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新海苔の季節になりました!
平成24年12月2日(日)、愛知県の海苔の「初共販」が行われました。
愛知県は、全国でも有数の、おいしい海苔の産地です。
秋になると、伊勢湾・三河湾の沿岸には海苔養殖の竹が広がる光景が見られます。
こうして打った竹柵や、沖合に浮かべた「浮き流し柵」に、種つけした網を張り込んで、海苔が育てられます。
海苔養殖は、概ね4月過ぎまで行われます。
海苔の種付けは9月下旬から10月上旬にかけて行われ、水温が低くなる11月頃になると、色よく育った海苔の摘み取りが始まります。
海苔の品質は、海に出しているときの育て方で大きく違ってきます。海苔網は海に張りっぱなしではなくて、海の状況や天候、風などに応じて、こまめに管理してやらなければならないのです。
だから養殖業者の皆さんは、朝も暗いうちから寒い海に入って、良い海苔を作るために一生懸命作業をしています。
おいしい海苔は、それだけ人の手がたくさんかかっているのです。
また、その時の海の水温や栄養の状況でも大きく違ってきます。栄養が豊かで、水温が低いと、良い海苔に育つのです。
今年は、10月までは水温は高く推移しましたが、11月に入ってからぐんと下がりました。
寒い日が続きますが、海苔を育てている漁業者の方にとっては、寒いほど嬉しい冬なのです。
摘み取って乾燥させて製品になった海苔は、沿岸各地の漁協ごとに集められ、半田市にある愛知県漁業協同組合連合会の「海苔流通センター」に集められます。
このセンターに、日本各地から海苔の問屋さんが集まり、各地の海苔の出来具合をチェックして、入札をします。
これが海苔の「共販」です。今年の初共販は12月2日に行われました。
何百と並んだ段ボール箱に入っているのは全て見本の海苔です。一つ一つの箱が、全て違う種類の海苔なんです。
いい海苔を求めて、品質を見比べる問屋さんたちの表情は真剣そのものです。
今年の愛知県の初共販では、1,777万枚の海苔が入札にかけられました。昨年に比べ、40%も多い量でした。寒い今年の冬は、海苔の当たり年になりそうです。
愛知県の海苔養殖は、約160年も前の江戸時代から始まりました。そして、長い歴史の中で培われた養殖技術と、伊勢湾・三河湾の豊かな栄養を背景に、高い品質を誇っています。
今年の2月には、「愛知の四季のさかな」の「冬」にも選ばれました。
新海苔の味は、また格別です。愛知県の海で、愛知県の漁業者が一生懸命育てた新海苔を、ぜひご賞味ください。