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ジカウイルス感染症(ジカ熱)について
ジカウイルス感染症(ジカ熱)について
1 ジカウイルス感染症(ジカ熱)とは
(1)概要
- ジカウイルス感染症(ジカ熱)は、蚊が媒介するジカウイルスによる感染症です。
- アフリカ、南北アメリカ、アジア太平洋地域で発生が報告されています。
- 平成28年3月8日付けで世界保健機関(WHO)は、妊婦は流行地域への渡航をすべきでないと勧告しました。
- 平成28年3月11日及び3月24日付けで厚生労働省から発表があったとおり、愛知県内においてもジカウイルス感染事例が発生しました。本件は、海外で蚊に刺されて感染し、帰国後に発症した輸入感染事例であり、また、発生当時は蚊の活動時期ではなかったため、県内で感染の拡大は確認されていません。
- ジカウイルス感染症は、一般的に軽症であり、重症化するリスクは極めて低いですが、流行地域へ渡航する場合は予防対策を心がけましょう。
(参考)厚生労働省報道発表資料
- ジカウイルス感染症患者(輸入症例)の発生について(平成28年3月11日)
- ジカウイルス感染症患者(輸入症例)の発生について(平成28年3月24日)
(2)感染経路
- ウイルスを保有している者の血液を吸血した蚊が、非感染者を吸血することでウイルスが感染します。
- 日本では、ヒトスジシマカが媒介します。
- 感染したヒトからヒトに直接感染する病気ではありませんが、輸血や性行為によって感染する場合があります。
- 妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性があります。
(3)症状
- 蚊に刺されてから2~7日後に発症しますが、症状がないか、軽いため感染していることに気がつかないこともあります。
- 軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などが主な症状です。
- 通常、症状は軽く2~7日で回復し、予後は比較的良好です。
- これまでの研究結果から、WHOや米国CDCは、ジカウイルス感染症が小頭症の原因となること、また、WHOはジカウイルス感染がギラン・バレー症候群の原因となることについて科学的に結論づけられています。
(4)予防方法
ア 流行地域への渡航前~渡航中
- 胎児への影響が懸念されているため、妊娠の可能性がある女性又は妊娠中の女性は流行地への渡航は控えましょう。
- ジカウイルス感染症(ジカ熱)に有効なワクチンはないため、蚊に刺されないことが唯一の予防方法です。
- 流行地では、長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を避けましょう。
- 虫よけスプレー等を使用し、蚊を寄せ付けない工夫をしましょう。
- 流行地域に滞在中は症状の有無にかかわらず、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えましょう。
イ 流行地域からの帰国後
- 流行地域からの帰国者は、ご自身が感染源とならないように、症状の有無にかかわらず、虫よけ剤の使用など蚊に刺されないための対策を少なくとも2週間程度は特に注意を払って行いましょう。
- 流行地域から帰国した男女は、症状の有無にかかわらず、少なくとも6ヶ月(※)、パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えましょう。
※ ジカウイルス感染症を発症した男性の精液から、最長188日までジカウイルスが検出された研究報告があります。検出されたウイルスから感染能力は確認されていませんが、注意が必要です。(世界保健機関(WHO)暫定ガイダンス(9月6日改訂)を踏まえた対応)
(5)治療方法
- 特異的な治療法及び有効なワクチンはないため、対症療法となります。