ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 愛知県議会 > 委員会情報 > 委員会審査状況 > 総務企画委員会審査状況(令和8年3月17日)

本文

総務企画委員会審査状況(令和8年3月17日)

ページID:0649743 掲載日:2026年6月9日更新 印刷ページ表示

総務企画委員会

委員会

日時 令和8年3月17日(火曜日) 午後0時59分~
会場 第8委員会室
出席者
 神戸健太郎、朝日将貴 正副委員長
 水野富夫、藤原ひろき、今井隆喜、増田成美、長江正成、
 森井元志、朝倉浩一、木藤俊郎 各委員
 防災安全局長、防災部長、県民安全監、関係各課長等

総務企画委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

議案

第 1 号 令和8年度愛知県一般会計予算
 第1条(歳入歳出予算)の内
 歳出
 第2款 総務企画費の内
 第6項 防災安全費
 第7項 災害救助費
 第3条(債務負担行為)の内
 愛知県基幹的広域防災拠点(防災公園)整備・運営等事業契約
 愛知県基幹的広域防災拠点整備工事
第 57 号 権利の放棄について(交通事故に係る損害賠償金及び遅延損害金に係る債権)

結果

全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
 第1号及び第57号

会議の概要

  1. 開会
  2. 議案審査(2件)
    (1)理事者の説明
    (2)質疑
    (3)採決
  3. 一般質問
  4. 閉会
主な質疑
議案関係

