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院長あいさつ

愛知県医療療育総合センター中央病院 院長

愛知県医療療育総合センター中央病院
病院長 新美 教弘

 4月から中央病院の病院長を拝命しました新美でございます。この場を借りてご挨拶申しあげます。

 2019年に始まった新型コロナウイルス感染症の流行は未曾有の三年間であり、健康被害は言うに及ばず人生の計画に再考を強いられた方も多くおられたと想像します。

 中央病院も苦難の連続でした。コロナ病床の開設と職員療休者続出などによって苦渋の診療制限も行いました。この荒波の影響でご迷惑をかけた方々にはこの場をお借りしてお詫び申しあげます。一方でコロナから学んだ事も多くあります。マスクや手指消毒といった感染対策の基本を身に付けました。オンライン診療導入によって高度かつ希少な専門性の高い医療を遠距離でも受けられるようになりました。オンライン会議は移動の時間短縮と合理化に貢献しました。このように何事も人生塞翁が馬、表裏一体と思うのです。

 コロナは五類感染症の対応になります。中央病院は多様な障がいを持った方の診断から治療、日常のQOL向上に根ざした支援を従来通りに戻していきます。

 ホームページにご案内されているように、私たちは小児や障がい児者に対し専門的な医療を提供する集団です。一方で、これらの患者さんが日常どのような様子なのかを理解されずに、標準化された一般的な医療を受けられないと言う側面もあります。特に高齢化によって頻度が高くなる循環器、がん、腎臓などの疾患に関して私たちの施設だけでは専門的な医療を提供できないジレンマを抱えています。障がい児者の方の一般状態が正しく理解されるように情報を提供し、私たちに足りない分野には地域の医療機関と連携して受け皿になっていただく様に積極的に努めて参ります。

 最近は発達障害を抱えるお子さんは格段に増えている実感があります。子どものこころ科では、多職種のチーム医療によって学校に行きづらい子どもたちが少しでも自信を取り戻せるような支援を行っています。児童精神科医の不足は大きな社会問題です。限られた専門医のなか、受診の機会を公平にできるように腐心していますので、ご理解のほどよろしくお願いします。簡単ではございますが、ご挨拶に代えさせていただきます。

令和5年4月吉日