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当院の特長・取組

中央病院は昭和45年の開設以来、心身に発達障害のある人を対象に 生後間もない小児期から成人に至るまで幅広く医療を展開している日本でも稀有な病院です。小児神経科、小児内科、小児外科、整形外科、麻酔科、子どものこころ科、歯科を始めとして脳神経外科や成人内科を含む常勤医師約30名および循環器科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科などの非常勤医師20名以上が障害児者医療に特化して診療にあたっています。

5つの特長

  • ・長期にわたる人工呼吸器や栄養管理などの専門的な医療的ケアに関して、多くの診療部門が総合的に診ています。
  • ・重症心身障害児者など重い障害のある方の在宅医療を支えるショートステイや人工呼吸器管理の必要な人も 含めたレスパイト(付き添い無し)入院を充実した看護体制のもとで実施しています。
  • ・食べたり、飲みこむことが難しい方を対象に、臨床経験豊富な多職種にわたる専門グループが協力して摂食 評価外来を実施しています。
  • ・先天異常症などの外科疾患を積極的に受け入れるとともに一般の小児外科疾患にも対応しています。
  • ・脳や脊髄とそれらを包む頭蓋骨・脊椎骨に関して生まれつきや小児期から成人期に発症した疾病等の診断・治療・フォローアップを実施しています。また、重症心身障害児者の痙性麻痺などの諸症状に対しても積極的に治療を行っています。
  • ・MRI装置や高精度な心臓超音波エコー、各種内視鏡をはじめとする医療機器を具備し、一般病院では対応が困難な重症心身障害児者や行動障害のある患者に対する全身麻酔下での消化管内視鏡検査などを数多く実施するなど、身体疾患に対する医療を幅広く提供しています。
  • ・障害児者に対する専門的なリハビリテーション、例えば、自閉症スペクトラム障害に対しての感覚統合訓練や乳幼児期発症の障害児者に対する温水プールを利用した訓練などを実施しています。温水プールでは、水の特性を利用し、リラクゼーションや筋力強化などを図ることができます。
  • ・染色体疾患を中心に患者や家族に遺伝学的情報を提供し、適切な意志決定ができるように遺伝カウンセリングを実施するなど、愛知県下の遺伝診療の中心的な役割を果たしています。
  • ・隣接の愛知県立春日台特別支援学校や近隣の小中学校が院内学級を設置し、長期入院の児童の学習を支援しています。
  • ・心身の発達の障害を総合的に研究する我が国で唯一の研究機関である発達障害研究所や、重度の知的障害と肢体不自由が重複している児者を、在宅の方も含めて医療・生活の両面で支援しているこばと棟と協力・連携して、幅広い面から障害児者医療を行っています。

充実した医療

当院では、専門的な知識を持った医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などの多職種による横断的で、より効果的な診療を行うためチーム医療の取り組みを推進しています。

    

NST委員会
“You are what you eat”「あなたはあなたの食べたものでできている」という言葉を知っていますか?その言葉通り、私たちの身体は私たちがそれまでに食べた(飲んだ)ものからできています。
当院では、お口から十分な栄養を摂ることが難しい方、バランスの良い食事を摂ることが苦手な方も多くいらっしゃいます。また、特殊な食事(栄養)内容が長年続いたことなどによる一部栄養素の欠乏や、知らない間に体重が大幅に増えて(減って)しまっている方もいらっしゃいます。
NSTとはNutrition Support Team(栄養サポートチーム)の略になります。具体的には栄養士・医師・歯科医師・歯科衛生士・看護師・作業療法士・薬剤師・臨床検査技師が集まっていろいろな視点から皆さんの栄養と健康のために知恵を出しあい提案しています。
慢性的な体調不良、排泄(はいせつ)や褥瘡(じょくそう)、爪や皮膚などのトラブルは栄養状態と関係しているかもしれません。栄養に関する漠然とした不安についてもぜひご相談ください。
相談窓口は各病棟各部署のNST委員、外来では毎月第3木曜に開設している「胃ろう・栄養外来」もしくは外来看護スタッフまで。

NST委員会

    

DST(嚥下サポートチーム)
(1)DST(Dysphagia Support Team)とは
DSTは整形外科医・小児神経科医・外科医・歯科医・摂食・嚥下障害看護認定看護師・病棟看護師・栄養士・歯科衛生士・作業療法士・言語聴覚士・薬剤師から構成される摂食嚥下を専門とした各職種が集まったチームです。
摂食嚥下障害に対するアプローチを行っており、多彩な職種が多角的な視点で捉え、総合的な判断が行うことができるチーム医療の強みを生かして活動しています。

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(2)摂食評価外来
摂食評価外来では、実際に食べる様子を見せていただきながら、お子さんが抱えている問題点を検討し、必要に応じて検査の追加や個別の指導・訓練をご提案させていただきます。
予約方法などは摂食評価外来のページをご参照ください。

(3)摂食評価入院
摂食評価入院では1泊2日の入院という形式で、1日目にVF検査(X線透視による嚥下検査)を行い多職種で摂食嚥下評価を行います。さらに2日目には検査結果に基づき適切な職種(言語聴覚士・作業療法士・管理栄養士・歯科衛生士など)による介入を行います。
予約方法に関しては、主治医もしくは整形外科門野医師へお問い合わせください。

