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2023年度 モノづくり魂浸透事業 派遣講座 実施の様子
1 常滑焼で世界に一つだけのお茶椀を作ろう!
(1)実施日時
2023年8月21日(月曜日)午前9時30分から午前11時30分まで
(2)実施校
名古屋市立北山中学校(名古屋市昭和区鶴舞3-9-23)
(3)講師
鯉江 優次(こいえ ゆうじ)氏(TOKONAME STORE 代表)
(4)講座内容
はじめに、TOKONAME STORE代表の鯉江優次氏から、平安時代から現代まで1000年続く常滑焼の歴史をクイズ形式で説明していただきました。また、「常滑市の全ての小学校の給食を、自分で作った常滑焼のお茶碗で食べてもらう」という「お茶碗プロジェクト」について、熱い思いを語っていただきました。
鯉江氏が手順を示した後、生徒達も竹串や型を用いてお茶碗に飾り付けをしていき、生徒同士で会話をしながら、お茶碗づくりの楽しさを学びました。
生徒達は、それぞれ個性的なデザインで世界に一つだけのお茶碗を作っていました。常滑焼のお茶碗づくりを通じて、モノづくりの面白さを学びながら、愛知県の伝統工芸への理解を深めることができました。
2 アビリンピックは面白い!WE ARE!!我々を見よ
(1)実施日時
2023年10月5日(木曜日)午後1時30分から午後3時20分まで
(2)実施校
刈谷市立刈谷特別支援学校(刈谷市小垣江町白沢36)
(3)講師
トヨタループス株式会社
(2021年度全国アビリンピック「データベース」種目金メダリスト 小野田 勝之さん
2023年度愛知県アビリンピック「パソコンデータ入力」種目金メダリスト 髙橋 詩織さん、及び同大会「写真撮影」種目金メダリスト 垣下 晃毅さん)
(4)講座内容
はじめに、小野田さん、垣下さんからアビリンピックの説明と選手として活躍された経験をお話いただきました。その後、愛知県アビリンピック「パソコンデータ入力」種目で金メダルを獲得された髙橋さんから技の実演があり、タイピング速度や指示書どおりに入力する正確さなど、生徒たちは高い技能を間近で見ることができました。
実演後は、競技課題を模した指示書に沿って、アビリンピック種目「パソコンデータ入力」と「ワード・プロセッサ」の体験を行いました。わからないことは講師に質問したりアドバイスをもらいながら集中して取り組み、アンケート回答の集計表への入力と、イベント開催通知文書を作成しました。
最後に、髙橋さんの講話では、自身の学生生活からトヨタループスとの出会い、そしてアビリンピック出場までの体験談とともに、就職活動を行う3年生と今後の進路を探求していく1年生の双方にエールが送られました。
アビリンピックで活躍する選手を間近で見た生徒たちは、職業選択・キャリア選択への理解を深めました。
3 豊橋筆職人に学ぶ筆
(1)実施日時
2023年10月25日(水曜日)午前9時40分から午後0時25分まで
(2)実施校
豊橋市立植田小学校(豊橋市植田町字池堀田15)
(3)講師
山崎 宣弘 氏、渡辺 一明 氏(筆の里 嵩山工房)
(4)講座内容
はじめに、山崎氏、渡辺氏から挨拶があり、豊橋筆の概要を説明していただきました。その後は、「筆作り体験」「技の実演」「筆の材料展示」の各ブースを回り、更に理解を深めました。
筆作り体験では、筆先に糊をつけ、糸を使って形を整える仕上げ作業を行い、自分だけの筆を作り上げた児童は「明日から早速使ってみたい」と笑顔になっていました。
技の実演では、豊橋筆の大きな特徴である「練り混ぜ」を渡辺氏が披露しました。渡辺氏は「命を吹き込む」工程と説明し、児童は様々な動物の毛が均等に混ざり合い、一本の豊橋筆として生まれていく様子を食い入るように見ていました。
材料展示では、たぬき・きつね・馬の毛等、豊橋筆で使う原材料の毛が展示されており、山崎氏の解説を聞きながら、実際に触り比べてそれぞれの毛の特徴を学びました。
最後は、豊橋筆の歴史の解説や質疑応答とともに、筆職人としての経験から「学ぼうとする姿勢と実際に行動に移すことが大切」と児童にメッセージを送り、講座を締めくくられました。
児童たちは地元が誇る伝統工芸品である豊橋筆について知り、技能やモノづくりに興味関心を持つことができました。
4 メカトロニクスの「匠」とはた織り体験
(1)実施日時
2023年11月27日(月曜日)午前8時40分から午後0時20分まで
(2)実施校
名古屋市立大森小学校(名古屋市守山区大森4-401)
(3)講師
株式会社豊田自動織機
(2019年度技能五輪全国大会「メカトロニクス」職種銀メダリスト 森口 淳志氏はじめ12名)
(4)講座内容
はじめに、2019年度技能五輪全国大会のメカトロニクス職種で銀メダルを獲得した森口淳志氏から、豊田自動織機の歴史と技能五輪について説明がありました。
その後は、2023年度技能五輪全国大会の同職種で銀メダルを獲得した冨内結人氏、清原希氏が競技機材を使って、組立からプログラミング、デバッグまで競技の一連の流れを披露しました。二人の俊敏な動きや、ロボットのアームが動き出す瞬間を目の当たりにした際には、児童から感嘆の声が上がり、目を輝かせていました。
また、講師と児童の作業スピード対決(配線を結束バンドで台座に固定する速さを競う)も行い、楽しみながらメカトロニクス職種について理解を深めました。
講座の後半は、トヨタグループの源流である織機のミニチュアを使った技能体験を行いました。12名の講師陣から作業手順・コツを手厚く教えてもらい、児童はオリジナルコースターを作り上げました。
一流の技能を体感するとともに、織機を使った技能体験を行った児童は、モノづくりや技能五輪への興味・関心を深めることができました。