本文
外来種(移入種)とは
自然界には、動物、菌類、植物など多くの生物が存在し、周囲の環境も含めて複雑に関係し合って生きています。このように、ある場所にいる全ての生物と周囲の環境(大気、水、土壌など)すべてを一体とみなしたものを生態系と呼んでいます。途方もなく長い時間をかけて、場所ごとにその場所ならではの生態系が形成されることで、地球上に多様な生態系が存在しています。
しかし、社会や技術が進展し、人やモノの移動がグローバル化するのに伴って、ペットや食料などとして持ち込まれた生物が野生化する、貨物に紛れて意図せず生物が運ばれるなど、自然下では起こりえなかったような生物自身の移動能力を超えた移動が起きるようになりました。このように、意図的・非意図的を問わず、人間の活動に伴って本来の生息・生育地以外に持ち込まれた生物を「外来種(移入種)」と呼んでいます。
また、海外からだけでなく、国内の他地域から持ち込まれた生物も外来種です。これらは海外由来のものと区別する意味で「国内外来種」と呼ばれることもあります。
しかし、社会や技術が進展し、人やモノの移動がグローバル化するのに伴って、ペットや食料などとして持ち込まれた生物が野生化する、貨物に紛れて意図せず生物が運ばれるなど、自然下では起こりえなかったような生物自身の移動能力を超えた移動が起きるようになりました。このように、意図的・非意図的を問わず、人間の活動に伴って本来の生息・生育地以外に持ち込まれた生物を「外来種(移入種)」と呼んでいます。
また、海外からだけでなく、国内の他地域から持ち込まれた生物も外来種です。これらは海外由来のものと区別する意味で「国内外来種」と呼ばれることもあります。
侵略的外来種とは
セイヨウタンポポにオオイヌノフグリ、ドバトにオカダンゴムシ、チャコウラナメクジなど、身近なところにも多くの外来種が定着しています。また、農作物やペットなど、我々の生活に欠かせないものも多くあります。
しかしながら、外来種はその場所の生態系の外から持ち込まれた生物であるため、他の生物との関係性が構築されていません。そのため、侵入先では捕食者や寄生者がいなかったり、近縁の在来種(昔からその地域に生息・生育している生物種のこと)と比べて繁殖力が非常に大きかったりすることで、一部の外来種は野外に放たれると爆発的に増加し、生態系のバランスを崩してしまいます。このような、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのある外来種を、特に侵略的外来種と呼んでいます。
また、外来種の中には、爆発的に増加することで農林水産業や人間生活に被害を及ぼすものもいます。
導入先で侵略的外来種となる生物も、本来の生息・生育地では他の生物と共存して“普通の生きもの”として生きていますので、必ずしもそれ自体が恐ろしいものというわけではありません。人間により他の場所へ持ち込まれることで、“侵略的”と呼ばれるような状況が発生してしまうのです。
しかしながら、外来種はその場所の生態系の外から持ち込まれた生物であるため、他の生物との関係性が構築されていません。そのため、侵入先では捕食者や寄生者がいなかったり、近縁の在来種(昔からその地域に生息・生育している生物種のこと)と比べて繁殖力が非常に大きかったりすることで、一部の外来種は野外に放たれると爆発的に増加し、生態系のバランスを崩してしまいます。このような、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのある外来種を、特に侵略的外来種と呼んでいます。
また、外来種の中には、爆発的に増加することで農林水産業や人間生活に被害を及ぼすものもいます。
導入先で侵略的外来種となる生物も、本来の生息・生育地では他の生物と共存して“普通の生きもの”として生きていますので、必ずしもそれ自体が恐ろしいものというわけではありません。人間により他の場所へ持ち込まれることで、“侵略的”と呼ばれるような状況が発生してしまうのです。