【委員】
 まずはじめに、予算に関する説明書(1)の115ページ、歳出第2款総務企画費、第6項防災安全費、第4目県民安全費のうち、1の交通安全推進事業費の中の(4)自転車安全利用促進事業費2,229万1,000円について質問する。
 本県の昨年2025年の交通事故死者数は112人で、1948年に現行の交通事故統計が始まって以来最も少ない死者数となっている。愛知県内では2019年に、当時それまで16年連続でワースト1位だった不名誉な記録を返上し、昨今は7年連続で全国ワーストワンを回避することができている状況に対して、これまでの取組を高く評価する。その一方で、交通事故により負傷した人を含めた死傷者数は2万9,050人であり、前年と比較して87人増加している。
 当事者別で見ると、自動車乗車中が1万7,779人で、前年と比較して108人の減少に対し、自転車の利用者が6,260人で、前年比プラス142人と増加している。自転車の利用者を年齢別で見ると、16歳から19歳が1,232人、これが前年比プラス83人となっていて、全体の約2割であった。
 このような中、2026年4月からは交通反則通告制度、いわゆる青切符制度が導入され、16歳以上を対象に反則金が科せられることになる。しかしながら、一時停止違反や2台以上が並んで走行する並進走行など、交通ルールを守っていない自転車利用者を多く見かけるし、私も今日通勤するときに通学する高校生の姿を見たが、ほとんどヘルメットをかぶっていない状況も見受けられる。自転車利用者による悲惨な交通事故を1件でも減らすためには、自転車利用者一人一人の安全意識を高められるよう、交通ルールの遵守を呼びかけていかなければならない。また、昨年の自転車の乗車中に亡くなった人の約7割がヘルメット非着用であって、うち5割が頭部に致命傷を負っていることから、ヘルメットの着用促進も図っていく必要があると強く感じている。
 そうした中、先日、中日新聞の朝刊で命を守るヘルメット着用促進グランプリという記事を見た。これは県警察が主になって、自転車のヘルメット着用率を向上させるために、高校生に主体的に取り組んでもらう事業であって、この内容に大変感銘を受けた。さらにちょうど先日、このグランプリの高校や優秀校等、9校に入学する新1年生に対して、愛知県が企業から約2,900個のヘルメット寄附を受けた上で、そのヘルメットを贈呈するとの報道発表があった。これら学校は来年度も引き続き県と連携し、ヘルメット着用促進の取組を行う予定とのことで、ヘルメット着用の習慣が定着していくものと期待している。
 そうした中、質問するが、今年度、自転車利用者に対してこうした取組のほか、県としてどのような取組を行ってきたのかまず伺う。
【理事者】
 県では自転車の青切符制度の導入を見据え、遵守すべき自転車の交通ルールを分かりやすくまとめたルールブックを作成し、市町村や中学校、高等学校、シルバー人材センター等に配布した。また、学校等で教員、指導者等がルールブックを説明するための補助教材を作成し、ルールブックと併せてウェブページ等で広く周知を行っている。
 さらに、自転車乗車中のヘルメット着用意識の向上を図るために、高校生や大学生がデザインしたヘルメットが登場するヘルメットファッションショーを開催するとともに、若者に影響力のある著名人が出演する啓発動画を作成し、SNSや大学キャンパスのデジタルサイネージ等を活用して配信を行っている。
【委員】
 自転車は手軽に利用することができる移動手段であるが、運転免許が必要な自動車やバイクと異なり、自転車利用者、とりわけ高校生や外国人は交通ルールを学ぶ機会が十分とは言えないと感じている。
 そこで、県として来年度どのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 まず、青切符のさらなる周知を図ることを目的に、日本の交通ルールに不慣れな外国人にも伝わるよう、多言語字幕付きの啓発動画を作成する。また、高校生に対しては、自転車安全利用アンバサダーが県内の高等学校を訪問し、ヘルメット着用の必要性や自転車乗車用ヘルメット購入補助金、青切符について周知を図っていく。
【委員】
 多言語字幕付きの啓発動画及び自転車安全利用アンバサダーの高等学校訪問は、具体的にどのような内容なのか。
【理事者】
 まず、多言語字幕付き啓発動画については、自転車利用時における信号無視や一時不停止などの交通違反を周知するため、日本語の音声に日本語、英語、中国語、ポルトガル語の字幕を付けた啓発動画を作成する予定である。作成した動画は、市町村の窓口等で活用してもらえるよう、愛知県のウェブページに掲載していく。
 次に、自転車安全利用アンバサダーの高等学校の訪問については、地元で活躍する著名人を自転車安全利用アンバサダーに任命し、当該アンバサダーが県内の10校程度の高等学校を訪問の上、ヘルメット着用促進等に主体的に取り組む高校生の活動を応援し、ヘルメット着用の必要性や自転車乗車用ヘルメット購入補助金の周知を行うとともに、青切符制度の周知や交通ルールの遵守を呼びかけていく。
【委員】
 自転車安全利用アンバサダーによる訪問は高等学校が対象で、10校程度とのことであるが、他の高校への展開はどのように行っていくのか。
【理事者】
 来年度自転車安全利用アンバサダーが訪問する高校は、先ほど委員から紹介があった、命を守るヘルメット着用促進グランプリでの優秀校等を予定している。これらの高校では、今年度高校生自らがヘルメットの大切さを訴える啓発動画の作成やクラス対抗によるヘルメット着用競争などに取り組んだ。ヘルメットの着用促進に関する取組は継続することで一人一人に根づいていくものと考えている。委員からの紹介のとおり、民間企業から県に寄附されたヘルメットを優秀校等の新1年生に配布するとともに、来年度、ヘルメット着用の継続に向けた各学校での取組を自転車安全利用アンバサダーが応援し、その内容を事例集として取りまとめた上で、他の高校でも実践してもらえるよう、教育委員会等と連携して周知していく。
【委員】
 このニュースを見てからいろいろ資料を見て、この取組は非常によいと思ったが、優秀校になった高校はそうやって意識が高まっていくと思うし、また、このグランプリに応募した高校の数は44校で59チームであるが、学校基本統計を見ると、令和6年は愛知県内の高等学校数が221校で、生徒数が18万1,487人となっているから、これがもっともっと広がっていくように取り組んでほしい。あと、私には高校生と中学生の息子が2人いるが、息子にヘルメットを何でかぶっていかないのかと言うと、特に義務ではないからと息子が言う。私は、義務とすることもこれから考えていく必要があるのではないかと思っている。例えば今回青切符制度が導入されるに当たって、各学校等で説明したと答弁があったが、昨年の12月、今年の1月、県内の県立高校と、名古屋市立の高校に関しては通知文でそのような周知が図られたと聞いているが、そこには新1年生に関しては許可書を出すときに必ずヘルメットをかぶりなさいと約束して許可書を出すと書いてある。そうでないと許可を出さないというような、このぐらいの強制力がないとなかなかかぶっていかない気もする。
 例えば、今、愛知県内の高校生のヘルメット着用率が11パーセントぐらいと言われているが、警察庁の統計を見てみると全国で35位である。つまり、愛知県内の高校生のヘルメット着用率はとても低いわけであって、これを義務化していくのかどうかはこれからいろいろ議論して検討してほしい。注目したのは、1位が愛媛県であって、着用率70パーセントになっていて、何でそんな高いのかといったら、2014年に高校生の残念な事故があり、それを機に条例で、条例は1年前にできたが、ヘルメットの着用を義務化していったということであった。これは愛媛県の例であるが、それによって着用率が70パーセントぐらいまで上がって、事故や悲しい事件がなくなるということであれば、それに越したことはない。今年度の取組はよく分かったが、そういったところも十分に検討しながら、この先もしっかりとこういった取組がさらに広がって、それが自主的に進むことが一番望ましいので、そういったことにも注視しながら進めてほしいと要望して私の質問を終わる。
【委員】
 私は予算に関する説明書(1)の112ページ、第6項防災安全費、第1目防災安全総務費のうち、6の災害対策事業費の(1)初動体制整備費7,353万5,000円について質問する。
 古い話だが、2021年6月11日に株式会社ファイテックからの防災資機材の寄贈に対して、大村秀章知事から知事感謝状の贈呈が行われていた。その際、寄贈を受けた林野火災対策強化の防災資機材、具体的には大型ヘリ用林野火災消火剤一式、詳細は消火剤1,000リットル、消火剤タンク、使用するバッチカウンタシステム、自動ポンプ等で436万円相当を防災安全局で受納したということである。その消火剤の使用期限が2026年、今年の6月に来ると聞いているが、更新または廃棄の費用は来年度予算に計上されているのか。
【理事者】
 林野火災用消火薬剤の更新または廃棄費用については、令和8年度当初予算において計上していない。
【委員】
 使用期限が来年度中に過ぎてしまうが、費用等を計上していない理由について伺う。
【理事者】
 2021年6月に企業により贈呈された消火薬剤は、メーカーの保証期限が5年となっていて、2026年6月に期限を迎えるが、寄贈してもらった企業によると、5年を経過しても直ちに使用不可となるものではないとのことであり、成分検査を保証期限までに実施してもらえる予定である。県としては、この成分検査の結果により、継続保管、または廃棄について検討する予定であるので、現時点で更新、廃棄に関する予算は計上していない。
【委員】
 少し腑に落ちないので、もう一問質問する。
 林野火災に活用できる技術情報の消防庁の公募が令和7年3月31日から4月14日に行われ、愛知県が寄贈された株式会社ファイテックのフォレストディフェンダーも応募していたが、消防庁の第1回林野火災用消火薬剤の評価方法等に関する意見聴取会では、環境問題をクリアすることが重要であるとされ、さらに第2回の林野火災用消火薬剤の評価方法等に関する意見聴取会では、消火薬剤含有成分の健康・環境影響に関する検討の進め方等についてが議題になっていた。その結果、昨年12月に林野火災の残火処理等における消火薬剤の活用についての通知が発出されている。通知では、散布場所を原則河川、湖沼等、湖沼というのは湖や沼という意味だが、付近を避けることとなっており、愛知県内で河川、湖沼等がないところがあるのかと考えると、通知を読む限りは愛知県内では消火薬剤を使用できないのではないかと私は思う。先ほどの説明にあったとおり、使用期限まで持ち続ける必要も現状ではないと思うが、防災安全局はどのように考えているのか伺う。
