愛知県警察

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第3章 講話内容の紹介

愛知県警察では、薬物の危険性を伝えるため、県内の小・中学校、高等学校等で薬物乱用防止教室を開催しています。

薬物乱用防止教室の内容と利用方法はこちら

薬物乱用防止教室では、どのようなことが話されているのでしょう?

薬物教室

薬物乱用の恐ろしさ

薬物乱用とは

法律やルールから外れた目的や方法で薬物を使用することを言います。

覚醒剤などの法律で禁止されている薬物を不正な目的で使用することだけでなく、医薬品を本来の目的から外れた使い方、遊び目的の使用や処方箋を超え大量に服薬するなどの行為は目的の逸脱であり、これも薬物乱用になります。

違法薬物の最も恐ろしい特徴は「依存性」と「耐性」です。1回だけと思って始めた人も依存性や耐性によって使用する量や回数がどんどん増えていき、自分の意志だけでは止めることができなくなります。

また、血圧上昇や脳血管疾患、肝機能障害といった身体への悪影響や意識障害や幻覚、妄想といった精神への悪影響があることが判明しています。

薬物乱用=自分の命を削ること

違法薬物は、身体にも心にも大変な悪影響を及ぼし、乱用を続けることで死に至ることもあります。

また、何よりも違法薬物を優先するようになることで大切な家族や友人を騙したり、暴言や暴力で傷つけてしまうこともあります。

「たった1回」の軽い気持ちで行った薬物の使用が、悲劇につながります。

違法薬物でたった一つの大切な命を粗末にしないでください。

 覚せい剤がもたらす害

覚醒剤

身も心もボロボロになる

覚醒剤は、幻想や妄想が現れ、中毒性精神病になりやすく、使用をやめても再燃(フラッシュバック)することがある恐ろしい薬物です。依存性が強く、やめられなくなった乱用者は、やがて慢性中毒症状により自らを傷つけたり、死を選んだり、お金欲しさに犯罪を敢行したり、幻覚・妄想から錯乱状態になり第三者にいきなり襲い掛かることもあります。

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大麻

インターネット等では、「大麻は身体に悪影響がない」「依存性がない」などの誤った情報が氾濫していますが、大麻を吸引すると、知覚(聴覚、触覚)が変化したり、学習能力の低下や運動失調を引き起こします。大麻の乱用を続けることで統合失調症等の精神障害が発症しやすくなったり、身体への悪影響はもちろん薬物への依存が高まり自分では止めることができなくなります。

また、成長期の若者の脳は大麻の有害性の影響を受けやすいことが判明しています。

「1回だけなら大丈夫」、「楽しい気分になれるよ」などと勧められ、ちょっとした好奇心で手を出したら、一生が台無しです。

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MDMA

カラフルな見た目に騙されてはいけません

MDMAは、視覚、聴覚を変化させ、幻覚が現れることがあります。

大量に摂取すると高体温となり、死に至ります。

様々な文字や絵柄が入り、見た目はとてもカラフルな錠剤ですが、正体は恐ろしい幻覚性麻薬です。

MDMA写真

危険ドラッグ

危険ドラッグの摂取は危険!

危険ドラッグとは、覚醒剤や大麻等の化学構造に似せて作られた物質が添付されたもので、植物乾燥片状(ハーブ系)、液体状(リキッド系)、粉末状(パウダー系)のものがあります。

「合法ハーブ」、「お香」等と称して販売されていますが、違法薬物が含まれていたら、持っているだけで犯罪です。

他の薬物と比べて毒性や依存性が強いものがあり、添付されている物質や含有量が様々であることからどんな影響が出るのか分かりません。

意識障害、嘔吐、けいれん、錯乱などが報告されており、死亡事例もあります。危険ドラッグを使用した人が意識が朦朧としたまま車両を運転して、通行人を死傷させる交通事故を起こした事例もありました。