侵略的外来種による影響
侵略的外来種によりもたらされる悪影響としては、主に以下のものが知られています。
生態系への悪影響
・在来種を捕食し尽くす
・餌や生活空間などの資源をめぐって在来種と競合し、その生息・生育を圧迫する
・近縁の在来種の繁殖機会を奪う(繁殖干渉)
・近縁の在来種と交雑し、純粋な系統を減らす
例えば、日本の淡水域にはもともと活発に遊泳する魚食性の魚はいなかったため、在来魚はそのような魚から身を守る術を身につけていません。そのため、オオクチバス、コクチバス、ブルーギルなどが侵入すると、在来の小魚は容易に捕食され、ひどい場合には食べ尽くされてしまいます。
また、日本の在来アリと比べ繁殖力の旺盛なアルゼンチンアリが侵入すると、在来アリを駆逐して置き換わることでそれらと共生する生物もいなくなったり、爆発的に増加することで他の小型動物への捕食圧も急上昇するなど、様々な形で悪影響が現れます。
・餌や生活空間などの資源をめぐって在来種と競合し、その生息・生育を圧迫する
・近縁の在来種の繁殖機会を奪う(繁殖干渉)
・近縁の在来種と交雑し、純粋な系統を減らす
例えば、日本の淡水域にはもともと活発に遊泳する魚食性の魚はいなかったため、在来魚はそのような魚から身を守る術を身につけていません。そのため、オオクチバス、コクチバス、ブルーギルなどが侵入すると、在来の小魚は容易に捕食され、ひどい場合には食べ尽くされてしまいます。
また、日本の在来アリと比べ繁殖力の旺盛なアルゼンチンアリが侵入すると、在来アリを駆逐して置き換わることでそれらと共生する生物もいなくなったり、爆発的に増加することで他の小型動物への捕食圧も急上昇するなど、様々な形で悪影響が現れます。
産業や生活への被害
外来種が、農林水産業をはじめとした産業や人の生活にも悪影響を及ぼすことがあります。
・農作物を食害する
・畔を破壊することで稲作に被害を及ぼす
・水路で大繁茂し、通水阻害を起こすことで稲作や畑作に被害を及ぼす
・水管に付着して通水阻害を起こす
・庭木や街路樹・公園樹木を食害して枯らす
・家屋に侵入して騒音や糞尿による衛生被害を引き起こす
・人に噛みついて怪我をさせる
・強い毒をもつ外来種が農園等で繁殖することで、生産性が下がる
産業への被害や衛生被害などは外来種に限ったものではありませんが、外来種の場合は生態系の調整機能が働かずに増殖してしまうことで被害がより顕著になることがあります。
・農作物を食害する
・畔を破壊することで稲作に被害を及ぼす
・水路で大繁茂し、通水阻害を起こすことで稲作や畑作に被害を及ぼす
・水管に付着して通水阻害を起こす
・庭木や街路樹・公園樹木を食害して枯らす
・家屋に侵入して騒音や糞尿による衛生被害を引き起こす
・人に噛みついて怪我をさせる
・強い毒をもつ外来種が農園等で繁殖することで、生産性が下がる
産業への被害や衛生被害などは外来種に限ったものではありませんが、外来種の場合は生態系の調整機能が働かずに増殖してしまうことで被害がより顕著になることがあります。
侵略的外来種に係る規制
生態系等に特に大きな悪影響を及ぼす外来種や、そのおそれのある外来種については、法律や条例により野外への放出等を規制しています。
外来種による被害を防ぐために ~被害防止三原則~
一度野外に放たれて拡散・定着してしまった外来種を根絶するのはたいへん難しく、可能だとしても莫大な費用や労力を要します。すべての外来種が問題を起こすわけではありませんが、問題が起きることを事前に防ぐために、問題を“起こしかねない”外来種を安易に野外に放つことは絶対にやめましょう。国内外来種についても同様です。
【外来種被害防止三原則】
○入れない…もともとその地域にいない生きものをむやみに入れない
○捨てない…飼っている生きものを野外に捨てない
○拡げない…野外にいる生きものを他の地域に拡げない
○入れない…もともとその地域にいない生きものをむやみに入れない
○捨てない…飼っている生きものを野外に捨てない
○拡げない…野外にいる生きものを他の地域に拡げない