【理事者】
 委員指摘の通知では、林野火災における残火処理など、散布場所が限定される場合における消火薬剤の活用について、原則河川、湖沼等の付近を避けるとされている。また、同通知では残火処理以外の場合における消火薬剤の活用について、個別の状況に応じて適切に判断されたいと助言している。
 さらにその上で、消火薬剤の活用について、2027年の林野火災に向けて具体的な活用方法を改めて通知するとしている。
 したがって、同通知をもって直ちに消火薬剤が使用できないとするものではないと受け止めている。
【委員】
 私は少し評価の仕方が違っていて、それでもう一問質問する。
 今述べられた通知では、令和9年の林野火災に向けて、個別の消火薬剤の消火、延焼防止の効果、また、健康・環境影響に関する評価方法とともに、具体的な活用方法を通知する予定ということである。だから、活用できるとなった場合には、私は改めて愛知県が購入すればよいと思うが、愛知県の考えを伺う。
【理事者】
 寄贈された消火剤については、県内で大規模な火災が発生した場合、状況によっては使用することも考えられるため、少なくともメーカーの保証期限までは保管していくと考えている。その後、先ほども災害対策課担当課長から答弁したが、メーカーの成分検査の結果により継続保管または廃棄について検討する予定としている。
 なお、廃棄した場合、改めて購入するかは、今後発出される国からの通知を踏まえつつ検討していく。
【委員】
 最後に、この質問に至った経緯も含めて要望する。
 私は先月、寄贈した株式会社ファイテックから消火薬剤の詳しい説明を受けた。そのとき説明を受けたことから、本日の議案質疑に至っている。その際私が感じたのは、大規模な林野火災が昨年、おととし、その前も日本国内で起こっていて、この株式会社ファイテックの製品が有効に使われたという説明も受けたので、大規模な林野火災では消火薬剤は有用なものだと印象を受けたし、今もそう思っている。
 ただ、この時期、私の今住んでいる瀬戸市においても3月10日午前8時に林野火災警報が発令されている。解除されるまでは市民に林野火災予防に対しての協力を願う内容の林野火災警報である。また、今月、14日に豊橋市で発生した山林火災は、昨日の午後7時の段階では鎮火していないという新聞報道もあり、約8ヘクタールの山林が燃えたそうである。現在も消火活動が続いている。冒頭述べた消火薬剤は消防庁の明確な使用基準が示されるまでなかなか使えないものだと思うので、使用しないで火災予防の広報啓発に愛知県が今まで以上に尽力することを要望して議案質疑を終わる。
【委員】
 私からは予算に関する説明書(1)の112ページの南海トラフ地震等対策推進事業費について質問する。
 能登半島地震等で避難所での生活が長期化してしまったことは国でも大きな課題として捉えられ、避難する人の良好な生活環境を確保していかなくてはならないと国が動いた。
 国は、内閣府から避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を出して、より質の高い避難生活の環境整備を求める指示を出した。愛知県も漏れることなく国の指針をしっかり読み解きながら、昨年の11月であったと思うが、県の避難所運営マニュアルを改訂した。
 最初に、国から良好な避難所の生活環境を維持してほしいとの指示が出されて、県でこのマニュアルを改訂したということで、何が具体的に変わったかを教えてほしい。
【理事者】
 主な改訂内容は大きく二点ある。
 まず一点目は、在宅避難者、車中泊避難者への対応である。場所の支援から人の支援への考え方の転換に伴い、避難している場所にかかわらず、適切な支援が行われるよう、避難所における在宅避難者、車中泊避難者への対応をより具体的に記載するとともに、避難所とは別に、単独で在宅避難者等支援施設を設置する際の手順や、留意事項などを新たに記載した。
 二点目は、スフィア基準を踏まえた国の取組指針の見直しを受け、避難生活における良好な生活環境の確保を図るための対応を充実したことである。スフィア基準とは、災害や紛争の影響を受けた人々が尊厳ある生活を営むため必要な最低基準としてつくられた国際基準のことである。このマニュアルにおいては、避難所において1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペースという基準を示したこと、避難所のトイレは災害発生当初に50人に1基、避難が長期化する場合では20人に1基を目安に数の確保に努めることとし、男女別に区分けし、女性用と男性用の割合は3対1を目安とすること、仮設シャワー等の入浴施設は50人に一つという設置数の例を示し、その確保に努めること、食事については、栄養管理を考慮した食事の提供を検討することなどを記載している。
【委員】
 大きく基準が見直されるということで、避難所プラス、それぞれで避難する地域もプッシュ型等で支援物資等を送っていくという考え方の下であると思うし、それプラス、基準というのは国際基準、スフィア基準といったが、1人当たりの避難所の面積、あと、トイレは初期の状態であれば50人に1基、また、長期化する場合はもう少し数を増やして20人に1基ということ、これは防災倉庫等に多分入っていないと思って聞いていたが、入浴施設、シャワーの指摘もあった。それぞれこれからこのスフィア基準を目指して避難所の運営を改めて考えていかなくてはならない。市町村が避難所を運営することになっていくので、そういったことが市町村にしっかり浸透するようにすることが一つの課題だと今聞いて思った。
 面積は1人当たり3.5平方メートルであり、かなり広い面積をこれからは基準として設けなくてはいけないと思う。今、愛知県内で1人当たり3.5平方メートルの空間を満たしている避難所はどれぐらいあるのか教えてほしい。
【理事者】
 昨年11月に改訂前の県避難所運営マニュアルにおいては、参考ではあるものの、就寝することができる程度の専有面積として1人当たり2平方メートル、避難所生活の長期化の場合、荷物置場を含めた就寝することができる程度の専有面積を3平方メートルと示していた。こうしたことから、昨年7月に4月1日現在の状況を調査した結果、基準としている面積が明らかに3.5平方メートルを満たしていると回答した市町村は4市、反対に基準としている面積3.5平方メートルに明らかに満たないと回答した市町村は42市町村であった。このため11月のマニュアル改訂により考え方を示した3.5平方メートルの居住スペースの確保に現時点で対応できている市町村は少数と想定している。
【委員】
 国の新たな基準で、より良好な生活をということで求められているので、それに向けてこれから動き出そうという、今の段階での答弁であると思う。どれだけ対応できる市町村の数を増やしていくかも一つの課題であると分かった。
 もう一つ、現在市町村が避難所として確保している面積にスフィア基準1人当たり最低3.5平方メートルを適用した場合、収容人数は減少すると思うので、減少する割合はどれぐらいになるのか教えてほしい。
【理事者】
 各市町村の個別の避難所のスフィア基準への対応状況については、今後調査していく予定だが、現時点においては11月に改訂前の避難所運営マニュアルが示していた就寝することができる程度の専有面積1人当たり2平方メートルを基準とすると、これを3.5平方メートルに置き換えた場合には、収容可能な人数は約43パーセント程度減少するものと考えている。
【委員】
 例えば私の地域でいうと地元の小学校に避難所があって、今まで避難を想定している人数の4割の人がそこに避難できなくなるという答弁であったと思う。そうすると体育館の中であふれてしまった人をどこで受け入れていくのか。例えば教室なのか、特別教室なのか、近くの市民館なのかということをこれから議論していくという基準が今、示されていると思う。
 そうした中で、県が多くの市町村にこういった新しい良好な避難生活に向けて協力を得なくてはならないし、県の役割は大変重要になってくると思う。
 そこで、今回のこの予算に対して県がどのように動いていくのか、取り組んでいくのか、まず教えてほしい。
【理事者】
 市町村は、スフィア基準への対応等に向けて、それぞれの地域の現状を踏まえて個別具体的に対策を講じていく必要がある。必要な資機材の整備については、南海トラフ地震等対策事業費補助金の対象としており、財政面で支援している。さらに、財政面以外での支援として、2026年度当初予算に新規事業として、避難生活環境整備モデル事業費を計上している。この事業は、避難生活における良好な生活環境の確保に向けた市町村の取組を支援するため、地域性を考慮して対象市町村を選定し、現状の課題の整理や対応方法を検討する事業である。
【委員】
 モデル事業を実施し、対象となる市町村を選定してモデル事業を組み立てていくということであった。どこの市町村を選定するのか、どれぐらいの数の市町村を選定するのか、教えてほしい。
【理事者】
 課題解決を希望する市町村から幅広く応募を受け、選定に当たっては、震度、津波到達時間、浸水想定などの地域性を考慮して、3市町村程度を選定する。
【委員】
 3市町村でまた地域性を鑑みながら、これから選定すると思っている。
 スフィア基準で、これからいろいろなことを気にしながら、いろいろなものをそろえていかなくてはならないし、面積のことも考えていかなくてはならない。海が近くにある地域、山に囲まれた地域、都心部とそれぞれ環境が違う中で、そういったことも加味しながらモデルを選定して、そのモデル事業を他の市町村にしっかり落とし込み、実効性のあるものにしてほしい。
 そのような落とし込み、また、県全体に広がるような考え方として、県は具体的にどういったことに取り組んでいくのか伺って質問を終わる。
【理事者】
 モデル市町村では、この事業によって対応策を検討、立案した地域での成果を、その市町村全体に展開していくことを期待するとともに、県としても得られた知見及び成果を他の市町村に展開していくことで良好な生活環境の確保を図っていきたい。

