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アイチエイズインフォメーション(性感染症)

ページID:0514561 掲載日:2024年3月28日更新 印刷ページ表示
3 すべての人に健康と福祉を

性感染症の現状

 

 性感染症はいま、若い人たちを中心に流行しています。最近流行している性感染症の特徴、それは「症状が現れにくい」 ということです。以前の日本で流行していた性病は、感染するとはっきりとした症状が現れることが多く(もちろん例外もありますよ)、感染したことが本人に比較的早くわかったのですが、最近の性感染症は感染した本人でさえ気づかないことがあるのです。
 症状が現れないからといって、放置しておいてよいわけではありません。例えば性器クラミジア感染症の場合、感染したまま放置していると、最悪の場合は不妊になることさえあります。
 また、感染に気づかないということは、知らない間に他人にうつしてしまう可能性がある、ということです。実際、最近の性感染症の増加は、この無症状性が背景にあると考えられています。
 コンドームを使用しない性行為は、性感染症に感染する可能性があります。逆にいうと、コンドームを使用していれば、多くの場合で性感染症にかからないようにすることができるのです。
 性感染症に限らず、病気は早期発見早期治療が大切です。感染したかもしれない方、早めに病院に行きましょう。

 

いろいろな性感染症

知りたい性感染症等のタブをクリックしてください。

性器クラミジア感染症

淋病

梅毒

性器ヘルペスウイルス感染症

尖形コンジローマ

エイズ(後天性免疫不全症候群)

予防
もしかと思ったら

 

 性器クラミジア感染症​

どうやってうつるの?

オーラルセックスを含む性行為によってうつります。感染する場所は膣、尿道、咽頭、直腸等です。最近は、咽頭から病原体が見つかることが増えてきています。

どんな症状が出るの?

 男女とも症状が出ないことがあります。特に、咽頭や直腸に感染した場合は症状がほとんど現れません。

 <男性の場合>
 潜伏期は1~3週間です。ペニスから異常な分泌液があります。この分泌液は最初薄く、次第に濃くクリーム状になります。また、頻尿になり、排尿痛があります。

 <女性の場合>
 ほとんど症状はありません。おりものが少し増えるとか、軽い生理痛のような痛みが出る程度です。

放置するとどうなるの?

 男女とも不妊症になることがあります。

 <男性の場合>
 クラミジアが精管に炎症を起こし、精管が詰まって不妊の原因となります。

 <女性の場合>
 骨盤内に感染が広がって卵管炎となり、卵管が詰まって不妊の原因となります。

診断や治療はどうやるの?

 尿道分泌物検査をして、診断をします。治療には抗生物質が有効ですが、クラミジアは一度治っても何度でも感染するので注意が必要です。また、パートナーと一緒に治療する必要があります。

 

淋病

どうやってうつるの?​

オーラルセックスを含む性行為によって感染します。また、感染しているお母さんから赤ちゃんに出産の時にうつることもあります。クラミジアと同様、咽頭から見つかることが増えてきています。

どんな症状が出るの?

潜伏期間は3日から3週間です。ただし、感染しても症状が出るとは限りません。特に、咽頭や直腸に感染した場合は症状がほとんど現れません。

<男性の場合>
 ペニスから白色の分泌物が出ます。この分泌物は時間の経過と共に濃いクリーム状になります。排尿時に熱感や痛みがあります。

<女性の場合>
 膣からの分泌物が増えます。排尿時に熱感や痛みがあります。月経の異常や腹痛が起こることがあります。しかし、女性は一般に症状が軽く、本人が気づかないこともあります。

放置するとどうなるの?

<男性の場合>
 最初はペニスが痛くなり、次に足の付け根に痛みが広がります。精子の経路が詰まって不妊となります。関節や心臓に病気が起こることもあります。

<女性の場合>
 卵管、卵巣、骨盤内に広がり、骨盤内感染症を起こします。

<赤ちゃんの場合>
 結膜炎を起こし、失明することがあります。

診断や治療はどうやるの?

