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県民環境委員会審査状況(令和8年3月13日)

ページID:0649754 掲載日:2026年6月9日更新 印刷ページ表示

県民環境委員会

委員会

日時 令和8年3月13日(金曜日) 午後0時58分~
会場 第6委員会室
出席者
 鳴海やすひろ、柳沢英希 正副委員長
 神戸洋美、石井芳樹、山本浩史、成田 修、佐藤英俊、村瀬正臣、
 高木ひろし、福田喜夫、永田敦史 各委員
 県民文化局長、県民生活部長、学事振興監、人権推進監、
 女性の活躍促進監、文化部長、関係各課長等

県民環境委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

議案

第 1 号 令和8年度愛知県一般会計予算
 第1条(歳入歳出予算)の内
 歳出
 第3款 県民環境費の内
 第1項 県民生活総務費
 第2項 文化学事振興費
 第3項 社会活動推進費
 第4項 統計調査費
 第9款 教育・スポーツ費の内
 第8項 大学費
 第9項 私立学校費
 第3条(債務負担行為)の内
 芸術文化センター施設設備整備工事
 県立大学インキュベーション施設整備工事
 芸術大学施設設備整備工事
第 19 号 地方独立行政法人愛知県美術館機構の設立に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について
第 20 号 愛知県図書館条例の制定について
第 31 号 愛知芸術文化センター条例の一部改正について
第 58 号 権利の放棄について(私立高等学校入学納付金貸付金及び私立専修学校高等課程入学納付金貸付金に係る債権)
第 59 号 権利の放棄について(私立高等学校奨学資金貸付金、県内私立高等学校特別奨学資金貸付金、県内私立高等学校奨学資金貸付金及び県内私立専修学校高等課程奨学資金貸付金に係る債権)
第 64 号 愛知芸術文化センターの公共施設等運営権の設定について
第 65 号 愛知芸術文化センターの指定管理者の指定について
第 66 号 愛知芸術文化センター愛知県芸術劇場及び愛知県文化情報センターの指定管理者の指定の期間の変更について

結果

全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案​
 第1号、第19号、第20号、第31号、第58号、第59号及び第64号から第66号まで

会議の概要

  1. 開会
  2. 議案審査(9件)
    (1)理事者の説明
    (2)質疑
    (3)採決
  3. 一般質問
  4. 閉会
主な質疑
議案関係

【委員】
 予算に関する説明書(1)126ページ、あいち女性輝きカンパニー認証取得促進事業について伺う。
 先日、3月7日に地元の江南市で、男女共同参画の啓発を目的としたこうなんHappyファミリーフェスタ2026が開催され、女性の活躍促進監も臨席した。
 江南市女性連絡協議会は、こうした活動を35年間続けており、江南市は平成22年に愛知県で初めて男女共同参画都市宣言をした市である。女性活躍に直接成果として結びつくことは難しいが、こうした活動を地道に進めており、恐らく、どこの市町村でも同じような取組をしていると思う。
 愛知県が2024年に実施した企業経営と女性活躍に関するアンケート調査の結果によると、女性活躍推進を重視すると回答した企業が全体で74.8パーセントと、女性活躍に関する認識は広がりつつあると感じる。
 そうした中で、愛知県は、あいち女性輝きカンパニー認証取得の取組を一丁目一番地に位置づけて、認証件数に関するKPIとしても、2025年度末までに2,000社の認証を目指している。