一般質問

【委員】
 消防団員の確保対策について一般質問する。
 この消防団員の確保対策は、私も1期目の頃から様々な議会等で触れており、いろいろな側面での支援策が必要であるし、先ほど委員からも話があったが、豊橋市では今、山火事があり、常備消防だけではなかなか対応することが厳しい。大船渡市の消防団長からも我が自由民主党愛知県議員団消防・地震防災議員連盟、水野富夫会長を中心とするこの議連での講演において、団員の人々が約1か月以上出動していたと聞いた。本当に地域にとってなくてはならない組織であり、今回の本会議でも団員がなかなか確保できていない、また、減少してきている状況、愛知県内でも2万人と少しということで300人近くが減少しているという答弁だったと思う。
 団員確保のために、もちろん国の支援も必要であるし、地元の市町村の支援も必要、また、町内会からの支援も必要であり、皆いろいろな工夫をしながら団員の確保に努力している。豊川市でも現役の団員に勧誘して入ってもらうことが厳しい町内では、町内の役として区長などと一緒に並ぶような役として消防団に入ってもらい、団員をやっている人は町内の役は受けなくてよいということまでやっている地域もあり、いろいろな取組をしている。
 そこで、県もいろいろな部分で先駆けて取り組んでおり、まずはあいち消防団応援の店制度という、愛知県全域で消防団員がその応援の店に行くと様々なサービスを受けることができる制度がある。これは本当に全国的にも県が先駆けて取り組んでおり、一生懸命やっている。今年度の初め、4月からLINEの証明書という紙ではなくてLINEを活用して、こちらも先駆けて取り組んでいる。
 このLINEの証明書が4月からスタートしたが、現状デジタル、LINEで証明書を登録している人はどれぐらいいるのか。
【理事者】
 2026年3月16日時点、昨日時点であるが、電子カードの登録者数は、消防団員カードは3,031人、消防団員家族カードは273人、合計で3,304人に電子カードの登録をしてもらっている。

