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あいちの「環境と安全に配慮した農業」
愛知県環境と安全に配慮した農業に関する実施方針
県では、1994(平成6)年に「愛知県環境保全型農業推進基本方針」を策定し、化学肥料・化学合成農薬の使用削減を推進してきました。
2008(平成20)年には「愛知県環境と安全に配慮した農業推進計画」として改定し、環境保全型農業に加え、GAP手法といった食品安全等も併せて推進してきました。
これまでの取組により、環境と安全に配慮した農業は県内にかなり根付いたと考え、2017(平成29)年3月に「愛知県環境と安全に配慮した農業に関する実施方針」として改定しました。
さらに、2023(令和5)年1月に、国の「みどりの食料システム戦略」の策定、「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」の制定等の内容を踏まえるとともに、カーボンニュートラルの取組や国内資源の有効活用といった新たな課題に対応するため一部改正しました。
・愛知県環境と安全に配慮した農業に関する実施方針(令和5年1月一部改正) [PDFファイル/1.16MB]
・愛知県環境と安全に配慮した農業に関する実施方針(概要) [PDFファイル/204KB]
肥料及び石油価格高騰に対応するコスト低減技術
近年、肥料及び石油の価格が高騰しており、農業経営に大きな影響が出ています。それに対応するため、「肥料及び石油価格高騰に対応するコスト低減技術」をまとめたので参考にしてください。
肥料 石油
肥料、有機質資材等の適正な利用
県では、環境負荷の低減に配慮し、作物に利用されない余剰肥料成分を最小限にするため、作物ごとに最も効率の良い施肥量を施肥基準として示しています。
また、堆肥などの有機質資材の施用は土づくりに有効ですが、過剰に施用した場合は土壌中に肥料成分が蓄積する恐れがあります。このため、県では環境に負荷を与えない施用量を、有機質資材施用基準として示しています(有機質資材施用基準については、「農作物の施肥基準」を御覧ください)。
農薬の適正な使用
農薬は、農作物などを病害虫、雑草などから保護し、あるいは作物自体の生育を調節することにより、農業の生産性を高めるために用いる重要な農業資材です。適正に使用すれば問題ありませんが、使用方法を誤ると、自然環境の汚染、人畜・生活環境動植物への危被害や、食品中への農薬残留等の面で重大な問題が生じる恐れがあります。
このため、国では農薬取締法に基づき「農薬を使用する者が遵守すべき基準」を定めるとともに、県においても農薬の適正な使用を指導しています。
・農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令 [PDFファイル/95KB]
・愛知県農薬安全使用指導指針 [PDFファイル/228KB]
・住宅地等における農薬使用について [PDFファイル/681KB]
・住宅地等における農薬使用についての音声コード付き概要版 [Wordファイル/50KB]
・住宅地等における農薬使用について啓発用リーフレット [PDFファイル/420KB]
・令和6年度愛知県農薬危害防止運動実施要領 [PDFファイル/287KB]
農業における農薬の適正な使用
・農薬残留確認調査事業実施要領 [PDFファイル/105KB]
農薬管理指導士
県では、農薬の取扱いや使用に関する安全性の確保を図る観点から、農薬販売者、防除業者、ゴルフ場の農薬使用管理責任者等を対象に、自ら適正な取扱いや使用を行うとともに、指導的な役割を果たす方を「愛知県農薬管理指導士」として認定しています。
ゴルフ場における農薬の適正な使用
県有施設における農薬の適正な使用
愛知県総合防除計画の策定について
植物防疫法(昭和25年法律第151号)第22条の3第1項の規定に基づき、本県において病害虫の総合防除を推進するため、国が定めた「指定有害動植物の総合防除を推進するための基本的な指針」(令和4年11月15日農林水産省告示第1862号)を踏まえ、「愛知県総合防除計画」を策定しました。
総合的害虫・雑草管理(IPM)技術の普及推進
総合的害虫・雑草管理(IPM:Integrated Pest Management)とは、病害虫や雑草の発生しにくい環境づくりに努め、発生状況等の確認により防除の要否やタイミングを判断し、農薬(化学的防除)だけでなく、耕種的・生物的・物理的防除を適切に組み合わせ、経済的な被害が起きない水準に管理する取組のことです。 県では、実践指標を作成して現場での普及推進に努めています。
