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平成26年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について

ページID:0081247 掲載日:2015年3月26日更新 印刷ページ表示

平成27年3月26日(木)発表

 「内分泌かく乱化学物質」は、「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の化学物質」であり、国において生態系影響等に関する科学的知見の集積や環境リスク評価等の取組が進められています。

 愛知県では、国の取組において生態系への内分泌かく乱作用を有することが推察された、あるいはその可能性がある化学物質について、環境中の状況を把握するため、平成10年度から環境調査を行っています。

 平成26年度は県内河川7地点及び海域3地点において、8物質を対象として水質調査を実施しました。

 その結果は、次のとおりです。

 

1 調査の概要

(1)調査対象物質

調査対象物質
 調査対象物質 用 途調査地点数 調査方法
 ビスフェノールA 樹脂の原料河川1地点 外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(平成10年10月 環境庁)
 フェニトロチオン 農薬(殺虫剤)河川7地点
海域1地点
 平成17年度化学物質分析法開発調査報告書
 ダイアジノン 農薬(殺虫剤)河川5地点
 ジクロルボス 農薬(殺虫剤)河川3地点

 1-ナフトール

 染料の原料河川7地点
海域3地点
 平成10年度化学物質分析法開発調査報告書
 フェノバルビタール 医薬品 平成17年度化学物質分析法開発調査報告書
 ジクロロブロモメタン 浄水場で使用される消毒剤(塩素剤)と有機物の反応による非意図的生成物
 シアナジン 農薬(除草剤)河川3地点

(2)調査地点

図 調査地点


※ 調査地点は、調査対象物質ごとに異なります。

2 調査結果の概要

・ ビスフェノールA

 調査を実施した1地点において、国が示した「内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1」(以下「内分泌かく乱予測無影響濃度」という。)及び「生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2」(以下「生態リスク予測無影響濃度」という。)を下回りました。

・ フェニトロチオン、ダイアジノン及びジクロルボス

 フェニトロチオンは調査を実施した8地点中6地点において、ダイアジノンは5地点中2地点において、ジクロルボスは3地点中1地点において、生態リスク予測無影響濃度を上回りましたが、いずれの物質についても「水質汚濁に係る要監視項目の指針値*3」(以下「指針値」という。)を下回りました。

 なお、この3物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度は設定されていません。

・ 1-ナフトール、フェノバルビタール及びジクロロブロモメタン

 調査を実施した10地点すべてにおいて、生態リスク予測無影響濃度を下回りました。

 なお、この3物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度及び指針値は設定されていません。

・ シアナジン

 調査を実施した3地点すべてにおいて検出されました。

 なお、この物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度、生態リスク予測無影響濃度及び指針値は、いずれも設定されていません。

 

平成26年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果のまとめ
 調査対象物質  水  質
調査結果
(μg/L)
調査
地点数
内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1
(μg/L)
生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2 
(μg/L)
水質汚濁に係る      要監視項目の指針値 *3
(μg/L)
全国調査結果 *4
(μg/L)
 ビスフェノールA0.02河川1地点24.7または4711<0.0024~1.0
 フェニトロチオン0.000089~0.012河川7地点
海域1地点
0.000213以下<0.000011~0.0048
 ダイアジノン<0.001~0.001河川5地点0.000265以下<0.001~0.019
 ジクロルボス0.0004~0.0069河川3地点0.00138以下<0.0003~0.020
 1-ナフトール0.007~0.10河川7地点
海域3地点
2<0.00035~0.0093
 フェノバルビタール<0.004~0.025310<0.004~0.17
 ジクロロブロモメタン<0.004~0.0528<0.004~0.012
 シアナジン0.0034~0.021河川3地点<0.0004~0.0025

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度

*3 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値

*4 全国調査結果:

 平成17 年度から平成24 年度の「化学物質環境実態調査結果(環境省環境保健部環境安全課)」のうち、直近のデータにおける検出濃度範囲

3 今後の対応

 化学物質の内分泌かく乱作用問題については、その有害性など未解明な点が多く、国は、平成22年7月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-EXTEND2010-」の中で、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じ管理していくことを目標として、評価手法の確立と評価の実施を加速化することをねらいとしています。

 本県においても、国による評価の結果に迅速に対応するために、引き続き適切な環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。

 

※ 調査結果の詳細は別添のとおり。

問合せ

愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
担当:近藤、大谷
内線:3025、3026
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp

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