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令和6年度外部評価結果

ページID:0562414 掲載日:2025年2月18日更新 印刷ページ表示

令和6年度愛知県農業総合試験場外部評価会議の開催状況

1 日時

  令和6年10月25日(金曜日)午後2時から午後5時まで

2 場所

  愛知県農業総合試験場 中央研究棟 第1会議室・研修ホール

3 評価委員(敬称略)

令和6年度愛知県農業総合試験場外部評価委員
所属・職名 氏名
名古屋大学大学院生命農学研究科 教授 浅川 晋(座長)
株式会社CBCテレビ 報道・情報制作局 専任部長 伊藤 博康
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 基盤技術研究所 副所長 井上 孝司
愛知消費者協会 会長 吉田 典子

4 評価方法

  「愛知県農林水産業の試験研究基本計画2025」に基づき実施した試験研究(研究課題)に関して、評価委員の合議により、研究テーマの設定、研究の取組状況、今後の計画の観点から、A(優れている)、B(やや優れている)、C(やや劣る)、D(劣る)の4段階で評価した。

5 報告

  会議座長の浅川 晋氏から次のとおり評価結果票が提出されました。

令和6年度農業総合試験場外部評価結果票

評価結果の総括

 担い手の減少と高齢化、人手不足が進む中、農業経営の革新と産地強化、環境保全を図りつつ、安全・安心・良質な農畜産物を安定供給するという使命に応えるため、日々地道な努力と工夫を重ね試験研究・技術開発に取り組まれていることに深い敬意を表します。従来からの多収・高品質化、高収益・省力化に加え、スマート化、気候変動への対応、持続的農業の推進、ブランド力の強化、国が策定した「みどりの食料システム戦略」への対応と、試験研究には多種多様な課題へ対処することが求められています。さらに、人件費の上昇とともに、肥料・飼料・燃料などの生産資材費の高騰により、それらの多くを輸入に依存する国内農業はより難しい対応を迫られています。加えて、不安定な国際情勢の拡大は続いており、食料安全保障の観点から国内生産による食料の安定供給は今後一層重要性を増すと思われます。このような複雑かつ困難な状況下、今回の評価対象課題は、それぞれのニーズと背景に対し適切な目標と計画を策定して試験研究を実施し、着実に成果を上げていると評価できます。

 新技術の実装化・普及には生産者・消費者等のニーズとのマッチング、効果的な普及方法や広報・啓発活動の検討も重要であり、以前にも増して高度化・複雑化した問題に対応すべき試験研究課題が多くなっています。農業技術開発は長期にわたる地道な研究活動を基礎として成り立つものであり、それらを支える基盤的な試験研究予算の継続的な手当と、専門性に配慮した人材養成・配置が極めて重要であると考えます。

(研究テーマ) カーネーションはLED照射で開花促進 多収・計画生産で利益向上

研究テーマの設定について

 農業用LEDを用い品質低下を防ぎつつ開花を促進する技術を開発する課題であり、早期安定出荷による年内のカーネーション生産の増収に着実につながり、実現可能性が高い良いテーマ設定と評価します。

研究の取り組み状況について

 過去の知見に基づき、赤色波長を含み、遠赤色波長のない農業用LEDを選定し、照射の方法、光量、時間帯、加温温度が到花日数、収穫本数、茎の硬さ、輪数等へ及ぼす影響の検討を行い、順調に研究を進めていると評価します。

今後の計画について

 到花日数や収穫本数等の目標値の明確な設定とともに、品質向上や差別化の視点も必要であり、消費者による生産コストの理解にもつながると思います。普及のネックとなると思われる初期投資費用の低減に向けた照射方法等の検討に期待しています。

評価:B(A~Dの4段階評価)​

 

(研究テーマ) 快適性に配慮した肉用名古屋コーチン飼育技術の開発

研究テーマの設定について

 近年重要視されているアニマルウエルフェアに配慮した肉用名古屋コーチンの飼育技術の開発を目指す課題であり、消費者にもアピールしうる、時機を得た意義深いテーマ設定と評価します。

研究の取り組み状況について

 アニマルウエルフェアで守るべき項目に従い、雌雄別飼、暗期導入、明期の照度等を検討しており、計画に従い順調に研究を進めていると評価します。

今後の計画について

 飼養技術開発とともに、アニマルウエルフェアの認知度を高める取り組みを合わせて行い、快適性に配慮して生産された名古屋コーチン肉の付加価値を高めるマーケティングやブランド化の検討も必要かと思います。

評価:A(A~Dの4段階評価)

 

(研究テーマ) 実需者の要望に対応した小麦の安定生産技術の開発

研究テーマの設定について

 ゆめあかりの収量とタンパク質含量向上のための施肥法開発の課題であり、パン・中華麺用国産小麦の安定生産と需要拡大につながる重要なテーマ設定と評価します。

研究の取り組み状況について

 場内試験により、茎立期の生育量に基づいて最適な施肥量の暫定値を設定済みであり、順調に研究を進めていると評価します。

今後の計画について

 現地での実証と簡便で生産者が使いやすい生育状況把握法の開発に期待します。タンパク質含量の確保には基肥も含めた施肥量の検討や有機物施用による土作りも将来必要になるかと思いました。また、愛知県産のパン用小麦の消費者へのアピールも農家の生産意欲向上には有用と思います。

評価:A(A~Dの4段階評価)

 

(研究テーマ) 産肉性に優れたデュロック種系統豚の開発

研究テーマの設定について

 三元肉豚の種豚のデュロック種の産肉性に優れる新たな系統を開発する課題であり、近交が進んでいる現状下、生産者支援、付加価値の向上、消費者への安定供給につながる喫緊かつ重要なテーマ設定と評価します。

研究の取り組み状況について

 豚熱による全頭処分の危機を国内初の保存受精卵からの育種集団再生により乗り切り、世代選抜を着実に行っており、順調に研究を進めていると評価します。

今後の計画について

 新たな系統が予定通り開発・普及され、県産ブランド肉が安定供給されることを期待しています。また、おいしさの観点からの付加価値の検討も普及を加速するためには有用かと思いました。

評価:A(A~Dの4段階評価)

 

問合せ先

愛知県農業総合試験場
研究戦略部 企画調整室
電話: 0561-41-8963(ダイアルイン)
E-mail: nososi@pref.aichi.lg.jp