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県内初の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者の発生について
愛知県では、2021年7月8日(木曜日)、県内医療機関から半田保健所に、重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)(以下「SFTS」という。)の発生届が提出されました。愛知県内でSFTS患者が発生するのは今回が初となります。
SFTSは、主にSFTSウイルスを保有するマダニ(※)に咬まれることで感染します。マダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まるため特に注意が必要です。
なお、国内では、SFTSの人から人への感染は報告されていません。
※ マダニは、食品や衣類などに発生するダニとは全く種類が異なります。
1 患者の概要
(1)患者 70歳代男性(半田保健所管内在住)
(2)主な症状 発熱、全身倦怠感、血小板減少、白血球減少、リンパ節腫脹
(3)現在の状況 入院中
(4)推定感染経路 マダニによる刺咬
(5)経過 6月26日(土曜日) 発熱
6月28日(月曜日) 県内医療機関を受診
7月7日(水曜日) PCR検査の実施
7月8日(木曜日) SFTSウイルス陽性と判明
2 SFTSについて
(1)病原体及び症状等
ブニヤウイルス科フレボウイルス属のSFTSウイルスによる感染症で、主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染します。
主な症状は発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)であり、ときに、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴います。血液所見では、血小板減少、白血球減少、血清酵素の上昇が認められます。致死率は10~30パーセント程度です。
(2)全国でのSFTS発生状況
年 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人数(人) | 48 | 61 | 60 | 60 | 90 | 77 | 101 | 78(※) | 62(※) | 637 |
※2021年6月30日時点の速報値
3 予防方法
(1)マダニに咬まれないために
・草むらや藪などに入る場合は、肌の露出を少なくしましょう(長袖・長ズボンを着用する、足を完全に覆う靴を履く)
・虫除け剤を適切に使用しましょう。
・屋外活動後は入浴し、ダニに咬まれていないか確認しましょう。
(2)マダニに咬まれた場合
・マダニに咬まれているのを見つけたときは、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらいましょう。
・マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。