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障害者総合支援法について
障害者総合支援法の概要
(1) 基本理念
法に基づく日常生活・社会生活の支援が、共生社会を実現するため、社会参加の機会の確保及び地域社会における共生、社会的障壁の除去に資するよう、総合的かつ計画的に行われることを法律の基本理念に新たに掲げる。
(2) 障害者の範囲
「制度の谷間」を埋めるべく、障害者の範囲に難病等を加える。(児童福祉法における障害児の範囲も同様に対応)
難病等の対象疾患について
- 対象疾患一覧 [PDFファイル/196KB]
対象疾患の一覧です。
(3) 障害者に対する支援
- 重度訪問介護の対象拡大(「重度の肢体不自由者等であって常時介護を要する障害者として厚生労働省令で定めるもの」とする)
- 共同生活介護(ケアホーム)の共同生活援助(グループホーム)への一元化
- 地域生活支援事業の追加(障害者に対する理解を深めるための研修や啓発を行う事業、手話通訳者等を養成する事業等)
(4) サービス基盤の計画的整備
- 基本指針・障害福祉計画について、定期的な検証と見直しを法定化
- 市町村は障害福祉計画を作成するに当たって、障害者等のニーズ把握等を行うことを努力義務化
- 自立支援協議会の名称について、地域の実情に応じて定められるよう弾力化するとともに、当事者や家族の参画を明確化
(5) 検討規定
(障害者施策を段階的に講じるため、法の施行後3年を目途として、以下について検討)
- 常時介護を要する者に対する支援、移動の支援、就労の支援その他の障害福祉サービスの在り方
- 障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方
- 意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方
※上記の検討に当たっては、障害者やその家族その他の関係者の意見を反映させる措置を講ずる
施行日
1 障害者の福祉サービスは?
障害者の福祉サービスの内容は、自立支援給付と地域生活支援事業に二分され、各事業の詳しい事業名は次のとおりです。
なお、自立支援給付のうち、「介護給付」と「訓練等給付」を合わせて、「障害福祉サービス」と呼びます。
自立支援給付と地域生活支援事業について
2 障害福祉サービスの利用申請・支給決定は?
障害福祉サービスの利用を希望する場合、市町村では、その福祉サービスの必要性を総合的に判定し、支給決定を行います。
なお、難病等の方(130疾病が対象です。)も新たに障害福祉サービスを利用できるようになりました。
1.利用者は、市町村に対しサービスの利用申請をします。
2.市町村は、利用者の心身の状況を判定します。
利用者の心身の状況を、「障害程度区分」と呼びます。(「障害程度区分」については、平成26年4月から、利用者に必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示す「障害支援区分」に改められます。)
障害程度区分は、障害者手帳の等級とは異なり、福祉サービスの利用申請があってから106項目のアセスメント(影響評価)を行い、判定します。
福祉サービスのうち、介護給付に該当する事業を申請した場合は、医師意見書をもとに二次判定を行い、障害程度区分1~6の認定を行います。
3.市町村は、利用者の社会活動能力や介護者の有無、居住状況等を調査します。
4.市町村は、利用者からサービスの利用意向を聞き取り調査します。
5.市町村は、利用者に対し支給決定を行います。
福祉サービスのうち、訓練等給付に該当する事業を申請した場合は、暫定的な支給決定になります。決定後、一定期間サービスを利用し、利用者の利用意向やサービスが適切かどうかを確認し、本支給決定が行われます。
6.市町村は、利用者に対し障害福祉サービス受給者証を交付します。
3 障害福祉サービスの利用方法は?
障害福祉サービスを利用する場合、サービス利用計画に基づいてサービス事業者(指定事業者又は指定施設)と契約を締結し、サービスの提供を受けます。
1.利用者は、サービス利用計画を作成します。
利用者は、相談支援事業所に依頼して障害福祉サービスの種類、利用時間、内容などを記載したサービス利用計画を作成します。なお、作成依頼に要する費用の負担はありません。
2.利用者は、サービス事業者と契約を締結し、サービスを利用します。
利用者はサービス利用計画に基づき、サービス事業者を選択し、契約を締結してサービスの提供を受けます。サービスを利用した場合、サービス事業者には利用者負担金と実費負担金を支払います。
相談支援の種類
ア 計画相談支援・障害児相談支援
イ 地域移行支援
ウ 地域定着支援
4 福祉サービスを利用するには、負担金が必要だと聞きましたが?