あいち消防団応援の店 ステッカー
​あいち消防団応援の店 ステッカー

【委員】
 団員に聞いて好評だったのが、家族の証明書もデジタルで、LINEで獲得できるというところであった。例えば飲食店に食べに行ったときに、父親本人はいないが、母親と子どもで少し割引をしてもらえることに対して、携帯電話は今、皆常に持っているので、忘れることなく気軽に提示できると大変好評である。一つ評価したいと思っているのが、4月から一生懸命動いて今は3,000人を超し、家族の人もこれだけ電子カードに登録しているということである。評価はしながら、まだこれから2万人強、それプラス家族もいるので、ぜひ今後もこういったものが各市町村の消防団員に浸透できるように、また、年末夜警等で団員と話していると、そんなものがあるのかと言われた。私も発信しているが、なかなか全員には落とし込みができていない状況であるので、我々もしっかりきちんと努力していくが、県も協力してほしい。
 前回の委員会で触れたが、この成り立ちとして、東三河でほの国消防団・消防団応援事業所制度を先行してやっていた。そういったものを基にしながら愛知県全域でこういったサービスの展開ができないかということを本会議で提案した。東三河の消防団員には協力するが、なかなか趣旨が伝わっておらず愛知県全域ではまだ協力できないという店舗が多く、これは非協力的ということではなくて、こういった制度が変わった、県全体でもこういったものができたということが知れ渡っていない状況であると思い、そこを問題提起した。その後の動きとしてどのような状況になっているのか伺う。
【理事者】
 ほの国消防団・消防団応援事業所に登録している店舗のうち、あいち消防団応援の店に未登録の店舗数については12月の委員会で答弁したが、昨年12月1日時点では220店舗だった。その後、これら220店舗のうち142店舗へ県職員が直接訪問し、依頼した結果、2026年3月16日時点で新たに108店舗にあいち消防団応援の店として登録してもらっている。未訪問の店舗についても本県の制度にも協力を得られるように、引き続き登録の依頼を進めていく。
【委員】
 本当に一生懸命足で動いて、いろいろな協力を得ているということ、今の答弁で分かった。評価したい。
 こういったいろいろな側面での消防団への支援が今、大変重要な時期であると思うので、このあいち消防団応援の店、例えば店に行ってその店でサービスを受けることができるという制度であるが、これもしっかりと浸透するようにということがまず一点。もう一点が消防団協力事業所で、企業の協力体制であると思う。この協力事業所は例えば工場で製造していたときに地元で火事が起きたとき、その手を止めて、消防団員がすぐ仕事を止めて火災現場に行くほうを優先するというようなことで豊川市では取り組んでいるが、こういった消防団員に協力してもよいという企業を増やしていくことも大変重要な取組であると思う。こちらも12月の委員会で触れた。この消防団協力事業所表示制度、協力してくれた人の事業所にはプレートというか表示をする。こういったものの未導入の市町村に対して引き続き導入を働きかけていくとのことであったが、現在の市町村における制度の導入状況がどうであるのか、また12月以降の状況を教えてもらいたい。
【理事者】
 本県における消防団協力事業所表示制度の導入状況については、本年3月1日現在、全市町村の8割以上に当たる44市町村で制度を導入している。12月の委員会で答弁した時点から新たに豊根村が加わり、導入済み市町村が増加した。今後も未導入の市町村に対して制度の趣旨を丁寧に説明し、導入に向けた働きかけを継続していく。
【委員】
 もう一点確認したい。12月の委員会で消防保安課長から消防団協力事業所に対する優遇措置、インセンティブについて具体的に検討していくと答弁があったが、その後検討した結果、具体的にどういった制度を構築するのか教えてほしい。
【理事者】
 他県において消防団協力事業所に対する様々な優遇制度が設けられている事例があることは承知している。このうち、入札における消防団協力事業所に対する加点措置は、消防団活動に積極的に協力している事業者に対してインセンティブになり得るものと考えている。県の入札で消防団協力事業所であることについて加点するには、公契約を活用した社会的価値の実現に資する取組の評価項目とする必要があり、こうした評価項目の新設については、愛知県公契約条例の枠組みの下で一定の手続を経る必要があることから、まずは周知期間を経た2026年度後半をめどに消防団協力事業所表示制度の所管局である防災安全局の入札において加点制度を導入する方向で進めている。その後、一定期間を経過後、インセンティブとして有効であることを公契約に関する協議の場において確認できれば、全庁的な入札制度における加点措置として導入が可能になる。
 また、消防団協力事業所に対する表彰制度についても、既存の消防団関係優良事業所表彰制度を見直し、1年の周知期間を経て、2027年度4月から消防団活動に積極的に協力する消防団協力事業所をしっかりと評価する制度に改正していきたい。
 さらに、他の優遇制度についても引き続き研究している。
【委員】
 冒頭述べたが、団員の確保対策が今、本当に分岐点だと思っている。今、一生懸命手を入れていかないと、サポートしていかないと団員はなかなか集まっていかない。消防団員と話していても、仕事の量が大変多いが、やはり地域のために貢献したい気持ちもあるとのことである。地元を回っていると、県の職員が今、一生懸命走り回っており、できる範囲で県として消防団員のサポートに汗をかいて取り組んでもらっているという声も団員や市町村から聞く。本当に今、一生懸命やっていると思っている。そういったことも評価しながら、これから一緒に南海トラフ地震に向かって、県、市、また、国と連携しながら心を一つに取り組んでいかなくてはならないと思っているので、また今後の取組にも期待して私の質問を閉じる。
【委員】
 私は先月、委員と一緒に千葉県の消防学校へ視察に行ってきたので、その関係で質問する。
 千葉県消防学校では消防職員教育、消防団教育、企業自主防災組織等に対する研修と、学校教育の概要として三つを挙げた。その中で特に企業自主防災組織等に対する研修は、企業や地域の自主防災組織だけでなくて、災害時に適切な対応が行えるよう、市町村長をはじめ行政職員を対象とした防災研修や、また、県民を対象とした基礎知識を学ぶ防災講義を施設内の防災研修センターで行っていると聞いた。
 そこで、現在の愛知県消防学校ではどのような教育研修を行っているか、最初に聞く。
【理事者】
 千葉県消防学校及び併設の防災研修センターでは、消防吏員、消防団員への教育のほか、企業、行政職員、自主防災組織のリーダー及び一般県民に幅広く防災研修を実施していると承知している。本県でも、消防吏員、消防団員への教育のほか、県消防学校及び併設の防災教育センターでは、企業の自衛防災要員等に、警防活動に必要な知識や技能、女性消防クラブ、少年消防クラブなどを対象に、消防防災に対する基礎的な知識などの教育を実施している。また、防災教育センターでは、広く県民を対象に、地震体験や煙道体験、家具固定講習、避難所運営ゲームなどの研修を行っている。
【委員】
 続いて、愛知県も新しい消防学校の設置に向けて現在検討を進めていると思うが、消防吏員、消防団員以外の県民を対象とした防災人材教育をどのように実施していくのか、考えを伺う。