危険ドラッグは、心身に健康被害をもたらすとともに、覚醒剤や大麻等の薬物乱用につながるゲートウェイドラッグ(入門薬)になるおそれがあります。

危険ドラッグの一例

植物乾燥片状(ハーブ系)

植物乾燥片状(ハーブ系)

液体状(リキッド系)

液体状(リキッド系)

粉末状(パウダー系)

粉末状(パウダー系)

シンナー

シンナーは、油を溶かす強烈な作用を持つ毒劇物ですが、乱用すると精神をむしばみ、直接体にダメージを与え、死につながる恐しい薬物です。

そんな強烈な薬物を体内に入れると、大脳が溶けて縮み、内臓がボロボロになります。

一度縮んだ脳は二度と元通りにはなりません。大脳が縮めば、失明、記憶低下、幻覚、妄想などの症状が現れます。

そして、脳にダメージを受けた乱用者は性格が凶暴になり、シンナーが切れると鬱(うつ)状態になります。

最終的には、自殺に追い込まれたり、シンナー乱用状態でオートバイ等を運転して交通死亡事故を起こした事例もあります。

シンナー使用イラスト

ガスパン遊び

ガスパン遊びは非常に危険です

ガスパン遊びは、酸素以外のガス類を吸引し、酸欠による酩酊状態(お酒に酷く酔ってしまうような状態)を体験する遊びで、シンナー吸引の延長として1990年代に始まり、10代の若年層を中心に散見されるようになりました。

平成25年には、愛知県内の高校生が、コンビニエンスストアで購入したカセットコンロ用のガスを吸引して酸欠状態になり死亡する事故が発生しました。また、密室でのガスパン遊び中、喫煙のためにライターを点火したところ火がガスに引火して爆発し、大怪我をする事故も発生しています。

ガスパン遊びに使用されるガス 

制汗スプレー、ライター用ガス、カセットコンロ用ガスなどです。

これらに用いられているガスは「ブタンガス」や「プロパンガス」ですが、もちろん、吸引することを目的に販売されているものではありません。

購入に際して規制がないため、少年でもホームセンターなどで簡単に購入できます。

ガスパンの語源

シンナー吸引の俗称「アンパン遊び」の「アン」を「ガス」に置き換えたものです。

イラスト:酩酊状態

ガスパン遊びの危険性

  • 麻酔作用

吸入すると脳が麻痺して酩酊状態になります。

幻覚、幻聴、妄想、時には激しい興奮状態を生じます。

  • 酸素欠乏

ガスを吸入することにより、急激な酸素欠乏を起こします。

酸素欠乏により呼吸停止、死亡する可能性もあります。

  • 引火・爆発

ガスパン遊びに使用されるガスは引火性が高いので、密室で喫煙のための火などが引火し爆発する事故が起きます。

ガスパン遊びは一度だけでも命取りとなります。

決して遊びで行ってはいけません。

大事なことは ”はっきり・きっぱり断る” こと

薬物乱用は一部の人たちの問題ではありません。

近年はインターネットで簡単にたくさんの情報を得ることができる反面、誤った情報が氾濫しています。

  • 「1回だけなら大丈夫」
  • 「みんなやってる」
  • 「やせられるよ」

などの甘い言葉に乗せられてはいけません。

正しい知識を得ることで、間違った情報に流されず、危険から逃れる判断力を身につけましょう。

知人に誘われた時、少しでも迷っている様子を見せてしまうと、また誘われてしまいます。誘われた時は、「きっぱり」強い態度で断ることが大切です。

断りにくい時は、その場から逃げましょう。逃げることも勇気です。

悩んだ時は、まず相談!

覚醒剤や大麻などの薬物乱用にかかわる問題などで困った時は、一人で悩まずに友人や家族に相談してください。

最寄りの警察署、少年相談窓口等でも相談することができます。

薬物乱用問題の解決には、大人の力が必要です。早めに相談しましょう。

最寄りの警察署

少年相談窓口

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