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愛知県農業総合試験場の研究員が平成19年度日本育種学会賞の受賞を知事に報告します
平成20年4月15日(火曜日)発表
愛知県農業総合試験場の研究員が平成19年度日本育種学会賞の受賞を知事に報告します
~農業総合試験場が日本育種学会賞を受賞するのは33年ぶりの快挙~
農業総合試験場作物研究部と(独)農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センターの研究員のグループが、「イネ縞葉枯病※1・穂いもち※2抵抗性に関するDNAマーカー※3選抜育種の体系化」に関する研究で、平成20年3月28日に平成19年度日本育種学会賞を受賞しました。
日本育種学会賞を農業総合試験場が受賞したのは33年ぶりとなりますので、下記のとおり受賞を知事に報告します。1 報告日時及び場所
(1)日時
(2)場所
2 受賞の概要
(1)受賞業績
イネ縞葉枯病・穂いもち抵抗性に関するDNAマーカー選抜育種の体系化
(2)受賞対象グループ及び構成員
愛知県農業総合試験場・北海道農業研究センターイネ病害抵抗性育種グループ
構成員:8名(愛知県農業総合試験場関係者5名、(独)農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター関係者3名)
愛知県農業総合試験場関係者
藤井 潔(作物研究部作物グループ 主任研究員、代表者)
杉浦 直樹(現企画普及部広域指導グループ 主任専門員)
辻 孝子(作物研究部作物グループ 主任研究員)
遠山 孝通(現豊田加茂農林水産事務所農業改良普及課 専門員)
井澤 敏彦(現農業総合試験場企画普及部 再任用職員)
(独)農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター関係者
早野由里子、斎藤 浩二、岩崎 眞人(3)受賞日及び受賞大会
平成20年3月28日(金) 日本育種学会2008年春季大会
(明治大学生田キャンパス:神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1)
(4)受賞理由
遺伝学と生物工学の手法を用いて、イネの重要な病気である縞葉枯病と穂いもちに対する抵抗性を検出できるDNAマーカーを開発しました。
また、このDNAマーカーを使って病害抵抗性の有無を検出する育種法を新たに確立し、病原菌を接種して抵抗性を検定する従来の方法に比べて、品種開発に要する期間を大幅に短縮し、抵抗性品種の効率的な育種に大きく貢献しました。
このDNAマーカーは本県のみならず、全国各地の水稲育種機関(延べ30か所)で幅広く利用され、本研究成果は日本全国に波及しています。
3 日本育種学会賞について
日本育種学会は作物の遺伝と品種改良(育種)に関する学会で、昭和26年の設立以来、育種を通して農業の発展に大きく貢献してきました。本学会賞は育種学に関する研究において学術的あるいは技術的に顕著な業績をあげた最も優れた者(グループ含む)に本学会から授与されます。
平成19年度日本育種学会賞については、愛知県農業総合試験場・北海道農業研究センターイネ病害抵抗性育種グループが技術的業績で受賞しました。日本育種学会賞を農業総合試験場が受賞したのは、水稲品種「日本晴」の育成(昭和50年3月)以来33年ぶりとなります。
なお、学術的業績で農業生物資源研究所ダイズゲノム研究チームの原田久也チーム長が受賞しております。
4 本県水稲育種への寄与
本県の主要品種である「あいちのかおりSBL(平成11年度育成)」のほか、「コシヒカリ愛知SBL(平成13年度育成)」、「愛知108号(平成19年度育成)」は、開発したDNAマーカーを用いて選抜・育成された病害抵抗性品種であり、農薬の使用を減らすことができるため、安全・安心で環境に優しい農業の実現に寄与しています。
5 問合せ先
愛知県農業総合試験場 作物研究部作物グループ 藤井 潔
住所 愛知郡長久手町大字岩作字三ヶ峯1-1
電話 0561-62-0085(内線501)(参考)
※1 縞葉枯病
ヒメトビウンカにより伝搬されるウィルス病で、発生すると葉が縞状に黄化し、新葉は細くなって巻いたまま垂れ下がって枯れ上がります。
※2 穂いもち
イネで最も恐ろしい病害「いもち病」のうち穂に感染するもので、穂が枯れて収量や品質が低下します。
※3 DNAマーカー
生物がもつDNAの塩基配列上の特定の位置に存在する個体の違いを表す目印(マーカー)のこと。問合せ
愛知県農業総合試験場
作物研究部作物グループ
担当 藤井・工藤
電話 0561-62-0085(内線501)
愛知県農林水産部農業経営課
技術・営農グループ
担当 恒川・須田
内線 3662・3663
ダイヤルイン 052-954-6410