感染部位からの分泌物の検査によって診断します。治療には抗生物質が使われますが、完治させるためには医師の指示に従って継続的に受診することが必要です。

 

梅毒

どうやってうつるの?

 オーラルセックスを含む性行為によって感染します。キスでうつることもあります。また、皮膚に傷があるとそこからうつることもあります。感染しているお母さんから出産時に赤ちゃんにうつることもあります(先天梅毒といいます)。

どんな症状が出るの?

 第1期(性的接触後1~12週)
 赤みを帯びた腫れ物(「硬性下かん」といいます)が病原体の侵入した体の部分に現れます。この腫れ物は性器に出ることがふつうですが、時には口や肛門にも認められます。この状態が1~5週間続きますが、痛みはありません。

 第2期(性的接触後1~6ヶ月)
 胸や背中、手足に赤い斑点ができます。足の付け根や脇の下、首などのリンパ節が膨大します。発熱、喉頭痛、全身不快、倦怠感などが見られます。やがてこれらの症状は消えますが、後で赤い斑点や痛みが再発することもあります。

 第3期(性的接触後3年)
 皮膚や内臓にゴム腫と呼ばれる病気が起こります。関節炎が起こり、手足の感覚が喪失します。心臓や血管、脳、脊髄が侵され、身体各部の機能不全や痛みが起こります。

放置するとどうなるの?

心臓や血管が侵されて心不全を起こし、死に至ります。脳や脊髄が侵され、麻痺や精神錯乱を起こして死亡します。先天梅毒では、赤ちゃんが死亡したり奇形になったりすることがあります。

診断や治療はどうやるの?

血液検査や患部からとった膿の検査を行います。治療には抗生物質を用います。完治を確かめるため、医師の指示に従ってその後も受診することが必要です。

愛知県内の梅毒の感染状況は「梅毒が流行しています!」から確認できます

性器ヘルペスウイルス感染症

どうやってうつるの?

 オーラルセックスを含む性行為でうつります。まれに手の接触でも感染しますので、コンドームを使用していてもうつることがあります。

どんな症状が出るの?

 潜伏期間は2~20日で、感染した場所に水疱を伴った潰瘍ができます。初めて感染したときは性器やその周辺の痛みやかゆみが2~3週間続きますが、自覚症状のない場合もあります。発熱し、風邪のような症状が出ます。排尿時に熱感があることがあります。

後遺症は?

 ヘルペスは体の免疫が低下した時やストレスがかかった時に発生することがあります。女性のヘルペスウイルス感染者は子宮頸癌になる危険性が高くなると言われています。また、ヘルペスウイルスに感染したお母さんから生まれた赤ちゃんは脳炎で死亡する危険があります。また流産や未熟児分娩の危険性も増大します。

診断や治療はどうやるの?

患部から検体を取って検査します。治療にはアシクロビルという抗ウイルス薬が使われます。

注意すること

性器ヘルペスに感染した女性は、毎年一回、子宮癌検診を受けましょう。妊娠したら、性器ヘルペスに感染していることを医師に告げ、医師の指示に従いましょう。

 

尖形コンジローマ

どうやってうつるの?

性行為によって感染します。コンドームを使用しても感染することがあります。

どんな症状が出るの?

潜伏期間は数週間から2~3ヶ月です。性器周辺や肛門周囲などにイボ状の先の尖った小さい腫瘍が多発します。ただし感染してもイボができないこともあります。

治療はどうやるの?

大きくなると外科的な切除が必要になります。再発しやすいのが特徴で、時には癌に移行することもあります。

 

トリコモナス症

どうやってうつるの?

性行為によって感染します。また、タオルや下着、シーツを介して感染することもありますので、コンドームを使用していても感染を完全に防ぐことはできません。

どんな症状が出るの?

<男性>
 排尿時の痛みや頻尿ぐらいです。ただし、前立腺炎になることもあります。
<女性>
 黄色から灰色の泡のようなおりものが大量に出ます。悪臭もします。かゆみや痛みもあります。

放置するとどうなるの

妊婦の場合、早産や低体重児の危険があります。

治療はどうするの?

