第6 感染症の病原体等の検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項

感染症の病原体等の検査の実施体制及び検査能力の向上に関する基本的な考え方
 感染症対策において、病原体等の検査の実施体制及び検査能力(以下「病原体等の検査体制等」という。)を十分に有することは、人権への配慮の観点や感染の拡大防止の観点から極めて重要である。しかしながら、国内における病原体等の検査体制等は、感染症の発生数の減少等により、必ずしも質的及び量的に十分に保たれているとは言い難い。
 このため、県衛生研究所及び名古屋市衛生研究所を始めとする各関係機関において病原体等の検査体制等の充実を進めていくことが重要である。この他、県等は、感染症指定医療機関のみならず、一般の医療機関における検査、民間の検査機関等における検査等に対し技術的支援等を実施することが重要である。
 

県等における感染症の病原体等の検査の推進

(1)

 県衛生研究所及び名古屋市衛生研究所は、必要に応じて、国立感染症研究所等と連携して、一類感染症の病原体等に関する検査を迅速かつ適確に実施する。なお、県等は、広域にわたり又は大規模に感染症が発生し、又はまん延した場合を想定し、必要な対応についてあらかじめ近隣の都道府県等との協力体制について協議しておくよう努める。また、二類感染症、三類感染症、四類感染症及び五類感染症の病原体等については、県衛生研究所及び名古屋市衛生研究所において人体から検出される病原体及び水、環境又は動物に由来する病原体の検出が可能となるよう、人材の養成及び必要な資器材の整備を行うよう努める。

(2)

 県衛生研究所及び名古屋市衛生研究所は、自らの試験検査能力の向上に努めるとともに、地域の検査機関の資質の向上と精度管理に向けて、積極的な情報の収集及び技術的指導を行う。また、病原体等の検査については、必要に応じて他の地方衛生研究所と連携を図る。

(3)

 県等は、病原体等の検査について、県衛生研究所・名古屋市衛生研究所と連携して、保健所が自らの役割を果たせるよう検査機能等の充実を図る。
 

県等における総合的な病原体等の検査情報の収集、分析及び公表のための体制並びに関係団体等との連携
 県等は、医師会等の医療関係団体、民間検査機関等と連携を図りながら、病原体等に関する検査情報の収集のための体制を構築するとともに、患者情報と病原体情報が迅速かつ総合的に分析され、公表できる体制を構築する。また、特別な技術が必要とされる検査については、県衛生研究所及び名古屋市衛生研究所が国立感染症研究所、国立国際医療センター、大学の研究機関等と連携を図って実施できるようにする。


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