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あいちの農産物(野菜:根菜)
だいこん
だいこんは、おでんなどの煮物やおろして生で食べたり、切り干しにしたり、漬物にもよく使われるなど、古くから日本の食卓には欠かせない野菜です。ビタミンCや消化を助ける酵素を多く含み、体にいい野菜の一つです。
世界各国で栽培され日本には稲作とともに中国より伝来しました。万葉集、古事記にも「おおね」と登場しています。愛知の伝統野菜にも「方領」「宮重」「守口」「徳重」(「宮重」の地方名)の4品目があり、日本のだいこんは世界一多品種で高品質です。だいこんの別名はスズシロ、オオネと言い、春の七草の一つです。
切り干し大根は保存食として重宝されていますが、かつては野菜の少ない時期の貴重な食材でした。
ところで、へたな役者のことを大根役者といいますが、その由来をご存じですか。だいこんは古くなっても当たることがないことから、当たらない役者のことを言うようになったそうです。
生でよし、煮てよし、漬けてよしと大根役者ではなく色白美人のだいこんは食卓の名俳優ではないでしょうか。
- 本県の出荷の多い時期
11月~12月、4月~5月 - 主な産地
愛西市、一宮市、田原市、江南市、豊川市 - 作付面積
541ha(全国15位) - 収穫量
23,600t(全国12位) - 産出額
24億円(全国10位)
(出典:令和4年産野菜生産出荷統計、令和4年生産農業所得統計)
守口大根
直径2cm、長さ190cm余りと、世界一細長い大根として有名な守口大根は、かつては岐阜県で多く生産されていましたが、戦後になって扶桑町で栽培が盛んになり、現在では全国の6割以上の守口大根が扶桑町で生産されています。
この守口大根は肉質が締まっているため漬物用として利用され、特に粕漬けしたものは独特の風味と歯ごたえがあり、当地の名産品「守口漬」として全国的に有名です。
その作り方は、始めに守口大根を塩漬けし、その後、酒粕やみりん粕に何度も漬け替えて熟成させます。2年余の歳月をかけて、芳醇(ほうじゅん)で味わいのある黄金色の守口漬ができあがります。
守口漬には食物繊維が豊富に含まれるとともに、褐色の色素メラノイジンには細胞膜を丈夫にしビタミンやミネラルの吸収を助ける効果があるといわれます。特に、栄養分を豊富に含むうなぎとの相性は抜群とされます。
ごはんのお供に、おかずの栄養吸収を助けてくれる守口漬はいかがでしょうか。
- 旬の頃
年中(守口漬) - 主な産地
扶桑町 - 作付面積
6.46ha - 出荷量
139t
(出典:令和4年度産(公社)愛知県漬物協会調べ)
ラディッシュ
二十日大根(はつかだいこん)のひとつで、種まきから20~25日で収穫されます。愛知県では豊橋市が産地です。赤丸と呼ばれる系統が主流ですが、ほかに白丸、赤長、紅白のものもあります。主にサラダに使われます。
- 本県の出荷の多い時期
年中 - 主な産地
豊橋市 - 作付面積
7ha(全国2位) - 収穫量
510t(全国1位)
(出典:令和2年産地域特産野菜の生産状況)
にんじん
にんじんはカロチンを大量に含む緑黄色野菜です。葉菜類に緑黄色野菜が多くありますが、根菜類でただひとつの緑黄色野菜がにんじんです。カロチンという言葉はにんじんの英語名「キャロット」からきています。
色が濃いほどカロチンを豊富に含んでいますので、選ぶときは濃い色で皮がなめらかな形の良いものを探しましょう。また、カロチンは皮の近くに含まれていますので、料理するときはできるだけ薄く皮をむきましょう。
にんじんには大きく分けて2つの系統があります。西洋系と東洋系ですが、一般に市場に出まわっているのは、五寸にんじんで西洋系です。東洋系の代表は赤色の金時にんじんです。
愛知県では主に五寸にんじんが作られています。なお、愛知の伝統野菜に、八事五寸、碧南鮮紅五寸、木之山五寸の3種類のにんじんが選ばれています。
- 本県の出荷の多い時期
12月~翌年3月 - 主な産地
碧南市 - 作付面積
376ha(全国11位) - 収穫量
19,400t(全国9位) - 産出額
16億円(全国9位)
(出典:令和4年産野菜生産出荷統計、令和4年生産農業所得統計)