あいち女性輝きカンパニー ロゴマーク
​あいち女性輝きカンパニー ロゴマーク

 昨年も地元企業があいち女性輝きカンパニーの申請をした話を聞き、そうした取組に対する企業の広がりを感じているが、その一方で、特に中小企業では、あいち女性輝きカンパニー認証取得のメリットに魅力がなかったり、人手不足により担当者が1人で女性活躍に取り組まざるを得ないなどの理由によって、あいち女性輝きカンパニーの認証を5年ごとの更新の際に辞退したり、女性活躍に向けた持続的な取組が後退してしまう課題もあると認識している。
 あいち女性輝きカンパニーの認証件数は現在何件で、最新の認証更新率はどのようになっているのか。
【理事者】
 本年3月1日現在のあいち女性輝きカンパニーの認証件数は2,056件であり、愛知男女共同参画プラン2025の進捗管理指標である2,000件を達成した。
 また、あいち女性輝きカンパニーの更新率は、同じく本年3月1日現在で83.6パーセントであり、2024年度の更新率86.2パーセントに比べて2.6ポイント低下している。
【委員】
 目標の数値は超えているが、更新率が86.2パーセントから83.6パーセントに低下している。
 こうした状況を踏まえて、県では、新たにあいち女性輝きカンパニー認証取得促進事業を立案し、地域の事情に詳しい企業のコンサルタント的な役割を担う金融機関と連携して、行員研修や取引先企業向けのセミナーの共催、カンパニー異業種交流会を開催すると説明があったが、この事業を通じて県内企業の女性活躍を促進するため、本県としてどのように取り組んでいくのか。
【理事者】
 本県では、これまで、あいち女性輝きカンパニーの認証を受けた企業のうち、認証企業の拡大について意欲のある企業をあいち女性の活躍プロモーションリーダーに委嘱し、取引先企業等に対して県施策活用の働きかけを行うなど、県内企業における女性の活躍促進に向けた取組支援を行っている。
 これらの取組に加えて、来年度は新たに、あいち女性の活躍プロモーションリーダーのうち、県内金融機関、具体的には、株式会社名古屋銀行と、西三河地域を中心に事業を展開している碧海信用金庫と連携して、行員が取引先企業に認証取得を効果的に働きかけることができるよう、行員向け研修を実施し、金融機関の取引先企業の経営者や人事担当者を対象に女性活躍の必要性を伝えるセミナーなどを開催することで、あいち女性輝きカンパニー認証取得につなげる。
 また、この事業では、既にあいち女性輝きカンパニーの認証を受けている企業の経営者や人事担当者、金融機関の担当者を対象に異業種交流会を開催する。
 この交流会では、県の担当者も加わって、認証取得後のメリットについても意見交換をするとともに、女性活躍に取り組むモチベーションが高まるような内容とすることで、更新辞退に至らないようフォローアップをする。
 こうした取組を通じて、県内企業における女性活躍をさらに促進していく。
【委員】
 来年度、株式会社名古屋銀行及び碧海信用金庫と連携し、あいち女性輝きカンパニー認証取得につなげていくことや、異業種交流会を開催する旨の答弁があった。
 更新状況からも分かるように、認証取得後に何らかのメリットがなければ、女性活躍に取り組むモチベーションが企業として薄れていくように感じるため、今後もこういった取組を続けてほしい。また、女性活躍を促進している企業に対して、施設改修費などを助成している市町村もあると新聞で見た。例えば、今回連携する株式会社名古屋銀行、碧海信用金庫の特別融資枠や、社員向けの投資説明会の開催などのメリットが感じられるとありがたいと思う。
 あいち女性輝きカンパニー認証取得後の企業にとって、インセンティブが必要だと思うため、今後も積極的な取組を要望する。
【委員】
 第1号議案令和8年度愛知県一般会計予算、歳出第9款教育・スポーツ費第8項大学費第1目大学費のうち、県立高等専門学校設置準備費と県立高等専門学校整備費について伺う。
 まず、この質問に先立ち、昨年11月4日に愛知県立高等専門学校の設置に関する情報をもらった。さらに、本年2月17日に学科やコースの構想が発表されたため、こうしたところを総合的に見ながら質問する。
 私は昭和47年、愛知県立豊田工業高等学校、現愛知県立豊田工科高等学校の卒業生として、また、愛知県立愛知総合工科高等学校が開校するときに教育・スポーツ委員会の委員長を務めており、開校時からあの学校を非常に注目しているが、授業料の実質無償化などにより、私立学校の人気が高まっており、公立高校の定員割れが起きるのではないかと非常に危惧している。
 少子高齢化で子どもの数が減り、愛知県立愛知総合工科高等学校の定員割れが起こっている中で、愛知県立高等専門学校を設置する背景と目的について伺う。
【理事者】
 少子高齢化、生産年齢人口の減少の深刻化が見込まれる中で、国の推計によれば、2040年には労働生産性を高めるAI、ロボット等の活用を担う人材が約300万人不足し、いわゆる理系人材の不足が生じる可能性があると指摘されており、国は公立高等専門学校の新設促進を図ることとしている。
 そうした中、高等専門学校は、実践的な技術力を備えた人材を育成する5年一貫の高等教育機関として、卒業生に対する産業界からの評価が非常に高く、地域課題の解決や地域経済の高度化に資する人材育成の中核となることが期待できることから、愛知県立高等専門学校を新たに設置することとした。
【委員】
 背景等は分かった。事前に確認したが、愛知県立愛知総合工科高等学校の建物を共有して愛知県立高等専門学校を設置することになっている。もともと愛知県立愛知総合工科高等学校は3年制の高等学校と、2年制の専攻科で構成されており、これらを足すと5年になる。3年で愛知県立愛知総合工科高等学校を卒業して専攻科へ進む学生もいれば、大学へ進学する学生もおり、就職する学生もいる。選択肢がある中で、5年制の愛知県立高等専門学校と実質5年制の愛知県立愛知総合工科高等学校の教育の違いについて確認する。
【理事者】
 愛知県立愛知総合工科高等学校及び専攻科と愛知県立高等専門学校は、モノづくり人材の育成の点で共通している。愛知県立愛知総合工科高等学校及び専攻科は中等教育機関であり、生産現場の牽引役となる人材の育成を目指しているのに対し、愛知県立高等専門学校は大学と同じ高等教育機関であり、一般科目と専門科目をバランスよく配置した5年一貫教育により、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を習得し、実践的、創造的技術者を育成することを目的としている。
 また、愛知県立高等専門学校の卒業生は、準学士の称号が得られるという違いがある。
【委員】
 高等専門学校は、豊田市に昔から豊田工業高等専門学校があることは承知している。愛知県立高等専門学校は学事振興課が所管し、愛知県立愛知総合工科高等学校は教育委員会高等学校教育課が所管するが、愛知県立愛知総合工科高等学校の定員を増やすのではなく、愛知県立高等専門学校を作ることに関して、教育委員会とは事前にどの程度話をして予算化しているのか。
【理事者】
 愛知県立高等専門学校については、愛知県立愛知総合工科高等学校の敷地内に新たに管理棟を建設するとともに、既存施設や設備を最大限活用していくこととしている。愛知県立愛知総合工科高等学校の施設の一部を愛知県立高等専門学校で使用するには、設置者との協議が必要となるため、これまで教育委員会及び学校関係者と工事のスケジュールや既存施設の利用面を中心に調整を進めてきた。
 今後は、2026年度に駐車場の移設解体工事、2027年度から2028年度にかけて、管理棟の建設工事及び既存教室の改修工事を進めていく予定であり、愛知総合工科高等学校の在校生徒の授業や学校生活に支障を生じることがないよう、引き続き綿密な調整を行っていく。
【委員】
 工事を要するという話だが、学事振興課が担当する愛知県立高等専門学校であれば、本来、愛知県立大学の敷地内に作った方が県民にも分かりやすいのではないか。大学の一つだという方が分かりやすく、今日の新聞に出ていたが、愛知県立大学は共創学群を新設するとのことで展開しており、そのようにしたらいいのではないかと思っていた。ただ、実習機器がないため、やむを得ないのかと思っている。愛知県立高等専門学校の教育で活用する機器、デザイン情報工学科にロボティクスやAI・デジタル分野の2コースができるとのことだが、これは既存の実習機器で足りるのか、新たに増強されるのか。
【理事者】
 愛知県立愛知総合工科高等学校は、本県の工業教育の拠点として、ロボットアームや自動運転の実験装置など、最新の実習機器を使って、生産現場のニーズに対応した実験・実習重視の教育を行っている。愛知県立高等専門学校においても、教育に必要となる施設や設備については、愛知県立愛知総合工科高等学校の既存施設や設備を最大限活用していきたいと考えており、今後、カリキュラムを検討していく中で、新たな実習機器が必要となった場合には追加補充を図っていく。
【委員】
 3月8日の朝日新聞に高等専門学校、女性枠、究める学びという記事があり、非常に厳しい受験資格や女子学生が3割いるといった情報もあるが、今回計画している愛知県立高等専門学校における女性枠の検討状況はどのようになっているのか。
【理事者】
 新聞報道によれば、奈良工業高等専門学校が女子学生を増やすため、2019年度から入試制度に女子枠を設けており、女子学生の割合が順調に増えているとのことである。
 愛知県立高等専門学校の入試制度については、来年度から検討予定のため、女子枠をどうするかはまだ決まっていないが、愛知県立高等専門学校は通いやすい場所にあり、多くの女子学生の入学が期待できる。
 愛知県立高等専門学校の新設によって、利便性が高い名古屋市内であれば通いたい、デザイン情報工学科の学びであれば通いたいといった魅力を感じてもらえるよう、2029年4月に向けてしっかりと愛知県立高等専門学校のPRを行っていく。
【委員】
 国の方針もあると思うが、愛知総合工科高等学校には附属中学校の計画もあると聞いており、非常に力を入れていることはよく分かるため、それぞれの学校が魅力ある学校づくりを検討し、教育委員会ともしっかり調整してスタートできるように要望する。
【委員】
 私からは、三点質問する。
 第31号議案愛知芸術文化センター条例の一部改正について伺う。
 今回の条例改正については、2027年4月1日からコンセッション方式の導入に向けて、愛知県芸術劇場のホールの利用料金について、公共施設等運営権者が知事と協議を定める額とされている。
 料金設定については、公共施設等運営権者の裁量に委ねる一方で、営利を目的としないホールの利用の場合には、条例で基準額を定めたうえで、基準額に1.3倍を乗じた額を上限として公共施設等の運営権者が定める額としているが、今回の条例で、具体的な金額を定めずに公共施設等運営権者が知事と協議して定める額とする理由と、現行の利用料金からどの程度増減を認めるのか伺う。
【理事者】