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(4)対外的な研修活動
1年に1回院外の重症心身障害児者に関わる方を対象に「食べるコース」と題してDSTが研修会を計画し実施しております。毎年多くの方が参加申し込みをしていただき大変好評な研修会となっています。
申し込み方法については 病院ホームページをご覧ください。

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(5)院内研修会
DSTに所属する各職種が持ち回りで摂食嚥下に関する内容について講演をしています。
院内における摂食嚥下の基本的な知識、食事介助や窒息防止に関わること、薬剤と嚥下との関係など病院内で摂食嚥下に関わる知識を広げ啓発活動を行っています。
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褥瘡対策委員会
当院の診療においては、重症心身障がい児者が対象となることが多い為、体位変換に困難を伴うことが多く、また、呼吸不全に対するマスク・気管カニューレ管理、栄養管理のための胃瘻造設、関節変形に対する装具・ギプス治療等の必要性から、皮膚トラブルを生じやすい方が多くみえます。
そのため、当委員会では皮膚排泄ケア認定看護師を中心に、II度以上の褥瘡については回診をし、褥瘡の発生状況の把握、治療、再発防止に長年取り組んでまいりました。そして、より重要な褥瘡発生の予防に関しては、リハビリテーション科等、複数の科と連携し、院内研修を進めています。 また、これらの活動の他に、院内感染予防の観点からも、職員の手指のスキンケアの相談にも力をいれています。

褥瘡対策委員会


「このはネット」について

“障害があっても安心して住み慣れたまちで暮らしたい・・”
そんな願いを持つ方々の思いにこたえるべく、このたび愛知県医療療育総合センターにおいて「このはネット」を運用することになりました。
医療ケアの必要な障害児者の方々が、ご家庭や地域の施設において、適切な医療や介護そして療育を受けるためには、医師、看護師始め、関係する多職種の支援者の連携が欠かせません。
そこで、患者さんやご家族のみならず、在宅医療を支える医師や訪問看護師など、患者さんやご家族を支える方々のお力に少しでもなれるよう、当院が中心になって運用を始めたのが「このはネット」です。
「このはネット」で各々がつながることにより、スピーディーに医療・介護・療育に関わる情報が共用できるようになり、連携もよりスムーズになることが期待できます。
また、患者さんやご家族がご自身で「ここのーと」を合わせて利用していただくことで、プライバシー保護を厳重に図りながら、患者さんやご家族のつぶやきや日々のくらしの記録を支援者と共有することもできます。これによって、患者さんのふだんの様子が支援者に直接伝わり、よりきめ細かなサポートの提供が可能となります。
「このはネット」を使って関係者の間でやりとりされる内容は、外部に公開されることはありませんので安心してご利用いただけます。
ぜひ、ご活用ください。

「このはネット」とは

「電子@連絡帳」と「ここのーと」

「このはネット」は、医療的ケアを必要とする障害児者のプライバシー保護を厳重に図りながら、患者さんやそのご家族を中心として、行政、教育機関、医療機関、施設、薬局、訪問看護ステーションといった在宅サービス提供者を電子ネットワークで結び、その方の医療・福祉サービスの情報の一部を共有することによって、質の高い医療と療育環境を提供することを目的としています。
「このはネット」は、医療・福祉従事者を始めとする支援者が利用する「電子@連絡帳」と、患者さんやそのご家族が利用する「ここのーと」で構成されています。

電子@連絡帳【多職種間の情報共有】

「患者さんが利用されている医療機関や施設、障害福祉サービス事業所などといった支援機関間の情報伝達をスムーズに行うことができます。
「電子@連絡帳」の機能としては、①セキュリティを担保しながらマルチモダリティ(※)に対応する機能、②対象となっている患者さんに関係する支援者(医師、看護師、薬剤師、相談支援専門員、福祉サービス担当者、行政担当者など)だけがこの「電子@連絡帳」を見ることができ、かつ記載が可能となる機能、③支援者の登録、削除がどこでも誰でもできる機能、などが備わっています。
扱う情報の種類には、診療情報、検査情報、画像情報、薬剤情報のほか、介護情報、主治医意見書、訪問看護指示書及び報告書等があり、これらの情報を支援者が共有することにより、より質の高い医療と適切な福祉サービスの提供が可能となります。

ここのーと【本人や家族が中心】

生まれてから現在までの情報(生育歴や支援履歴など)を蓄積できるので、支援機関への情報伝達がスムーズにできます。
“個別サポート情報”により、支援情報を支援者へ伝達しやすい仕組みになっています。
「ここのーと」の機能としては、①日記を書く感覚で、体の状態や不安なこと、気になることなどを記録し、支援者と共有する機能(患者さんやご家族は、支援チームの「みんなにつぶやく」のか、先生を指定して「先生とのやりとり」を行うのかを簡単に選べます)、②支援者が「電子@連絡帳」で共有している情報の一部を共有する機能、などがあります。
(※マルチモダリティ…複数の異なる医療画像データを一元的に管理・閲覧できるようにすること)

このはネットの利用はこちらから→このはネットのアイコン