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令和5年度学校安全総合支援事業を実施しました
令和5年度愛知県における学校安全総合支援事業について
文部科学省の委託を受け、愛知県ではモデル地域として、交通安全分野で常滑市が、災害安全分野で西尾市が安全教育推進の取組を実施しました。
1 学校安全総合支援事業(文部科学省委託)とは
学校安全の組織的取組、外部専門家の活用、学校間の連携を促進し、地域全体の学校安全推進体制の構築を目指すとともに、県域等へその仕組みを普及することを支援し、自治体内全域での学校安全の取組の推進を目指すものです。
<事業の内容や方法>
学校種・地域の特性に応じた地域全体での学校安全推進体制の構築を図るため、県教育委員会がモデルとなる地域(以下「モデル地域」という。)を設定し、モデル地域の市町村教育委員会等が中心となってモデル地域全体での学校安全推進体制を構築します。モデル地域の実践を通じて得られた成果等については県内の他の地域にも普及し、県全体としての持続的な体制の構築を目指します。
主な事業は以下のとおり。
a.県教育委員会においてモデル地域を設定し、モデル地域で構築された学校安全の推進体制を県内に普及し、全域で推進体制を構築する事業計画を策定します。
b. モデル地域の市町村教育委員会等は、モデル地域の実践事例の共有や検証を行うとともに、各学校での取組や連携促進等について指導・助言・支援を行います。
c.モデル地域では、全ての学校において学校安全の取組を充実させ、地域全体での学校安全推進体制を構築します。このため、モデル地域内では、拠点となって他の学校の取組を牽引する学校(以下「拠点校」という。)を定め、拠点校を中心として学校間で連携し、モデル地域内の全ての学校で学校安全の推進を図ります。その際、モデル地域内の全ての学校に学校安全の取組の中核となる教員(以下「中核教員」という。)を置き、各学校の取組を牽引させるとともに、当該教員を通じて、各学校の事例等を共有します。
d. 県教育委員会はモデル地域の市町村教育委員会に指導・助言・支援を行うとともに、モデル地域の実践事例を踏まえた学校安全の推進体制について、県内の他の地域にも普及します。
2 常滑市の取組
(1)取組の概要
- 学校安全アドバイザーとともに事前・事後のアンケートや授業計画を作成し、拠点校で映像資料や自転車シミュレータを活用した交通安全教室を行いました。
- 鬼崎中学校区の3校を拠点校として通学路の合同点検を実施し、通学路安全推進会議において具体的な対策を検討しました。
- 拠点校の通学路安全推進会議や交通安全教室などをもとに、安全教育推進会議において、モデル地域内のすべての学校で実践内容についての情報交換を行いました。
(2)取組の成果
- モデル地域では推進委員会を開き、有識者や県の関係局職員からそれぞれ専門的な立場で、各モデル地域の参考となる助言を得ることができました。
- 成果発表会でモデル地域の先進的な取組事例を広く周知することができた。また、有識者による講演を通して、各学校で作成している危機管理マニュアルの見直しや改善の重要性を、再確認することができました。今後の学校安全の取組の方向性について共有することもできました。
- 外部の関係機関と定期的に情報交換を行っている市町村教育委員会の割合は、8割を超えていて、昨年度より少し増えています。モデル地域の取組を参考にし、さらに連携が進むことが期待できます。
(3)今後の活動
- 本市では、小学校や中学校の立地上、長距離の徒歩通学児童や自転車通学生徒が多い。今後も、道路を管理する警察署・県・市等の関係機関・部署と連携しながら、通学路等の安全対策を進めていきます。
- 本年度は、これまでの取組とは視点を変えて、登下校の危険箇所への対応を自ら考え発信する取り組みを行いました。市の「ヒヤリハット体験マップ」作成事業と連携をし、交通安全教育の充実に取り組んでいきます。
- 子どもたちには、交通安全について考える機会が身近にあることが大切なので、保護者との協働の機会の創出や家庭への情報発信を丁寧に確実に実施していくことが欠かせません。「事前・事後のアンケート」の実施、「交通安全だより」の発行を柱として取り組んでいきます。交通ルールは時代に合わせて変わっていくので、今後も警察署をはじめとした専門的な立場の方から、継続的に指導を受けるようにします。
3 西尾市の取組
(1)取組の概要
- 危機管理課職員の講話を通して、西尾市の地理的状況や被害想定等を理解し、発災後の適切な行動を身につけさせました。
- 救出救護技術の習得や避難所運営ゲーム(HUG)の体験、タイムライン学習を通して命を守る行動を学び、災害発生時に助ける側として積極的に活動できる防災リーダーを育成しました。
- 防災担当教員(中核教員)を含む実践委員会のメンバーは、実践委員会に参加するだけでなく、拠点校で実施した活動等を参考にして、モデル地域内の学校へ取組の普及を図りました。
(2)取組の成果
- 「南海トラフ地震に伴う西尾市の被害想定」や「西尾市内の津波・洪水浸水エリア」、「西尾市内の指定避難場所や避難所」などの把握については、モデル地域内の各校で講話を実施したことで、事業実施後にはともに8割を超えるに数値が上昇しました。
- 「災害時に、あなたにできることはありますか」の問いに対し、9割近くの児童生徒が「できることがある」と回答しました。様々な防災活動を通して、児童生徒は「自分の命は自分で守る」ことだけでなく、「小中学生でも地域の助けになる」ことを学び、災害発生時に防災リーダーとして積極的に活動する姿が期待できます。
(3)今後の活動
- 今年度、本事業のモデル地域である幡豆地区については、本事業で取り組んだ防災活動を取捨選択し、継続・改善するとともに今後も市と学校が連携し、防災学習を進めていきます。モデル地域以外においても、津波浸水想定区域外への避難訓練や防災講話など、次年度以降も継続して実施していけるよう計画します。
- 本事業の活動報告をまとめたものを市内の学校等に配付し、共有を図ります。
- これまでは、津波浸水想定区域に位置する学校・地域に対し津波対策を、風水害の被害想定が高い学校・地域に対し風水害対策について活動を展開してきました。一方、津波浸水想定区域外の学校・地域については、津波災害時に避難者の受け入れが必要となります。それらを踏まえ、避難者を受け入れる側の学校・地域においても、津波災害時の対策を中心に活動を展開していく必要があります。
4 成果発表会
令和6年2月2日(金曜日)ウィルあいち(愛知県女性総合センター:名古屋市東区)ウィルホールにて成果発表会を開催しました。
各モデル地域の取組成果をまとめた発表資料(PDFファイル)を掲載しています。
問合せ
愛知県教育委員会事務局保健体育課安全グループ
ダイヤルイン:052-954-6829
内線:3925・3926
E-mail: hoken-taiiku@pref.aichi.lg.jp