 愛知県芸術劇場のホールの利用料金のうち、営利を目的としない利用に該当しない場合、いわゆる興行利用においては、民間事業者の創意工夫により、柔軟な価格戦略や積極的な劇場運営を可能とするコンセッション方式の趣旨を踏まえて、事業者からの提案に基づき、知事と協議して定める額としている。
 なお、利用料金については、2027年度からの適用を予定し、現在、事業者と協議中である。協議がまとまり次第、事業者が公表し、新しい利用料金によるホールの利用受付を開始する予定となっている。
【委員】
 なぜ、営利を目的としないホール利用の場合については条例で基準額を定めるのか。
 また、その基準額の設定の考え方、基準額に対して1.3倍を上限とする理由について伺う。
【理事者】
 愛知県芸術劇場のホールの利用料金のうち、営利を目的としないホールの利用については、コンセッション方式の導入後においても県立施設としての公共性を確保し、非営利目的でのホールの利用者に対して過度の負担がかからないよう、妥当な利用料金の範囲を基準額として、特に県が条例で規定することとした。
 なお、営利を目的としないホールの利用における基準額については、現在のホールの利用料金体系をベースに設定している。
 また、事業者が一定の裁量に基づいて弾力的な利用料金を設定できるように、改正前の条例と同様に基準額の1.3倍を上限として設定している。
【委員】
 営利を目的としないホールの利用は、利用料金が通常利用と比較して低廉であるため、収入面から通常利用を優先することが想定されるが、どのように平等性を担保していくのか。
【理事者】
 営利を目的としないホールの利用については、県立の施設としての公平性、公共性を担保するため、事業者を募集する際に示した要求水準書において、過去の利用実績に基づいて算出した日数を確保するよう、事業者に対して求めている。
 具体的には、大ホールにおいては年間15日程度、コンサートホールにおいては年間60日程度を、営利を目的としないホールの利用のため確保することとしている。
 コンセッション方式の導入により、愛知県芸術劇場のブランドイメージを向上させ、利用者層の拡大とにぎわい創出を図るとともに、引き続き県民に開かれた公立劇場として、その役割をしっかりと果たしていきたい。
【委員】
 日本武道館は、全日本選手権等の武術の大会などは著しく低い料金を設定している。そういった公共性のある用途については、利用料金を改定するのではなく、過去にとらわれないような価格設定をし、柔軟に対応すべきではないかと考えているため、その辺りを考慮して運用してほしい。
 続いて、二点目、県立大学インキュベーション施設整備費及び公立大学法人施設整備費補助金について伺う。
 本会議の議案質疑における質問と一部重なる部分があるかもしれないが、あえて質問する。
 愛知県立芸術大学の中には、教育研究活動の充実や地域のスタートアップ支援を図ることを目的としたインキュベーション施設の建築工事が予定されていると聞いている。
 また、インキュベーション施設の開設に合わせて、愛知県公立大学法人が実施する滞在型のレジデンス施設の整備を県が支援すると聞いている。
 今回のインキュベーション施設については、来年から工事を開始するとのことだが、どのような規模の施設を整備するのか。
【理事者】
 インキュベーション施設については、本年度実施設計を完了しており、来年度から2年間建設工事を行い、2027年度中に供用開始する予定である。
 施設の延べ床面積は1,248平米で、2階建ての建物となる。施設の1階には各種イベントを開催するためのフリースペースやレセプションルームのほか、ミーティングルーム等を配置する。
 また、2階にはスタートアップ等が入居するオフィスのほか、ラウンジ等を配置する。
【委員】
 インキュベーション施設の目的である教育研究活動の充実と地域のスタートアップ支援について、具体的に当該施設としてどういった人を受け入れ、どういった研究に活用するのか。
【理事者】
 インキュベーション施設については、教育研究活動の充実と地域のスタートアップ支援を図るため、今後様々な利用方法を検討していく。
 具体的には、愛知県立大学、愛知県立芸術大学の学生にアントレプレナーシップ教育を実施するほか、起業を目指す社会人、学生に対して研修会を開催するなど、教育研究活動の充実を図っていく。
 また、創業初期段階にあるスタートアップに対して、専門家による事業立ち上げに関するサポートの提供などの支援を考えている。
【委員】
 レジデンス施設については、来年から基本設計と実施設計に入るとのことだが、どのように施設を整備するのか。
【理事者】
 レジデンス施設については、起業や研究開発に取り組む学生研究者等が一定期間滞在しながら集中的に活動できる環境としての利用などを想定している。
 施設の内容としては、居室を10室整備するほか、居住者同士の交流を促進するコミュニティーラウンジ1室を整備する予定であり、約30人の受入れを想定している。
【委員】
 両施設を通じて地域のスタートアップ支援を図っていくとのことで、スタートアップ拠点であるSTATION Aiとの連携、いわゆる教育施設とインキュベーターが集う施設とのマッチングや、愛知県立芸術大学の学生が新たな起業家精神を具備して起業家として旅立っていく、就職した上で旅立っていくような連携が期待されているが、どのように連携を図っていくのか。
【理事者】
 両施設とSTATION Aiとの連携については、現時点で具体的な内容は決まっていないが、2027年度中の供用開始に向け、STATION Aiとの情報共有を進めるとともに、イベント時の相互協力やプログラムの連携など、様々な連携の在り方について検討を進める。
【委員】
 最後に、国際アニメーション映画祭開催費について伺う。
 昨年12月12日から17日まで6日間、名古屋駅周辺のミッドランドスクエア等において、国際アニメーション映画祭第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバルが開催された。令和8年度当初予算案において、引き続きこの映画祭の開催に対して、名古屋市と共同で支援するとして1,500万円が計上されているが、今年度の映画祭の開催実績、入場者数や収益等はどのようになっているか。
【理事者】
 昨年12月に開催した国際アニメーション映画祭では、6日間の開催期間中、関連イベントを含めて約5,000人が来場した。
 また、映画祭運営に係る収支については、実行委員会事務局による決算作業を行っている最中だが、総事業費は約9,800万円となる予定であり、主な支出として、イベント制作費、映画館使用料を含む賃借料、海外から招聘した審査員らへの人件費が充てられている。
 収入については、愛知県と名古屋市からの負担金で3,000万円、企業団体からの協賛金等が約6,600万円、チケット収入が約200万円となっている。
 今回の成果としては、コンベンション部門に29か国から45作品が集まり、海外の映画関係者やクリエーターとの活発な交流が生まれるなど、国際的な文化交流の場として大きな役割を果たしたことが挙げられる。
 本映画祭の開催趣旨である世界市場への発信や次世代クリエーターの創造拠点についても、今後の展開につながる成果を確認できた。
【委員】
 来年度、引き続き県が同額で開催を支援する理由は何か。
【理事者】
 国際アニメーション映画祭の開催は、本県の文化的魅力を国内外に広く発信する重要な機会となるものであり、メディア芸術の振興や将来の担い手となる関連人材の発掘、育成にもつながる。
 さらに、県民がメディア芸術に触れる機会を増やし、交流人口の増加を図ることで地域活性化を促進するとともに、商業や観光など、他分野への波及効果も見込まれることから、県として支援している。
 映画祭の開催回数を重ねることで、これらの効果を一層確かなものとし、本県の文化振興のさらなる振興につなげていくため、来年度も引き続き同額の支援を行いたい。
【委員】
 最後に、今年度の結果を踏まえて、来年度はどのような内容での開催を予定しているのか。また、将来的な見通しも含めて、この映画祭に県としてどのように関与していくのか。
【理事者】
 来年度の内容については、4月以降に開催される実行委員会での検討を予定しており、現時点で詳細は未定だが、今年度と同様に国内外から作品を募るコンペティション部門の設定やアニメ関係者によるトークイベントやセミナーのほか、海外の著名クリエーターとの連携プログラムなどの交流事業も継続して実施される予定である。
 また、本映画祭の特色ある取組として、完成前の企画段階にある作品アイデアをクリエーターやプロデューサーが配給会社などの投資側に紹介するピッチマーケットを行った。こうした取組が新たな作品づくりにつながるよう、今後も継続的に実施していく。
 将来的な見通しとしては、この映画祭による様々な分野との連携を通じて、文化芸術の振興や人材育成の観点から、新たな交流の可能性を創出していきたい。
 今後も実行委員会の一員として関与し、映画祭を継続して開催することで、国際アニメーション映画祭といえば愛知、名古屋と世界から認められるよう、しっかりと盛り上げていく。
【委員】
 アニメは世界中で現地の言語に翻訳され、ゴールデンアワーに放映され、多くのファンを持っている。日本が優越している戦略的武器になると私は考えており、実際にアニメフェアにおいては多くのファンが殺到して同人誌を買ったり、1年間ためてまでもそういったものに傾倒したりする傾向がある。これは世界の現象である。そういった文化的に盛り上がっている分野において、より一層強みを発揮するという意味で、多くの県民が関与し、また、日本として、その特色を生かして世界に進出する若手の人材を輩出すべきではないかと強く思う。
 一つ、私が危惧しているのは、映像の分野においては、実は韓国が非常に高い技術、高い能力を発揮しており、日本にもそういったものを輸出し、東京地区にも数店舗のそういった映像施設を建設し、多くの人々が観光に訪れる。アニメについては、本当に真剣に私は取り組むべきことではないかと思っているため、ぜひ協力をお願いしたい。
 あわせて、STATION Aiについてもまさにそのとおりであり、愛知県立芸術大学、愛知県立大学といった県の教育機関から、多くの芸術家や文化人を輩出してもらいたい。その中で、同じ釜の飯を食うとよくいうが、同室で学ぶといった素養は非常に大事なことではないか。大学でドミトリーに入ることは海外ではよくあるが、日本ではなかなかなく、そういったところで同室になることがあれば非常によいと思う。
 よくいわれるのは、インターナショナルスクールになぜ入学するかというと、世界中でそういった人々がもう一度集まるからである。それは、コロンビア大学やハーバード大学といった大学でもそうである。そういった教育機関で一緒に勉強した人々が社会に出て、もう一度ある分野に進出し、集まったときに、初対面ではなくて、大学の頃と同じような形で取り組めるのは、本当にメリット以外に何もない。日本の官僚が、海外の大学院に入学して戻ってきて国際会議に出たときに、交渉相手がその大学の出身者で非常に交渉がうまくいった話をよく聞く。愛知県立芸術大学においても、そういった教育をすることで、海外または国内の優秀な人々が再度集ったときに、県の特出した人材が羽ばたくことを期待して質問を終わる。
