改良され、愛知県畜産総合センター種鶏場で増殖し、民間のふ化場を通じて生産者へ供給されています。
名古屋コーチンの肉は赤みを帯び、適度にしまった歯ごたえと、コクのある旨みが特徴です。近年、人気の高い卵は淡いさくら色の卵殻と濃厚でコクのある卵黄が特徴となっています。
また、国内の地鶏の中で、唯一純粋種として供給されており、知名度、品質ともに「地鶏の王様」と評されています。
代表的な料理としては、ひきずり(すき焼き)、味噌鍋が有名ですが、最近のなごやめしブームの中で、名古屋コーチンの親子丼や、焼き鳥にも注目が集まっています。
卵については素材の良さを十分味わうには「卵かけご飯」がお勧めですが、最近はプリンやどらやきなどの菓子の原料としても人気が高く、その需要は年々増加しています。
なお、国産実用鶏第1号に公認された事にちなんで、3月10日は名古屋コーチンの日として記念日登録されています。
是非、名古屋コーチンの美味しさを体験してみてください。
- 旬のころ
1年中 - 主な産地
豊橋市、田原市、大府市、東浦町、東栄町 - 年間実用ひな出荷羽数(令和5年次)
肉用 89万羽(内、県内65万羽)
卵用 8.1万羽(内、県内6.2万羽)
(一般社団法人名古屋コーチン協会調べ) - 飼育期間
120日から150日間(ブロイラー(約50日間)の2倍以上) - 出荷体重
雄:約2.5kg、雌:約2kg
鶏(卵・肉)
愛知県では108戸の生産者が約635万羽の採卵用の成鶏を飼養しています。飼養羽数は全国で4位となっており、古くから養鶏王国愛知として有名です。
採卵養鶏は明治・大正時代には平飼であったのが、昭和30年代にはケージ養鶏へと進化し、現在は開放式のケージの他、外部との接触を遮断し、温度や光などの環境をコントロールできるウインドウレス鶏舎の導入が進んでいます。また、生産される卵も通常のパック卵の他、ビタミン等の栄養素や微量元素等を強化したものもあり、販売の方法も量販店等以外に、養鶏農家が直接、鶏卵販売所や鶏卵の自動販売機を設置するなどの工夫がされています。
肉用鶏は東三河を中心に12戸の生産者が約105万羽の肉用鶏を飼養しています。
鶏卵及び鶏肉は、良質なタンパク質を始め、各種ミネラルやビタミンを豊富に含んでおり、いろいろな料理にも利用されています。また「卵かけごはん」に代表される生食は日本の食文化のひとつです。
高コレステロールを予防するため、卵は1日1個までという誤った情報が信じられてきましたが、近年、卵の摂取量とコレステロールとの因果関係はなく、1日にいくら食べても影響がないことが、詳らかとなりました。
- 旬のころ
1年中 - 主な産地
(採卵鶏)
常滑市、田原市、新城市、豊橋市、半田市
(肉用鶏)
設楽町、豊橋市、東栄町 - 飼養戸数
(採卵鶏)108戸(全国1位)
(肉用鶏)12戸(全国27位) - 飼養羽数
(採卵鶏)成鶏雌羽数 6,346千羽(全国4位)
(肉用鶏)1,048千羽(全国24位) - 1戸当たり羽数
(採卵鶏)58.8千羽(全国24位)
(肉用鶏)87.3千羽(全国6位) - 年間出荷量
(鶏卵)120,002t(全国7位)
(鶏肉)5,382千羽(全国21位)
(出典:令和5年畜産統計、令和4年畜産物流通統計)
ウズラ(鶉)
愛知県のウズラの飼養羽数は全国1位で全国シェアは約6割となっています。
現在、家きんとして飼養されているウズラは、野生ウズラを多産卵に改良したニホンウズラです。ニホンウズラは発育が早く、ふ化してから約40日で卵を産み出します。
ウズラ卵の成分は、鶏卵に似て良質のタンパク質を多く含むうえ、ビタミン(A、B1、B2)、ミネラル、アミノ酸においては鶏卵の約2倍(単位当たり)含有し、美容と健康に良い食品の一つです。また、ウズラ卵の約70%はゆで卵に加工され、殻をむいて缶詰や真空パックにされて全国に出荷されています。ウズラ生産者は、安全・安心でおいしいウズラ卵の生産に努めていますので、ウズラ卵をたくさん食べて生産者を応援してください。
一口サイズで食べやすいうえ、おでん、揚げ物、鍋物、ざるそばのつゆ、山かけ、お寿司等バリエーションに富んだ料理の食材として利用されています。
- 旬のころ
1年中 - 主な産地
豊橋市、阿久比町、常滑市 - 飼養戸数
50戸 - 飼養羽数
2,653千羽 - 1戸当たり羽数
53千羽
※ 畜産課調べ (令和5年2月現在)
みつばち(蜜蜂)
愛知県は日本の近代養蜂発祥の地の一つで、明治の中頃から養蜂が盛んになり始めました。近年、都市化等により県内の蜜蜂飼育者数は一時減少しましたが、ここ数年は横ばいで全国で11位の戸数となっております。
ハチミツ(特に国産ハチミツ)は、豊富なエネルギー(ブドウ糖、果糖)の他にわずかながら様々な種類のビタミン、ミネラル及びタンパク質を含む天然の健康食品の一つとして知られています。また、レンゲ、アカシア、ミカン、クロガネモチ、リョウブ、ソヨゴ、ハゼ等花によっていろいろな種類があり、それぞれ異なった味、香り、色を楽しむことができます。
蜜蜂は、春から夏、秋にかけて花の咲く時期に採蜜行動をします。養蜂には、他の地域の花を求めて移動する転飼養蜂と、一定の場所で1年を通じて飼養する定飼養蜂があります。本県にも、東北、北海道等へと転飼している養蜂農家の方がおられます。また、冬から春にかけては、イチゴ、メロン、ナシ、カキ等の花粉交配にも役立っています。
- 旬のころ
1年中 - 主な産地
西尾市、半田市、豊橋市 - 蜜蜂飼育者数
359戸(全国9位) - 蜂群数
5,402群(全国16位) - 県内で生産される主なハチミツ
クロガネモチ、アカシア、ミカン、トチ、ハゼ、ソヨゴ、レンゲ、サクラ、リョウブ
※養蜂関係参考資料 令和6年2月現在