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研究報告第45号-011
放牧経験が放牧和牛の行動配分と採食行動に及ぼす影響
著者:白羽知子 1)・清 健太郎 2)・鈴木直美 3)・伊藤友紀 3)・八代田真人 3)・大谷 滋 3)・大橋秀一 1)
摘要:放牧経験が浅い牛では、放牧時に採食量の低下と体重減少が起こりやすいと言われている。これは、採食などの行動時間を適切に配分できない事、フィーディングステーション(FS:食草行動時に前肢を動かす事なく食草できる範囲)の選択や、バイト(草を噛みちぎる摂取行動)などの採食行動が未発達な事が原因と考えられる。本研究では放牧経験牛群と未経験牛群を7月(1期)と9月(2期)に約20日間放牧し、放牧経験が食草量、行動配分および採食行動に及ぼす影響を調査した。
体重当たりの採食量は、経験牛群が未経験牛群と比べて多い傾向にあり(P=0.07)、また、未経験牛群の1期は有意に低かった(P=0.02)。体重変化量は経験牛群の2期目を除きいずれも減少したが、有意差はなかった。1日の反芻総持続時間は、経験牛群が有意に長かった(P=0.03)。FS滞在時間は経験牛群が未経験牛群と比べて有意に短く(P=0.04)、1分当たりのバイト数は経験牛群で有意に多かった(P=0.02)。以上の事から、牛は放牧経験によりFSを次々と変え、1分当たりのバイト数を高める事で採食効率を高め、採食量を増やす事が示唆された。
キーワード:放牧経験、行動配分、採食行動、フィーディングステーション
本研究の一部は、東海畜産学会平成24年度秋季大会(2011年11月)において発表した。
本研究は、岐阜大学応用生物科学部との共同研究課題「アニマルウェルフェアにつながる和牛放牧技術の確立」(2010年から2012年)により実施した。
1)畜産研究部 2)畜産研究部(現畜産課) 3)岐阜大学応用生物科学部
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