【委員】
 私からも、第1号議案令和8年度愛知県一般会計予算、歳出第9款教育・スポーツ費第9項私立学校費、予算に関する説明書の283ページ、284ページにある私立高等学校等入学納付金補助金と愛知県私立高等学校等授業料軽減補助金について伺う。
 本会議の議案質疑でも若干触れたが、来年度から国が進める高校の授業料無償化により、私立高校では所得制限なしで授業料の実質無償化が図られる。
 さらに、本県においては、全国初の素晴らしい取組として、授業料無償化に合わせて入学納付金も20万円までを上限として補助するということで、入学金も実質的に所得制限なしで無償化になる。本県においては、私立高校は授業料も入学金も実質無償になるとのことで、これにより、子どもたちが親や家庭の経済状況に左右されることなく、公立私立関係なく自由に学校選択、進路選択ができ、子どもたちの将来が広がる素晴らしい取組だと、敬意と感謝を述べる。
 そのような中で、いろいろと確認したい。
 授業料については、無償化によって所得制限が撤廃され、財源の議論になるが、これまで全額国が負担していた就学支援金について、県が4分の1を負担することになり、予算の見かけ上は、愛知県私立高等学校等授業料軽減補助金の大幅な増加とともに県の一般財源が増加していると思う。
 4分の1の県が負担する部分は国からの財政措置があり、実質的な財政負担は生じないとも聞いている。
 来年度の、約312億2,000万円の愛知県私立高等学校等授業料軽減補助金の予算額及びその財源について、前年度と比較してどの程度増加したのか。
 また、国の財政支援など、その内容や影響についても伺う。
【理事者】
 愛知県私立高等学校等授業料軽減補助金の予算額であるが、2025年度の185.7億円から312.2億円と、126.5億円の増となる。このうち、国庫支出金は、前年度の135.7億円から95.1億円増の230.8億円、一般財源は前年度の50億円から31.4億円増の81.4億円となる。
 また、今回新たに県が負担する4分の1に相当する額は、国によって全額交付税措置される見込みであり、県の実質的な負担は生じないものとして整理している。
【委員】
 増加したのが126.5億円とのことで、これが愛知県でいうと720万円以上の所得制限を撤廃した部分に使うお金だと思う。国庫支出金が230.8億円であり、これが4分の3に当たるため、これを割り返すと残り4分の1は76.9億円であり、これが見かけ上、県が一時的に負担する金額となる。その4分の1の約77億円については国によって交付税措置がなされ、県の実質的な負担は生じないことを確認できたので安心した。
 県の一般財源は、約50億円から31.4億円増と、81.4億円とのことであった。ただ、昨年度までの50億円には、県が独自で補助していた部分が含まれており、その一部である、今回国が補助しなかった数億円は残るため、そこに先ほどの約77億円が加わり、81.4億円ということだと思う。
 改めて確認したいのが、県が独自に上乗せした補助部分が国費に振り替わることで、どれだけの財源が生み出されたのか。私が6月定例議会において、浮いた財源という言い方をしたが、国の就学支援金制度の拡充によって、県としてどの程度の金額が浮くのか。
 そして、今述べたように、愛知県では来年度から授業料無償化に併せて入学金についても所得制限を撤廃することで実質無償化となるが、それに加えて、今まで無償化の対象になっていなかった他県から愛知県の私立高校に通う生徒も、新たに入学金無償化の対象になった。こうした入学金の拡充の考え方や背景の中では、令和2年にも国が就学支援金制度を拡充して県の上乗せ補助分が軽減された際に浮いたお金、当時27億円と記憶しているが、27億円を全額私学助成に充てたことがあった。今回も、浮いた財源を私学助成の拡充に充てたという考え方でよいのか。
 また、所得制限を撤廃して入学金を実質無償化することに対する所要額と、県外の生徒を対象とすることに対する所要額、あわせて、県外から愛知県の私立高校に通う生徒数の見込みについても伺う。
【理事者】
 就学支援金制度の拡充に伴い、県費が国費に振り替わることで生み出された財源は、約45.4億円となる。
 委員が述べたとおり、国の制度拡充によって生み出された財源を入学納付金補助金の拡充に活用した。
 入学納付金補助金拡充のための所要額だが、所得制限を撤廃して実質無償化することに約18.8億円、県外在住の生徒を補助対象とすることに約2億円、合計20.8億円となっている。
 なお、県外在住の生徒については、授業料における就学支援金と県上乗せ補助の対象生徒数の差を県外在住の生徒分とみなし、全体生徒数の約4.4パーセントが対象と推計し、全日制高校、通信制高校、専修学校高等課程で合計1,061人と見込んでいる。
【委員】
 浮いたお金が45.4億円、そのお金を使って入学金の実質無償化に18.8億円、県外在住の生徒への補助で2億円、合計約20.8億円、21億円弱とのことである。6月定例議会に、シミュレーションとして実際にどれぐらいの金額が浮くか、入学金を無償化するとどれぐらいかかるかを質問したが、当時、浮く金額は約47億円で、入学納付金拡充の所要額が20億円と答弁があり、おおむねそのような金額になっていると思う。
 今、答弁にあったように、今回生み出された財源を基本的には入学金の拡充に充てた。浮いたお金は一般財源であり、要望していたものの、本当に私学振興室が頑張ってくれたと思う。当たり前のことではなく、今まで入学金の補助は愛知県の特徴であり、そういったところを守るんだという矜持を感じるため、敬意を表し、感謝している。
 他県の話をもう少し掘り下げるが、今回、他県から愛知県の私立高校に通う生徒を新たに補助対象とした。今まで対象にしていなかった生徒を今回対象にしたが、他県在住の生徒が愛知県の私学高校に通うのを無償化した経緯や理由などを伺う。
【理事者】
 これまで授業料、入学納付金とも、県の独自補助については、愛知県内の私立高校等に在学し、かつ、生徒、保護者が愛知県内在住であることを補助要件としてきた。
 今回の就学支援金の拡充により、授業料補助においては、県独自の上乗せ補助がなくなった。就学支援金は、生徒、保護者の住所地によらず、県内の学校に在学している生徒が補助対象となることから、授業料については、県内在住という在住要件が事実上撤廃されることとなった。入学納付金は、これまでも授業料と同じ考え方で補助要件を定めてきたこと、また、同じ学校に入学しながら、補助の対象となる者、ならない者がいるという不公平感の解消及び学校の事務負担の軽減のため、今回在住要件を撤廃し、県内の私立高校等に入学した生徒を補助対象とすることとした。
【委員】
 要するに、県独自の上乗せがなくなったから、事務的にもやりやすくなったのだと思うし、同じ県内の私立高校に通う子どもたちの中で差がないようにすることは理解できる。
 一方で、これも本会議で触れたが、逆に愛知県から他県の私立高校に通う生徒は対象外であり、県内在住の生徒が支援を受けられないことには疑問を持っている。愛知県民ファーストとはいわないが、愛知県全体ファーストとして、県外在住、県内在住ともに補助対象とすることが一番望ましいと思っている。
 愛知県から他県の私立学校に通っている生徒は何人いると把握しているのか。
 そして、愛知県から他県の高校に入学した生徒を補助対象としなかった理由と、今後、県外の高校に入学した生徒に対する支援はどのように考えていくか。
【理事者】
 県内在住の生徒のうち、県外の私立高校に何人在学しているかは、私学振興室では把握していない。
 次に、今回、県外の私立高校に入学する生徒を補助対象としなかった理由については、先ほど答弁したとおり、入学納付金補助金は、これまで補助対象者や補助単価など、授業料軽減補助金と同じ考え方で制度設計をしてきた。今回の拡充についても、授業料補助の対象者が就学支援金の対象者と同じものとなったことから、入学金の対象者も授業料軽減補助金、就学支援金と合わせるように改正したものであるため、県外の高校に入学する生徒については補助対象としなかった。
 また、県外の私立高校に入学した生徒に対する支援について、今後どのように考えるかだが、本県においても、国の制度ではあるが、高等学校等奨学給付金のように他県の高校等に在学している生徒を支給対象としている事業もあることから、他県の高校等に入学した生徒を補助対象とすることは実現不可能ではない。
 その場合は、対象生徒をどのように捕捉するか、制度の周知をどのように図るか、過大な事務負担をどのように軽減するか、県外校において、本県在住者のみが補助を受けることに対する不公平感が生じないかなどの課題があると考えている。
 いずれにしても、まだ制度改正したばかりであり、まずは今回の制度改正による影響を注視する必要があると考えている。
【委員】
 実は、当初、県内在住生徒が県外私立高校に通う際の補助制度について要望しようとしたとき、私学振興室は制度としては担当ではないというところから、この議論は入っている。そのため、人数も当然把握しておらず、これは逃げられる質問でもあったが、向き合ってくれた。この答弁があったということは、今後もこのことに関しては、恐らく私学振興室が担当するという表明でもあると思っている。先ほど答弁があったように、高等学校等奨学給付金は取り組んでいるため、そのような意味で、県外の高校に入学した生徒に対する支援をしていないことに関して思いはあるが、今後に対して少し道ができた回答だと私は思っている。
 実現不可能でもないとの答えもあり、これは入学料ではなく授業料だが、東京都では都外私立高校に通う生徒は支援の対象として、逆に都外から都内私立高校に通う生徒への支援はしていない。東京都で実施しており、事務的にもできないことはないと思っているため、ぜひ検討してほしい。
 私が一番こだわっているのが、愛知県の子どもの学びの保障、教育の機会均等である。その点に立つと、愛知の子どもということを考えれば、愛知の子どもの学びを保障する教育の機会均等が必要だと思っている。
 愛知県の全ての子どもの学びを保障し、平等かつ公平に教育の機会均等を確保していく観点で見たときに、今の私学助成について、県としてどのように考えているか。
【理事者】
 支援の対象をどこまで拡充するかについては、様々な意見がある。これまでもそうした意見を取り入れながら、保護者負担の軽減を図るため、授業料や入学納付金などについて、補助単価の引上げや対象学校種の拡充、対象生徒の拡充など、支援の充実を図ってきた。
 今後も様々な意見を参考にしながら、親の経済格差が子どもの教育の格差につながらない環境づくりに努めていく。
【委員】
 最後に要望する。
 一つは、授業料や入学金の徴収の問題である。