【理事者】
 新しい消防学校においては、現在の防災教育センターを引き継ぎ、防災、減災の普及啓発及び人材育成を担う施設として、教育棟を整備していく。整備後には現在の防災教育センターが果たしている機能に加えて、県職員が中心となり、防災啓発、防災ビジネス支援の拠点として運営していく。また、防災フェスタなどの県民参加型の防災イベントを定期的に実施していく。
【委員】
 新しい消防学校での教育棟の中身の説明であったが、その中で一般県民に対しても防災普及啓発などを実施していくと理解できた。
 千葉県では、消防学校防災研修センターで市町村長を対象にした研修も行っていると聞いた。現在、愛知県で市町村長を対象とした研修についてはどのように実施しているのか。
【理事者】
 本県では、市町村長に災害時に適切なリーダーシップを発揮してもらうとともに、防災体制のさらなる充実を図ることを目的とした研修、愛知県市町村長防災危機管理ラボを、一般財団法人消防防災科学センターと共催という形で、2002年度から毎年度開催している。例年、有識者や災害対応経験のある自治体の長などを講師に迎え、県内の市町村長に災害時の対応やその教訓を学んでもらっている。
 この研修については、本庁の災害対策課が事務局となり、一般財団法人消防防災科学センターと調整しながら実施しており、引き続きこのような形で開催していく。
【委員】
 多分机上での講演とか、例年という説明だったと思うので、たまには外での研修も考慮してほしいと、そんなことを感じた。
 次の質問に移るが、次は二問続けて質問したい。
 千葉県の消防学校の翌日、私は調布市にある消防大学校も視察した。千葉県とは少し違う施設で、その中で感じたことを二つ質問する。
 まず一点目は、大学校の入校希望者の手続を愛知県はどのように行っているのか。
 続いて、大学校全体の教育訓練実施状況は聞くことができたが、愛知県内からの受講者の状況は聞けなかった。逆に、愛知県で聞いてほしいとのことだったので、この場を借りて入校の状況は学科と実務でどのようであったのか聞く。
【理事者】
 毎年12月頃、消防大学校から各都道府県宛てに希望者数の照会があり、県から消防本部等に入校希望者数の照会を行っている。消防本部等からの希望者数を県で取りまとめた上で、消防大学校に回答し、翌年の2月中下旬頃に消防大学校において、各課程の入校・受講受入れ者数が決定される。
 次に、今年度の本県の入校希望者数、受講者数の実績について、学科では希望者76人に対し48人が入校、受講し、また、実務講習では希望者36人に対し32人が入校、受講している状況である。
【委員】
 それでは、要望に移る。
 まず、千葉県の消防学校で感じたことから要望する。
 愛知県が計画している消防学校と千葉県の消防学校はほぼ敷地面積が同じ6ヘクタールだった。それを目がけて行ったわけではなかったが、訪問して説明を聞いたら6ヘクタール、どこかで聞いた数字だと思ったら、愛知県が今計画している消防学校も6ヘクタールだった。千葉県の施設は総合訓練棟をはじめ、屋内の訓練場、防災備蓄倉庫、水難救助訓練施設、救助訓練棟、また、地下街やトンネル訓練施設もあり、市街地の救助訓練施設もあった。さらに水防訓練場や震災訓練場なども備えていた。操法の大会でも使われた学校だとも聞いた。
 それと、この千葉県の消防学校の周りは、京葉道路に接続する館山自動車道に隣接していた。また、その周辺の土地も聞いたところ、千葉県が所有している未利用の用地だった。災害時を想定すれば、千葉県消防学校が災害時の拠点になり得るのは当然だと思うが、その周りも空き地になっているので、災害時に有効に使える用地があるのが現地へ行ってよく分かったし、そのような説明も受けた。県が今、実施している第1期のエリアについて、2029年度開校時には本当に充実した施設になるよう要望したい。
 続いてもう一つ、消防大学校に行ったことからの要望である。
 今、希望者と実際に入校した数値の答弁があった。希望者が多くて入校した人数が少ないということは、行けなかった人がそれだけあるという答弁だったと思うが、現地の消防大学校の私を案内してくれた人は、研修希望者の地域に偏りがあるとも言っていた。ある県では毎年本当に多くの希望者があって、愛知県はそこまではいっていないという説明だったので、改めて愛知県から入校希望者が増えるような活動を防災安全局自らやってほしい。訓練の状況の細かい説明はそれほど聞いていないが、もらった資料を見る限りは、消防大学校が計画している計画人数より希望者が下回っているコースもたくさんある。ざっと見ただけでも、学科で3コース、実務講習で4コース、計画を実際に入校した人の数が下回っているコースがある。こういったところもよく分析して、愛知県で希望する人がほぼ全員大学校に入れるように、一度検討することを要望して終わる。
【委員】
 それでは、私から二問質問する。
 まず一問目であるが、先ほどもあった良好な避難生活環境の確保について何点か質問する。
 能登半島地震を教訓とした防災対策のうち、良好な避難生活環境を確保する取組、避難所における設置型ベビーケアルームの導入について伺う。
 災害発生時における避難所環境の改善は依然として大きな課題である。近年では、トイレ、キッチン、ベッド、いわゆるTKBへの注目が高まり、生活環境の質を向上させる取組が進められてきた。特に能登半島で発生した能登半島地震を受けて、国から女性に配慮した避難所環境整備を促進する文書が発出されるなど、一定の前進は見られる。しかしながら、女性目線での避難所運営や環境整備はいまだ十分とは言えないのが現状である。
 例えば、乳幼児と共に避難してきた母親の立場を考えてみたいが、子どもの泣き声が周囲に迷惑をかけるのではないかという不安や、安心して授乳できる環境が確保されていないことが理由で避難所への避難をためらったり、居心地の悪さから避難所を退去し、被災した自宅や車の中で生活を余儀なくされるケースもあったのではないかと推察される。
 現在、避難所によってはカーテンで仕切った簡易的なスペースで授乳やおむつ替えに対応しているが、避難所に指定されている学校施設に常設の授乳室はほとんどない。プライバシーが守られ、リラックスができる空間が確保されなければ、乳幼児を抱える家族が安心して避難生活を送ることは難しいと考える。実際、パパやママからは、授乳室がない施設は利用したくない、清潔な場所で授乳したいのに多目的トイレを案内されたといった声が聞かれる。トイレで御飯を食べろというのか、などという切実な思いもある。
 一方で、施設側からは、既に1か所あるから十分ではないか、多目的トイレがあれば授乳もできるのではないか、授乳室は来客誘因にはならないといった認識も少なくない。これは平時における考え方であり、災害時には状況が大きく異なる。災害時では保護者のストレスは極限状態に達する一方で、避難所運営側にも非常時なのだから我慢してほしいという意識が生まれがちである。しかし、だからこそ弱い立場にある人々に寄り添う視点が不可欠だと思う。避難所における乳幼児を抱えるパパやママへの支援、とりわけ授乳環境はどうなっているのか。その観点から、設置型ベビーケアルームの導入は大きな意義を持つ。設置型ベビーケアルームは僅か1畳ほどのスペースで設置でき、スペース、プライバシー、快適性の課題をクリアしながらベビーケアが行える個室空間で、災害時には迅速に避難所へ設置し、乳幼児を抱える家庭に安心できる空間を提供する場所となる。昨今、日常と非日常が災害発生への意識という観点で過去ほど明確に線引きされないような状況になっている中で、日常と非日常の境目をなくすこと、日常でも使える物やサービスが災害時には命や暮らしを守ってくれる、いわゆるフェーズフリーという概念もある。
