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海岸の整備(事業紹介)
愛知県が実施している海岸整備事業について
以下に愛知県で実施している事業の実施事例について紹介します。
1.地震・津波対策(海岸堤防の耐震化、海岸堤防の整備)
そこで、本県では、「あいち地震対策アクションプラン」を策定し、限られた時間の中で被害軽減策を効果的かつ効率的に海岸堤防の耐震整備を推進しています。
なお、耐震設計を行うにあたり、専門家の助言を得ながら解析を行い、その妥当性を評価することを目的として、「愛知県海岸堤防耐震設計技術助言会議」を2016年度に設立しました。
堤防の法肩に鋼矢板を設置して頭部をタイロッド等で連結する構造で液状化に伴う地盤の流動を抑えて堤防の沈下を軽減する工法。
豊橋海岸 杉山地区(豊橋市)
重機により鋼管を液状化層に貫入させ、所定の深さに達した後に砂を排出しながら、引き抜きと再貫入を細かく繰り返して地中に締った砂杭を構築するとともに、砂杭間の周辺地盤も締固により地盤を改良して液状化に対する強度を増大させる工法。
渥美海岸 日出・和地地区(田原市)
原位置土に改良材を供給し化学的に反応させて土質性状を安定させる機械撹拌工法。
高浜海岸 吉浜高浜地区(高浜市)
※粘り強い構造
コンクリート被覆の部材厚の確保や緑の防潮堤などにより、堤防を壊れにくくする構造。
2.老朽化対策(老朽化した海岸堤防・水閘門の対策)
しかしながら、復興で一度に整備していることから、築後60年近く経過した施設が多く、老朽化・地盤沈下等による機能低下や背後地の開発による機能不足も著しくなっていますので、海岸堤防、水門等が高潮・津波に対して十分な機能を発揮させることが課題となっています。
豊橋海岸 杉山地区(豊橋市)
老朽化してクラックの入った堤防写真 更新完了写真
南知多海岸 内海山海地区(南知多町)
老朽化して護岸が倒壊した写真 更新完了写真
蒲郡海岸 鹿島地区(蒲郡市)
老朽化した堤防の写真 更新完了写真
美浜海岸 古江川樋門(美浜町)
旧水門写真 新水門完成写真
3.海岸侵食対策(遠州灘沿岸の侵食対策)
渥美海岸 伊良湖・日出地区(田原市)
渥美半島先端の伊良湖岬には島崎藤村の詩『椰子の実』で有名な恋路ヶ浜があり、日本のなぎさ百選に選ばれている景勝地です。海岸侵食による砂浜の流出が懸念されたため、砂浜を保全するために沖合には長さ150mの人工リーフ6基(写真の赤い部分)が設置されています。景勝地でもあり三河湾国定公園にも指定されていることから景観に配慮して人工リーフが設置されています。
田原・豊橋海岸 大草・東赤沢地区(豊橋市、田原市)
表浜海岸の下手側への漂砂量の増加を促し、漂砂のアンバランスを解消するため、「潜堤の改良・再配置」を行いました。今後も継続的に砂浜の動向をモニタリングし、学識経験者を交えた「渥美半島表浜海岸保全対策検討会」での意見を聴きながら対策を検討していきます。
※潜堤・人工リーフ
潜堤とは堤体が水面下に没した消波構造物であり、潜堤のうち、天端水深を深く、天端幅を広くしたものを人工リーフといいます。自然のサンゴ礁を真似た構造物で、海岸付近に幅広い浅瀬をつくるものです。波は水深が浅くなると砕けてその勢いを失うことから潜堤や人工リーフによってつくられた浅瀬により沖のほうで波が砕け、波の小さい海域を広く取ることで海岸侵食を防ぐことができます。常に海面に沈んでいるので景観に影響を与えない消波施設です。