 所得制限をなくして無償化されたことにより、授業料が45万7,200円以下の学校は、授業料も相殺すれば取らないこともできる。今までは所得制限があり、後から申請、所得などの届出が必要だったが、一番望ましいのは、事務負担や保護者の一時的な負担も含めていえば、徴収しないことだと思う。ただ、私立は現金を確保する、キャッシュフローの関係があり、入学金をもって入学意思を確認するツールにもなっており、入学金についてはハードルが高いが、授業料については可能性があると思っている。
 ただ、そのことで愛知県がどうこういえないことも分かっている。聞いたところによると、県内に55校ある私立高校のうち還付方式が39校、相殺方式が9校、両方採用しているのが7校と聞いており、それが変化していくと思うが、その辺りを注視しながら、しっかりと情報収集してもらいたい。
 二つ目の要望は、授業料の値上げについてである。
 便乗値上げというと聞こえが悪いし、不当に上げるというのも聞こえが悪いので、値上げという言い方をする。これは国もいろいろと考えていると思うが、補助金を上げると授業料も追従することがある。実際、来年度に45万7,200円以下の授業料の学校が値上げする動きがあると聞いている。授業料の値上げには、学則に学費についての記載があるため、学則変更を届け出なければならず、恐らく来年度から値上げをする学校が何校かあると聞いている。
 ただ、人件費の高騰、物価の高騰もあり、それを保護者に転嫁してはいけないと今まで頑張ってきた部分があると思うため、値上げが全ていけないとは思っていない。私の主観でいえば、45万7,200円までの値上げは何となく理解できる。
 しかし、それ以上値上げすることになった際には、一定のチェックが必要となる。公費を使う以上、大切なのは透明性と説明責任だと思う。国もそういったことを考えていると思うが、先ほど述べたように、学費を上げるときに学則変更は出すが、その内訳についての報告義務はないと思う。どのようなやり方がよいか、県としてもチェックすることがあれば、最終的には説明責任も生まれ、抑止になると思う。
 繰り返しになるが、私学というのは特色もあるため、値上げが全ていけないとはいわない。ただ、透明性と説明責任が果たされるように県も注視してほしい。
 三つ目の要望は、他県から県内私立高校に通う生徒についてであるが、先ほど述べたように、まずは答弁があったことが一番の成果だと私は思っており、そこは本当に感謝をしているし、入学金無償化を全国初で取り組んだことは本当に素晴らしいことで、評価している。
 その前提で、私は何も無償化がよいといっているわけではない。ある程度の受益者負担があり、特色があり、その上でお金がかかることは必要だと思う。繰り返しになるが、やはり教育の機会均等と学びの保障である。特に、私学助成が拡充する中で、私学をよくする愛知父母懇談会や私学団体の人々がいってきたのが、教育の機会均等ではないか。ある意味で子どもたちの教育の機会均等をすごく理解していると思う。だからこそ、その視点に立ち、愛知県の子どもの教育の機会均等を考えてもらい、先ほどから私が述べていることも検討してほしい。
【委員】
 予算に関する説明書(1)122ページの第3款県民環境費第1項県民生活総務費のうち、インターネットモニタリング事業費について伺う。この課題は、先日の議案質疑において、議員が質問した。県は答弁において、情報流通プラットフォーム対処法という法律ができたため、この法律を踏まえて、従来からやっているモニタリング事業の中身を精査して、差別を助長する悪質で違法性の高い書き込みが速やかに削除されるよう、実効性の高い対応の実現に向けて検討を進めると発言した。その検討の中身について、何点か伺う。
 まずは、県がモニタリング事業によって違法性が高いと判断した件数、そして、名古屋法務局に削除要請をした件数や削除された件数が報告されたが、県から削除要請を行った後の名古屋法務局での取扱いと、その事業者が削除する結論が出るまでにどれぐらいの期間を要したのか。
【理事者】
 県から削除要請を行った後の名古屋法務局の取扱いだが、名古屋法務局では、インターネット上の人権侵害情報による人権侵犯事案に関する処理要領などに基づき、事業者に対する削除要請を行うべきかどうか検討し、法務省でも同様に検討された上で、その後、事業者に削除要請をすると聞いている。
 このように、名古屋法務局と法務省のそれぞれの人権侵害に関する専門的知見を有する者が慎重な検討を加えた結果として行われることから、インターネット関連の民間団体などで構成される情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会が作成した情報流通プラットフォーム対処法名誉毀損・プライバシー関係ガイドラインでは、名古屋法務局からの削除要請については、削除するに当たる相当な理由があるとされている。
 一方で、事業者に削除要請するまでには、名古屋法務局、法務省とある程度の期間が必要となり、さらに事業者が削除するかどうか、また、その後に検討を行うため、今年度に削除要請した34件のうち、削除を実際にされた27件については、県が削除要請をしてから削除されるに至るまでに数か月程度、長い場合は6か月以上の期間を要している。
【委員】
 被害者にとってはものすごい勢いで拡散されてしまう差別情報をとにかく早く止めたいということだが、今答弁があったように、実際には数か月を要するケースがある。こういったことがあり、昨年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法においては、大規模プラットフォーム事業者に対して、被害を受けた者からの申出に7日以内に削除するかの判断をする、7日以内という条件が付された。これは大変大事なことだと思う。この新しい法律が間もなく施行されてから1年がたち、本年5月には運用状況が報告され、その報告に基づき、悪質な場合には1億円以下の罰金が科される可能性があるとのことだが、実効性の高い対応の実現に向けて、情報流通プラットフォーム対処法を踏まえた大規模プラットフォーム事業者に対して、県としてどのような対応、検討を行っていくつもりか。
【理事者】
 本県は今年度、様々な人権問題を全国19の都府県政令指定都市で協議をする全国人権同和行政促進協議会の代表として、大規模プラットフォーム事業者が9者のうち2者に対して、昨年11月と本年1月にそれぞれ要望書を手渡すとともに意見交換を行い、地方公共団体が直接削除の申出を行った場合においても、被害を受けた者からの申出と同様、法律に準じて速やかに対応されるよう求めたところ、同事業者からは、被害を受けた者からの申出と同様に削除基準に照らして適切に対応する旨の回答をもらっている。
 さらに、その他7者の大規模プラットフォーム事業者と民間団体による情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会にも同様の要望を文書で行った。
 今後、令和8年3月27日に開催予定の愛知県人権施策推進審議会において、インターネット上の誹謗中傷等に対する対策についてを議題として審議会の意見を伺うとともに、名古屋法務局に削除要請の手法等を確認するなどにより、直接県から事業者に削除の申出をすることについて、検討を進めていきたい。
【委員】
 おおむね県の姿勢は理解できたので、要望を述べたい。
 インターネット上の情報は、ものすごく天文学的な数字で世界中に拡散され続けている。例えば、総務省が委託運営している違法・有害情報相談センターに寄せられる相談件数は、2024年度だけで6,403件、10年前から倍以上に増えており、その中身はほとんどSNS、ブログや個人のホームページなどであって、これは、流通している情報のほんの一部でしかないと思う。そして、情報流通プラットフォーム対処法による裁判所を介した問題情報の発信情報開示手続というものがあり、これは情報の発信者を突き止める手続だが、以前より簡素化されたこともあって、2024年の手続件数は6,274件と、前年度の1.7倍にも激増している。そのほとんどは東京地方裁判所に申し立てられており、恐らく東京地方裁判所においても処理しきれない分量だと思う。
 そして、このSNSの運営事業者に法律的な義務が課されたことは非常に画期的なことだと評価したいが、大手9者がそれに応じてガイドラインに沿った対応をしている中で、例えば、問題情報の削除の義務が課された新制度の作業に当たる侵害情報調査専門員を設置しなければいけないという義務がある。LINEヤフー株式会社以外の事業者は、最低の1人を設置しているだけであり、これは、恐らく膨大な量の問題情報の申請に対して、到底処理の追いつくものではないと思う。
 私も、インターネットでいろいろな問題情報を見るが、一番簡単なのは、ユーチューブの検索欄に部落や同和といったキーワードを入れて検索してみてほしい。この有名人、芸能人は部落出身だ、実は韓国人だといった、全く根拠もなく他人の出自をアウティングする情報が次から次へ出てくる。当然、これは関心を呼び、それを信じ込んだり拡散したりする人もいる。
 そのうちの幾つかを取り上げ、私も、ユーチューブで問題情報の申請をしてみようと思ったが、なかなか手続が面倒である。ホームページの隅には報告ボタンがあって、問題情報の報告申請ができ、何回か報告した。同じものはしばらくすると見かけなくなるが、しかし、また新手の同じような投稿が次から次へ出てくる。いたちごっこではないが、一つ一つの申請を審査して削除していても、とても追いつくものではないと私も実感した。事業者に任せているだけでは、氾濫するネット情報をなくすには、極めて不十分ではないかと思わざるを得ない。問題情報を作成、発信している人物、そして、それを拡散して利益を得ているユーチューバーのような人たちがいるため、こうした発信者に対する罰則なども検討する必要があると思う。
 その意味で、私が注目したのは、昨年12月に鳥取県議会でSNS上の誹謗中傷や差別情報の投稿者に対する罰則を設けた初めての条例が成立した事例である。これは、鳥取県の平井伸治知事が強いリーダーシップによって全国で初めてできたものであって、この効果がどのようなものになるのか非常に注目している。
 本県としても、愛知県人権尊重の社会づくり条例を制定してから数年がたつ。この条例に基づいて始めたインターネット上の差別有害情報を検出し、それを削除する取組も、情報流通プラットフォーム対処法ができたこと、鳥取県条例ができたこと、それから鳥取ループという団体があって、これが部落地名総鑑のような旧被差別部落の地名を現在の地名と対照するような膨大なデータ、1970年代に部落地名総鑑として大きな社会問題になった情報をインターネット上で開示している。それに対する社会的規制というのは完全に尻抜けになっていたわけだが、これに対して、被差別者の当事者から損害賠償請求の裁判が起こされ、この判決が東京地方裁判所で確定した。つまり、これは人権を侵害する有害情報であって賠償責任があることが確定した。こういった動きを参考にして、発信者にも社会的制裁を加えることが必要な段階に来たと私は思っているので、先ほど答弁にあった本県の愛知県人権施策推進審議会においても議論して、今後の取組の中でぜひ検討してもらいたいと要望して終わる。

