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研究報告第47号-研究ノート003
農業用排水路におけるトウカイコガタスジシマドジョウの生息環境
著者:河村年広1)・鈴木正二2)・宇佐美公規3)・小室正人4)・河合成昭5)・渡部勉5)・横井久善1)
摘要:トウカイコガタスジシマドジョウの生息状況と環境条件を愛知県刈谷市の幹線(従来工法、多自然型工法)および支線排水路(従来工法)で調査した。幹線排水路では未成魚の個体数はわずかで、幹線排水路は主に成魚の生息場と考えられた。一方、支線排水路では未成魚が多く確認され、個体数は8月に最多となった。非かんがい期の支線排水路では、水深が3cm 以下となり、成魚と未成魚はほぼ見られなくなった。したがって、支線排水路では、かんがい期になると成魚が幹線排水路から移動し繁殖するものと推察された。
幹線排水路では、水路断面や勾配が異なる複数工法の配置により、年間を通して水深9~92 cm、流速0.01~0.64 m/s 、堆砂0~18 cm の環境が形成されていた。このような条件のうち、幹線排水路での本種の生息地点の特徴は、50~90 cm の水深、0.2 m/s 以下の比較的緩やかな流速であった。
キーワード:トウカイコガタスジシマドジョウ、絶滅危惧種、環境配慮、生息環境、農業用排水路
1)環境基盤研究部 2)環境基盤研究部(現海部農林水産事務所) 3)環境基盤研究部(現西三河農林水産事務所) 4)環境基盤研究部(現豊田加茂農林水産事務所) 5)環境基盤研究部(現東三河農林水産事務所)
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