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第53回教育研究論文最優秀賞及び優秀賞受賞者について

ページID:0265357 掲載日:2019年12月16日更新 印刷ページ表示

 最優秀賞及び優秀賞受賞者を紹介しています。

 論文については、2020年2月発行予定の「<教育愛知>愛知県教育研究論文集」に掲載します。

最優秀賞

個人研究の部

英語で「やり取り」できる力を育てる授業の実践

-中1英語 即興で伝え合う活動を通して-

春日井市立坂下中学校 伊豆(いず)原(はら) 章人(あきひと)

【短評】

  即興での対話活動を通して、生徒の英語によるやり取りの力を育成する、中学校1年生の外国語科における研究である。英語による基本的な尋ね方や答え方をまとめたQ&Aシートや、相手の言葉に対する相づちの英語表現をまとめた相づちシートを用いることで、英語による対話活動に対する生徒の不安を軽減し、積極的に対話活動に取り組むことができるよう工夫されている点がすばらしい。また、生徒にとって身近な話題について、即興で伝え合う活動に取り組ませるなど、生徒が意欲的に活動を行うことができるよう工夫されている点も高く評価できる。新学習指導要領において重視される「話すこと[やり取り]」の領域における指導の充実に向けて、本研究の取組が広く参照されることが期待される。

共同研究の部

未来を切り拓き、創造するための資質・能力の育成

-生徒が学びを主体的に「捉える・深める・振り返る」授業を通して-

県立杏和高等学校
稲沢市立稲沢西中学校 現職教育ワークグループ 代表 清水(しみず) 康(こう)太(た)

【短評】

  生徒が主体的・対話的に学びを深めるための授業改善に学校全体で取り組み、未来を切り拓き、創造していくために必要な汎用的能力の育成を目指す、中学校の研究である。学習前の「めあて」の確認や、視点を明確にした話し合い活動及び学習後の振り返り等について、職員が共通の課題意識をもって行うなど、目標の実現に向けて組織的な取組がなされている点がすばらしい。また、有識者の指導・助言も参考に継続的に研究を積み重ね、その成果と課題について、生徒と教師の意識調査の分析を踏まえ、詳細に検証している点でも高く評価できる。授業改善のための個々の方策についてはもとより、教育課題に対する組織的な取組の在り方についても参考となる点の多い研究である。 

優秀賞

個人研究の部

 小学1年生における話し合う力の基礎を育む指導

 -場の設定と学び合い・認め合いを通して-

 東海市立名和小学校 末(すえ)﨑(ざき) 幸彦(ゆきひこ)

 【短評】

  学校生活のさまざまな場面で自分の思いや考えを表現させることにより、児童の話し合う力の基礎を育成する、小学校1年生の研究である。汎用性のある話型を活用してスピーチしたり、聞き方のよい児童を相互に指名したり、友達のスピーチに対して質問(インタビュー)したりする活動によって、話す力・聞く力・話し合う力の基礎を、児童がバランスよく身に付けることができるよう工夫されている点で評価できる。また、身に付けた力を活用する場を設けることで、話し合うことの楽しさやよさを児童が実感できるように考えられており、将来の対話的な学習や言語生活につながる実践であると言える。

 

 論理的思考力の基礎を身につける児童の育成

 -プログラミング的思考を取り入れた実践を通して-

 岡崎市立男川小学校 原田(はらだ) 康(やす)成(なり)

【短評】

  学習課題や身近な問題の解決にプログラミング的思考を用いさせることで、見通しをもって考えようとしたり、考えを深めたりしようとする意欲を育成する、小学校2年生の研究である。物事を順序立てて考える場を繰り返し設定し、その理由を説明させたり、他の児童の考えを参考にさせたりすることにより、論理的に物事を考える力を効果的に育んでいる点で評価できる。また、タブレットパソコンを用いたビジュアルプログラミングと、コンピュータを用いないアンプラグドプログラミングの実践を取り混ぜることによって、プログラミング的思考を働かせた課題解決に意欲的に取り組めるよう工夫している点がよい。

 

 正しく・深く読む子を育てる国語科の授業

 -物語文「サーカスのライオン」の実践を通して-

 岡崎市立上地小学校 石田(いしだ) みゆき

【短評】

  6年間の学習内容を系統的に捉えて単元を構想するとともに、他との関わりや振り返りを大切にした授業を展開することにより、正しく読む力と深く読む力とを併せて育成する、小学校3年生の国語科における研究である。児童の読み取りを評価して紹介する手だてなど、物語の正しい読み方に気付かせる取組が的確である。さらに、登場人物への手紙を書く言語活動を通して、内容を正しく読み取った上で、更に作品を深く味わい、自分の思いを豊かにさせるための工夫も加えられている点が評価できる。これらの重層的な手だてによって、児童は物語を楽しんで読むことができるようになっている。

 

 社会認識を深め、公民としての資質・能力を育成する社会科指導

 -他者と協働しながら地域の現状を捉え、地域の未来を考える取組を通して-

 飛島村立小中一貫教育校 飛島学園飛島中学校 伊藤(いとう) 真生(しんせい)

【短評】

  生徒の思考を重視した学習活動により、現代社会に関心をもち、進んで社会に参画しようとする公民としての資質・能力を育成する、中学校3年生の社会科における研究である。「少子高齢化」問題を地元地域に関わらせて考えさせることにより、生徒が社会の問題を自分に直接関わりのあることとして捉え、社会認識を積極的に深めることができるよう工夫している点で優れている。また、対話的な活動を通して問題を多面的に考えさせるとともに、課題の解決に向けた自分の考えを村役場の企画課の方に提言する場を設定したことは、生徒の社会参画への意欲を育むために効果的であったことがうかがえる。

 

 造形的な視点を豊かにしながら、より美しい表現の構想を練る生徒の育成

 -美術科中学3年生「オリジナルの枕草子」の実践を通して-

 刈谷市立依佐美中学校 三浦(みうら) 英生(ひでお) 

【短評】

  国語科で学習した『枕草子』を題材に、自分が感じる四季の美しさを、絵画作品「オリジナルの枕草子」として表現させることを通して、豊かな造形的視点や表現の構想力を育成する、中学校3年生の美術科における研究である。日本の伝統文様を調べさせたり、交流によって他者のさまざまな感性に触れさせたりするなど、造形的な視点を豊かにするための取組の工夫が優れている。また、より美しい表現を求めて構想を練ることができるよう、生徒同士で制作の見通しについて伝え合う活動に取り組ませるなど、対話的な学習によって効果的に資質・能力を育成している点も評価できる。

共同研究の部

該当論文なし

問合せ

愛知県 教育委員会事務局 総務課
総務グループ
担当:幸島、太田
電話:052-954-6757
内線:3822、3811
E-mail: kyoiku-somu@pref.aichi.lg.jp