一般質問​

【委員】
 日本の人口は2008年、愛知県の人口は2019年、755万人をピークにひたすら減少している。人口減少は当然経済のパイが縮まっていくことであり、それを支える基礎自治体、さらには基礎自治体を構成する各地域もまた衰退して、伝承文化や風俗や様々なものが途切れてしまう可能性がある。
 その一方で、愛知県は観光振興として様々な施策を打っており、その中で、山車文化もそうである。来年度予算でも500万円弱ついていたが、愛知県は、実は山車だけではなく、いろいろな祭りや文化が各地域に眠っている。そのような意味では、それらをしっかり見てもらうことで、地域の人たちがもう一回頑張ろうという気になり、若者の定住人口につながる中で、なかなかスポットが当たらないところだが、無形民俗文化財について質問する。
 まず、総論として、文化財保存活用地域計画について伺う。
 文化財とはそもそも、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、文化的景観、伝統的建造物群の六つの類型に分類されている。国では、文化財保護法改正により、基礎自治体が新たに文化財保存活用地域計画を定め、それを国が認定することとした。これによって、保護の対象は、実質国から基礎自治体に移管されたと私は思っている。
 この計画は、市町村の総合計画などの上位計画の下に体系づけられ、これを作成、実施することにより、地域が総がかりで文化財を守り、生かし、伝える体制を構築し、文化財の存在をしっかりとつなげていくことが期待できるものである。
 また、これまでの文化財保護と大きく違う点は、これまでは個別の指定等文化財、例えば国宝や重要文化財等を保護してきたものが、この文化財保存活用地域計画では、地域では当たり前のように傍らに存在している未指定の文化財を含めており、地域で価値のあるものを、指定を受けるのではなくても文化財として把握して、価値を共有し、教育、観光、景観づくりへ活用し、官民合わせて地域総がかりで継承を促していくものである。
 そこで、一点伺う。
 国において、市町村による文化財保存活用地域計画の策定を推奨しているが、これを定めている県内市町村は幾つあるか。
【理事者】
 文化財保存活用地域計画について、県内では名古屋市をはじめ、九つの市町村が計画を策定している。
【委員】
 策定に当たってどのような支援が具体的にあるか。
【理事者】
 国は、計画作成費の一部を補助しており、毎年度計画を策定する市町が活用している。今年度も応募した3市全てが補助を受けている。
 また、県は、計画策定に当たって、市町村が設置する協議会に職員を派遣して必要な助言を行っている。
【委員】
 一点、所感として聞きたいが、九つというのは多いか少ないか。
【理事者】
 現在、他県でどのくらいの市町村が文化財保存活用地域計画を策定しているかは把握していないが、県内において、9市町が順次策定しているところである。恐らくどの県においても、できる市町村から計画策定を進めているものと認識している。
【委員】
 もしかしたら情報がしっかり伝わっておらず、分からない市町村もあるのかもしれないため、県からしっかり広報してもらいたい。例えば、神社の建物が重要文化財や国宝だとしても、そこに氏子がいたり、祭りをする子どもたちがいたり、参道に対して様々な商店を営む人がいたり、そして、それを含めた全ての景観で一つのものとして成り立っていて、その建物だけが国宝に指定されていても、決して意味がないと私は思っている。そのような意味では、文化財保存活用地域計画をしっかりと定めて、いろいろな人たちがそこに寄って、各市町でしっかりと議論をして、自分たちの大切さをもう一回改めて理解する、自分たちの町で何が一番有益なのか、何が活力として今後行っていけるかを官民連携で互いに話し合ってもらう、その作業がまずは大事だと思うので、ぜひとも県で広めてもらえればと思う。
 次に、少し前にできた制度だが、地方登録制度について伺う。
 地方登録制度とは、地方公共団体が地域の文化財保護条例に基づいて独自に設けている制度である。その制度創設の背景には、都市化や生活様式の変化により、近現代の建物等がその価値を十分に協議されない、もしくは認識されないまま破壊されている事例が相次いでいる。従来の国指定文化財制度とは、特に重要なものに限定し、強い規制と手厚い保護を行うものであり、そのため、地域の消滅の危機にある多数の文化財を網羅的に保護することは不十分であった。より緩やかな規制の下、地域の幅広い文化財を保護するため、新たな仕組みが求められる中で、2021年度の文化財保護法の改正により地方登録制度ができたが、従来の国指定文化財制度と県が把握する地方登録制度は、具体的に何が違い、どのような制度なのか。
【理事者】
 地方公共団体における登録制度は、委員が述べたとおり、従来からの文化財指定制度を補完する制度として創設されたものである。これは、歴史性や学術的評価の蓄積といった観点で、文化財として指定するまでには至らないものの、相応の価値が認められる文化財を登録し、保護の網をかけるものである。
【委員】
 県で登録は今何件ぐらいあるか。
【理事者】
 本県では2023年3月に条例を改正して、同年4月1日からこの登録制度を運用しているが、これまでに彫刻や歴史資料など、12件を登録している。
【委員】
 県として12件を含めて、どのような補助を行っているか。
【理事者】
 登録文化財等の所有者が公開、伝承、記録作成を行うに当たって、補助率2分の1以内、上限20万円の補助を行っている。
 また、補助のほかに文化財の管理または修理に関して、県や愛知県文化財保護審議委員会の委員により技術的な助言なども行っている。
【委員】
 国からの支援はあるか。
【理事者】
 都道府県に関しては、県登録文化財の保存等に関する経費として、国から特別交付税による財政措置がある。特別交付税は他の経費を含めて一括して交付されるため、具体的な額は把握できていないが、額の算定方法としては、まず、建造物や美術工芸品など、種別ごとに定められた金額にそれぞれ件数を掛けて合計額を算出する。その上で、その合計額を2分の1にして、さらに財政力に応じて補正した額が措置される制度となっている。
【委員】
 文化財というと、例えば先ほども述べたように、国宝や重要文化財に光が当たるが、守る価値が高いのは当然国指定重要文化財が一番高く、その次に県指定重要文化財が来て、その次に市町村指定文化財が来て、その次に国の登録文化財が来て、県の登録文化財が来る。その序列も地域の人たちにしっかりと周知しつつ、大切な制度であることも周知しなければ、指定文化財か登録文化財かも分からないまま、先ほどの総合計画のような計画や個別物件の登録文化財のような制度と混乱する可能性もある。その辺りは周知をしながら進めて、それが最後は愛知県の観光振興につながっていくと思うので、よろしく願う。
 続いて、先ほど述べた無形民俗文化財について質問する。
 無形民俗文化財とは、衣食住、なりわい、信仰や年中行事など、様々な風俗慣習、民俗芸能、民俗技術、世代から世代に伝えられてきた形のない文化財を示し、無形文化財はその技を体得した個人や団体に焦点が当てられ、いわゆる人間国宝として認定される一方、無形民俗文化財は、特定の個人ではなく、行事やそのものが文化財として評価されている。言い換えれば、地域でのお祭りや年中行事、神楽、田楽等がそれに当たると思う。
 愛知県では山車に対しては毎年500万円弱の予算づけが行われているが、今現在、愛知県内の無形民俗文化財の指定登録件数は何件あるのか。また、ここ数年の指定登録状況を伺う。
【理事者】
 県内では、現時点で無形民俗文化財の国指定が13件、県指定が45件ある。
 近年の指定状況であるが、2023年8月に犬山市の尾張冨士の石上げ祭が県指定となった。また、2025年3月に岡崎市の瀧山寺鬼祭りが県指定から国指定に変わっている。
 国、県ともに登録されている無形民俗文化財はない。
【委員】
 県指定、登録無形民俗文化財に対する補助金にはどのようなものがあるか。
【理事者】
 本県では、県指定の無形民俗文化財に関して、用具の保存修理や伝承、記録作成等を補助対象として、原則3分の2以内で補助している。
 また、県の登録文化財に対しては、先ほど紹介したが、公開事業や伝承、記録作成について、補助率2分の1以内、上限20万円で補助を行っている。
【委員】
 県の補助制度と国の補助制度の違いを教えてほしい。
【理事者】
 国においては、国指定の無形民俗文化財に関して、用具の保存修理や伝承、記録作成等を補助対象としている。補助の対象となる用具の考え方については、国と県で同様である。
 補助率であるが、国は、原則、補助対象経費の2分の1を補助していて、これに県が対象経費の10分の1以内の上乗せ補助を行っている。
【委員】
 どのように補助対象を決めているのか。
【理事者】
 県の補助金については、要望のあったものに対して、ヒアリング等を通じて、文化財としての価値を維持するために必要な事業であるかを確認し、補助対象に該当するものは全て補助をしている。
【委員】
 来年度予算の中の項目としては、県指定文化財補助金7,200万円がそれに当たるのか。
【理事者】
 修理費補助金に計上している。無形民俗文化財については、国指定の上乗せ補助分として、4件で合計235万1,000円、県指定については、3件で合計768万円を予算計上している。
【委員】
 無形民俗文化財は昨今、我々の生活様式の変化や少子化、過疎化により、後継者不足等による消滅や変容の危機が生じており、保存継承が危ぶまれていると聞いている。インターネットの情報だが、調べると、都道府県指定の無形民俗文化財のうち、約4パーセントが休止や廃止をされているデータもあると載っていた。
 その中で、県で指定された無形民俗文化財のうち、担い手不足やそのほかの事情等で活動に困っている団体は幾つあるのか。また、県は指定後、その活動状況をどのように見守り、把握しているのか。
【理事者】
 県では現在、国指定の花祭りで、17の保存会のうち三つの保存会が、三河の田楽で三つの保存会のうち一つの保存会が活動を休止していること、県指定でも2つの保存会が休止していることを承知している。
 こうした活動状況の把握方法であるが、市町村の文化財所管部局に対して、指定文化財の祭礼に休止や変更がある場合には、県文化財室に情報提供するよう依頼している。
 また、県が委嘱する文化財保護指導委員に、無形民俗文化財を含む県内の国、県指定文化財の巡視活動を行ってもらい、文化財保護指導委員から報告をもらう場合もある。
【委員】
 東三河地域の奥地のように、普通でも人口が減少している地域が、伝承ができず、存続の危機になっていることはゆゆしき問題であるので、何らかの手段を講じなければいけない。その中で、お祭りに関するランニングコスト、例えば神事のようなコストには恐らくお金が出ていない。祭礼用具の修理や衣装の新調は多額の費用がかかり、これらは地域の人々の自己負担によって賄われている。高い自己負担は地域の文化財から人が離れてしまう一因でもあり、自己負担を軽減するために公的支援の拡充を考えるべきだと思う。長久手市も、長久手の棒の手、岩作のオマント、長湫の警固祭りの3つが県の無形民俗文化財に指定されている。棒の手は、県内では恐らく14ほど指定されており、江南市もそうである。風切という、剣道でいうと胴の部分だけでも10万円から高ければ20万円以上するし、長湫の警固祭りは、鉄砲は買わなければならず、衣装もそうだが、わらじと陣笠も含めると100万円を超えてしまう。それを県で何とかしてほしいという話ではないが、そのような用具をそろえるのとは別に、お祭りの費用も出さなければならない。壊れた用具を直したり、補修修繕したりするだけでなく、例えば用具や衣装の新調、行事に対する補助活動などはできるのか。
【理事者】
 県の補助金についてであるが、祭礼用具や衣装の保存修理など、特に重要で引き継いでいく必要があるものに関しては、復元新調、補修を補助対象としている。
 また、県の補助対象外のものについても、市町村を通じて民間団体の助成金なども案内しており、実際に活用実績もある。地元の文化財に精通している市町村と連携して、保存会の相談に対応していきたい。
【委員】
 新しい補助制度をすぐにつくってほしいといってもなかなか難しいと思うが、無形民俗文化財がなくなるのならば、守っていかなければならない。県が指定した以上は責任があると思うので、その辺りも検討してもらいたい。
 県民文化局だけの縦割りで検討しても難しく、例えば観光コンベンション局も含めて、横串を刺して横断的に進めていくことが一番よいと思うが、横断的に取り組んでいることはあるのか。
【理事者】
 無形民俗文化財の観光資源としての取組だが、まず、観光コンベンション局においては、無形民俗文化財を活用して、今年度、本県が名古屋市と共同で大阪・関西万博に催事出展した際に、EXPOメッセのステージで五つの保存会に演目を披露してもらった。
 また、地域資源を活用した観光コンテンツ造成の取組の一つとして、バスツアーの造成や販売支援を行い、その中で、例えば東栄町の花祭りの見学と地域ならではの食を組み合わせたコースなども造成したとのことである。
 また、県の公式観光サイトAichi Nowや各種パンフレットなどを通じて、地域の伝統あるお祭りなどの紹介も行っている。
 今後も観光の観点からも、無形民俗文化財を活用した情報発信や文化財を活用した観光コンテンツの造成などを検討しているとのことである。
 また、県民文化局においても、委員から指摘があったが、県が事務局を務めているあいち山車まつり日本一協議会において、山車祭りのスタンプラリーを実施するなど、県内の各地域で開催される山車祭りを巡ってもらうための事業なども行っており、引き続きこの文化財の活用にも取り組んでいく。
【委員】
 ぜひ、山車だけではなく、無形民俗文化財のスタンプラリーも実施してほしい。そうすれば、津島市から奥三河地域まで、愛知県中で知多半島も含めてまわれる。知ってもらうことが大事だと思うので、検討してほしい。
 県の中の横断的なことを質問したが、今度は地域との横断的なつながりについて伺う。例えば基礎自治体や学校だが、新たな人材をお祭りや神事、催事等に供給するには、郷土教育として地元の小中学校が伝統芸能の歴史を学び、また、体験する機会を増やすことが必要だと思う。
 シビックプライドを持つことが地元愛につながり、ひいては若者層の定住人口増加につながる。その意味でも、幼い頃から地域の伝統芸能に触れることは大切だと思うが、県としての取組を伺う。
【理事者】
 県では、民俗芸能の継承に向けて、愛知県民俗芸能大会と伝統文化出張講座を開催している。
 愛知県民俗芸能大会は、県内に伝承されている民俗芸能を公開し、鑑賞する機会として、毎年、市町村と共催で開催しているものであり、今年度は一宮市で開催し、六つの演目を実施した。
 伝統文化出張講座は、子どもたちの民俗芸能への理解を深めるために、鑑賞にとどまらず、体験や練習、発表を行うことによって伝承活動を支援するものであり、今年度は五つの小学校に民俗芸能の保存団体を招待して開催した。
 今後も引き続き、若者も含め、県民に民俗芸能に対する理解と認識を深めてもらえるように取り組んでいきたい。
【委員】
 最後の質問になるが、我が町、長久手市の無形民俗文化財について、少しだけ質問したい。
 まず、先ほど述べた棒の手である。県指定が14あるが、地域によっては型があり、伝承が非常に難しい。人がいなくなれば当然伝承ができなくなる。長久手市も一時は伝承が途切れて、名古屋市の高針の伝承者に教えてもらった歴史もあるそうだ。
 今後人口が減っていく中、伝承を途切れさせないためにはどうしたらいいのか考えたときに、長久手市の近隣に愛知工業大学がある。愛知工業大学の先生に依頼して、モーションキャプチャーで動きをつけて、VRゴーグルで見ると棒の手が体験できる、360度どこからも見られる立体映像の形にした。お祭りはアナログの文化だが、それをデジタルに置き換えることで、最終的には、もし伝承が途切れたとしてもデジタルデータで残しておくことで、VRゴーグルをかければ本当に相手がいるように見えるし、どこからでも見られるような形で、何とかデータとして残せないかという試みを現在行っている。
 市の補助が出るか分からない中で、そのような取組には県から補助金が出るのかも踏まえて、感想を聞かせてほしい。
 もう一点は、長湫の警固祭りというお祭りがあり、参加者が鉄砲を300丁ほど担いで、70発ほど火縄銃を発砲しながら半日市内を練り歩く。