 そこで質問する。
 乳幼児を抱える家族が安心して避難所生活を送るためには、避難所に誰もが安心して使用できる授乳室を設置することが必要であると考えるが、避難所における授乳環境の整備について、県はどのように考え、また、市町村に対しどのような対応を求めているのか伺う。
【理事者】
 愛知県地域防災計画において、男女のニーズの違いなど男女双方の視点等への配慮に努めるものとし、特に授乳室の設置など女性や子育て家庭等に配慮した避難所の運営に努めるものとするとして、市町村に対し、避難所内に授乳室の設置を求めている。
 また、避難所等の運営マニュアル作成の参考となるべき指針として、県が市町村に示している愛知県避難生活支援マニュアルにおいて、避難所に必要な場所として授乳室を明示した上で、その具体的な設置の方法について、女性用更衣室を兼ねる場合には移動できる間仕切りを設けること、あるいは学校の体育館等の避難所利用者が生活する場所に授乳室を設ける場合には、育児場所としておむつ交換場所と併せてテントを設けて授乳室にするといったレイアウト例を示している。
【委員】
 県が市町村に対して示している授乳環境を整備していくためには、先ほど紹介した設置型のベビーケアルームをはじめ、市町村において必要な資機材を調達していく必要があるが、県は市町村に対しどのような支援をしていくのか。
【理事者】
 県では、避難所の授乳環境の整備について、南海トラフ地震等対策事業費補助金の避難所機能向上事業のメニューにおいて、災害時に指定避難所に授乳スペースを確保するために必要となるテントや、設置型ベビーケアルームなどの資機材について市町村を財政的に支援している。
 また、今後、市町村防災担当課長会議において、女性や子育て家庭等の視点に立った避難所運営の必要性について改めて周知するとともに、それらの資機材を活用した授乳室確保の手段について、市町村に情報提供していく。
【委員】
 次に、災害関連死を防ぐために、トイレ、キッチン、ベッド、いわゆるTKBの対応について伺う。
 令和6年の能登半島地震の発生から2年が経過した。当時の報道や現地に派遣された本県職員の報告からも明らかなとおり、発災直後の被災地は、断水と停電、そして厳しい寒波に見舞われ、避難所環境は過酷を極めた。
 私も発生から約1か月後に穴水町でボランティアとして3日間、避難所を中心に被災した自宅の後片付けや災害廃棄物の撤去のボランティア活動をした。避難所の現場で被災者に希望の光をともしたのは、全国から駆けつけた災害対応車両の存在であった。特にキッチンカーの活躍は目覚ましく、道路が寸断され、通常の物資輸送トラックが立ち往生する中、機動力を生かして避難所に乗り込み、現地で調理を開始した。私が活動拠点としていた避難所には、企業が派遣したキッチンカーが日替わりで昼食を提供した。1日目がカレーハウスCoCo壱番屋のカレー、2日目がすき家の牛丼、3日目が長野県から来たおやきを提供する店の従業員ボランティアのキッチンカーだった。1台で約300食以上の提供が可能で、避難所の人々や自宅で避難をしている人、車中泊をしている人、誰にでも提供され、2月の最も寒い時期だったので、温かくておいしい食事は何よりの励ましになっていた。
 そのほかにも、報道によると一般社団法人地域活性化プロジェクト縁GINと大阪府が提携して派遣したキッチンカーあったかい食事支援隊や、民間有志団体と大手外食チェーンの連携により、延べ128回以上の出動があり、累計で14万食を超える温かい食事が提供された。これは単なる食料支援ではない。被災者の尊厳を守り、災害関連死を防ぐための攻めの防災対策である。
 しかし、その輝かしい成果の裏側には行政の情報把握の遅れという深刻な課題も浮き彫りになった。当時、キッチンカーなどの事業者がどのような車両を保有し、今どこにいるのかという情報は一元管理されていなかった。被災地自治体の担当者は、名簿を頼りに1件ずつ電話で所在を確認し、出動を依頼するというあまりにアナログで非効率な調整を強いられていたようである。
 この教訓を受けて、内閣府は災害対応車両登録制度を創設し、災害対応車両検索システム(D-TRACE)の運用を開始した。このシステムは、能登半島地震での支援活動の実績、課題を踏まえて設計され、2025年6月1日より運用が始まった。このシステムは、内閣府の特設ホームページ上に構築されたウェブページのシステムである。D-TRACEに登録される車両は次のようなものである。キッチンカー、トレーラーハウス、トイレカー、トイレトレーラー、ランドリーカー、ランドリートレーラー、シャワーカー、シャワートレーラー、キャンピングカー、コンテナ型支援車両などである。平時に車両所有者や車両の配車調整等を行う法人、いわゆる調整法人が内閣府に登録申請し、登録される。災害発生時に被災自治体はD-TRACEのデータベースから食事支援、生活支援などのニーズに応じた車両を検索し、調整は登録車両の所有者、また、調整法人と個別に期間、費用等の提供条件を調整し、実際に派遣されることになる。提供された車両について、原則国が災害救助法に基づき、地方自治体が支出した費用の最大9割を負担する制度設計も含まれている。
 そこで、この内閣府が運用するD-TRACEにこれまで県内からどの程度の登録が進んでいるのか伺う。
【理事者】
 県で今年度購入したトイレトレーラー3台については既に登録済みである。そのほかに、本年3月3日現在、市町村が所有するトイレトレーラーが3台とトイレコンテナが1台、民間事業者が所有するキッチンカーが9台、合計16台が登録されている。
【委員】
 本県は世界に冠たる自動車王国であり、トヨタ自動車を筆頭とする完成車メーカーのみならず、キッチンカーやキャンピングカー、あるいは特殊な給電車両を製造、改造する優れた特装車メーカーや販売店が数多く集積している。このたび愛知県が導入したトイレトレーラーはトヨタ自動車製である。つまり、愛知県には日本で最も災害対応車両が供給できるポテンシャルがあるということである。登録制度という観点では、名古屋市や大阪市では既にEV車等の給電車両の登録制度を独自に進めているが、県全体という面でこのリソースを組織化し、広域災害に備えることもできるのではないだろうか。南海トラフ巨大地震が懸念される中、災害対応車両登録制度が真に有効な仕組みとして機能することは、本県の防災対策にとっても有益なことであると考える。
 そこで、以下の三つの柱を軸とした積極的な関与を私からも提案したい。
 第一に、愛知版災害車両ハブの形成である。
 まず、県には積極的にD-TRACEへの登録を自治体、民間業者に働きかけてほしい。さらに、そうした車両の訓練への参加を促すことにより、県内にそうした実働可能な災害車両を集積していくことができれば、他県等での発災時はもとより、県内での災害においても有効であると考える。
