臨床工学科
概要
通称MEと呼び、現在は臨床工学技士2名で、臨床業務、医療機器管理、医療材料管理、院内教育、安全、設備、在宅医療など、医学と工学の両面から包括的にサポートしています。医工学の発達により臨床工学技士業務は拡大・多様化しており、新たな業務にも積極的に取り組んでいます。
人工呼吸療法
人工呼吸器は、常時50台前後が稼働しています。機器の手配、セッティング、導入、回路やマスクの選定・フィッティング、定期的な回路交換、不具合対応などを行っています。医師・看護師・地域支援課・メーカーなどと横断的に連携します。
機器管理業務
機器購入の予算申請・選定・保守管理・廃棄・更新まで一貫した管理を行い、医療機器の適正使用に努めています。人工呼吸器、生体情報モニタ、麻酔器、除細動器、 保育器、輸液ポンプ・エアマット...などの主要な医療機器700台を管理しています。 また、酸素流量計、体温計、蘇生バッグ...などの小型医療機器(約600点)についてもMEの中央管理とし病棟間の統一や経費削減を図っています。
テスタ
専用テスタは測定が簡易かつスピーディーですが用途が限られてしまい、たくさんの種類が必要になってしまいます。 当院では、なるべく汎用的なテスタを導入し、少ないテスタでさまざまな項目を測定できるように工夫しています。また、主要なテスタではシーケンス制御による作業の効率化を図っています。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
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No | 品名 | メーカー 型式 | 機器 | 項目 |
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① | 模擬波形発生装置+制御用ソフト | FLUKE ProSim 8 | 多項目生体情報モニタ・除細動器 | ECG・不整脈・SpO2・NIBP・IBP・呼吸・体温等、模擬波形出力 |
② | 輸液流量テスタ+制御用ソフト | FLUKE IDA-5(2ch) | 輸液ポンプ・シリンジポンプ・経腸栄養ポンプ・PCAポンプ | 流量・閉塞圧等 |
③ | 電気安全測定装置+制御用ソフト(接触電流用電極) | FLUKE ESA612 | 機器全般 | 各種漏れ電流・接触電流・接地抵抗・絶縁抵抗・電源電圧・消費電流・ECG模擬波形出力等 |
④ | ガス流量テスタ+解析ソフト(点検用酸素減圧弁) | FLUKE VT-mobile | 人工呼吸器・加温加湿器・麻酔器・排痰補助装置・酸素流量計等 | VT・PIP・RR・Ti・Flow,FiO2・湿度等、数値・波形、BTPS等各種補正 |
⑤ | オシロスコープ+解析ソフト(無誘導抵抗・各種プローブ等) | FLUKE 190-204 JPS(200MHz-4ch) | 電気メス・除細動器・AED・機器全般・電源設備・発電機等 | 電圧・電流・周波数・トリガー時間等、波形、FFT、トレンド |
⑥ | パラメータテスタ | FLUKE DPM4-2G | 保育器・吸引機・配管圧・体温計・カフ圧計・環境等 | 高圧・低圧・陰圧・大気圧・温度・気温・湿度 |
⑦ | 絶縁テスタ | エントラルメディカル DIATEGProfessional | 内視鏡鉗子・バイポーラピンセット等 | 被覆損傷による漏電 |
⑧ | 心電図模擬波形発生装置 | FLUKE Dale EHS-12 | 心電図モニタ | ECG 模擬波形 |
⑨ | テスタ―解析用PC | acer TMP259G2M | ① ProSim8 ② IDA-5 ③ESA612 ④ VT-mobile ⑤190-204 等の制御・解析用(在宅人工呼吸器・モニタの患者データ解析用としても使用) | (QRS 波と除細動波形) |
⑩ | 二次救命処置の訓練人形 | 高研セーブマン | AED・除細動器 | オシロスコープと組み合わせてAED 出力測定 |
⑪ | デジタルマルチメータ | Kaise KU-1188 | 機器・設備全般 | 電圧・抵抗・導通・バッテリチェック等 |
医療材料・部品管理業務
医療機器の保守交換部品、医療材料、酸素ボンベなど250種の発注・払い出し・在庫管理を行っています。「リスクの少ない材料の選定」と「適切な在庫管理」を心掛けています。
医療機器管理システム-CEIA
令和元年に「CEIA」を導入し、機器・材料・文書などの管理を一元的に行っています。バーコードによる識別と強力な検索機能で過去の履歴や使用状況などが的確に把握できます。
院内すべての電子カルテ端末から、日常点検の入力、添付文書・在庫状況の参照が行えます。
患者様ごとの機器の使用履歴も残せます。
モニタリングシステム
HCU、外科混合病棟、内科混合病棟の全ベッドには、1台ずつ生体情報モニタが設置されています。壁面に固定されているため場所を取りません。すべてのセントラルモニタとベッドサイドモニタは有線LANでつながり、電磁波障害やモニタ入れ替えに伴うトラブルを回避しました。他病棟の生体情報も参照でき転棟処理も容易です。電子カルテ、ナースコール、バーコード、PHSシステムとも連携し、安全で正確な医療を提供します。