長湫の警固祭り
​長湫の警固祭り

 これだけの数を撃つお祭りは、恐らく長久手市しかないと思う。300丁撃つとどうなるかというと、一斉に打った瞬間に、風がなければ真っ白になって前が全く見えなくなる。ということは、長篠の戦いの三段撃ちは、あれだけ次から次へ撃てば、敵が見えなかったのではないかと思う。それは、長湫の警固祭りに参加して初めて体験することであり、鉄砲はすごいと感じられるお祭りである。
 ただ、安倍晋三元首相の痛ましい事件があってから、黒色火薬を扱うため、警察の許可が非常に厳しくなってきた。ましてや、長久手市は住宅地街のため、撃てる場所がだんだん少なくなる中で、存続の危機にさらされているというのがまず一点、もう一つは、やはり安倍晋三元首相の事件から銃刀法が改正をしたのだろう。その中で、壊れた鉄砲を修復してしまうと、ある意味古物なので、昔のものを修復すると改造銃に変わってしまう。しかし、鉄砲の鉄の部分は劣化しないが、木の台座の部分は、撃つほど悪くなる。それを修理した瞬間に改造銃扱いされてしまうと、長久手市の長湫の警固祭りや岩作のオマントは、100年たてばなくなってしまうお祭りなのかという思いもある。
 そのような中で保存していくには、様々なものをクリアしなければならない。しかし、保存会は民間団体なので、それは当然できないし、では市が取り組もうとすると、市も最終的には祭事なので、政教分離といわれるとなかなか難しいところがある。その中で、県は無形民俗文化財として指定しているので、その辺りも含めて間に入ってもらえるとすごくありがたい。
 この二点について、どうしてほしいといっても恐らく答えられないと思うので、意気込みだけでも教えてほしい。
【理事者】
 まず、記録映像に関する補助についてであるが、県指定の無形民俗文化財に関しては、記録映像についても補助の対象のため、相談してほしい。
 また、長湫の警固祭り等で使われる火縄銃については、委員が述べたとおり、美術品もしくは骨董品として文化財的な価値を有するものが銃刀法に基づいて所持が認められており、そのために、火縄銃の修復については、銃刀法で所持が認められる内容の修復であることが前提になると思う。そのうえで、他の祭礼用具の修理と同様に、有識者への意見聴取等によって無形民俗文化財の用具の修理として適切かどうかも判断の対象になると考えている。
 また、火縄銃については、法令の規定と文化財の保護の趣旨から、一定の制限があり、銃身部や銃床部といった主な構成部分の新調は修復として認められていない現状がある。
 ただ、委員が述べたとおり、各地域で祭りが存続できるようにすることは県の重要な役割と考えており、所有者から相談があった際には、その内容に応じて、警察や文化庁に確認をしていきたい。
【委員】
 今回は、自分自身が分かりやすいので長久手市を例に出したが、存続が危ぶまれる地域に関しては、それぞれ抱える問題点があると思う。しかし、お祭りや催事、神楽や田楽も含めて、それらができたことは歴史の上で成り立っており、人が暮らし、生活の中で生まれたものである。県が無形民俗文化財として指定した以上は、存続させる責任があると思うので、その指定した重みをしっかりと受け止め、今後ともしっかりと目配せを願い、質問を終わる。
【委員】
 私からは、次期男女共同参画プラン、特にその中でも、経済分野での女性の活躍を進める進捗管理指標について伺う。
 本年1月、県は、あいち男女共同参画プラン2030、まだ仮称だが、この案に対するパブリックコメントを行い、次期計画案の内容を公表した。その中では、三つの重点目標と10の基本的施策が掲げられており、合わせて35項目の進捗管理指標を設定し、計画の進捗状況を把握することとしている。
 私は、これまで議員活動の中で、男女共同参画に関係する様々な委員会においての質問や、大学などでジェンダーギャップの講演なども行ってきたが、その中で、経済分野での女性の活躍を進める指標として幾つかポイントを挙げて話をしてきた。
 そのうち、まずはじめに注目しているのが、女性の労働参加を増やすことである。特に女性の有業率について、年代別のグラフにすると、これは日本独特だが、結婚、出産期に一旦低下し、子育てが落ち着くと再び上昇するM字カーブを描いていることはよく知られている。
 次期プランにおける女性の労働参加を示す指標は、どのような設定になっているのか伺う。
【理事者】
 女性の労働参加を示す指標については、次期プランにおいても、進捗管理指標として設定している。
 具体的には、結婚、出産、子育て期に当たる年代の女性に着目し、25歳から44歳までの女性の就業率として、2024年度の現況値80.2パーセントに対して、2030年度の目標値を国の第6次男女共同参画基本計画の数値目標案を踏まえて、86パーセントまで引き上げたい。
【委員】
 2024年の25歳から44歳までの女性の就業率は80.2パーセントで、2030年度には国に準じて86パーセントにすると答弁があった。
 実は、男性で25歳から44歳までの就業率は9割を超えている。女性のような落ち込みもなく、年代別グラフも全体として台形となっている。この年代の女性の就業率も8割を超えていて、徐々に男性に近づきつつあるとは感じているが、女性の労働参加を増やすことに関して、労働局とも連携して、引き続き県の一層の取組をお願いしたい。
 次のポイントとして重要なことは、女性の役員、管理職、起業家を増やすことだと考えている。現行のあいち男女共同参画プラン2025では、管理的職業従事者に占める女性の割合を20パーセントと目標設定をしていたが、現況は、2022年度に実施した総務省の就業構造基本調査によると、14.4パーセントとなっている。数字が目標に達していないということである。
 また、本県では、2024年11月に日本最大級のオープンイノベーション拠点であるSTATION Aiがオープンし、スタートアップにおけるアジアの聖地を目指して様々な活動が行われているが、現行プランには、女性起業家育成に関する指標は特にないと認識している。
 次期プランにおける管理的職業従事者に占める女性割合は、どのような目標設定になっているのか。また、女性起業家を増やしていくために何か目標を設定したのか。
【理事者】
 管理的職業従事者に占める女性割合については、委員が述べたとおり、現況値は、国の就業構造基本調査における14.4パーセントである。
 そこで、次期プランでは、本県の長期的な政策の方向性を示すあいちビジョン2030に掲げる目標を踏まえて、女性管理職比率を30パーセントまで高めたいと考えている。
 次に、女性起業家を増やすため、次期プランでは、新たにSTATION Aiのスタートアップ会員のうち、代表者が女性の割合を進捗管理指標として新たに設定した。
 具体的には、2025年度の現況値12.0パーセントに対して、STATION Aiが設定している業績評価指標を踏まえて、2029年度までに20パーセントにすることとしている。
【委員】
 次期プランでは、新たにSTATION Aiの会員のうち、代表者が女性の割合を20パーセントまで増やすと答弁があった。大村秀章知事も様々な行事の中で、フランスのSTATION Fの女性起業家の割合は4割となっており、まずはSTATION Aiも2割を目指していきたいと発言しているため、ぜひ、目標達成に向かって経済産業局に働きかけてほしい。
 最後に、三つ目のポイントとして、就業分野の男女差をなくしていくことである。これは、私が昨年6月定例議会の委員会でも質問したが、男子は理系、女子は文系といった固定的な意識に基づく女性の採用や職域拡大を阻む要因の解消を目指していくことだと考えている。県は、これまでもキャリアプラン早期育成事業として、中学、高等学校等における出前講座の実施や、公益財団法人山田進太郎D&I財団が行うGirls Meet STEMに協力するなど、性別にとらわれない進路、職業の選択促進に取り組んできた。私もある中学校で話をしたときに、県の資料を使って、理系のイメージは男性か女性か、どのように思うか聞いたときに、男性のほうに偏るという、中学生の意識もそのような形であった。
 一方で、現行プランでは、性別役割分担意識にとらわれない進路、職業選択支援を受ける生徒、学生数として、2025年度までに5,000人を目標としており、2024年度までに約1万人が支援を受け、目標を達成したと聞いている。この数字は本当に高かったと思うが、ただし、こうした定量的な目標設定は、事業の実施状況を把握し、費用対効果を図るには有効だが、事業が社会に及ぼす効果を検証するところまでは適していないのではないかと私は考える。
 こうした若い世代の進路、職業選択の際に、性別役割分担意識にとらわれない人が増えていることの指標として、国では、大学の理工系の教員に占める女性の割合や、理工系学部の学生に占める女性の割合を目標として設定をしているそうだが、次期プランにおいては、理工系分野における女性の割合に関して、何か目標設定を行っているのか。
 また、目標達成に向けて、来年度、女子学生の理工系分野の選択支援について、どのように取り組むのか。
【理事者】
 若い世代の多様な進路、職業選択を進める指標に関しては、委員が指摘したように、これまでは進路職業選択支援を受ける生徒、学生数といった定量的な目標設定にとどまっていた。
 そこで、次期プランにおいては、国の指標や公益財団法人山田進太郎D&I財団が行うGirls Meet STEM事業に今後も県として連携協力していくことを踏まえ、県内大学の理工系学生に占める女性割合を新たに設定していきたい。
 具体的には、2023年度の県調査における女性割合、理学部22.3パーセント、工学部14.2パーセントを現況として、2030年度までに文部科学省が実施する学校基本調査に基づき算定した全国平均まで高める目標を設定したい。
 次に、この目標達成に向けた取組としては、先ほど述べたGirls Meet STEMについて、今年度と同様、公益財団法人山田進太郎D&I財団と連携協力していく。この連携協力については、来年度から理工系分野女性応援事業として事業化し、あいち女性輝きカンパニーを女子中高生等が訪問するオフィスツアーについて、広報面で支援するとともに、理工系企業の女性社員が県内中学校、高等学校等に直接訪問して出前講座を行うGirls Meet STEM for Schoolを新たに財団と協力して進めていく。こうした取組により、県内女子中高生等を対象として、理工系分野への選択支援を行っていきたい。
【委員】
 先ほど委員が質問したあいち女性輝きカンパニーも出てきたし、全国平均を目指すということで、これまで経済分野での女性の活躍を進める観点での次期プランの指標の設定条件について、今確認をした。全体としては、国計画や県の関連プランの動向を意識しながら、本県の特徴を踏まえた指標設定であると思う。
 最後に一点、新たな男女共同参画プランの特徴は何か。また、その特徴を踏まえて、どのような施策に力を入れて取り組んでいくのか。
【理事者】
 次期プランの特徴と、それを踏まえた施策についてであるが、次期男女共同参画プランでは、男女共同参画社会の実現に向けて、現行プランの基本理念を継承しつつ、基本的施策の一つとして、新たに女性、若者にも選ばれる地域づくりを位置づけている。
 具体的には、県内企業の魅力や愛知の住みやすさ発信、女性の起業支援、休み方改革の推進といった取組を施策の方向性として定めて、先ほど委員からも話があったが、あいち女性輝きカンパニーなどの県内企業の魅力を積極的に発信し、STATION Ai等を活用した女性起業家への支援などの施策を進めていく。
 本県としては、女性、若者にも選ばれる地域づくりを次期プランの大きな柱の一つとして、女性が個性や能力を発揮でき、働きやすい地域となるよう、関係局とも連携を図りながら、これまで以上に取り組んでいく。
【委員】
 最後に要望する。
 先日、3月8日は国際女性デーだった。ニュースで取り上げられており、見た人もいると思うが、2026年の都道府県版ジェンダーギャップ指数によると、愛知県は、政治は16位で横ばい、行政は24位で後退、教育は26位で後退、経済は34位で横ばいとなっている。特に愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県は、フルタイムの仕事に従事する割合や賃金で男女格差が大きくなっている。やはり製造業が強い地域は、男性が稼ぎ主というモデルが残っており、これだけ低くなってしまうということである。世界と比べても、企業での女性代表や女性議員の割合が少なく、日本のジェンダーギャップ指数は118位と低迷したままである。
 先ほど、女性、若者にも選ばれる地域づくり、どうしても東京都に流れてしまう現状があり、もっと本当に魅力的なものをつくっていかなければならないと思う。特に、就労人口の減少で、ますます女性活躍が期待されている現在だが、その多様性が叫ばれる中、女性にとって、以前は仕事、結婚、子育て、出産が人生の目標だったが、今は、仕事か結婚か出産かは、本人が自由に選択する時代になった。しかし、今の日本社会では、家事にしても、親の介護にしても、女性にかかる負担がまだまだ大きい。労働環境も賃金も、家庭での負担も、男性と同じ分量になったら、より多くの女性が社会に出て活躍できると思うし、その能力を持っている女性はたくさんいるはずである。
 日本では昨年、女性の総理大臣も誕生し、今年の日本のジェンダーギャップ指数の順位は、多少上がるのではないかと私は期待をしている。このあいち男女共同参画プラン2030の策定によって、より高い目標に向かってこの愛知県が独自の独創性を表して、社会全体がそれを大きく影響して動いていくことを大いに期待して、質問を終わる。
 