福祉サービスを利用する方にも、福祉サービスの利用量と所得に応じて、サービスの利用に係る費用の一部を利用者本人に負担していただくことになります。
1.障害福祉サービスは、所得に応じ負担上限額が設けられています。
障害福祉サービスの利用者負担の額は、所得に応じて1か月あたりの上限が設けられています。
なお、食費や光熱水費は、利用者負担とは別に、実費負担となります。
平成22年4月からは、市町村民税非課税世帯の利用負担は無料となりました。
さらに、市町村民税課税の世帯の方は、課税の状況により、利用負担が軽減される場合もあります。
実際の利用者負担の額については、お住まいの市区町村にお尋ねください。
区分 | 世帯(※)の収入状況 | 負担上限額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般 | 市町村民税課税世帯 | 37,200円 |
※「世帯」の範囲は、18歳以上の障害者は、本人とその配偶者、障害児(施設に入所する18、19歳を含む)は、保護者の属する住民基本台帳での世帯となります。
2.医療費も負担額の上限が設けられています。
低所得世帯の方だけでなく、一定の負担能力はあっても、継続的に相当額の医療費負担が生じる人々(高額治療継続者)にもひと月当たりの負担に上限額を設定するなどの負担軽減策を講じています。
なお、入院時の食事代(食事療養費)については、全額自己負担となります。
5 障害福祉サービスの具体的な内容が分かりません。
障害福祉サービスの詳細は、訪問系サービスと日中活動系サービス、居住系サービスがあります。
入所施設のサービスを昼のサービス(日中活動系サービス)と夜のサービス(居住系サービス)を組み合わせて選択します。
日中活動系サービスは、地域生活に移行した後でも利用することができます。
給付の種類 | サービス名 | 対象 | 内容 |
---|---|---|---|
介護給付 | 居宅介護 (ホームヘルプ) |
障害者 | 自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。 |
重度訪問介護 | 重度身体障害者 | 常に介護を必要とする重度の肢体不自由の方や、行動上著しい困難を有する知的障害又は精神障害のある方に、自宅で、食事などの身体介護や調理などの家事援助、外出時の移動支援などを行います。 | |
行動援護 | 知的障害者 | 自傷、徘徊などの危険を回避するために必要な援護や外出時の移動支援を行います。 | |
精神障害者 | |||
同行援護 | 視覚障害者 | 視覚障害により、移動が困難な方に移動に必要な情報の提供や、移動の援護を行います。 | |
重度障害者等包括支援 | 重度障害者 | 極めて重度の障害のある方に居宅介護等複数のサービスを包括的に提供します。 |
給付の種類 | サービス名 | 対象 | 内容 |
---|---|---|---|
介護給付 | 療養介護 | 障害者 | 医療と常時の介護が必要な方に、医療機関において機能訓練、療養上の管理・看護や介護を行います。 |
生活介護 | 障害者 | 常時介護を必要とする方に、入浴、排せつ、食事等の介護を行うとともに、創作的活動や生産活動の機会を提供します。 | |
短期入所 (ショートステイ) |
障害者 | 在宅の障害者を介護する方が病気の場合などに、障害者が施設に短期間入所し、入浴、排せつ、食事等の介護を行います。 | |
訓練等給付 | 自立訓練 (機能訓練) |
身体障害者 | 一定期間、身体機能の向上に必要な訓練を行います。 |
自立訓練 (生活訓練) |
知的障害者 | 一定期間、生活能力の向上に必要な訓練を行います。 | |
精神障害者 | |||
就労移行支援 | 障害者 | 一般企業等への就労を希望する65歳未満の方に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。 | |
訓練等給付 | 就労継続支援(A型) | 障害者 | 一般企業等での就労が困難な65歳未満の方に、雇用契約に基づく就労の機会を提供するとともに、一般就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。 |
就労継続支援(B型) | 障害者 | 一般企業等での就労が困難な方に、働く場を提供するとともに、就労への移行に向けた知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。 |
給付の種類 | サービス名 | 対象 | 内容 |
---|---|---|---|
介護給付 | 施設入所支援 | 障害者 | 夜間に介護を必要とする方に、入所施設で、入浴、排せつ、食事等の介護を行うとともに、居住の場を提供します。(18歳未満の方は児童福祉法に基づく施設給付の対象となります。) |
訓練等給付 | 共同生活援助 (グループホーム) |
障害者 | 就労している方及び「就労移行支援」等の日中活動を利用している方で、介護を必要としない方に、共同生活住居で、食事の提供や日常生活上の援助を行います。 |