農業生産工程管理(GAP)
農業生産工程管理(GAP:Good Agricultural Practice)とは、「食品安全」、「環境安全」、「労働安全」等のために、農業生産の各工程を生産者が自らチェックして改善に取り組む手法です。
国は2030年度までにほぼ全ての国内産地が国際水準のGAPに取り組むことを目標としています。県としても農業者がGAPに取り組むことは、農産物の安全性だけでなく、環境負荷の低減、農業経営の改善にもつながることから、すべての農業者がGAPに取り組むよう支援します。
・愛知県GAP認証制度について
※愛知県GAP認証制度は令和3年11月30日をもって終了しました。
有機農業
有機農業とは、「有機農業の推進に関する法律」第2条で、以下のように定義されています。
化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。
県では、有機農業を「環境と安全に配慮した農業」の取組の一つに位置づけ、「愛知県有機農業推進計画」に基づいて推進しています。
農作業安全及び農業機械
農作業安全
農業就業人口が減少する中でも、農作業死亡事故者は全国で年間300人前後で推移している状況です。
県では、国が春と秋に実施する「農作業安全確認運動」に参画するとともに、農作業安全講習会等を開催して、農作業事故の防止、安全な農作業の実施を啓発しています。
2024年農作業安全リーフレット [PDFファイル/644KB]
農業機械
2012年から2016年にかけて、農業機械の盗難が多発しました。現在は沈静化しているものの、被害に遭えば、営農に支障が出るうえ、金銭的にも精神的にもダメージを受けます。被害に遭わないよう、下記資料を参考に対策を講じてください。
・愛知県農業機械盗難防止対策リーフレット [PDFファイル/696KB]
国の規制緩和により、現在は作業機を装着・けん引した状態でトラクターの公道走行が可能です。しかしながら、作業機を装着した状態で全幅が1.7mを超える場合は大型特殊免許(農耕車限定でも可)の取得が必要になります。また、全幅が2.5mを超える場合は道路法に基づく特殊車両通行許可が必要になります。
代かきによる濁水防止対策
移植栽培をする水田において、代かきは田面を均平にするとともに、水田からの漏水を防止するための大事な作業です。農業者の皆さんには、農業由来の環境への負荷を軽減するため、代かきによって生じた濁水が排水路等へ流出することがないよう、代かき時及び代かき後の水田の確認をお願いします。
・代かきによる濁水の河川流出を防止しましょう [PDFファイル/244KB]
油ヶ淵の濁水防止対策
油ヶ淵は県内唯一の天然湖沼ですが、都市化の進行や、油ヶ淵が閉鎖性水域であることから、水質の汚濁が問題となっており、その原因の一つとして、流域水田からの代かき水の流入があげられています。
油ヶ淵のにごり改善対策を進めていくため、2019年4月の油ヶ淵水質浄化促進協議会において、「油ヶ淵の濁水防止対策のための代かき実施時に遵守すべき基準」が承認されました。
流域の農業者の皆さんには、水田から濁水が流出しないようご留意いただいていますが、引き続きご協力をお願いします。
・油ヶ淵の濁水防止対策のための代かき実施時に遵守すべき基準について [PDFファイル/64KB]
また、県では代かきを行わないV溝直播栽培も推進しています。
・V溝直播情報-鎮圧整地方法について
環境負荷低減事業活動実施計画の認定(みどり認定)について
環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律(みどりの食料システム法)の認定制度は、農業者が作成した環境負荷低減事業活動実施計画について、「愛知県環境負荷低減事業活動の促進に関する基本的な計画」に沿ったもの等である場合、知事が認定するものです。
みどりの食料システム法の概要・詳細については、以下の農林水産省のホームページを御確認ください。
エコファーマー(認定申請(更新申請を含む)は、令和4年6月をもって終了しました。)
・市町村別エコファーマー認定状況2022年3月31日時点 [PDFファイル/55KB]
【エコファーマーマークの使用について】
長らく御利用いただいたエコファーマーマークの使用権利(商標権)について、愛知県は2014(平成26)年4月以降、商標権を保有しておりませんので利用はできません。御注意ください。