〈委員外議員発言〉
【議員】
 愛知県美術品等共同収蔵庫について、幾つか気になることがあり、質問する。
 本県では昨年12月、愛知県美術品等共同収蔵庫整備基本計画を取りまとめ、公表した。愛知県美術館、愛知県陶磁美術館、愛知県立芸術大学の県立3施設が共同で利用する全国初の取組であり、専門家からも大きな注目を集めている。
 3施設では、所蔵品の増加に対して収蔵スペースが不足し、収蔵環境の確保が長年の課題となってきた。県民の大切な文化資産を守り、次の世代へ確実に引き継ぐために、共同収蔵庫の整備には大きな意義があると考える。
 共同収蔵庫は、元愛知県立常滑高等学校敷地に整備され、単なる保管施設ではなく、まもる、ひらく、つながるをコンセプトに、保存修復の一部公開や教育普及、地域連携も視野に入れた3施設のバックアップセンターと位置づけられている。

共同収蔵庫 外観イメージ
​共同収蔵庫 外観イメージ

 また、常滑市には焼き物文化をはじめとする豊富な地域資源があり、INAXライブミュージアムなど周辺施設との連携によって新たな文化発信の拠点となることも期待されている。
 共同収蔵庫はPFI法に基づく手法を導入し、民間事業者が維持管理や運営を担うとされている。
 その一方で、3施設は、愛知県美術館、愛知県陶磁美術館、愛知県立芸術大学だが、3施設はそれぞれの収蔵品に責任を持たねばならない。つまり、愛知県美術館の収蔵品は愛知県美術館が、愛知県陶磁美術館の収蔵品は愛知県陶磁美術館が、愛知県立芸術大学の収蔵品は愛知県立芸術大学が管理責任等を負わなければならない。言い換えれば、共同収蔵庫でありながら、輸送や安全管理や保存、研究などの責務は各施設が負うことになる。本館から離れた場所に整備される以上、作品の輸送、安全管理、専門職員の関わり方など、丁寧に詰めるべき課題は少なくない。文化財や美術品は、一度損なわれれば元に戻すことはできない。全国初の注目の取組だからこそ、保存の専門性と安全性を最優先に進める必要があると考える。
 そこで、懸念点を三点伺う。
 まず、一点目、この共同収蔵庫は、PFI法に基づく事業手法により民間事業者が施設の維持管理、運営を担い、県立3施設が共同で利用するものである。施設ごとに作品の材質や形状、必要な保存環境は異なるが、こうした違いに対応しながら作品の管理をどのように行っていくのか。
【理事者】
 現在、県立3施設の収蔵庫で保管されている作品の種類や特徴は各施設により異なるため、それぞれが求める保存環境を実現できるよう、収蔵室は施設ごとに区画し、温湿度等の管理を徹底しながら作品を適切に保存していく。
 こうした管理運営体制を実現するため、各施設の本館と同様に、県立3施設の作品の保存はそれぞれの作品を所有する各施設の職員が行い、その指示の下、民間事業者が適切に施設の維持管理等を行うことになる。
【議員】
 続いて二点目、元愛知県立常滑高等学校敷地を整備計画地としているが、各本館から離れた場所に整備することで、作品運搬時の損傷リスク、そのリスク等に備えるため、損害保険料を含めた高額な運搬料が必要になると考えられる。また、離れているため、学芸員をはじめとする専門職員による保存、調査、修復などが、どう関わっていくのかも大切である。
 作品運搬時の安全確保や専門職員の配置について、どのように考えているか。
【理事者】
 共同収蔵庫の供用開始後、作品の保存は、県立3施設各本館の収蔵庫と共同収蔵庫の両方を使用することになる。それぞれの収蔵庫から作品を移動する際には、美術作品の取扱い経験が豊富な専門の運搬事業者を利用するだけでなく、適切な補償サービスに別途加入することにより、運搬時の損壊リスク等に対応したい。
 なお、共同収蔵庫で保存される作品は、運搬、搬入の際に損壊リスクの少ない作品を想定している。
 また、これまでと同様に作品を適切に保存するため、学芸員などの専門員の共同収蔵庫への配置については、学芸員の意見も踏まえながら、その必要性を検討していく。
【議員】
 続いて三点目、大村秀章知事は、この共同収蔵庫について、保管場所にとどまらず、収蔵環境を一部公開する機能を付与する、また、収蔵庫の一部を公開することで、県民が文化や芸術に触れる機会を創出するといった趣旨を述べている。
 近年、見せる収蔵庫を設置する施設が増えており、例えば東京都の国立科学博物館では、茨城県つくば市に標本資料収蔵施設があるが、ここの自然史標本棟において、標本等の収蔵状況をガラス越しに見学することができる。本県の共同収蔵庫においても同様の機能が付与されるのかと推量しているが、県民の理解促進や教育普及につながるよう、どのように公開していくのか。
【理事者】
 近年、収蔵環境を公開する機能を持つ博物館が増えているが、美術館の事例はまだ少ない状況である。
 収蔵庫は厳密な管理が必要であるため、一般的には非公開であるが、ふだん見ることのできない美術館活動の裏側を公開することにより、収蔵庫における保存の取組について学べる機会を提供し、より多くの人に美術館活動への理解を深めてもらいたい。
 公開方法については、国立科学博物館の自然史標本棟のようなガラス越しでの見学などが想定されるが、民間事業者からの自由な発想による提案に基づき実施していきたい。
【議員】
 質問で述べたとおり、共同収蔵庫の運営は、3施設それぞれが保管、保存、研究に責任を持たざるを得ないという特徴を持っている。ぜひ、専門性の高い職員を共同収蔵庫にも配置し、その上で民間事業者と連携、相談を密にして、保存と公開の両立を図りながら事業を進めてほしい。
 国立科学博物館のように、両拠点に専門人材が配置される体制は大いに参考になると考える。今後、職員定数や予算など、越えねばならない課題は多々あると思うが、愛知県の文化芸術の魅力を一層高める取組として、全国初の取組を成功するよう、丁寧に進めることを要望し、質問を終える。

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