抗トリコモナス剤を飲んだり、薬を膣内に入れたりします。

注意すること

妊娠中は特に医師の指示を守りましょう。

 

エイズ(後天性免疫不全症候群)

どうやってうつるの?

性行為でうつります。オーラルセックスでうつったという確実な例はありませんが、絶対に感染しないとは言い切れないので、コンドームを使用したほうが安全です。

どんな症状が出るの?

感染すると次のような経過をたどります。


1 感染初期
 感染後1~2ヶ月たったころに、風邪に似たような症状が現れます。ただしこの症状は感染した人すべてに現れるわけではなく、症状が出る人は半数程度です。症状は、熱が出たり、リンパ節が腫れたり、頭痛がしたり、筋肉や関節の痛みが出たり、というようなものです。この症状はだいたい2週間くらい続き、その後はまったく症状のない期間が8年から10年ほど続きます。


2 エイズ関連症候群
 長い無症状期のあと、エイズ関連症候群と呼ばれるさまざまな症状が現れます。具体的には、リンパ節の腫れ、繰り返す発熱、寝汗、急激な体重減少、食欲不振などです。ただしこれらの症状が出たからといってエイズとは限りません。


3 エイズ発症期
 エイズ関連症候群は、体の免疫力が低下しているために現れる症状です。この免疫低下がさらに進むと、いわゆるエイズを発症します。体が健康であれば心配のないようなウイルスや細菌、カビなどの病原体により病気が起こるようになります。カリニ肺炎やカポジ肉腫が有名です。

診断や治療はどうするの?

診断は血液検査で行います。感染の可能性のある日から3ヶ月以上たってから、検査を受けましょう。
 現在のところ、エイズを完全に治療する方法はありませんが、複数の薬を併用する治療法により、健康な人と変わらない状態で日常生活を送れるようになってきています。

予防するには

 感染予防にはコンドームが有効です。ただし、正しく使わないと効果がありません。オーラルセックスのときにもコンドームを使いましょう。


<コンドームの取扱い>
1 保存方法、携帯方法に注意しましょう。財布に入れていると破損することがあります。持ち歩くなら専用のハードケースがいいでしょう。市販品でケース入りのものもあります。
2 最初から最後まできちんとつけましょう。精液の前に出る分泌液の中にも精液がわずかに含まれていますので、途中からつけても避妊・感染予防とも効果がありません。
3 コンドームの表と裏を間違えないように。間違ってつけてしまったときは、思い切って捨てて新しいものを使いましょう(間違えてつけたときに精液がコンドームに付着していると、妊娠・性感染症の感染の可能性があります)。


<コンドームの正しい使い方>
1 コンドームを傷つけないように取り出します。コンドームを端に寄せてから袋を開けるとよいでしょう。このとき、袋の切れ端は完全に切り離しましょう。
2 先端の精液だまりを軽くつまみ、爪をたてずに空気を抜きます。
3 ペニスの皮を根元まで寄せてから、コンドームを巻きおろします。
4 根元に余った皮をペニスの先のほうへたぐり上げ、さらにコンドームを巻きおろします。
 これで装着完了です。射精後はペニスが小さくなる前にコンドームを押さえながら抜き取り、ティッシュなどに包んで捨てましょう。使用済みコンドームは生ごみになります。

 

もしかして…と思ったら

 性感染症にかかったかもしれない、そんなときは泌尿器科か性病科、皮膚科、産婦人科にかかりましょう。「そんなの恥ずかしい」という気持ちはわかりますが、放置していても治らないどころか、どんどん悪化する可能性があります。「症状が出ていないから大丈夫」と考える人もいますが、症状の現れない性感染症もあります。感染の可能性のあるような行為があったときは、早めに医療機関に行きましょう。
 愛知県エイズ情報センターでは、エイズをはじめとする性感染症について相談を受け付けています(平日の午前9時から午後5時まで)。性感染症の相談は保健所でも受け付けています。
 また、愛知県の保健所では、エイズの抗体検査を無料匿名で行っています。検査を行っている曜日や時間は保健所によって異なりますので、次のWebサイトをご覧下さい。

 

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