 第二に、避難所における受入れ環境の整備である。トイレトレーラーやキッチンカーが学校などの指定避難所でその機能を十分発揮するためには、避難所が備えるインフラも含めて様々な受入れ環境を整えていく必要がある。そうした意味で、実際の車両の訓練への参加を促していく必要があるのではないだろうか。これは、学校などにどう置けるか、そこに給水、排水などがあるか、このような意味のことである。
 第三に、民間事業者への協力インセンティブの創出である。災害協力車両に対して、企業側に何らかのメリットが必要なのではないだろうか。事業者が災害に協力することが企業の持続可能性、SDGsにもつながる仕組みを県から制度を運用する国に対して要望していくことも一案であると考える。
 そこで、県は、市町村や民間事業者にどのように災害対応車両登録制度を周知し、今後災害対応車両の登録を促していくのか伺う。
【理事者】
 内閣府が昨年6月1日に制度の運用を開始して以降、6月30日には自治体によるD-TRACEの利用が始まり、さらに11月12日には内閣府による自治体向け全国説明会が開催されるなど、制度に関する取組が順次展開されてきた。それに呼応して、これまで県は、その時々の最新の情報を庁内や市町村に対して通知し、周知を図るなど、災害対応車両の登録について積極的に取り組んでいる。
 特に登録が期待できる市町村保有の災害対応車両については、南海トラフ地震等対策事業費補助金により財政支援の対象としてきたところだが、この登録制度が開始されたことを踏まえ、新年度からは市町村がこの補助金を活用し、車両を整備する場合には災害対応車両登録制度の登録要件に合致し、かつ登録の意思があることを確認した上で補助の要件とすることを考えている。
 民間事業者が保有する車両については、県の協定締結事業者連絡会議等で事業者への制度の周知や登録を呼びかけるとともに、市町村に対してそれぞれの協定締結事業者に制度の周知と登録の働きかけを依頼している。
 引き続き、内閣府の動向を注視しながら、様々な機会を捉えて制度を周知し、登録が拡大するよう取り組んでいく。
【委員】
 先ほどもあったように、何かインセンティブというか、入札の際に加点するとか、県や国、いろいろな事業でそのような芽が生まれて、災害対応車両を備えることが災害や様々な面で非常に役に立つ企業へのインセンティブとなり、また、それを持つことで社員のモチベーションにつながると思う。
 今の答弁のように補助の前提条件にするのは大きな一歩だと思うので、進めてもらえればと思う。
 引き続き二問目の質問をする。
 今度は海からの救助の話である。東海北陸旅客船協会との協定締結について伺う。
 令和6年度能登半島地震では、三方を海に囲まれた半島という地理的条件から、被災地への進入経路が限られ、かつ地震による道路の寸断、地盤の隆起や港湾の被災などにより速やかな被災地への進出が困難な状況になった。港湾の隆起により海からの支援が困難ともなった。特に災害が大きかったのが輪島港や飯田港だった。そのような中でも、被災地への進入方策として海からのアプローチが行われた。被災地への海上からのアプローチは、沿岸地域や陸路での進入が限られる半島部、離島では大変有効な進入方策である。この経験は半島地域を抱える全国の自治体にとって極めて重要な教訓であり、我が愛知県においても決して他人事ではない。
 愛知県には知多半島及び渥美半島という二つの大きな半島地域が存在している。これらの地域は観光や漁業、農業など、県内経済において重要な役割を果たす一方で、地理的には災害時に孤立しやすい条件を有している。例えば知多半島では主な南北交通軸は知多半島道路や西知多産業道路など、限られた幹線に依存している。仮に南海トラフ巨大地震などにより橋梁損傷や液状化が発生した場合、半島南部へのアクセスが著しく制限される可能性がある。また、渥美半島についても実質的な幹線道路は国道259号線などに集中しており、土砂災害や道路損壊が発生した場合には半島先端部が孤立する危険性が指摘されている。今回の能登半島地震の教訓は、半島地震や離島を抱える本県においても、南海トラフ地震などの大規模災害の発生時における海上からの進入や輸送体制の構築には大変重要である。
 そこで、県では船舶を利用した物資、資機材、被災者等の輸送に関してどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 災害時における船舶による輸送については、海上保安庁の船舶による輸送を第四管区海上保安本部に要請するとともに、船舶運航事業者等のあっせんを中部運輸局に要請する。このほか、必要な船舶を速やかに確保するため、事業者団体等と協定を締結している。具体的には、必要な生活必需品や資機材を輸送してもらうため、中部沿海海運組合、東海内航海運組合及び全国内航タンカー海運組合東海支部と2003年6月に船舶による輸送等に関する協定書を締結している。
 また、災害時に必要な生活必需品や資機材の輸送に加えて、船舶による被災者の輸送のため、2020年11月に愛知県水難救済会と船舶による災害時の輸送等に関する協定を締結している。
 さらに、今年1月28日には、伊良湖から鳥羽の間や師崎から篠島、日間賀島の間などにおいて旅客船を運航している事業者が会員となっている東海北陸旅客船協会と被災者や物資の輸送のための災害時における旅客船による輸送等に関する協定を新たに締結した。
【委員】
 国への応援要請のほかに、複数の事業者と災害時の船舶による生活必需品や資機材、被災者の輸送のための協定を締結していると理解した。
 次の質問だが、今年新たに旅客船を運航している、先ほどの東海北陸旅客船協会と協定を締結したとのことだが、この協定はどのような特色があり、県はこの協定にどのようなことを期待しているのか。
【理事者】
 本協定は、東海北陸旅客船協会の会員事業者に、旅客船を利用して被災者や災害救助に必要な物資、災害応急対策に必要な要員などの輸送等の業務を行ってもらうほか、旅客船を被災者の一時的な滞在、休憩場所として利用させてもらう内容となっている。これにより、被災者や物資、災害応急対策に必要な要員などの輸送業務をより円滑に進められることに加えて、新たな協力内容である旅客船を被災者の一時滞在、休憩場所として利用することは、半島部や離島での被災者受入れ機能の強化につながるものと期待している。
【委員】
 フェリーのようなものも重要な気がした。被災者の一時避難場所として提供できるということで安心した。その輪を大きく広げていってほしい。
 最後に要望する。
 これは防災安全局だけではなく県全体に関わるインフラの整備にもなるが、日本の漁港の多くは主に漁業活動を目的として整備されてきたので、港湾法に基づく大規模商業港と比べて、海岸の耐震化が十分ではない施設が多いということが指摘されている。具体的には耐震設計が旧基準のままであったり、地震による液状化対策が不十分な岸壁であったり、大型船舶が接岸できる岸壁が少ないという問題が指摘されている。
 能登半島地震では石川県の漁港、港湾で岸壁の損傷や地盤の変形が発生して船舶の接岸が困難になった事例が多数報告された。今後は漁港施設の強靱化対策なども視野に入れ、この協定が実効性のあるものとなるように情報交換などに努めるよう、また、このようなインフラの整備に努めるよう要望して質問を終わる。

Adobe Reader
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)